料理の写真を美味しそうに撮影するときに、せっかくなら雰囲気が伝わる写真や、料理の特徴が際立つ写真も撮れるようにプロカメラマンの安藤さんにコツをレクチャーしていただきました!

クリエイター最終更新日: 20190218

料理の魅力を引き出す撮影テクニック[応用編]

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料理の写真を美味しそうに撮影するときに、せっかくなら雰囲気が伝わる写真や、料理の特徴が際立つ写真も撮れるようになりたいですよね。
そこで今回は、プロカメラマンの安藤さんが、料理写真を撮る際の演出テクニックをレクチャーしていただきました。ただお洒落なだけでなく、料理の魅力をうまく引き出す撮影方法も教えていただきました!

食器やランチョンマットを使って演出を加えてみよう!

まずは、スプーンやフォーク、ランチョンマットなど、家で簡単に用意できるものを使って、レストランのような雰囲気の演出を教えていただきました。

安藤さん「あくまでもメインは料理なので、演出を加えるときは、お皿のそばに、少しだけ空間を作って、そこにスプーンやフォークを配置しよう。直接被写体を見るのではなく、カメラのモニターを覗きながら位置を調整すると、仕上がりのイメージとズレが無くなるので、ひとつポイントとして覚えておこう!」

モニター越しにバランスをチェックモニター越しにバランスをチェック

また、観葉植物で緑をプラスすると、グッとお洒落な印象に近づけるとのこと。

安藤さん「写真だとグリーンは実際より濃く見えてしまうので、光が当たる位置に配置して色を薄くしてあげよう! 料理より目立ってしまわないように、ちょっと先端が写っているくらいで十分だよ」

自宅で用意できるセットで、こんなに華やかに!自宅で用意できるセットで、こんなに華やかに!

目的に合わせて構図を変えてみよう!

一口に料理の写真といっても、美味しさを伝えたいのか、世界観や雰囲気を伝えたいのかによって、適した構図は異なってくるそうです。

安藤さん「シズル感を出すことが目的なら、細部の質感まで伝わるよう、寄りで撮影するのがオススメ。寄りで撮る場合は、先程の写真のように、画面の中心に立体感が出るように高さを出して盛り付けをするといいよ。
それとは別に、お洒落さを重視するなら、真俯瞰で撮影するのもいいね。周りに空間がたくさんできるから、食器や観葉植物をプラスすることで、世界観を演出しやすいよ」

真俯瞰なら、雑誌やインスタでよく見るお洒落な構図に!真俯瞰なら、雑誌やインスタでよく見るお洒落な構図に!

また、雰囲気はテーブルの色や周りの小道具次第で、ガラリと変えることもできるようです。

安藤さん「たとえば白いお皿なら、黒いテーブルに置くことで高級感を演出することができる。観葉植物も合わせてコーディネートすると、より世界観を作り込めるね!」

爽やかでランチっぽい雰囲気が…爽やかでランチっぽい雰囲気が…

高級感のあるディナーに変身!高級感のあるディナーに変身!

料理の特徴を引き出す演出を加えてみよう!

料理の特徴を引き出す演出方法について、3つの例を挙げて教えていただきました!

―肉料理は断面を見せてシズル感UP!

肉料理として今回はトンカツを用意しました。付け合わせのある料理は、どれが主役かハッキリわかるよう配置するのが重要とのこと。この場合、キャベツの千切りはあくまでも背景。トンカツを目立つ手前に置いて撮影していきます。

安藤さん「食べるときの盛り付けは、もちろんお皿の中心に盛り付けるよね。でも、写真を撮ることを目的とした場合には、主役の料理はお皿の中心ではなく、画面の中心に置いてあげよう!そうすることで主役の存在感を際立たせることができるよ!」

これも悪くないけど…これも悪くないけど…

中心に置くと、グッと存在感がアップしました!中心に置くと、グッと存在感がアップしました!

安藤さん「写真としては美味しそうに撮れているけれども、このままでは、トンカツだということが伝わらないよね。コロッケと言われればそう思えてしまう。料理の情報を伝えてあげるためと、肉料理のシズル感をアップさせるために、トンカツは切って断面を見せてあげよう!」

とてもお腹が空いてきました!とてもお腹が空いてきました!

安藤さん「もうひとつ。ご家庭での撮影ではなかなか難しいけれども、肉の断面に筆などで油を塗って肉汁のようなテカりを足すことで、シズル感をさらにアップさせることができるので試してみてね!」

ちょっと不思議な光景ですちょっと不思議な光景です

ジューシーな断面の完成!ジューシーな断面の完成!

さらに、奧にお皿を写り込ませると、定食のような雰囲気を演出することができるので、先程のパスタの演出のように、用途によっていろいろ試してみましょう!

―温かい料理は湯気の立ち上る空間を作ろう!

続いては、温かいスープの演出テクニック。深い器に入っている料理は、低い位置から撮影すると中身がよく見えなくなってしまいます。どんな具材が入っているのかといった料理の情報を伝えるためにも、高い位置から見下ろすようなアングルで撮影します。

安藤さん「温かいものを撮影する際は、その料理の上に、少し空間を作ってあげるのがポイント! 実際には何も写っていなくても、位置をほんの少し調整するだけで、まるで湯気が立っているかのような雰囲気を演出することができるよ!」

これだと普通ですが…これだと普通ですが…

ちょっと位置をズラすだけで、湯気が見えてきそう!ちょっと位置をズラすだけで、湯気が見えてきそう!

安藤さん「スープを撮影するときに光が強すぎると、スープの表面が白く反射してしまい、スープが見えなくなってしまうことがあるので、そのことに注意してアングルやポジションを決めるようにしよう!」

Adobe Photoshopなどを使って、湯気を追加してあったか〜い演出をプラスすることもできますので、こちらの記事を参考にしてみてください。
https://www.pc-koubou.jp/magazine/11245

実際に湯気を足してみた写真がこちら!実際に湯気を足してみた写真がこちら!

―冷たい飲み物は逆光で清涼感を演出!

テレビCMなどを見てもわかるように、ビールのようなグラスに入った冷たい飲み物は、清涼感が命!

安藤さん「ビールを注いでしまう前に、本記事の基礎編で記載した朝食プレートの撮影でも盛り付ける前にアングルやレイアウトを決めたよね。どんな食べ物でも同じだけれども、ビールのように泡が出る飲み物は特に事前準備を行うこと。時間が経てば経つほど泡は消えてしまうからね!
そして、ビールは半透明の飲み物だから、後ろから明るい光を通すと、より透き通って清涼感が出る。つまり順光ではなく、逆光で撮影するのがポイントなんだ」

まずは、アングルは配置を事前に決めておきますまずは、アングルは配置を事前に決めておきます

順光で撮影してみると、確かにどんよりとした暗く重たい写真になりました。これは透明な部分にグラスの奥側の暗い机がビールの色に重なって写っているためとのこと。

順光だと、暗くて清涼感が感じられない

順光だと、暗くて清涼感が感じられない順光だと、暗くて清涼感が感じられない

逆光では先程の順光の逆になります。明るい部分がビールの先に写っているので、透明感のある写真が撮影できます。

安藤さん「実はさっきアングルと配置を決めるときに机も移動させたよね。これにも理由があって、写真を見るとグラスの右側にハイライトが入っているよね。これは机の奥の白い壁が写り込んだものなんだよ。気づいたかな?」

逆光ならこの透明度!ハイライトも相まって美味しそうです!

逆光ならこの透明度!ハイライトも相まって美味しそうです!逆光ならこの透明度!ハイライトも相まって美味しそうです!

しかしまだ、手前の泡がやや暗い印象です。カメラとビールの間にレフ板を置いて、光を反射させてみると…。

レフ板の光で明るくなり、より真っ白な泡が完成!レフ板の光で明るくなり、より真っ白な泡が完成!

まとめ

ナイフやフォーク、観葉植物など、家庭で用意できるものだけでも、お洒落な雰囲気を演出することができます。使うものによって印象がガラリと変わるので、いろいろと試してみるといいでしょう!

料理の特徴を引き出すテクニックは、「トンカツ」、「スープ」、「ビール」を例に教えてもらいましたが、似たような料理であれば応用が利きます。撮りたいものに合わせて今回のテクニックを利用し、美味しそうな料理の写真を撮影してみてください!

料理を美味しそうに撮影するポイントについては下記の記事でもご紹介しています。併せて参考にしてみてください!

“プロカメラマン直伝!料理の魅力を引き出す撮影テクニック[基礎編]”
https://www.pc-koubou.jp/magazine/15939

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ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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