39,980円のノートパソコンにLinuxを入れてみよう
39,980円のノートパソコンにLinuxを入れてみよう
2016-8-1
いつもパソコン工房インターネット通販ショップへご来店いただき、誠にありがとうございます。パソコン実験工房の親方です。
先日、新人の職人7号から、『お手頃価格な15.6型ノートパソコンの性能をチェック!』(/blog/39980note.php)で、Style∞シリーズの39,980円のノートパソコンiiyama STYLE∞ 『Stl-15HP033-C-EES』のご紹介をいたしましたところ、社内のある部署から問合せを受けるようになりました。
ある部署のスタッフ:『これってLinuxは動くんですか?』
Braswellという開発コードネームのCPU、Celeron N3160を搭載したモデルとなりますが、メインストリームのSkylakeマイクロアーキテクチャCPU群とは異なり、モバイル・組込み向け専用に開発されたAirmont(エアーモント)と呼ばれるマイクロアーキテクチャとなっています。
また、Celeron N3160は、2016年の2月にラインナップに追加された比較的新しいCPUで、出回り始めたのも6月頃。前身の Celeron N3150 と比較してバースト時の動作クロックが若干向上したことに加え、内蔵グラフィックの改良など、細かなアップデートが行われています。
果たしてLinuxで動くのか?こればっかりは実際に試さない事には何とも言えません。
親方:「やりましょう。」
それでは、早速実験に入ります。
なお、光学ドライブを内蔵しないタイプのノートパソコンのため、実験ではフリーのツールを用いてブータブルUSBメモリーを作成して各ディストリビューションのインストールを進めました。
『Stl-15HP033-C-EES』の詳細なスペックにつきましては、職人7号の記事をご覧ください。
Ubuntu 16.04
流石に2016年4月リリースの最新版とあって何事もなく、あっさりとインストールが完了しました。
内蔵グラフィックをはじめ、LAN、Wireless Lan、Bluetooth®と各デバイスも正しく認識できていました。
Ubuntu 14.04.4
同じUbuntuでも2014年4月リリース版ベースの 2016年2月のポイントリリース版です。
Windowsで言えば、サービスパック4の適応済みイメージといったところになります。
これも何事もなくインストールが完了しました。内蔵グラフィックを心配していましたがフルHD画質のYouTube動画の再生も全く問題がありませんでした。
CentOS 7.2-1511
2015年11月リリースの最新版ですが、これは挙動がおかしいです。インストーラーを起動させた直後からブラックアウト。GUIに上手く切り替わらずにだんまりを決めこまれてしまいます。インストールイメージの入ったUSBメモリーのアクセスランプは点滅するので、グラフィックドライバーが上手くあたらない印象です。
気を取り直して、今度は trouble shooting → basic video driver からインストールを開始。
ようやく『CentOS 7へようこそ』の画面にたどり着きました。
順調にインストールは進み、再起動してインストール完了と思いきや
GUIのはずのLicense AgreementがCUIで起動、これを抜けるとCentOS版のブルースクリーンに遭遇してしまいました。
その後も色々と試したところ、CUI環境の『最小限のインストール』は可能でした。ネットワークは無線、有線ともに認識していたので、この最小構成に対して GNOME DesktopなどをCUIで後からインストールしましたが、結果はCentOS版のブルースクリーンとの再遭遇でした。
CentOS7.2-1511 をGUIで起動させるためには、課題が残ります。
CentOS 6.8
インストールを進めると、CUIに切り替わるうえに、言語、キーボードレイアウトの設定の順で進むと、インストールイメージを手動で探すためのドライバーの選択を求められます。USBメモリーが認識できなくなったような感じです。
このままこれ以上進めないので、CentOS 6.8は『動かない』と結論づけます。
Fedora 24 (Workstation)
今回の実験では一番新しい2016年6月にリリースされた最新版です。
こちらはあっさりとインストールが完了します
各デバイスとも正常に動作しているようです。 動かした限りでは、特に不具合もありませんでした。
まとめ
以上、5種類のインストール実験を行いました。もう少し詳しい結果をまとめてみましたので、参考にしてください。
チェック項目 |
チェック内容 |
Ubuntu |
CentOS |
Fedora
24 |
16.04 |
14.04.4 |
7.2-1511 |
6.8 |
インストール |
特別な設定無しでインストールが完了する |
○ |
○ |
△ (CUI) |
× |
○ |
作成パーティションの確認 |
partedコマンドで全領域の使用を確認 |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
X Window System の動作 |
マウス/キーボードの機能確認、モニターの解像度確認 |
○ |
○ |
× |
- |
○ |
有線LANポート |
ドライバーのチェック後、1GBのファイル転送を行う |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
無線LAN |
ドライバーのチェック後、1GBのファイル転送を行う |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
ハードドライブ |
ファイルコピーを確認 |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
負荷ランニング |
負荷を掛け、停止/再起動が起こらないこと |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
再起動 |
10回連続で繰り返し確認を行う |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
スリープからの復帰 |
10回連続で繰り返し確認を行う |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
CPUの認識 |
物理構成との一致を確認 |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
メモリーの認識 |
物理構成との一致を確認 |
○ |
○ |
○ |
- |
○ |
VGAの認識 |
物理構成との一致を確認 |
○ |
○ |
- |
- |
○ |
サウンド |
サウンド設定内でテストを実施して問題ないこと |
○ |
○ |
- |
- |
○ |
ファンクションキー |
タッチパッドの停止、音量、画面の明るさ調整 |
○ |
○ |
- |
- |
○ |
そして製品化へ
この実験も終わりかけたころ、職人3号からこんな指摘が、
職人3号:『そういえば、確かOSレスモデルなかったですが…。』
親方:『発売しましょう。』
執筆:パソコン工房実験室 親方
製造小売だから
コスパ提案
24時間365日
電話サポート
信頼・安心
国内生産