

iiyama PCのノートパソコンにはシステム管理ツール「Control Center」がインストールされており、CPUの温度やクロックなどの確認のほか、電源モード、ファン回転数などPCのパフォーマンスを簡単に切り替えることができます。当記事では、「Control Center」の主な機能から再インストール方法までをご紹介します。iiyama ノートPCをお使いの方だけでなく、ご検討中の方も参考に是非ご覧ください。
※本記事ではLEVEL∞ N-Class 15FXA61シリーズのゲーミングパソコンにて、Windows 11上でControl Center 3.0 v7.010を使用しました。お使いのハードウェア環境やソフトウェアのバージョンが異なる場合、利用できる機能の有無が異なる場合があります。
Control Centerの起動方法
Control Centerを開くには、タスクバー右側のシステムトレイよりControl Centerのアイコンをダブルクリックすると起動します。
2025年7月現在、販売中のiiyama PCのノートパソコンでは標準搭載しているため、基本的には特別な設定などは必要ありません。もしシステムトレイ内にControl Centerが入っていない場合は、「OSを初期化した場合などでの再インストール方法」をお試しください。
トレイアイコンからControl Centerを起動
Control Centerの主な機能
それでは、Control Centerの画面に表示される項目や主な機能について紹介いたします。
ハードウェア状態を確認する
メイン画面では、ハードウェアの状況確認や制御、機能のオン/オフなどができます。
それぞれ次のような内容が確認できます。
①搭載されるCPU・GPUの名称、CPUクロックと温度の数値
②①の数値を視覚化したもの
③メモリとストレージの使用状況
④ファンの回転数
⑤環境設定アイコン
環境設定アイコンでは、タッチパッドやカメラの有効/無効設定、Fn(ファンクション)キーのロックなどができます。
Control Center メイン画面
電源モードを切り替える
メイン画面の中央上部に、「パフォーマンス」、「エンターテイメント」、「静音」のプリセットボタンがあり、ここから電源モードを切り替えることができます。各モードに切り替えることでファンの最大速度やCPUクロックの制限などが行われ、各モードには以下のような特徴があります。
・パフォーマンス:CPUクロックやファンの回転数を増加させることで性能を引き出します。
・エンターテイメント:標準設定されています。パフォーマンスと省電力性のバランスを調整します。
・静音:CPUクロックやファンの回転数を制限することで、稼働音を小さくします。
電源モードの設定
また、専用GPUを搭載するノートパソコンの場合は、「静音」モードで専用GPUをオフにしてCPUの内蔵グラフィックスのみに切り替えることもできます。
「静音」ボタンの下にある下向きの「<<」マークを押すと、専用GPUをオフにするチェックボックスが表示されます。①チェックを入れると画面が一度暗転して、内蔵グラフィックスに切り替わり、メイン画面左上の②GPU型番表示が消えて、③クロック表示もOFFとなり専用GPUは無効になります。
ただし、専用GPUが搭載されていて、かつ後述するGPUスイッチの設定にてMSHybridが選択されていることが条件となります。
※オンボードグラフィックスのみのモデルでは設定ができません。
静音モード GPUオフ設定
ファン回転速度を制御する
電源モードを切り替えることで大まかにファンの最大回転速度は変化しますが、どの電源モードでも手動で回転速度を設定することもできます。
設定については、画面右側の「ファン」の項目から「カスタム」を選択して「<<」マークをクリックします。
ファン速度をカスタム
カスタムファンの設定ウインドウが表示され、CPUまたはGPUの温度に対してファン速度を設定できます。
設定をリセットする場合は左下の①リセットボタンを押し、設定を保存するにはウインドウ右下の②保存ボタンを押します。
カスタムファン設定画面
グラフ上の変更したい点をマウスポインターでドラック&ドロップして移動させるか、点を選択してから、ファン速度または温度をコンボボックスから選択することでそれぞれ設定ができます。
コンボボックスで指定
FlexiChargerでバッテリーの充電制限を行う
メイン画面左上にあるバッテリーアイコンのFlexiChargerでは、バッテリーの最大充電量と充電開始容量を設定することができます。
FlexiCharger 設定画面
「カスタムバッテリー充電」では、充電開始と充電停止の値を選択して設定することもできます。
カスタムバッテリー充電の設定
この記事では70%以下で充電開始、80%で充電を停止する「バッテリー推奨充電量」に設定します。タスクトレイのバッテリーアイコンにはハートマークが付き、「スマート充電がオンです」と表示されます。
スマート充電中の表示
バッテリー充電最大制限値になると、FlexiChagerから「充電を停止しました」と通知が届きます。アイコンには「スマート充電が完了しました」と表示され、充電が止まります。
充電停止の通知
スマート充電が完了した様子
一般的にリチウムイオンバッテリーは100%満充電のままで使用していると、劣化が進みやすくなる特性のため、長くノートパソコンを使うにあたり最大充電量の制限をしておくことは有効な手段となります。
LEDキーボードを設定する
メイン画面左上にある発光マークアイコンのLEDキーボードでは、キーボードのLEDカラーや明るさの設定をすることができます。
LEDキーボード 設定画面
LEDカラーはカラーバーから色を選択することで変更でき、さらに画面右下よりLED発光を自動的にオフにしたり、明るさを調整することができます。
LEDカラーの変更
グラフィックスの切り替えをする
CPUに搭載される内蔵グラフィックス機能は、有効/無効の切り替えをすることができます。
※専用GPUを搭載した対応モデルのみ利用できる機能です。オンボードグラフィックスのみのモデルでは設定ができません。
メイン画面下側にある、①スクロールバーを右側に動かすと②「GPUスイッチ」が表示されます。
GPUスイッチ
専用GPUのみに制限したいときには「ディスクリートGPUのみ」、両方を有効にしたいときには、内蔵グラフィックスと専用GPUを併用する「MSHybrid」を選択します。設定を変更するには再起動が必要となります。
「MSHybrid」に切り替え
OSを初期化した場合などでの再インストール方法
OSを初期化してControl Centerが使用できなくなった場合、ドライバーサイトからダウンロードすることで、再インストールすることができます。
はじめに、使用しているノートパソコンの型番を調べる必要があるため、タスクバーの検索欄に「システム情報」と入力して実行します。
システム情報を検索
システム情報の「システムの要約」より、「ベースボード製品」の項目に表記されている型番がドライバーをダウンロードするのに必要になります。
ベースボード製品を確認
ドライバーサイトのダウンロードページに移動し、「Model」のコンボボックスから使用している型番を選択。「Driver」のコンボボックスはOthersを選択します。
本ノートパソコンの場合V355ENDですので、Model表記はV350_55ENE_D_CQを選びます。これはV350またはV355シリーズの、ENE、END、ENCQ型番を表します。
対象ドライバーを探す
Control Centerのドライバーがいくつか表示され、この記事では新しいバージョンをダウンロードしました。ダウンロードする際はUSA、ASIA、EUROPEのいずれかの接続先を選択します。
Control Centerをダウンロード
ダウンロードが完了したら、ファイルを右クリックし、メニューから「すべて展開」をクリックして展開します。
ファイルの展開ができたら「setup」アイコンをダブルクリックして実行し、インストーラーに従ってControl Centerのインストールを進めます。
最後に再起動が必要となりますので再起動します。
Control Centerをインストール
タスクバー右側のシステムトレイ内にControl Centerのアイコンが表示されるようになりますので、アイコンをダブルクリックすることで起動します。
※環境によりアイコンが異なる場合があります。
システムトレイにControl Centerのアイコンが表示される
使用用途や環境に応じてノートパソコンの性能を切り替えられるControl Center
以上、iiyama PCのノートパソコンで使用できるControl Centerについて主な機能をご紹介いたしました。
Control Centerの設定を行うことで機能やパフォーマンス調整が自由に設定でき、特にバッテリー充電量の制限はノートパソコンを長く使う方法の一つとなりそうです。
また、性能を最大限に発揮したい時には、電源モードをパフォーマンスモードに切り替え、共同学習スペースや図書館などでの軽い調べ物や資料作成、プレゼンテーションや商談時のパソコンに負荷のかからない場面では静音モードに切り替えるなど、使用用途と環境によって様々に対応できます。さらに専用GPUをオフの設定にすることでパフォーマンスは低下するものの、バッテリー駆動時間を伸ばすことができるので、外出時やコンセントの無い環境で長時間使用する際に良いでしょう。
この他にも設定できる機能がありますが、ぜひいろいろ試してノートパソコンを活用してみてください。

簡単なテキストベースの個人ホームページの作成・運営経験あり。紹介・解説などの記事作成は未経験ですが頑張ります!