2024年10月25日(金)より、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)の販売を開始いたしました。
パソコン工房インターネット通販では、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)搭載BTOパソコン、単体パーツを発売中です。
本プロセッサーは新たにNPUを搭載し、ベース性能も引き上げられたCPUです。
今回はCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kを入手することが出来ましたので、インテルの新しいCPUがどれほどの性能を持つのか、ベンチマークテストを試していきます。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)販売開始!
パソコン工房ではインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)搭載BTOパソコン、単体パーツの発売を開始いたしました。
詳細は特集ページをご覧ください。
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インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)とは
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)は、Meteor Lakeから採用されたタイルアーキテクチャーのダイ構成を引き継いでおり、P-CoreにLion Cove、E-coreにSkymont、内蔵GPUにはXe-LPG、Intelの第3世代NPU(13TOPS)を搭載しています。
NPUを搭載したコンシューマー向けデスクトップCPUとしてはAMDのRyzen 8000G シリーズ プロセッサーに次いで2番目の製品という事になります。
また、ソケットがLGA1851に変更されるため、インテル Core プロセッサー(第14世代)以前のCPUには対応していないためマザーボードの買い替えが必要となります。
それでは早速インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)のベンチマークを開始していきましょう。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)ベンチマーク情報
ベンチマークを行うインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)は、Core Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kの3種類です。
比較対象としては、インテル Core プロセッサー(第14世代)から同じK型番となるCore i9-14900K、Core i7-14700K、Core i5-14600Kを用意しました。
また、Ryzen 9000 シリーズ プロセッサーからは最上位モデルとなるRyzen 9 9950Xを用意しました。
Core Ultra 9 285K | Core Ultra 7 265K | Core Ultra 5 245K | Core i9-14900K | Core i7-14700K | Core i5-14600K | Ryzen 9 9950X | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コア/スレッド | 24/24 | 20/20 | 14/14 | 24/32 | 20/28 | 14/20 | 16/32 | |
動作クロック | P-core | 3.7GHz | 3.9GHz | 4.2GHz | 3.2GHz | 3.4GHz | 3.5GHz | – |
E-core | 3.2GHz | 3.3GHz | 3.6GHz | 2.4GHz | 2.5GHz | 2.6GHz | – | |
基本クロック | – | 4.3GHz | ||||||
TurboBoost | P-core | 5.5GHz | 5.4Hz | 5.2Hz | 5.6Hz | 5.5Hz | 5.3Hz | – |
E-core | 4.6Hz | 4.6Hz | 4.6Hz | 4.4Hz | 4.3Hz | 4.0Hz | – | |
TurboBoost Max3.0 | 5.6Hz | 5.5Hz | – | 5.8Hz | 5.6Hz | – | – | |
Thermal Velocity Boost | 5.7Hz | – | – | 6.0Hz | – | – | – | |
最大ブーストクロック | – | 5.7Hz | ||||||
キャッシュメモリ | L2 | 40MB | 36MB | 26MB | 32MB | 28MB | 20MB | 16MB |
L3 | 36MB | 30MB | 24MB | 36MB | 33MB | 24MB | 64MB | |
メモリ | 対応メモリ | DDR5-6400 | DDR5-5600/DDR4-3200 | DDR5-5600 | ||||
最大容量 | 192GB | 192GB | ||||||
消費電力 | 基本電力 | 125W | – | |||||
最大電力 | 250W | 159W | 253W | 181W | – | |||
TDP | – | 170W | ||||||
内蔵GPU | Intel Graphics(Xe-LPG) | Intel UHD Graphics 770 | Radeon Graphics | |||||
64bitコード | intel64 | AMD64 | ||||||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | SSE4.1/4.2 | |||||
AVX | AVX2 | AVX512 |
※メーカー等による事前情報です。最終スペックと異なる、もしくは予告なく変更となる場合があります。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)からはHyper-Threadingが廃止されました。
そのためコア/スレッド数は、例えばCore Ultra 9 285Kで24/24と同じ数になっています。
Hyper-Threadingは古くはPentium 4時代から存在していましたが、インテル Core プロセッサー・ファミリーへの移行の際に一旦廃止され、2008年のCore i3/i5/i7で復活して以降16年も採用されてきた技術となります。
Core Ultra 9 285KはCore i9-13900Kと同じくインテル Thermal Velocity Boostに対応し、温度に余裕がある限り動作クロックを引き上げるようになっています。
今回からIntelのデスクトップ用CPUとして初めてNPUを搭載しています。AIの最大限効果を発揮させるためにはWindows 11 22H2のアップデートが必要となるとの事です。
対応ソケットは前世代とは違うLGA1851となり、対応するチップセットはインテル 800 シリーズチップセットとなります。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)はインテル Core プロセッサー(第14世代)と比べて高性能の省電力をうたっており、Core Ultra 9 285Kは前世代のCore i9-14900Kと同等のゲーミング性能を約80W低い消費電力で実現するとの事です。
今回ベンチマークテストで使用したOSについてはインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)への最適化を考慮し、Windows 11 24H2環境としています。
※テスト環境については記事最後尾に記載しております。
Passmark PerformanceTest
まずはCPUの全体的な性能を数値化するPassmarkの『CPU Benchmarks』を用いて、CPUの総合的な演算性能を見てみましょう。なおテストに使用したソフトウェアはPassMark 9となります。
Core Ultra 9 285KのCPU MARKのスコア(マルチスレッド)は用意したCPUの中、唯一スコアが60000を超え、最上位の実力をみせてきました。
PassMark 9のベンチマークソフトウェアでは、シングルスレッド性能がRyzen 9 9950XやCore i9-14900Kに対して3%程度低い値となりました。処理時間が短く、P-coreまで移り切らず、スコアがうまく伸びていない可能性があります。
項目別に見ると、浮動小数点演算のスコアはCore Ultra 9 285Kが非常に優れた結果を出しており、コア数以上の伸びを示しています。このスコアが総合スコアを押し上げたようです。
整数演算はRyzen 9 9950XがCore Ultra 9 285Kを上回るなど、処理内容によってそれぞれ得手不得手が有る事が分かります。
3D Mark CPU test
次いで、3D Mark「Fire Strike / Physics Score」と「Time Spy / CPU Score」を用いて、CPUの演算性能を見ていきます。「Fire Strike / Physics Score」「Time Spy / CPU Score」共に、CPUに物理演算をさせてその処理速度を数値化したもので、CGレンダリングや動画のエンコードと同じくCPUのコア数やスレッド数の多さが有利に働くテストです。なおベンチマークテストには共に4K解像度(3840×2160)のFire Strike UltraとTime Spy Extremeを使用しています。
Fire Strike Physicsテストではインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)がインテル Core プロセッサー(第14世代)からおおよそ27%程度、Time Spyでは16%スコアが上昇しています。
3D MarkのCPU性能テストはコア数が最も影響しますが、今回、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)の浮動小数点演算性能の高さから、大きくスコアを伸ばす結果となりました。
3D Markの最後に、純粋にCPU性能のみを評価する「CPU Profile」を用いて、CPUの全ポテンシャルを示す「最大スレッド(Max Threads)」のスコアで比較してみましょう。
全体としてTime Spyに近い格好となっていて、Core Ultra 5 245KとCore Ultra 7 265Kは、それぞれCore i5-14600K、Core i7-14700Kに対して29%程度、Core Ultra 9 285KはCore i9-14900Kに対して32%もスコアが向上しております。
MAX THREDSにおいてもCore Ultra 9 285Kのスコアが他を圧倒しています。
確かな進化を遂げているインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)はソケットが変更になっているため以前のCPUは使うことはできません。
最低でもマザーボード、CPUを交換する必要がありますが、今回のベンチマーク結果を見ますと、新たな買い替え候補としておすすめとなりそうです。
Z890 チップセットはPCIe Gen 5とThunderbolt 5、USB4に対応し足回りも強化され、さらに快適な環境を構築する事も期待できます。
CPUは新にNPUを搭載しており、今話題のAIに対応しております。
迷うことなくインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)を選択しても後悔する事は無いでしょう。インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)はそれだけのポテンシャルを秘めたCPUだと言えます。一点悩むとすれば、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)もRyzen 9000 シリーズ プロセッサーも、共に素晴らしい性能を示しており、どちらが良いのかといったことへの結論に迷うことでしょう。それぞれの良さがありますので、PCの使い方で何をメインとしたいか、何を解決したいかによって選ぶことになりそうです。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2) | インテル Core プロセッサー(第14世代) | AMD Ryzen 9000 シリーズ | |
---|---|---|---|
CPU | Core Ultra 9 285K Core Ultra 7 265K Core Ultra 5 245K |
Core i9-14900K Core i7-14700K Core i5-14600K |
Ryzen 9 9950X |
CPUクーラー | Inwin製360mm水冷クーラー | ||
マザーボード | MSI PRO Z890-P | MSI Z790-S01 | MSI PRO B650-S |
メインメモリ | DDR5-5600 32GB(16GB×2) | ||
グラフィックカード | Intel Graphics | Intel UHD Graphics 770 | Radeon Graphics |
ストレージ | KINGSTON OM8PGP41024N-A0(1TB) | ||
電源 | SSR-100PD(1000W) | ||
OS | Windows 11 Home 64Bit 24H2(build26100.2033) |
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サポート部門出身
コンシューマー系のガジェットマニアです。