Broadwell-Eを速攻レビュー!10コアCPUの実力をチェック!

10コアCPU「Broadwell-E」速効レビュー!どのような物なのか速攻で試してみました。

2016-5-31

GeForce GTX 1080 に続いて登場の職人5号です。デスクトップ向けとしては初の10コアCPUとなる「Broadwell-E」が発表されました。Broadwell-Eが持つ特徴として

・デスクトップ向け初の最大10コアCPU
・DDR4-2400をサポート
・14nmプロセス
・対応チップセットはX99のまま

といった点が挙げられます。果たしてBroadwell-Eとはどのような性格のCPUなのか、早速試してみました。

Broadwell-Eのスペック

今回発表されたBroadwell-Eは全部で4種類あり、

・10コア/20スレッド の最上位Core i7-6950X Extreme Edition
・8コア/16スレッド の Core i7-6900K
・6コア/12スレッド の Core i7-6850K・6800K


と目的に合わせてコア数の異なるCPUを選択する事が出来ます。 また、Broadwell-EとSkylakeのCore i7と比べると、CPUコア/スレッド数の多さ、PCI-Express のレーン数の豊富さ、DDR4-2400のサポートなどの優位点が有ります。反面、Broadwell-Eには内蔵GPUが無い、消費電力費が高いといったデメリットもあります。

Core i7-6950X Core i7-6900K Core i7-6850K Core i7-6800K Core i7-6700K Core i7-6700
コードネーム Broadwell-E Skylake
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 10/20 8/16 6/12 6/12 4/8 4/8
動作クロック 3.0GHz 3.2GHz 3.6GHz 3.4GHz 4.0GHz 3.4GHz
TurboBoost 3.5GHz 3.7GHz 3.8GHz 3.6GHz 4.2GHz 4.0GHz
キャッシュ 25MB 20MB 15MB 15MB 8MB 8MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 40 28 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2400 DDR4-2133 / DDR3L-1600
TDP 140W 91W 77W
GPU × Intel HD Graphics530
64bitコード intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA2011-v3 LGA1151
対応チップセット Intel X99 チップセット Intel 100 Series

それでは、Broadwell-Eの実力を見て行きましょう。

ベンチマークテストでの比較

社社内で販売準備中のゲーミングパソコンLEVEL∞ G-Classテストモデルを用いてベンチマーク比較を行いました。 まずはCPU性能を見ることができる『3D Mark Fire Strike』のPhysicsから見ていきましょう。Physics testは、CPUに物理演算をさせてその処理速度をスコア化したもので、CGレンダリングや動画のエンコードと同じくCPUのコア数の多さが有利に働くテストです。テストの解像度はフルHD(1920x1080)のFire Strikeと4K(3840x2160)のFire Strike Ultraで行いました。テスト用のビデオカードは人気沸騰中のGeForce GTX 1080 にて行っています。
なお、参考として前回の実験工房で測定したCore i7-6700Kでのデータも掲載しました。

※測定環境、測定条件は記事の最後に記述していますのでご参照ください

3D Mark Fire Strike 01

モデルナンバー順に綺麗に順位がついており、Broadwell-EのSkylakeに対するCPUコア数の多い優位性も確認できます。物理演算についてはCPUコアの多さがそのまま反映されていると見てよさそうです。

続いて3D Mark Fire Strikeのベンチマークスコアについて見てみます。

3D Mark Fire Strike 02

ビデオカードが同じため、全体的にほぼ同じような数値となっています。Broadwell-E同士で見ると、上位モデルからほぼ順当に並んでいますが、SkylakeのCore i7-6700KがBroadwell-Eの一角を崩しました。さすがに上位モデルとなるCore i7-6900Kには追いつけませんが、動作クロックの高いSkylake も侮り難いという印象です。

最後にSLIでの比較をしてみます。残念ながらSLI HB Bridge が手配できませんでしたので、前回同様に従来のSLIブリッジコネクタを使用しています。

3D Mark Fire Strike 03

ビデオカード単体時と似た結果となりましたが、4KのFire Strike UltraではBroadwell-EがCore i7-6700Kを完全に上回っており、高負荷時での強さの片鱗が窺えました。Dual-Link SLI であれば、高負荷時におけるBroadwell-Eの優位性が更に高まるかも知れません。

まとめ

3DMarkのPhysics見るとコア数の違いが明確に表れており、コア数の多さというBroadwell-Eの優位性が如実に表れています。マルチスレッドの最適化が進んでいる、動画編集や画像編集、3DCGのレンダリング作業などのコンテンツ作成の領域では優れた性能が期待できそうです。Broadwell-Eはコア数の違うCPUをラインナップしており、内容に見合ったCPUを選択する事で高い効果を得られるのではないでしょうか。

一方、3DMark のベンチマークスコアだけを見ると、Broadwell-Eの優位性よりは、むしろ10コアのCore i7-6950X と比べても5%程度の差しかないSkylakeの性能の高さのほうに目が行ってしまいます。5Kなど4Kオーバーの解像度やVRなどではまた違った結果になるかもしれませんが、正直なところゲーム用途ではSkylakeで十分と感じてしまいます。

今回はベンチマーク結果を速報としてお届けしましたが、今後より詳細にBroadwell-Eに迫っていきたいと思います。


執筆:パソコン工房 職人5号

テスト環境  LEVEL ∞G-Class Lev-G009-i7-GTX1080(仮)

CPU Core i7-6950X (3.0-3.5GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ25MB/TDP140W)
Core i7-6900K (3.2-3.7GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ20MB/TDP140W)
Core i7-6850K (3.6-3.8GHz/6コア・12スレッド/キャッシュ15MB/TDP140W)
Core i7-6800K (3.4-3.6GHz/6コア・12スレッド/キャッシュ15MB/TDP140W)
マザーボード ASUS X99-DELUXE (X99チップセット / BIOS :3011 )
メインメモリ DDR4-2133 16GB (4GB x4)
ビデオカード GeForce GTX 1080 FounderEdition (ビデオメモリ 8GB)
ストレージ Kingstone SSDNow UV400 (960GB SATA3)
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W)
OS Windows 10 Home 64bit
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver Ver368.25

※比較参考モデル LEVEL ∞G-Class Lev-G017-i7-GTX1080(仮)

CPU Core i7-6700K (4.0-4.2GHz/4コア・8スレッド/キャッシュ8MB/TDP91W)
マザーボード ASUS Z170-A (Z170チップセット / BIOS :1702 )
メインメモリ DDR4-2133 16GB (8GB x2)
ビデオカード GeForce GTX 1080 FounderEdition (ビデオメモリ 8GB)
ストレージ Toshiba THNSNJ128GCSU (128GB SATA3)
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W)
OS Windows 10 Home 64bit
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver Ver368.15