実験工房資料室 AMD Ryzen™編。 これまでのAMDアーキテクチャから更に進化した「ZEN」アーキテクチャを詳しく解説。

技術解説資料最終更新日: 20180419

AMD Ryzen™ プロセッサーとは

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実験工房資料室 AMD Ryzen™編。 これまでのAMDアーキテクチャから更に進化した「ZEN」アーキテクチャを詳しく解説。

Ryzen とは

「Ryzen」とは、AMDより2017年3月に発売された、第1世代「Zen」マイクロアーキテクチャをはじめて採用するAMDの新たなCPUシリーズ「AMD Ryzenプロセッサー」です。
前世代である「Excavator」マイクロアーキテクチャに比べ、「Zen」マイクロアーキテクチャでは、CPUの動作クロックあたりの処理能力(IPC)が最大52%もの向上を果たしインテルCore iシリーズに匹敵する程の強力な処理能力を持ちます。
「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」がそれぞれ「Core i7」「Core i5」「Core i3」の対抗製品としてリリースされました。
また、HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けとして「Ryzen Threadripper」がリリースされ、「Core X(Core i9)」シリーズの対抗製品となり、上位グレードから下位グレードまで揃う形となりました。

Ryzen の読み方

「ライゼン」と読みます。CPUのシリーズ名として「Ryzen Threadripper」は「ライゼン スレッドリッパー」、「Ryzen 7」は「ライゼン セブン」と一般的には読まれています。また、関連するワードとしてマイクロアーキテクチャ名である「Zen」は「ゼン」、「Excavator」は「エクスカベイター」と読みます。
メーカー名である「AMD」はそのまま「エーエムディー」と読まれています。

Ryzen の主な特徴

CPU

■「Ryzen」に採用される「Zen」マイクロアーキテクチャは、以前の「Excavator」マイクロアーキテクチャに比べ、クロックあたりの処理性能(IPC)が52%向上しました。
■「Ryzen Threadripper」は最大16コア32スレッド、「Ryzen 7」は8コア16スレッド、「Ryzen 5」は最大6コア12スレッド、「Ryzen 3」は4コア4スレッドとなりました。
■「Ryzen Threadripper」「Ryzen 7」「Ryzen 5」において「Simultaneous Multi Threading」(SMT)技術をサポートし理論スレッド処理が可能になりました。これはインテルでいうインテル ハイパースレッディング テクノロジーと同様の技術となります。
■すべてのモデルで倍率ロックフリーとなり、X399、X370、B350のマザーボードと組み合わせることでオーバークロックに対応します。
■「Zen」マイクロアーキテクチャではAMD SenseMI(センスエムアイ)テクノロジーを採用し、5つの代表的な機能「Pure Power」「Precision Boost」「Extended Frequency Range」「Neural Net Prediction」「Smart Prefetch」をもちます。
■「Pure Power」や「Precision Boost」により25MHz単位で細かく動作クロックを制御し、処理効率と電力効率のバランスをとります。
■「Extended Frequency Range(XFR)」により自動的に冷却状態(空冷、液冷、極冷)を感知し動的に電圧やクロックを変化させます。余裕がある場合通常よりも動作クロックを伸ばします。
■「Neural Net Prediction」や「Smart Prefetch」により予測精度を向上させ、先読込機能を強化しました。学習機能も向上し、キャッシュのヒット率を向上させました。
■AMD Ryzen Master Utilityをサポートし、オーバークロックや電圧などの制御がOS上から可能です。
■DDR4メモリを標準でサポートし、「Ryzen Threadripper」では最大8本/128GBまで、「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」では最大4本/64GBまで搭載することができます。
■CPU側に内蔵するPCI-Express Gen3は、「Ryzen Threadripper」では64レーン、「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」では24レーンとなりました。(チップセットおよびM.2との接続分を含む)

GPU

■Ryzenはグラフィック機能は内蔵しないCPUとなり、別途、グラフィックカードが必要になります。
■GeForce GTXやRadeonのグラフィックカードをサポート、SLIやCrossFireXを組むこともできます。
※GPUを統合する第7世代APU Aシリーズ 「Bristol Ridge」と共通のSocket AM4採用マザーボードとなるため、グラフィック出力端子が付くマザーボードもありますが、「Ryzen」搭載時は映像出力はされませんのでご注意ください。

チップセット・その他

■「Ryzen Threadripper」ではSocket TR4を新たに採用し、X399チップセットが対応しています。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」ではSocket AM4を新たに採用し、すでに発売されている第7世代APU Aシリーズと共通のソケットとなります。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」に対応したチップセットとして、AMD X370、B350、A320チップセットがあります。この他、ITX向け専用チップセットがあります。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」および「第7世代APU Aシリーズ」は共通のチップセット、マザーボードを使用することができます。※マザーボードの仕様によります。

AMD Ryzenのセグメント

AMD Ryzenプロセッサーは、第7世代APU Aシリーズに対しハイエンド~メインストリーム向けのセグメントとなり、強力なCPU処理を必要とするクリエイターやゲーム向けのCPUとなります。

セグメント プロセッサ コア/スレッド キャッシュ PCIe NVMe DDR4 USB Socket
ハイエンド Ryzen
Threadripper
最大16コア
32スレッド
最大40MB x64 Gen3 x4 NVMe 4ch
最大2667
USB3.1
Gen1 x8
TR4
ハイエンド
メインストリーム
Ryzen 7,5,3 最大8コア
16スレッド
最大4+16MB x24 Gen3 x4 NVMe 2ch
最大2667
USB3.1
Gen1 x4
AM4
メインストリーム 第7世代APU
Bristol Ridge
4コア APU 2MB x12 Gen3 x2 NVMe
4コア CPU 2MB
エントリー
2コア APU 1MB

表・AMD Ryzenのセグメント

Ryzenのモデルナンバーについて

Ryzenの製品型番(モデルナンバー)は次のようなルールで命名されています。

RyzenのモデルナンバーについてRyzenのモデルナンバーについて

Ryzenについて

Ryzen Threadripperについて

「Ryzen Threadripper」はインテル「Core X(Core i9)」と同等の位置づけとなる、HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けのシリーズです。高いマルチコアパフォーマンスを必要とする各種デジタルコンテンツクリエイションに最適なシリーズです。

  Ryzen Threadripper 1950X Ryzen Threadripper 1920X
コードネーム Summit Ridge
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 16/32 12/24
動作クロック 3.4GHz 3.5GHz
Precision Boost 4.0GHz 4.0GHz
XFR
キャッシュ(L3) 40MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 64
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 / 2400 / 2133
チャンネル数 4ch
最大容量 128GB
TDP 180W
GPU 搭載なし
64bitコード AMD 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX
仮想化 AMD-V
セキュリティ機能 NX ビット
AES
対応ソケット TR4
対応チップセット AMD X399

Ryzen Threadripperのスペック比較表

Ryzen 7について

「Ryzen 7」はインテル「Core i7」と同等の位置づけとなり、高いパフォーマンスをもちます。すべてのCPUでオーバークロックに対応し、CPUの動作クロックや電圧、メモリ動作クロックを自由に変更することができます。

  Ryzen 7 1800X Ryzen 7 1700X Ryzen 7 1700
コードネーム Summit Ridge
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 8/16 8/16 8/16
動作クロック 3.8GHz 3.4GHz 3.0GHz
Precision Boost 4.0GHz 3.8GHz 3.7GHz
XFR
(XFR幅2倍)
キャッシュ(L3) 16MB 16MB 16MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 24
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 / 2400 / 2133
チャンネル数 2ch
最大容量 64GB
TDP 95W 65W
GPU 搭載なし
64bitコード AMD 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX
仮想化 AMD-V
セキュリティ機能 NX ビット
AES
対応ソケット AM4
対応チップセット AMD X370/B350/B320

Ryzen 7のスペック比較表

Ryzen 5について

「Ryzen 5」はインテル「Core i5」と同等の位置づけとなり、最も高いコストパフォーマンスを発揮します。すべてのCPUでオーバークロックに対応し、CPUの動作クロックや電圧、メモリ動作クロックを自由に変更することができます。

  Ryzen 5 1600X Ryzen 5 1600 Ryzen 5 1500X Ryzen 5 1400
コードネーム Summit Ridge
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 6/12 6/12 4/8 4/8
動作クロック 3.6GHz 3.2GHz 3.5GHz 3.2GHz
Precision Boost 4.0GHz 3.6GHz 3.7GHz 3.4GHz
XFR
キャッシュ(L3) 16MB 8MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 24
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 / 2400 / 2133
チャンネル数 2ch
最大容量 64GB
TDP 95W 65W
GPU 搭載なし
64bitコード AMD 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX
仮想化 AMD-V
セキュリティ機能 NXビット
AES
対応ソケット AM4
対応チップセット AMD X370/B350/B320

Ryzen 5のスペック比較表

Ryzen 3について

「Ryzen 3」はインテル「Core i3」と同等の位置づけとなり、エントリー向けグレードとしても高いパフォーマンスを発揮します。他のグレードと比べSMTが無くなりますが、物理4コアによる処理性能の高さはそのままに、すべてのCPUでオーバークロックに対応し、CPUの動作クロックや電圧、メモリ動作クロックを自由に変更することができます。

  Ryzen 3 1300X Ryzen 3 1200
コードネーム Summit Ridge
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 4/4 4/4
動作クロック 3.5GHz 3.1GHz
Precision Boost 3.7GHz 3.4GHz
XFR
キャッシュ(L3) 8MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 24
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 / 2400 / 2133
チャンネル数 2ch
最大容量 64GB
TDP 65W
GPU 搭載なし
64bitコード AMD 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX
仮想化 AMD-V
セキュリティ機能 NX ビット
AES
対応ソケット AM4
対応チップセット AMD X370/B350/B320

Ryzen 3のスペック比較表

Ryzen対応チップセットについて

「Socket TR4」対応チップセットは「Ryzen Threadripper」専用のソケットおよびチップセットとなります。
「Socket AM4」対応チップセットでは「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」だけでなく第7世代APU「Bristol Ridge」A-9000シリーズもサポートする共通のチップセットとなります。

※対応するCPU/APUはマザーボードの仕様によります。

チップセット AMD 300 シリーズ チップセット
X399 X370 B350 A320
ソケット TR4 AM4
対応CPU Ryzen Threadripper AMD Ryzen7,5,3 / 第7世代APU Aシリーズ
PCI Express
レーンの最大数
8 6 4
PCI-Express 2.0
USB3.1ポートの最大数 2 2 2 1
USB3.0ポートの最大数 5 6 2 2
USB2.0の最大数 6 6 6 6
SATA Express
ポートの最大数
2 2 2
SATA 6.0 Gb/s
ポートの最大数
8 4 2 2
RAID構成 0/1/10
CFX/SLI対応 ×
オーバークロック対応 ×

Ryzen対応チップセット比較表

Ryzenの特徴:CPU

AMD Ryzenプロセッサーの”CPU”の主な特徴

■「Ryzen」に採用される「Zen」マイクロアーキテクチャは、以前の「Excavator」マイクロアーキテクチャに比べ、クロックあたりの処理性能(IPC)が52%向上しました。
■「Ryzen Threadripper」は最大16コア32スレッド、「Ryzen 7」は8コア16スレッド、「Ryzen 5」は最大6コア12スレッド、「Ryzen 3」は4コア4スレッドとなりました。
■「Ryzen Threadripper」「Ryzen 7」「Ryzen 5」において「Simultaneous Multi Threading」(SMT)技術をサポートし理論スレッド処理が可能になりました。これはインテルでいうインテル ハイパースレッディング テクノロジーと同様の技術となります。
■すべてのモデルで倍率ロックフリーとなり、X399、X370、B350のマザーボードと組み合わせることでオーバークロックに対応します。
■「Zen」マイクロアーキテクチャではAMD SenseMI(センスエムアイ)テクノロジーを採用し、5つの代表的な機能「Pure Power」「Precision Boost」「Extended Frequency Range」「Neural Net Prediction」「Smart Prefetch」をもちます。
■「Pure Power」や「Precision Boost」により25MHz単位で細かく動作クロックを制御し、処理効率と電力効率のバランスをとります。
■「Extended Frequency Range(XFR)」により自動的に冷却状態(空冷、液冷、極冷)を感知し動的に電圧やクロックを変化させます。余裕がある場合通常よりも動作クロックを伸ばします。
■「Neural Net Prediction」や「Smart Prefetch」により予測精度を向上させ、先読込機能を強化しました。学習機能も向上し、キャッシュのヒット率を向上させました。
■AMD Ryzen Master Utilityをサポートし、オーバークロックや電圧などの制御がOS上から可能です。
■DDR4メモリを標準でサポートし、「Ryzen Threadripper」では最大8本/128GBまで、「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」では最大4本/64GBまで搭載することができます。
■CPU側に内蔵するPCI-Express Gen3は、「Ryzen Threadripper」では64レーン、「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」では24レーンとなりました。(チップセットおよびM.2との接続分を含む)

「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」の比較

「Ryzen Threadripper」は、Socket TR4対応のCPUとなり、他の「Ryzen」とは異なるソケットです。非常に大きなCPUとなり、インテルの「Core X」シリーズも小さく見えるほどです。

ヒートスプレッダー側から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」ヒートスプレッダー側から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」

左から「Ryzen 7 1800X」、「Ryzen Threadripper 1950X」、「Core i7-7740X」、「Core i5-7600K」です。
「Ryzen Threadripper」は「Ryzen 7」の倍以上の大きさがあります。

ピン側から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」ピン側から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」

左から「Ryzen 7 1800X」、「Ryzen Threadripper 1950X」、「Core i7-7740X」、「Core i5-7600K」です。
裏面を見ると、「Ryzen Threadripper」はインテルCPUと同じくLGAパッケージとなりCPU側にはピンの代わりに接点が配置されています。

横から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」横から見た「Ryzen Threadripper」と「Ryzen 7」、「Core X(LGA2011)」「Core i5(LGA1151)」

左から「Ryzen 7 1800X」、「Ryzen Threadripper 1950X」、「Core i7-7740X」、「Core i5-7600K」です。
「Ryzen Threadripper」は基板も他と比べると2倍ほどの厚みがあります。

「Ryzen 7 1800X」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」の比較

「Ryzen」はSocket AM4対応のCPUとなり、従来のAM3+やFM2+ソケットとのピン互換性はありません。ピン数が1331ピンへと増加していますが、基板サイズ、基板の厚み、ヒートスプレッダの形状などに変更はありません。
左から「Ryzen 7 1800X」、「AMD A12-9800」、「AMD A10-7890K」、「AMD FX-8150」です。刻印以外目立った違いはありません。

ヒートスプレッダー側から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」ヒートスプレッダー側から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」

「Ryzen 7 1800X」と「AMD A12-9800」はSocket AM4、「AMD A10-7890K」はSocket FM2+、「AMD FX-8150」はSocket AM3+となります。
ピン数は、Socket AM4で1331pin、Socket FM2+で906pin、Socket AM3+で962pinとなっています。

ピン側から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」ピン側から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」

基板サイズ、基板の厚み、ヒートスプレッダの形状などに変更はありません。AMDのCPUは、CPU側にピンが立っているのが現在のインテルCPUとの大きな違いです。

横から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」横から見た「Ryzen」と「第7世代APU Aシリーズ」、「AMD FXシリーズ」「第6世代APU Aシリーズ」

「Ryzen」とインテルCore i7-7700、インテルCore i7-6800Kの比較

左から「Core i7-7700」、「Ryzen 7 1800X」、「Core i7-6800K」です。Core i7-7700からは一回り大きくなりますが、Core i7-6800Kから比べると小さなCPUとなります。この大きさで8コアであることを考えると「Ryzen 7」のコンパクトさが目立ちます。

ヒートスプレッダー側から見た「Ryzen」とインテルCore i7-7700、インテルCore i7-6800Kヒートスプレッダー側から見た「Ryzen」とインテルCore i7-7700、インテルCore i7-6800K

左から「Core i7-7700」、「Ryzen 7 1800X」、「Core i7-6800K」です。インテルCPUは接点のみであるのに対し、「Ryzen 7」は引き続きピン方式となっています。

ピン側から見た「Ryzen」とインテルCore i7-7700、インテルCore i7-6800Kピン側から見た「Ryzen」とインテルCore i7-7700、インテルCore i7-6800K

歴代CPUスペック比較

歴代CPUの代表としてAMD上位シリーズを比較したものです。「Ryzen」は従来と異なる全く新しいアーキテクチャ「Zen」をベースとした製品となっています。

 モデルナンバー Ryzen
Threadripper
1950X
Ryzen 7
1800X
AMD
FX-9590
AMD
FX-8150
AMD
A12-9800
AMD
A10-7890K
AMD
A10-6800K
AMD A10-5800K
コードネーム Summit Ridge Summit Ridge Vishera Zambezi Bristol Ridge Godavari Richland Trinity
CPUアーキテクチャ Zen Zen Piledriver Bulldozer Excavator Steamroller Piledriver
製造プロセス 14nm 14nm 32nm 28nm 32nm
コア/スレッド 16コア/32スレッド 8コア/16スレッド 8コア/8スレッド 8コア/8スレッド 4コア/4スレッド
動作クロック 3.4GHz 3.8GHz 4.7GHz 3.9GHz 3.8GHz 4.1GHz 4.1GHz 3.8GHz
MaxTurbo
(Precision Boost)
4.0GHz 4.0GHz 5.0GHz 4.2GHz 4.2GHz 4.3GHz 4.4GHz 4.2GHz
キャッシュ 40MB 16MB 8MB 2MB 4MB
PCI-Express Gen 3.0 3.0 3.0 3.0 2.0
レーン数 64 16 8 16 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 DDR4-2667 DDR3-1866 DDR4-2400 DDR3-2133 DDR3-1866
チャンネル 4ch 2ch 2ch 2ch
最大容量 128GB 64GB 32GB 64GB 32GB
GPU Radeon R7 Graphics RadeonHD 8670D RadeonHD 7660D
TDP 180W 95W 220W 125W 65W 95W 100W
64bitコード AMD 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX
仮想化 AMD-V
セキュリティ機能 NX ビット
AES
対応ソケット Socket TR4 Socket AM4 Socket AM3+ Socket AM4 Socket FM2+ Socket FM2
対応チップセット X399 X370/B350/A320 990FX/990X/970 X370/B350/A320 A88X/A78/A68H A85X/A75/A55

歴代CPUスペック比較表

AMD Ryzen 7とインテルCore i7の比較

いずれも2017年3月時点の各社CPUを比較しました。「Ryzen 7」のスペックでもCore i7と比べ見劣りするようなことはありません。

モデルナンバー Ryzen
Threadripper
1950X
Ryzen 7 1800X Core i7-7700K Core i7-6950X Core i7-7900K
コードネーム Summit Ridge Kabylake-S Broadwell-E Skylake-X
CPUアーキテクチャ Zen Kabylake Broadwell Skylake
製造プロセス 14nm 14nm
コア/スレッド 16コア/32スレッド 8コア/16スレッド 4コア/8スレッド 10コア/20スレッド 10コア/20スレッド
動作クロック 3.4GHz 3.8GHz 4.2GHz 3.0GHz 3.3GHz
最大クロック 4.0GHz 4.0GHz 4.5GHz 3.5GHz 4.3GHz
キャッシュ 40MB 16MB 8MB 25MB 13.75MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 64 24 16 40 44
メモリ 対応メモリ DDR4-2667 DDR4-2400 DDR4-2667
チャンネル 4ch 2ch 2ch 4ch
最大容量 128GB 64GB 64GB 128GB
GPU Intel HD Graphics630
TDP 180W 95W 91W 140W
64bitコード AMD 64 intel 64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX AVX2.0
仮想化 AMD-V
VT-x  
セキュリティ機能 NX ビット
XDビット  
AES
対応ソケット Socket TR4 Socket AM4 LGA 1151 LGA2133 LGA2066
対応チップセット X399 X370/B350/A320 Intel 200シリーズ Intel X99 Intel X299

AMD Ryzen 7とインテルCore i7の比較表

Ryzenの特徴:チップセット

AMD Ryzenプロセッサーの”チップセット”の主な特徴

■「Ryzen Threadripper」ではSocket TR4を新たに採用し、X399チップセットが対応しています。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」ではSocket AM4を新たに採用し、すでに発売されている第7世代APU Aシリーズと共通のソケットとなります。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」に対応したチップセットとして、AMD X370、B350、A320チップセットがあります。この他、ITX向け専用チップセットがあります。
■「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」および「第7世代APU Aシリーズ」は共通のチップセット、マザーボードを使用することができます。※マザーボードの仕様によります。

Ryzen対応チップセットについて

「Socket TR4」対応チップセットは「Ryzen Threadripper」専用のソケットおよびチップセットとなります。
「Socket AM4」対応チップセットでは「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」だけでなく第7世代APU「Bristol Ridge」A-9000シリーズもサポートする共通のチップセットとなります。
※対応するCPU/APUはマザーボードの仕様によります。

チップセット AMD 300 シリーズ チップセット
X399 X370 B350 A320
ソケット TR4 AM4
対応CPU Ryzen Threadripper AMD Ryzen7,5,3 / 第7世代APU Aシリーズ
PCI Express レーンの最大数 8 6 4
PCI-Express 2.0
USB3.1ポートの最大数 2 2 2 1
USB3.0ポートの最大数 5 6 2 2
USB2.0の最大数 6 6 6 6
SATA Expressポートの最大数 2 2 2
SATA 6.0 Gb/s ポートの最大数 8 4 2 2
RAID構成 0/1/10
CFX/SLI対応 ×
オーバークロック対応 ×

Ryzen対応チップセット比較表

Ryzen Threadripper X399チップセット ブロック図

インテルCPUと大きく異なる特徴は、ITXなどの小型マザーボードでの使用も考慮された仕様となっているためCPU側にもUSBやSATAの機能を統合しています。どのIOを使用するかは、マザーボードの仕様によります。

Ryzen Threadripper X399チップセット ブロック図Ryzen Threadripper X399チップセット ブロック図

Ryzen 7/5/3 X370/B350/A320チップセット ブロック図

インテルCPUと大きく異なる特徴は、ITXなどの小型マザーボードでの使用も考慮された仕様となっているためCPU側にもUSBやSATAの機能を統合しています。どのIOを使用するかは、マザーボードの仕様によります。

Ryzen 7/5/3 X370/B350/A320チップセット ブロック図Ryzen 7/5/3 X370/B350/A320チップセット ブロック図

ここが知りたい!AMD Ryzen プロセッサーの疑問を解決!

Q1.「Ryzen」で自作したんだけど、画面が出ません。

A1. 「Ryzen」はGPUを内蔵していません。別途グラフィックカードが必要です。Socket TR4マザーボードには、グラフィックカードを別途取付してください。Socket AM4マザーボードは、第7世代APU Aシリーズと共通のマザーボードとなります。マザーボードの仕様によってはHDMIやDisplayPortなどのグラフィック出力端子が付きますが、「Ryzen」搭載の際には映像出力はされませんのでご注意ください。

Q2.CPUクーラーがついていないんだけど?

A2. いくつかの「Ryzen」シリーズCPUには標準でCPUクーラーは付属いたしません。使用するCPUのTDP以上に対応するクーラーを別途お買い求めください。
「Ryzen Threadripper」は対応する水冷クーラーの取付マウンタのみ付属します。対応する水冷クーラーを別途お買い求めください。

Q3.今までのCPUクーラーは使えるの?

A3. Socket AM4対応の表記のあるクーラーを使いましょう。
CPUクーラーを固定する方法として、ラッチ式(AMDのリンテンション枠をそのまま使用するもの)は、過去に発売されたものでも使用することができます。一方で、ネジ式で固定するものは、ネジ穴の位置の変更により使用することができませんのでご注意ください。

画像上部の赤丸部分、リンテンションのラッチ位置は同じですが、画像下部の赤丸部分、ネジ穴の位置が異なっております。
Socket AM4のネジ穴位置は、横53mm 縦90mmとなっていました。Socket FM2+では横47mm、縦95mmとなっていました。

左がSocket AM4、右がSocket FM2+左がSocket AM4、右がSocket FM2+

Q4.Socket TR4の取り付け方が分からない

A4. Socket TR4は、非常に大型なRyzen Threadripperを搭載するため、従来にはない新たな取付方法になっています。

[取付]1.T20トルクスドライバを使用しCPUソケットの固定ネジ3か所を外します。(CPUの付属品にT20トルクスドライバが付属しています。)

Socket TR4のCPUソケットの固定ネジ3か所Socket TR4のCPUソケットの固定ネジ3か所

[取付]2.外側のフレームがバネで跳ね上がります。2段目のフレームを〇のツマミを持ち持ち上げます。

Socket TR4のCPUソケットのフレーム部分Socket TR4のCPUソケットのフレーム部分

[取付]3.下記の状態でCPUを取付します。CPUへのガイドの取付は#の下図を参照してください。2段目のフレームにガイドを取付したCPUをゆっくりと挿入しカタっというまで押し込みます。「▲」のマークが同じカドにあることを確認してください。

Socket TR4のCPUソケットにCPUを取り付けSocket TR4のCPUソケットにCPUを取り付け

[取付]4.2段目のフレームをツマミを押して倒し、カタっというまで押し込みます。正しくソケットに入っているか、不自然な浮きなどが無いかを確認してください。

CPUが装着されたSocket TR4のCPUソケットCPUが装着されたSocket TR4のCPUソケット

[取付]5.1→2→3の順でネジ止めをしますが、まずは1から順に仮止めし、3か所のネジ全てが軽く取付されたことを確認したら、順に増し締めします。1をいきなり強く締めると2、3が上手く締まりませんのでご注意ください。

Socket TR4のCPUソケットの固定ネジを締めるSocket TR4のCPUソケットの固定ネジを締める

以上で取り付け完了です。
様子がおかしいと思った場合は、無理をせずパソコン工房各店・サポートセンターにご相談ください。

Q5.今まで使っていたマザーボードのCPUをRyzenに乗せ換えたい!

A5. 「Ryzen」はSocket AM4へと変更されたため載せ替えることはできません。Socket AM4対応マザーボードへと変更してください。

Q6. 組み立てたけど起動しない!

A6. 「Ryzen」はグラフィック機能は内蔵していません。別途グラフィックカードが必要です。画面への接続もグラフィックカードより行っているか確認してください。
メモリの搭載位置に注意してください。搭載位置はマザーボードの取扱説明書をご確認ください。

Q7. Windows 7がUSB外付けドライブでインストールできない!

A7. 「Ryzen」も従来のUSB2.0などの規格「EHCI」の標準サポートが終了しており、インストーラー側でUSB3.0の「xHCI」に対するドライバを持つ必要があります。
Windows 8.1や、Windows 10では「xHCI」のドライバを持っていますので、インストールすることが可能です。

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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