ワンランク上の素敵な写真を撮影するために、プロカメラマンの安藤さんに、初心者でも屋内で子供の写真を上手に撮影するテクニックを教えて頂きました。

クリエイター最終更新日: 20181203

ここがポイント!初心者でも子供の写真を上手に撮影するテクニック[屋内編]

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子供の成長は早く、1日ごとに新しい表情をするようになりますよね!
そんな時パパやママは、我が子の日々の日常を写真に撮影して記録しておきたい!と思うもの。今回はワンランク上の素敵な写真を撮影するために、プロカメラマンの安藤さんに、初心者でも屋内で子供の写真を上手に撮影するテクニックを教えて頂きました。
レクチャーを受けて撮影に挑戦するのはIT、デザイン業界で仕事をするNEXMAG編集部のMさん。知ってるつもりで知らなかったプロの撮影を体験してもらいました。
撮影機材は、カメラ初心者にも使いやすいCanon EOS Kiss X9を使用します。
Canon EOS Kiss X9(ブラック)・EF-S18-55 IS STM レンズキットCanon EOS Kiss X9(ブラック)・EF-S18-55 IS STM レンズキット

ポイントは子供との距離と目線の高さ!

まずはMさんに、いつもの撮り方で子供たちの写真を撮影してもらいました。Mさんが娘に声をかけますが、なかなかこちらを向いてくれません・・・。

見た目以上に、いろいろ距離がある気がします…見た目以上に、いろいろ距離がある気がします…

もう少しいい写真が撮れそうな気もしますが…もう少しいい写真が撮れそうな気もしますが…

見かねた安藤さん。
「まずひとつめのポイントは近づくこと!親の存在を意識させながら距離が近くなることで、カメラが気にならないように意識をそらせてあげられるから、子供の自然な表情を引き出すことができるよ。そして、子供と同じ目線まで下がること。
笑顔だけがいい表情ではなく、しかめっ面も泣き顔も全部いい表情だし、素敵な思い出。
その瞬間を逃さないようにすることを心がけるといいよ!」

子供にぐっと近づいて、子供と同じ目線すると…子供にぐっと近づいて、子供と同じ目線すると…

子供が手を伸ばして、自然と2人もこちらを見てくれます!子供が手を伸ばして、自然と2人もこちらを見てくれます!

子供の撮影は、絞り値(F値)の設定が大切!

絞り値

安藤さん「もうひとつ。デジタルカメラ初心者はAUTOモードで撮影している人が多いと思うけれど、今回は[Av優先]の設定を使ってみよう。これは[絞り優先]とも言うんだけど、[絞り値(F値)]だけを自分で決めれるモードで、その他のシャッタースピードなどの設定はカメラが自動でやってくれるモードなんだ。

絞りというのはレンズを通る光の量を調整するための設定で、絞りの値を変化させると光の量と同時にピントが合う範囲も変えられるよ。手前にピントが合っていて背景がボケているような写真はだいたいがこの[絞り値(F値)]を小さくしてレンズを通る光の量を多くすることで、ピントの合う範囲を短くして撮影しているんだ。

今回、撮影の主役は子供たちだから絞り値を小さくして子供たちだけにピントを合わせよう!それにはこのレンズの最小F値の4.0くらいに設定するといいよ!」

絞り値

プロ直伝のテクニック「いないいないばぁ」!

安藤さん「次のステップに行くよ。子供の自然な表情を引き出しながら、上手な写真を撮影するには液晶モニターを見るのではなく、直接ファインダーを覗きながら撮影するといいよ。子供との距離が縮まるし、子供と同じ目線で撮影ができるから良い表情を逃しにくい!たまにファインダーから顔を外して会話しながらだとより効果的だね。
タイミングを見て、いい表情をしそうだな〜と思ったらファインダーを覗いて、とにかく撮る!『いないいないばぁ』の原理を逆にするのもテクニックのひとつだね。まずはファインダーを覗いていて、いい表情をしそうになったら、『ばぁ!』で顔を外してシャッターを押す!」

いないいない〜〜〜〜…いないいない〜〜〜〜…

ばぁ! パシャリ。ばぁ! パシャリ。

かわいい!かわいい!

露出と補正を使いこなそう!

安藤さん「もうひとつ。光を良く考えることが大きなポイント!今はとてもきれいな光の入り方になっているね。向かって右側が明るくて左側が暗い。ここで注意するのが露出。明るい右側を基準に露出を決めてしまうと暗いところが、とても暗くなってしまう。なので暗いところを基準にするときれいで明るい写真に仕上がるよ!」

素敵な写真が撮れるようになってきてMさんも楽しそうです&真剣(笑)素敵な写真が撮れるようになってきてMさんも楽しそうです&真剣(笑)

安藤さん「そして、光の当たり方で一番気をつけなければいけないのは逆光(光と向かい合っている状態)の時。カメラは明るい部分の露出を自動的に取るから、撮影したい被写体がとても暗くなってしまうんだ。」

確かに真っ黒…確かに真っ黒…

安藤さん「では、逆光の時はどこに露出を合わせればキレイな写真が撮れるか?先程同様に暗い箇所に露出を合わせるんだけれど、それでもまだ暗さが残るよね。そういう時は露出補正を活用するといい!Avのボタンを押すと液晶モニターの右下のバーが動かせる。逆光で撮影するときにはここを+1〜+1.5くらい上げておく。この設定で撮影してみよう!」

※AV補正、AVボタンは各機種の取扱説明書をご確認ください※AV補正、AVボタンは各機種の取扱説明書をご確認ください

AV補正

安藤さん「さらに雰囲気を出したい場合は+2まで設定をあげてもいいと思うよ!」

すごく明るい写真に!すごく明るい写真に!

安藤さん「AV補正をよく使うシーンに『運動会』があるね。体操服ってみんな白いよね?オートで撮影しようとすると、体操服の白に合わせようとして全体が暗くなってしまうんだ。その場合に露出補正を先に+1.5あたりに設定しておく。そうすると人物を撮影するときに顔がしっかり明るく撮影できる。これもポイントだから覚えておくといいよ!」

とにかく、たくさん撮影しよう!

安藤さん「これはデザインの話になってしまうかもしれないけれど、上手な写真を撮るには構図を考えて撮影することも重要!例えば年賀状などで子供の写真を使いたい。と考えたときに顔が向いている方向にスペースを作ってあげる。実はこれはマンガの吹き出しによくあることなんだ。顔が向いている方向にスペースがあることで、表情だけでなく被写体の意思もそこに現れるようなイメージにすることができるでしょ?完成したイメージを意識して写真が撮れるようになると、ひとつプロに近づくかもね!」

スペースを取る方向によってイメージが変わってくるスペースを取る方向によってイメージが変わってくる

安藤さん「あとはとにかく撮る!たくさん撮影することで、だんだんシャッターチャンスがわかってくるし、子供はいろんな表情を持っているので、枚数をたくさん撮ってあげる。いい表情を求めて自分から動いて撮影していこう!」

続々といい表情の写真が!Mさんもいい表情を求めて右へ左へ!安藤さん「これが幸せ家族の距離感!」続々といい表情の写真が!Mさんもいい表情を求めて右へ左へ!
安藤さん「これが幸せ家族の距離感!」

年齢に応じての距離感

安藤さん「今度はかっこいい!写真を撮ってみよう。お兄ちゃんの場合は年齢的に自己や自意識が強くなってくる頃だからそのイメージを感じさせながら撮影すると、また違った写真が撮れる。ちょっとまわりに空間を作ってあげたり、距離をとってみたりとかね。
ただかわいいだけじゃない、違った雰囲気の写真になるよね!」

年齢によっては、大人っぽい雰囲気で撮影するのもGOOD!年齢によっては、大人っぽい雰囲気で撮影するのもGOOD!

安藤さん「子供を撮影する時に、年齢が小さい時ほど、どんどん距離が寄っていくでしょ?成長とともに少しづつ離れるけど、それが親子の本当の距離だったりするよね。
子供との実際の距離感をそのまま撮影の距離として生かしていくと、年齢に応じた成長の魅力を感じられる写真が撮影できると思うよ!」

まとめ

安藤さん「写真は単なる記録媒体のひとつかもしれないけど、家族にとってとても良いコミュニケーションツールだと思うんだ。あとは繰り返しになるけど、どんどん撮る!そうすると経験も積み重なって、ファインダーを覗いたときに自分が良いと思うイメージが感じ取れるようになるから。とにかく写真はたくさん撮ろう!それがデジタルの良さだね。」

みなさんも上手にデジタルカメラを使いこなして、素敵な写真を撮影しませんか?
子供の成長の記憶を、しっかり記録として残しておきましょう!

※本記事は「キヤノン株式会社」の掲載許諾を得て作成しています。

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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