ヘッドマウントディスプレイ AH501が発売されましたので、従来モデルとの比較に加え、AH501の特徴をご紹介します。部屋の中にセンサーを設置することなく、手軽にVR体験ができるAcerのAH501の特徴やスペック、外観についてもレビューします。

気になる製品最終更新日: 20190611

ヘッドマウントディスプレイ Acer AH501レビュー

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部屋の中にセンサーを設置することなく、手軽にVR体験ができるAcerのヘッドマウントディスプレイ AH501が発売されましたので、新機能の紹介と従来モデルAH101との比較をレビューいたします。
VRコンテンツを楽しむためのヘッドマウントディスプレイ(以下 HMD)は今も新しいモデルが続々とリリースされています。

Acerの第2世代HMD AH501

AH501はAcerが一昨年リリースしたAH101の後継モデルで、VRおよびWindows Mixed Realityに対応するHMDです。
従来モデルであるAH101より機能面や装着時における安定性が向上し、VRおよびWindows Mixed Realityがより手軽に体験しやすくなりました。

従来モデル AH101との比較

それではAH501のご紹介に合わせ、従来モデルのAH101と比較をおこなってみたいとおもいます。
AH101については、レビュー記事のリンクを文末にご用意しておりますので、ご覧ください。

落ち着きのあるシャープでスタイリッシュなデザイン

光学部分 (レンズ部分)は、明るいブルーを基調とした従来モデルと比べ、ブラック&ダークブルーの落ち着いたボディカラーになりました。
位置情報を検知、トラッキングするフロントセンサーは、シャープでスタイリッシュなデザインになりました。

左:AH101、右:AH501左:AH101、右:AH501

高解像度で迫力のある映像を楽しめるハイブリッドフレネルレンズ

2つの2.89型液晶ディスプレイを搭載し、2,880×1,440 (単眼:1,440×1,440)の高解像度映像を最大90Hzのリフレッシュレートで表示します。
また、AH501ではレンズにハイブリッドフレネルレンズを採用し、従来モデルでは95°だった視野角が103°と広くなっています。

レンズレンズ

レンズ周りの空間も従来モデルより広く感じられ、眼鏡を着けたままの状態で装着してもゆったりとした印象です。

上:AH101、下:AH501上:AH101、下:AH501

ダイヤル操作で最適なIPD (瞳孔間距離) に調整が可能

従来モデルでは63 mm固定(ソフトウェアにより±4 mmまで調整可能)だったIPD (瞳孔間距離)ですが、AH501では、光学部分 (レンズ部分)の底面についているダイヤルを操作するだけで最適な距離に調整することが可能となりました。
ユーザーそれぞれの瞳孔間距離に合わせて、54 – 69 mmまで簡単に調整できるので、長時間のプレイでも目の疲労を防ぎ、快適にVRを楽しめます

IPD (瞳孔間距離) 調整IPD (瞳孔間距離) 調整

左:AH101、右:AH501左:AH101、右:AH501

装着時の安定性が向上したヘッドストラップ

エルゴノミックデザインを採用したヘッドストラップ後部にはダイヤルが設置されており、頭の形に合わせてぴったり装着できるよう調整が可能です。
また、従来モデルと比べ、ストラップに特大パッドを採用し、前頭部は通気性が考慮され、パッドの真ん中に穴が開けられています。
後頭部のパッドも倍以上の大きさになっており、長時間の着用でも快適です。

使用中に一時中断したい時は、バイザー部分を上げるだけで、わざわざヘッドセットを頭から外す必要はありません。

左:AH101、右:AH501左:AH101、右:AH501

特大パッドを採用し、装着時の安定性が向上特大パッドを採用し、装着時の安定性が向上

インタラクティブな操作が可能なモーションコントローラー

付属のモーションコントローラーに関しては従来モデルと変わりが見られません。
モーションコントローラーはパソコンとBluetooth接続で使用するため、Bluetoothを搭載したノートパソコンなどであればそのまま使えますが、Bluetoothを搭載していないデスクトップパソコンでは別途Bluetoothアダプタが必要になります。

左:AH101付属品、右:AH501付属品左:AH101付属品、右:AH501付属品

AH501の新機能を紹介

AH501には従来モデルにはなかった機能が搭載されていますので、ご紹介いたします。

持ち運びやメンテナンスに最適なモジュラーデザイン

AH501では光学部分 (レンズ部分) が取外し可能なモジュラーデザインを採用しています。
ヘッドストラップから光学部分 (レンズ部分)を取外すことでコンパクトに持ち運びや保管ができ、レンズのホコリや顔に触れる部分の汚れなどの手入れがしやすく、清潔に使うことができます。

光学部分 (レンズ部分)の底面左右に取り外すためのボタンがあります光学部分 (レンズ部分)の底面左右に取り外すためのボタンがあります

光学部分 (レンズ部分)のみの大きさは73 (L) × 178 (W) × 101 (H) mm光学部分 (レンズ部分)のみの大きさは73 (L) × 178 (W) × 101 (H) mm

光学部分 (レンズ部分)を取り外したヘッドストラップ光学部分 (レンズ部分)を取り外したヘッドストラップ

耳を塞ぐことなく臨場感のあるサウンドが楽しめる!

AH501では、光学部分 (レンズ部分)に ステレオ・スピーカーを内蔵。
サウンドにはインテグレーテッドオーディオシステム「Sound Pipe」を採用し、外部の音も聞こえるため、周囲の様子に注意を払いつつ、臨場感と没入感を味わえます。

 ステレオ・スピーカーを内蔵 ステレオ・スピーカーを内蔵

インテグレーテッドオーディオシステム「Sound Pipe」インテグレーテッドオーディオシステム「Sound Pipe」

また、非密閉型のイヤフォンも同梱されていますので、シーンに合わせた楽しみ方ができます。

標準オプションの非密閉型イヤフォン標準オプションの非密閉型イヤフォン

非密閉型イヤフォンを装着した様子非密閉型イヤフォンを装着した様子

AH501の仕様について

下記、AH501の仕様です。

【Acer OJO 500 Windows Mixed Realityヘッドセット AH501】
型番 AH501
ディスプレイ ディスプレイサイズ 2.89 インチ ×2
解像度 2,880×1,440 (単眼:1,440×1,440)
PPI (Pixel Per Inch) 706
液晶モジュール (LCM) Impulse backlight LCD
リフレッシュレート 60 Hz (HDMI 1.4) / 90 Hz (HDMI 2.0)
IPD (Interpupillary Distance) 54 – 69 mm
レンズ 形式 ハイブリッドフレネルレンズ ×2
最大視野 103° (H) x 103° (V)
イメージサークル # 48 mm (直径)
背面焦点距離 30.69 mm
視野 (FOV) 100°
ポジショントラッキング インサイドアウト方式
トラッキングカメラ B+W VGA カメラ
トラッキングセンサー ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、近接センサー
オーディオ 内蔵ステレオ・スピーカー ×2
内蔵マイクロフォン ×2、3.5㎜
ヘッドフォン/スピーカー・ジャック ×1
ケーブル HDMI 1.4/2.0 + USB 3.0 ケーブル (4 m)
カラー ステラブルー
寸法(H x W x D) 350 (L) × 190 (W) × 178 (H) mm (ハードストラップ装着時)
73 (L) × 178 (W) × 101 (H) mm (光学システムのみ)
本体質量 840g (ハードストラップ装着時)
500g (光学システムのみ)
主な付属品 モーションコントローラー ×2
ヘッドフォン ×2
ハードストラップ (光学システムに取り付け済み)
単三電池 (試供品) ×4
(モーションコントローラー 1個につき2個)
保証書
クイックスタートガイド (ヘッドセット用)
クイックスタートガイド (モーションコントローラー用)
保証 1年間センドバック保証
【モーションコントローラー】
電源 単三電池 ×2
PC接続 Bluetooth®
本体サイズ 154 (W) × 120 (H) × 120 (L) ㎜
本体質量 180 g (電池装着時)
130 g (電池なし)
【ヘッドフォン】
PC接続 3.5㎜ オーディオジャック
本体サイズ 185 (W) × 54 (H) × 43 (L) mm
本体質量 80 g

AH501の仕様

AH501は6自由度 (前後、左右、上下の移動、傾き、回転)という高い自由度の位置トラッキングで体と頭の細かい動きを敏感にとらえ、視点移動や、空間内の移動、付属のモーションコントローラーの動こきに応じてWindows Mixed Reality内の空間が双方向に反応し、よりリアルな体験を実現します。
PCとの接続方法も従来モデルと変わることなくHDMIとUSBの接続のみで、とてもシンプルです。

AH101、右:AH501AH101、右:AH501

AH501の動作環境について

AH501ですが、HMD単体ではVRおよびWindows Mixed Realityを体験できません。
AH501をご利用になられるには、下記の動作環境を満たしたPCが必要となります。

Windows Mixed Reality Ultra Windows Mixed Reality
OS Windows 10 Fall Creators Update 以降
CPU インテル® Core™ i5-4590 (第4世代デスクトップ)、クアッドコア以上 インテル® Core™ i5-7200U (第7世代モバイル)、インテル® ハイパースレッディング・テクノロジー 対応のデュアルコア以上
システムメモリ 8GB DDR3 以上 8GB DDR3 デュアルチャネル
ストレージ 10GB
グラフィックス NVIDIA GTX 1060 以上のDX12に対応した独立型GPU
AMD Radeon RX 470/570以上のDX12に対応した独立型GPU
インテル® HD グラフィックス 620 以上のDX12対応した統合型GPU
NVIDIA MX150 独立型 GPU
NVIDIA GeForce GTX 1050 独立型 GPU
NVIDIA 965M 独立型 GPU
AMD Radeon RX 460/560
注意:以前のインテル GPU (HD Graphics 4xx、5xx、2xxx、3xxx、4xxx、5xxx、6xxxはサポートしていません
グラフィックドライバ Windows Display Driver Model (WDDM) 2.2
ディスプレイ 外部または内蔵VGA (800×600) ディスプレイ
映像出力 HDMI 2.0 HDMI 1.4
USB USB 3.0 Type-A
Bluetooth® Bluetooth® 4.0

AH501の動作環境

Windows Mixed Reality動作環境では、モバイル向けCPUであるインテル Core i5-7200U 以上のCPUが推奨されていることから、ノートPCやNUCなど、コンパクトで持ち運びもできるパソコンに対応していることがわかります。
Windows Mixed Reality Ultra動作環境では、デスクトップ向けCPUであるインテル Core i5-4590 以上のCPUに加え、NVIDIA GeForce GTX 1060以上のミドルレンジクラスのグラフィックスカード推奨されており、よりクオリティの高い映像と高リフレッシュ レート (1 秒あたり 90 フレーム)の映像表現が楽しめるほか、グラフィックス負荷の高いゲームのプレイも可能です。

簡単接続・設定でVRコンテンツが楽しめます!

上記にて、ご紹介いたしました動作環境に対応したPCにHDMIとUSBを接続して、およそ10分程度の設定を済ませるだけで、手軽にVRコンテンツが楽しめます!
AH501は、機能面の向上に加え、メンテナンス性にも大変優れていますので、VRおよびWindows Mixed Realityを快適に楽しめるHMDとして強くおすすめいたします!

【リンク】
5万円台で買えるWindows Mixed Reality対応ヘッドセット「Acer AH101」をレビュー
https://www.pc-koubou.jp/blog/windows_mixed_reality.php

ライタープロフィール 職人7号

360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。

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