近年すっかり定着し、多くの証券会社が独自のツールやサービスを提供するようになったオンライントレード。スマホで手軽に株式投資が行えるアプリやサービスもありますが、デイトレードに挑戦したい方や、きちんと情報収集しながら取引したい方などは、それなりのPC環境が欲しいところ。 今回は、様々なオンライントレード専用パソコンをリリースしてきたパソコン工房から新たに登場した「トレステPC」について、日本を代表する個人投資家であるテスタさんに、オンライントレードに最適なPC環境をパッケージにした「トレステPC」のプロトタイプを実際に使ってもらい、使い勝手や機能について評価していただきました。 さらにテスタさんには、経験ゼロからはじめてどのように経験を積んでいったのか、「日本に投資を広めたい」という強い思い、そしてオンライントレードで勝つために環境や心構えの点で大切にしていることなど、お話をお聞きしました。
「トレードステーション」とは?
「トレードステーション」は、先進性、機能性において数々の最高評価*を受けてきた、米TradeStation社の根幹とも言える取引ツールです。 米国では発注スピード最優先のデイトレーダーから緻密なシステムトレーダーまで、様々なタイプのトレーダーが使用しています。日本のアクティブ・トレーダーのためにローカライズされた日本株版のトレードステーションも、これまでの日本株取引ツールにはない機能を多数備えています。最初はその機能の多さに驚くかもしれませんが、専用のサポートサイトや、トレーディングツールに精通したオペレーターのいるコールセンターを通じて全面サポートしますので、トレード初心者の方にも安心してご利用いただけます。
*米バロンズ誌オンライン証券会社アクティブトレーダー部門最高位を8年連続で獲得。
「トレステPC」とは?
「トレステPC」は、「トレードステーション」の動作推奨スペックを満たした「お墨付き」パソコンとして、マネックス証券とパソコン工房が共同企画したオンライントレード専用機です。証券会社とパソコン販売店のコラボレーションは異色に思えるかもしれませんが、パソコン工房では2013年より証券会社2社との共同企画製品に取り組んでおり、この間の出荷実績とノウハウも活かして第3弾となる製品を開発いたしました。
「トレステPC」は、最大8画面でチャートなど多くの情報を表示できるハードウェア一式に、両社が提供するサポート体制を組合せ、充実したオンライントレード環境を実現しています。
マーケット情報の視認性の高さ、「トレードステーション」による先進的な取引、安心のサポート体制によって、上級者の方だけではなく、初心者の方にも、投資効率をアップするツールとして広くご利用頂けます。
テスタさんに聞く!「トレステPC」と「トレードステーション」って実際どうなの?
テスタさんのご自宅は眺望の素晴らしい高層マンション。その1室にモニター6台と「トレステPC」を設置し、トレードステーションのエキスパートから主な機能についてザッと紹介した後、実際にその環境で、ソフトウェアを使っていただきました。
まず、「トレードステーション」を使ってみて、全体的な印象などいかがでしょうか?
すごい!未来だなぁ…。すごく速いし。何年も同じシステムを使ってきたので、感動するな~! このツールは何でもできますね。今まで複数のソフトウェアを組み合わせないとできなかったことも、これ1つで出来る。出来ないことが無い。そして、とにかく直感的に操作ができて、スピードに特化してる。特にデイトレーダーやスキャルピングなど、高速な取引をする人たちにとってはスピードは大事なので、直感的に扱える点はすごくいいなと思います。ただ、アイコンがちょっとかわいくないかな(笑)
多機能だと、その分使い方が難しいのではないか…とも思ったのですが。
確かに、初心者さんにとってはとっつきにくかったり、何からはじめれば良いのか分からないと感じることがあるかもしれません。そんな時には、とにかくいろんな機能を触ってみて、いろいろ触りながら自分が残しておきたいものを残していって、自分なりの形を作っていけば良いと思います。
もちろん、ある決まった形を誰かに教えてもらって、それをそのまま使ったり、あるいはそれを基にして新しいものを自分で組み合わせてもいいですし。あとは、短期用、中長期用、ビギナー用などのテンプレートが用意されていると思うので、そこからはじめるのも良いと思います。
テスタさんお奨めの便利機能
お使いになってみて、特に便利だと感じた機能はありますか?
直感的に・即座に発注できる「板発注」
普通、発注する時はコードを入力したり、枚数を入力したりと、いくつかの手順が発生するんですが、板の中でクリックすると直感的にパッと発注画面に行けるんです。導入している取引ツールはなかなかないので、これはすごく便利です。
早めに動きが分かる「気配値込みのランキング」
これまでもずっと便利で使ってるんですが、トレードステーションのランキングは寄り前の気配値込みなので、その日の値動きに気付くのが早くなって、9時の取引開始時点でもう注文を出しておけるようになる。「気配値込みのランキング」というのは、8時過ぎに取引所に注文が入ってから始値が確定する前の動きを反映したランキングのことです。特にデイトレードをやる人たちはその日1日に動く銘柄を探したいわけですから、動きの気配が9時より前の段階から予想できるというのは、大きなアドバンテージになります。
「1円の重み」が分かる出来高バー
トレーディングではある価格帯が壁になって値段が上がりにくくなることがあって、つまりは同じ一円でも価格帯によって「重い一円」と「軽い一円」があるんですが、出来高バー*はこの「一円の重み」を分かりやすく見せてくれます。他の証券会社さんでは出来高バーがないところが多いので、この機能があるのは良いですね。
*フル板機能「マトリックス」に表示される機能。ある価格帯で約定した人が多い場合、そこで利益を確定したり損切りしたりする人が多くなり、壁ができて値段が上がりづらくなるという現象が起こることがあります。「今、いくらで、どれだけ取引されているか?」を視覚的に見せてくれる出来高バーは、株価の動きを直感的に捉え、取引の「節目」を掴むのに役立ちます。
Twitter上のトレード情報を注文画面に連携できるSNSビューア
今はTwitterの時代なので、取り引きに関わる情報もTwitterで発信されることが多いんですが、トレードステーションにはツイート中の銘柄名・銘柄コードを注文画面に連携できるSNSビューア機能があるんですね。昔は一番早い情報は新聞で、次にその媒体がブログになっていったけど、Twitterはリアルタイムの場で、みんながなにか知ったら瞬時に呟いてくれる。会社が何かを発表したら、プログラミングで瞬時にそれを呟いてくれるアカウントもあります。最新の情報を手に入れるツールとしてはTwitterが最終形で、これからも一番であり続けるんじゃないですかね。
オンライントレードに適したディスプレイのセッティングとは?
ディスプレイのセッティングについてはいかがでしょう?
うん。パッと見もかっこいいし、これだけ画面を使ってもここにスペースが余ってますからね。素晴らしく良いと思います。普段は大きいのを1つ一番右に置いて、左方向に縦画面を3つ置いていたので、机の上のスペースもなかったし、方向によっては見えづらいディスプレイもありましたが、扇形だとどの画面も見やすいですし、これは素晴らしく良いんじゃないですかね。
あと、モニターごとに画面1つ1つを区切ってくれるところもいいですね。普段はモニターの枚数を減らせるよう、1枚は大きなモニターを使っているのですが、モニターを大きくしてはじめて気づいたことがあって、大きいディスプレイだと画面を区切れないから、例えば画面を消すためのカーソル移動に時間がかかったり、大きかったら大きかったで不便だなって思ったこともあるんで、スピードを重視するなら、モニターを増やしたほうが便利だったりはするんです。これはもう、ベストの大きさでベストの形ではないでしょうか。
テスタさんお奨めの画面設定(2画面、4画面、6画面)
便利と感じた機能やディスプレイ/画面の設定についてお聞きしたところで、改めて「トレステPC」について感想を伺いたいのですが。
僕が株をはじめた頃は、「トレードステーション」が備えているような機能はすべてなかったんです。今はどんどん便利になっているのと同時に、便利なものを使っている人のほうが有利になります。みんなが持ってなかった時代なら使わなくてもよかったけど、ある時代なのにそれを使わずに旧世代のものを使い続けると、どんどん不利になってしまう。だから、今こういうツールがあるのだとすれば、多少めんどくさくても取り入れていかないと、取り残されてしまうという気はします。
テスタさんロングインタビュー「日本にもっと投資を広めたい」
経験ゼロからはじめた株式投資
まず、どのようにトレードをされてきたかという経緯から伺いたいのですが。
はじめてからは13年くらい経ちます。当時はデイトレードが主だったのですが、近年はもうデイトレードはあまりしてなくて、中長期とか、時間軸が長い投資が中心になってきています。
最初は買った株を半年くらい持ってみたりしたんですが、2005年頃に勉強のために読んでいたブログや本に「デイトレード」という言葉が出てきました。デイトレードには「とにかくリスクを取らない」という特徴があります。一日に動く値幅でしか売買しないから儲けも小さいけど、その分損も小さくなる。僕はどっちかというと小さくてもコツコツ儲けを出したいタイプだったので、自分の性格には合っていると思って、投資2年目からは「持ち越しをしない」を1つのルールに掲げるくらいになっていました。
そんな状況が2012年10月に自民党に政権が戻るまで続いて、その頃にはアベノミクスがはじまって相場が良くなり、大きな値幅をとれる局面になったので、デイトレードもしつつ、中長期もやるようになりました。
デイトレードと中長期の投資というのは、まったく別のものなのですね。
デイトレードっていうのは、その日のうち売り買いをして、絶対に次の日に持ち越さない取引のことを言います。そして、それに特化して、それしかしない人のことを、デイトレーダーと呼びます。世間的にはもしかしたらネットで取引する人のことを広く「デイトレーダー」と呼ぶかもしれないんですけど、厳密には僕も今は、「トレーダー」ではありますけど、「デイトレーダー」っていうのはちょっと違うんですよね。
メディアには「出ないといけない」と思ってる
メディアにも多く出ていらっしゃって、取材慣れされてますよね。
いやぁ…めちゃめちゃね、緊張しますよ。静止画はまだいいんですけど。テレビはしんどいです。四六時中どんな素振りでも取られてるわけじゃないですか。それに、企画を選んで出たとしても、編集次第で見え方がぜんぜん変わったりする。悪意をもって編集すればそういう風になるし、それは見てみないと分からない。だから、自分が出た番組を見る時は、とにかく何事もなく終わってほしい…と思いながら見てます。ずっと残りますしね。誰かがYouTubeに上げたり。ただ…メディアに出ないといけないとは思ってるんです。
僕は投資が一般的にならないとダメだと思っていて、いろんな投資家がメディアに出るのはすごくいいことだと思ってるんです。ただ、見え方というか、編集の仕方は問題で。やっぱりお金の話ですし、一般の方からすると乖離(かいり)した金額になったりするし、そういう金額を稼いでいる人しか出なかったりするし。それでも見た人が「自分もやってみよう」と思える編集ならいいんですけど、そうじゃなくて、「こういう人はイヤだな…」と思われるような見え方だと、投資の裾野が広がることにつながらない。
日本から「世界初」が減ったのは、投資アレルギーのせい?
テスタさんには、一般の方にもっと投資を広げたいという思いがおありなんですね。
そうですね。株式市場がないと企業は成り立たないわけで、みんなが投資をして、企業がお金を得て、設備投資なり優秀な人材を雇うなりしてさらに儲かって、お給料も増えて…っていうサイクルを回していくことが大事なんです。それが止まってしまうと、国内だけだったらいいかもしれないけど、対世界で考えたときには絶対に後れを取るわけです。
日本の企業はアメリカにどんどん抜かされて、かつては世界で一番だったものがそうじゃなくなってきている。家電なんて完全にそうなっていますよね。
その背景には、日本は投資に対してアレルギーというか…「悪」まではいかないけど、「こつこつモノを作っていくことこそが正義」っていうイメージがある。教育の現場でも「株式会社とは?」くらいしか習わないですし、株式市場の仕組みとか、株を買うことで世界にどんな影響があるのかってことを教えてこなかった結果が、いま日本が世界の企業に後れを取っている原因にあると思うんですよね。それはテレビ番組とかでもそうなんですけど。だから、誰か投資家がメディアに出ないといけないとは思うし、誰かが出たほうがいいとは思ってるんです。
投資を広げたいということは、「まずは100万円で…」くらいの規模感ではじめても良いと考えてらっしゃるわけですね。
もちろん!みんなそうですし、僕だってはじめは何百万単位しか持ってなかったですから。いま億単位で持ってる人も、絶対最初は少ないお金からはじめてますし。
ちゃんとやれば投資のリスクは自分でコントロールできるのに、なぜか「投資したらスゴい借金になる」みたいなイメージがありますよね。それは、日本では儲かったり勝ったりした話をするのはあまり良いことではないとされているから、そういう話はしない人の方が多い。反対に、バブルで弾けて、すごい借金した!とか、全部なくなった!とか、損をした話は伝わりやすい。
以前アメリカのメディアに取材を受けた時に、「今まで買った一番高いものは?」と質問されて、「それ言うと叩かれるから言いたくない」って答えたら、「それは日本の悪いところだ」っていう話になったんです。「アメリカなら、それは単純に夢として捉えられて、自分も頑張ろう、こんな少ない元手でこれを買えるようになるなら自分もやってみよう」となる。日本だとやれ自慢だなんだって言われがちですけど。ただ、その代わり日本の人はすごく慎重で、それはいいことだと思います。アメリカ人はポジティブというか、いいと思うとすぐやっちゃうから、失敗する人も多い。国民性なんですかね。リーマンショックみたいなこともアメリカだから起こったんじゃないかな。
自宅でのオンライントレードに適した環境とは?
顔だけ動かせば見たい情報がすぐ見られるのが大事
パソコンやモニターなど、ハードウェアに関するこだわりはお持ちですか?
パソコンのスペックに関してあまりこだわりはなくて、ツールさえ動けばいいと思ってます。ただ、僕は投資を仕事でやってるので、不具合があったり、重くなってきたと感じたら、以前より良いものに買い直すようにはしています。変えたからって明らかな違いを感じることはないんですけど、もしそれで1秒でも2秒でも早くなるなら、そこの設備投資はすぐに回収できますから。
モニターに関しては、画面を切り替えないといけないくらいだったら、モニターを1台増やして、見たい画面が常に表示されるようにした方がいいって思ってます。プロのトレーダーたちはみんなたくさん画面を出しているイメージがあると思うんですけど、あれは切り替えている時間とか、切り替えている間に別の画面が見えなくなるリスクを嫌っているからで、顔を動かすだけで見たいものが全部見えるようにしておくことが大事です。
最近は「ピボット」といって、横の画面を縦に出来るモニターもありこれもお勧めです。
縦って便利なんですよね。ホームページだって縦に伸びてるし、縦のほうが見やすいんですよ。
スペースも半分くらいになります。
投資が上手になると見たい情報が増えて、モニターも増えていく…ということはありますか?
ありますね。でも、いきなり何枚も並べる必要はなくて、段々増やしていけばいいと思います。自分に必要な情報は一人ひとり違ったりもするし。例えば、僕は為替は見ないんですけど、為替を常に表示させているトレーダーさんもいっぱいいるし。何が必要かは、バラバラですからね。
モニターの設置は台数が多いと大変そうに思えるのですが、セッティングはご自分でされますか?
一度形が決まれば何年も変わらないので、2-3時間かけて自分でやっていましたが、こちらの要望に応じて業者がモニターを設置してくれるサービスがあれば、便利なので使ってみたいですね。
(編集部注)トレーディングパソコンを購入したお客様は、別途有償にてPCやモニターのセッティングを業者が請け負うサービスをご利用いただけます。
非科学的なことは排除します!
その他に環境についてのこだわりはございますか? 例えば、眺めがいい部屋が好きだとか、気分転換のためにこれをやっているとか…。
うーん…(少し考え込む)。眺望はすごく好きですね。大事にしている気がします。いつもいろんな家を見に行って決めるんですけど、東京って特に、窓からの景色が詰まってたりするのが多いじゃないですか。すぐ隣がマンションとか、すぐ隣がビルとか。そういうのはあんまり好きじゃないですね。
眺めの開けたところに住むと、運気があがるらしいですね。
運気的なことは一切気にしません! 株とかトレードって、非科学的なことをいかに排除するかがとにかく大事だと思っているので、ジンクスとか、占いとか、風水とか、ゼロですし、ゼロにしないと勝てないと思ってます。よくあるのが、みんな、株が下がった時に神頼みして「上がってくれ!」って願ったりするんですけど、そういうのだと勝てないですから。人に頼ったり、神様に願ったり。とにかく、オカルトとか、運の要素とかを、いかに排除するのかっていうのが大事ですかね。
私生活でもそうですか? 初詣にもいらっしゃらない?
あーーーーー…。誰かに行きたいって言われたら行きますし、おみくじも引きたいって引きますけど、当然一切信じてはいません。例えばおみくじでも、10回引いて10回同じのがでるんなら信じますけど、絶対違うの出るじゃないですか。出るまで引けば絶対にいつか大吉が出るわけじゃないですか。そんなに意味はないと思ってるので。お化けなんかも、本当に成仏できなかった魂がお化けになるならこの部屋だけで2000人くらいいないとならないし、理にかなってない。とにかく、非科学的なことは信じないようにしています。
まとめ(NEXMAG編集部より)
個人投資家テスタさんによる「トレステPC」レビューとロングインタビューをお届けしました。レビューでは、機能の面で「これがあればなんでも出来る。出来ないことがない」と太鼓判が押され、ディスプレイのセッティングについても「スペースに余裕ができるし、画面を区切ることでスピードアップにつながる」と好意的なご意見をいただくことができました。インタビューでは「日本に投資をもっと広げたい」という真摯な思いや、オンライントレードに適した環境、そして「トレーディングでは非科学的なことを排除するのが大事」というお話をうかがうことができました。これから投資を始める方にもトレーディング経験者の方にも、今回のレビューとインタビューが参考になれば幸いです。
テスタさん プロフィール:
個人投資家。2005年に株式投資を開始し、これまでに累計20億円以上の利益を稼ぐ。日本を代表するデイトレーダーとしてテレビや雑誌で取り上げられる機会も多い。また2014年からは全国の児童養護施設への寄付活動を継続的に行ない、共感を集める。2017年からはデイトレードだけでなく中長期投資にも挑戦するなど取引スタイルの幅を広げている。
[ネクスマグ] 編集部
パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。