Kaby Lake編。 パソコン技術資料室では 第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)を詳しく解説いたします。

技術解説資料最終更新日: 20170106

第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)とは

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Kaby Lake編。 パソコン技術資料室では 第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)を詳しく解説いたします。

Kaby Lakeとは

Kaby Lakeとは、2017年1月に発表された、インテル第7世代 Core iシリーズ プロセッサー ファミリーです。
前世代である第6世代は、Skylakeの名称で知られるCPUであり、Kaby Lakeはこの後継シリーズにあたります。
「第7世代」とあるように、Core iシリーズもこれまでに多くの製品が発売されているため、どの時期の、どのモデルかを分かりやすくする目的でインテルの開発コードネームが通称で使われています。
※Kaby Lake(ケイビーレイク)は、Skylake(スカイレイク)、Broadwell(ブロードウェル)、Haswell(ハズウェル)等と同様、インテルの開発コードネームです。
※ターゲットセグメント別に同じKaby Lakeでも、「Kaby Lake-S」、「Kaby Lake-H」、「Kaby Lake-U」と表記される場合もあります。

Kaby Lakeの主な特徴

CPU

■Kaby Lakeは、Skylakeアーキテクチャをベースに「最適化」が行われたアーキテクチャです。
■Kaby Lakeは、Skylake同様に「14nmプロセス」で製造されています。
■Kaby Lakeは、Skylakeの同グレードCPUに比べ、数百MHz程度クロックアップされ、その分の性能が向上しています。
■メモリコントローラーも改良され、従来のDDR3のサポート(※)に加えて、より高速に動作するDDR4-2133/DDR4-2400メモリに対応(※)しました。
※実際の搭載可能メモリーはマザーボードメーカーの仕様によります。

GPU

■Intel HD Graphicsが改良され、Intel HD Graphics 600シリーズとなります。
■Intel HD Graphics 600シリーズはMFX(Multi Format codeX)、VQE(Video Quality Engine)が改良されており、動画のエンコードやデコード時の機能や性能が向上しています。
■Intel HD Graphics 600シリーズでは、性能の向上だけでなく、最新のDirectX 12やOpenGL 4.4に引き続き対応し、4K動画などで使用されるCodec HEVCやVP9の10bit/HDR出力に対応しました。 また、5,120×2,880@30pの高解像度をサポートするDisplay Portや、HDMI2.0(※)に対応し、4Kの動画編集など最新技術を駆使するクリエイターにとって最適なCPUとなっています。
※実際の搭載ディスプレイ出力端子はマザーボードメーカーの仕様によります。

チップセット・その他

■LGA1151を引き続き使用し、SkylakeとKaby Lake間にピン互換性があります。
■Kaby Lakeに対応したチップセットとして、「インテル200シリーズチップセット」 – 「Z270」、「H270」、「B250」、「Q270」がリリースされます。また従来より引き続き「H110」が最下位のグレードにおいて継続されKaby Lakeに対応いたします。
■「インテル200シリーズチップセット」においても、Skylakeを使用することができます。また、同様に「インテル100シリーズチップセット」においてもKaby Lakeを使用することができます。
※実際の対応状況はマザーボードメーカーの仕様によります。
■「インテル200シリーズチップセット」では、インテルOptaneテクノロジに対応しM.2 SSDをキャッシュとして利用できるほか、PCI-Expressレーンの数が増設されより容易にM.2ポートを活用することができるようになりました。

Kaby Lake Skylake
対応チップセット インテル200シリーズ
インテル100シリーズ
インテル200シリーズ
インテル100シリーズ
対応ソケット LGA1151 LGA1151
製造プロセス 14nm 14nm
最大動作クロック 4.5GHz 4.2GHz
DDR4メモリ 2400 2133
インテルOptaneテクノロジー ×
インテルHDグラフィック 600シリーズ 500シリーズ
HDR対応 ×

Kaby LakeとSkylakeの対応チップセット比較表

モデルナンバーについて

Kaby Lakeの製品型番(モデルナンバー)は次のようなルールで命名されています。

Kaby LakeのモデルナンバーについてKaby Lakeのモデルナンバーについて

Kaby Lakeのラインナップ

オーバークロック向け「Unlocked」シリーズについて

モデルナンバー末尾に「K」がつくモデルナンバーは、特にオーバークロックに向けた機能、CPUの動作倍率や電圧、メモリ動作倍率を自由に変更することができるシリーズです。
Kaby Lakeより初めてCore i3が「K」シリーズが追加され、標準動作クロックはCore i7と並び、CPUの動作クロックを特に重視するアプリケーションではコストを最大限に押さえつつ、高いシングルコアパフォーマンスを得られるようになります。

  Core i7-7700K Core i5-7600K Core i3-7350K
コードネーム Kaby Lake-S
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 4/8 4/4 2/4
動作クロック 4.2GHz 3.8GHz 4.2GHz
TurboBoost 4.5GHz 4.2GHz
キャッシュ 8MB 6MB 4MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 / DDR3L-1600
最大容量 64GB / 32GB
TDP 91W
GPU Intel HD Graphics 630
64bitコード Intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1151
対応チップセット Intel 200/100 Series

Kaby Lakeのオーバークロック向け「Unlocked」シリーズスペック比較

スタンダードシリーズについて

ワットパフォーマンスに優れるスタンダードシリーズです。
Kaby Lakeより、Pentiumシリーズにおいてハイパースレッディングに対応し、Core i3との差が縮まりコストパフォーマンスに非常に優れるシリーズとなりました。

  Core i7-
7700
Core i5-
7600
Core i5-
7500
Core i5-
7400
Core i3-
7320
Core i3-
7300
Core i3-
7100
コードネーム Kaby Lake-S
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 4/8 4/4 4/4 4/4 2/4 2/4 2/4
動作クロック 3.6GHz 3.5GHz 3.4GHz 3.0GHz 4.1GHz 4.0GHz 3.9GHz
TurboBoost 4.2GHz 4.1GHz 3.8GHz 3.5GHz
キャッシュ 8MB 6MB 4MB 3MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 / DDR3L-1600
最大容量 64GB / 32GB
TDP 65W 51W
GPU Intel HD Graphics 630
64bitコード Intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1151
対応チップセット Intel 200/100 Series

Kaby Lake のスタンダードシリーズ(Core i7 / Core i5 / Core i3)スペック比較

  Pentium G4620 Pentium G4600 Pentium G4560 Celeron G3950 Celeron G3930
コードネーム Kaby Lake-S
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 2/4 2/4 2/4 2/2 2/2
動作クロック 3.7GHz 3.6GHz 3.5GHz 3.0GHz 2.9GHz
TurboBoost
キャッシュ 3MB 2MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 / DDR3L-1600 DDR4-2133 / DDR3L-1600
最大容量 64GB / 32GB
TDP 51W 54W 51W
GPU Intel HD Graphics630 Intel HD Graphics610
64bitコード Intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1151
対応チップセット Intel 200/100 Series

Kaby Lake のスタンダードシリーズ(Pentium G / Celeron G)スペック比較

省電力シリーズについて

末尾に「T」がつくモデルナンバーは、動作クロックを低めに設定することでTDPを35Wに抑えた省電力シリーズです。
Skylakeからの動作クロック向上はスタンダードシリーズに比べ少ないとはいえ、TDPは据え置きとなりワットパフォーマンスが向上しています。

  Core i7-
7700T
Core i5-
7600T
Core i5-
7500T
Core i5-
7400T
Core i3-
7300T
Core i3-
7100T
Pentium
G4600T
Pentium
G4560T
Celeron
G3930T
コードネーム Kaby Lake-S
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 4/8 4/4 4/4 4/4 2/4 2/4 2/4 2/4 2/2
動作クロック 2.9GHz 2.8GHz 2.7GHz 2.4GHz 3.5GHz 3.4GHz 3.0GHz 2.9GHz 2.7GHz
TurboBoost 3.8GHz 3.7GHz 3.3GHz 3.0GHz
キャッシュ 8MB 6MB 4M 3MB 2M
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 / DDR3L-1600 DDR4-2133 / DDR3L-1600
最大容量 64GB / 32GB
TDP 35W
GPU Intel HD Graphics 630 Intel HD Graphics610
64bitコード Intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1151
対応チップセット Intel 200/100 Series

Kaby Lake の省電力シリーズスペック比較

インテル 200 シリーズ チップセットについて

Kaby Lake対応のチップセットとして、インテル200シリーズチップセットが同時にリリースされました。LGA1151ソケットに対応し、Kaby LakeだけでなくSkylakeもサポートします。
Kaby Lakeは、インテル100シリーズチップセットにも対応するので、コストパフォーマンスゾーン向けに「H110チップセット」が引き続き採用されます。

チップセットシリーズ インテル 200 シリーズ チップセット
チップセット Z270 H270 B250 Q270 Q250
対応CPU Kaby Lake-S / Skylake-S
PCI Express レーンの最大数 24 20 12 24 14
USB3.0ポートの最大数 10 8 6 10 8
USB2.0の最大数 14 14 12 14 14
SATA 6.0 Gb/s ポートの最大数 6
RAID構成 0/1/5/10 0/1/5/10
PCI-Express 3.0
サポートされるプロセッサー PCI Express ポートの構成 1×16, 2×8, 1×8+2×4 1×16 1×16 1×16, 2×8, 1×8+2×4 1×16
オーバークロック対応 ×
インテル® スマート・レスポンス・テクノロジー × ×
インテル®Optane™テクノロジー

インテル 200 シリーズ チップセット比較表

Kaby Lakeの特徴:CPU

第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)”CPU”の主な特徴

■Kaby Lakeは、Skylakeアーキテクチャをベースに「最適化」が行われたアーキテクチャです。
■Kaby Lakeは、Skylake同様に「14nmプロセス」で製造されています。
■Kaby Lakeは、Skylakeの同グレードCPUに比べ、数百MHz程度クロックアップされ、その分の性能が向上しています。
■メモリコントローラーも改良され、従来のDDR3のサポート(※)に加えて、より高速に動作するDDR4-2133/DDR4-2400メモリに対応(※)しました。
※実際の搭載可能メモリーはマザーボードメーカーの仕様によります。

Kaby LakeとSkylakeの比較

Kaby LakeはLGA1151対応のCPUとなり、従来のSkylakeとピン互換性があります。
ヒートスプレッダの形状が異なる以外、外観はKaby LakeとSkylakeの間には大きな差はありません。

左がKaby Lake「Core i3-7100」、右がSkylake「Core i3-6100」です。赤丸で示す通り、ヒートスプレッダの形状が異なります。

Kaby LakeとSkylakeのヒートスプレッダー側Kaby LakeとSkylakeのヒートスプレッダー側

ピン側です。特に差異はありません。Kaby LakeとSkylakeにはピンの互換性があります。ソケット形状は同じLGA1151です。対応するチップセットはどちらも、インテル200シリーズおよびインテル100シリーズチップセットです。

Kaby LakeとSkylakeのピン側Kaby LakeとSkylakeのピン側

厚みにも差異はありません。

Kaby LakeとSkylakeの側面Kaby LakeとSkylakeの側面

歴代CPUスペック比較

歴代CPUの代表として上位シリーズのCore i7 Kシリーズを比較したものです。Skylakeの仕様を踏襲しつつ、動作クロックの向上、メモリ速度向上、GPU向上、新チップセット対応が主な差です。

モデルナンバー Core i7-
7700K
Core i7-
6700K
Core i7-
5775C
Core i7-
4790K
Core i7-
4770K
Core i7-
3770K
Core i7-
2700K
コードネーム Kaby Lake Skylake Broadwell DevilsCanyon
(Haswell-Refresh)
Haswell Ivy Bridge Sandy Bridge
製造プロセス 14nm 22nm 32nm
コア/スレッド 4コア/8スレッド
動作クロック 4.2GHz 4.0GHz 3.3GHz 4.0GHz 3.5GHz 3.5GHz 3.5GHz
TurboBoost 4.5GHz 4.2GHz 3.7GHz 4.4GHz 3.9GHz 3.9GHz 3.9GHz
キャッシュ 8MB 6MB 8MB
PCI-Express Gen 3 2
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 DDR4-2133 DDR3L-1600 DDR3-1600 DDR3-1333
DDR3L-1600 DDR3L-1600
最大容量 64GB 64GB 32GB
32GB 32GB
GPU Intel HD Graphics630 Intel HD Graphics530 Intel Iris Pro Graphics6200 Intel HD Graphics4600 Intel HD Graphics4600 Intel HD Graphics4000 Intel HD Graphics3000
TDP 91W 65W 88W 84W 77W 95W
64bitコード intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0 AVX
仮想化 VT-x
VT-d ×
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1151 LGA1150 LGA1155
対応チップセット Intel 200 Series
Intel 100 Series
Intel 9 Series Intel 9 Series
Intel 8 Series
Intel 7 Series
Intel 6 Series

Kaby Lake と歴代CPUのスペック比較表

メモリ対応表

Skylakeに引き続き、DDR4とDDR3Lに対応します。

  DDR3L(低電圧版) DDR4
コネクタ UDIMM, SODIMM UDIMM, SODIMM
電圧 1.35V (※1.5V非対応) 1.2V
速度 1600 2133/2400
最大容量 32GB 64GB
最大帯域 25GB/s 33GB/s

Kaby Lake 対応メモリー比較表

Kaby Lakeの特徴:GPU

第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)”GPU”の主な特徴

■Intel HD Graphicsが改良され、Intel HD Graphics 600シリーズとなります。
■Intel HD Graphics 600シリーズはMFX(Multi Format codeX)、VQE(Video Quality Engine)が改良されており、動画のエンコードやデコード時の機能や性能が向上しています。
■Intel HD Graphics 600シリーズでは、性能の向上だけでなく、最新のDirectX 12やOpenGL 4.4に引き続き対応し、4K動画などで使用されるCodec HEVCやVP9の10bit/HDR出力に対応しました。 また、5,120×2,880@30pの高解像度をサポートするDisplay Portや、HDMI2.0(※)に対応し、4Kの動画編集など最新技術を駆使するクリエイターにとって最適なCPUとなっています。
※実際の搭載ディスプレイ出力端子はマザーボードメーカーの仕様によります。

Display Port 4K 60p出力確認一覧

Display Portを搭載するマザーボードでの検証の結果です。 ASUS PB287Qにて、Display Port 1.2接続、4K(3840×2160) 60p(リフレッシュレート60Hz)の出力を確認いたしました。

  Z270チップセット H110チップセット
Intel HD Graphics 630 (Core i7, i5, i3)
Intel HD Graphics 610 (Pentium, Celeron)

Display Port 4K 60p出力確認一覧

Kaby Lakeグラフィック機能比較

  Kaby Lake Skylake Haswell
CPU内蔵グラフィック世代 Gen9 Gen9 Gen7.5
3Dグラフィック機能 Intel HD Graphics
3D Architecture Improvements ×
DirectX 12 ×
OpenCL 2.1, OpenGL 5.0 × ×
OpenCL 2.0, OpenGL 4.3/4.4
各種ハードウェアコーデック ACV, MJPEG, MPEG-2, MVC(Long, GUID), VC-1
High Dynamic Range (Rec.2020) × ×
JPEG Decode, JPEG Encode △(Decodeのみ対応)
HEVC Decode, HEVC Encode ○(10bit) ○(8bit) ×
VP8 Decode, VP8 Encode (GPU) ×
VP9 Decode, VP9 Encode (GPU) ○(10bit) ○(8bit) ×
メディア対応 Intel Quick Sync Video
Intel Built-In Visuals
Scalar & Format Conversion (SFC) Pipeline
著作権保護機能 HDCP 1.4
PAVP
GPGPU Shared Cirtual Memory ×
OpenCL 2.0 ×
外部接続 16 PCIe 3.0 Graphics Lanes
Switchable Graphics

Kaby Lake ・ Skylakeのグラフィック機能比較

マルチディスプレイ時の解像度別必要メモリ速度

  画面1 画面2 画面3
DDRメモリ下限速度 [MT/s] eDP @60Hz DP @60Hz/HDMI @30Hz DP @60Hz/HDMI @30Hz
1333 4096×2304 N/A N/A
1333 2560×1440 4096×2304 N/A
1600 3840×2160 4096×2304 N/A
1866 2560×144 4096×2304 4096×2304
2133 3840×2160 4096×2304 4096×2304

表・マルチディスプレイ時の解像度別必要メモリ速度

マルチディスプレイ対応表

最大3画面まで出力することが可能です。

Kaby Lakeのマルチディスプレイ対応表Kaby Lakeのマルチディスプレイ対応表

Kaby Lakeの特徴:チップセット

第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)対応チップセットの主な特徴

■Kaby Lake対応チップセットとして「インテル100シリーズチップセット」に加えて新たに、「インテル200シリーズチップセット」が加わりました。
■Kaby Lakeに対応したチップセットとして、「インテル200シリーズチップセット」 – 「Z270」、「H270」、「B250」、「Q270」がリリースされます。また従来より引き続き「H110」が最下位のグレードにおいて継続されKaby Lakeに対応いたします。
■「インテル200シリーズチップセット」はLGA1151を引き続き採用し、SkylakeとKaby Lake間にピン互換性があります。
■「インテル200シリーズチップセット」においても、Skylakeを使用することができます。また、同様に「インテル100シリーズチップセット」においてもKaby Lakeを使用することができます。※実際の対応状況はマザーボードメーカーの仕様によります。
■「インテル200シリーズチップセット」では、インテルOptaneテクノロジに対応しM.2 SSDをキャッシュとして利用できるほか、PCI-Expressレーンの数が増設されより容易にM.2ポートを活用することができるようになりました。

インテル200シリーズチップセットと旧世代の比較

インテル200シリーズチップセットは、Kaby LakeとSkylakeの両方をサポートするのが特徴です。
また、PCI-Expressレーン数の増加により、M.2 SSDとすべてのSATAポートを使用できるようになり、より柔軟なストレージ構成を構築することができます。

  インテル200シリーズ
チップセット
インテル 100シリーズ
チップセット
インテル 8/9シリーズ
チップセット
対応CPUソケット LGA1151 LGA1150
PCI-Expressレーン PCIe 3.0 × 最大24レーン PCIe 3.0 × 最大20レーン PCIe 2.0 × 最大8レーン
SATAポート SATA 3.0 × 最大6ポート SATA 3.0 × 最大6ポート SATA 3.0&2.0 × 最大6ポート
USB3.0ポート 最大10ポート 最大10ポート 最大6ポート
DMI DMI 3.0 DMI 3.0 DMI 2.0
M.2/SATA Express対応 M.2 x4(PCIe3.0) × 最大3ポート M.2 x4(PCIe3.0) × 最大3ポート M.2 x2(PCIe2.0) × 最大1ポート(Intel 9シリーズのみ)
インテルOptaneテクノロジー × ×

表・インテル200シリーズチップセットと旧世代の比較

インテル200シリーズチップセット ブロック図

インテル200シリーズチップセットは、インテル100シリーズチップセットとの差はほぼありません。

インテル200シリーズチップセット ブロック図インテル200シリーズチップセット ブロック図

インテルZシリーズチップセット 比較

「インテル200シリーズチップセット」では、主にPCI-Expressレーン数の増加と、インテルOptaneテクノロジーへの対応が主な変更点となります。

  Z270 Z170
対応ソケット LGA 1151 LGA 1151
オーバークロック
ディスプレイ(デジタルポート/パイプ) 3/3 3/3
Intel Rapid Storage Technology
SATA RAID 0/1/5/10対応
IRST PCIeストレージドライバ
Intel Smart Sound Technology
Intel Optane Technology
Intel Smart Response Technology
Intel Smart Connect Technology
Intel Rapid Start Technology
Intel Wireless Display
Intel Platform Trust Technology
Intel Device Protection Technology with Boot Guard
PCI Express 3.0 1×16 1×16
全体USB ポート数 (USB 3.0最大数) 14 (10) 14 (10)
全体SATA ポート数 (6Gb/sポート最大数) 6 (6) 6 (6)
最大PCI Express レーン数 (Gen) 24 (3.0) 20 (3.0)
Max Intel RST for PCI Storage (x4 M.2 or x2 SATA Express) 3 3

インテルZシリーズチップセット 比較表

ここが知りたい!第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)の疑問を解決!

Q1. Kaby LakeのOS対応状況について教えて!

A1. Kaby Lakeでは、対応OSがWindows 10と、Linuxのみとなります。
Windows 7、Windows 8.1、Windows 8には対応いたしませんのでご注意ください。
※マザーボードに対応の記載がある場合でも、実際の対応OSはCPUに依存いたしますので、ご注意ください。
詳細は下記表を参照してください。

対応OS Kaby Lake-S Skylake-S
チップセット インテル200シリーズチップセット インテル100シリーズチップセット インテル200シリーズチップセット インテル100シリーズチップセット
Windows 10 ○(64bitのみ) ○(64bitのみ) ○(64bitのみ) ○(64bitのみ)
Windows 8.1 × × ○(64bitのみ) ○(64bitのみ)
Windows 8.0 × × × ×
Windows 7 64bit × ×
Windows 7 32bit × ×
Android × × × ×
Chrome × × × ×
Linux

表・Kaby LakeのOS対応状況

Q2. 「インテル100シリーズチップセット」を搭載するマザーボードでKaby Lakeを使いたい!

A2. BIOSのアップデートが必要になります。アップデートのためには、SkylakeのCPUが必要になりますので、あらかじめアップデート済のものかどうかご確認ください。
CPUをSkylakeからKaby Lakeに乗り換える場合は、あらかじめ最新のBIOSにアップデートを行ってください。
最新のBIOS情報につきましては、各メーカーのBIOSアップデート情報をご確認ください。

Q3. 今までのメモリは使えるの?

A3. Skylakeからは、DDR4に対応しました。従来のDDR3とは異なり、1.2Vという低電圧で、DDR3より高速に動作するメモリとなります。
また、DDR3にも対応していますが、DDR3Lという低電圧駆動のものに限られます。DDR3Lは1.35Vとなり、1.5Vのものは動作しませんので、お手持ちのメモリが使用できるかどうかをよくご確認の上、使用してください。
DDR4や、DDR3Lのいずれかを使用できるかは、マザーボードの仕様にもよりますのでご注意ください。ソケット形状が異なるため、取り付けの際に判別することができます。

Q4. 今までのCPUクーラーは使えるの?

A4. 使用することが可能です。LGA1151,LGA1150,LGA1155,LGA1156に対応するCPUクーラーをご使用ください。

Q5.CPUクーラーがついていないんだけど?

A5. Core i7-7700K、Core i5-7600K、Core i3-7350Kは標準でクーラーが添付されておりません。
TDP130W以上に対応するクーラーが推奨されています。

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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