2025年1月13日に発表されたインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)のTDP 65W版となる、Core Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245、Core Ultra 5 235、Core Ultra 5 225について、ベンチマークテストを試してみました。

気になる製品最終更新日: 20250124

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2) TDP 65Wモデル発売情報・ベンチマークレビュー

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【1月24日更新】インテル Core Ultra 7 / 9 プロセッサー(シリーズ 2)TDP 65Wモデル搭載BTOパソコン、インテル Core Ultra 5 プロセッサー(シリーズ 2)TDP 65Wモデル単体パーツの販売を開始いたしました。
インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)は新たにAI処理を効率的に処理するNPUを搭載し、ベース性能も引き上げられたCPUです。今回はインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)で初となるTDP 65WのCore Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245 / 235 / 225を入手することが出来ましたので、どれほどの性能なのかベンチマークテストを試していきます。

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2) TDP 65Wモデル販売中!

パソコン工房では1月24日(金)より、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)のうち、インテル Core Ultra 7/9 プロセッサー(シリーズ 2)搭載BTOパソコン、インテル Core Ultra 5 プロセッサー(シリーズ 2)単体パーツの販売を開始いたしました。詳細は特集ページをご覧ください。
また、インテル Core Ultra 7/9 プロセッサー(シリーズ 2) TDP 65Wモデル単体パーツも、順次発売開始予定です!情報が更新され次第、お知らせいたします。

パソコン工房で インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)特集ページ を見る

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)とは

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)は、Meteor Lakeから採用されたタイルアーキテクチャーのダイ構成を引き継いでおり、P-CoreにLion Cove、E-coreにSkymont、内蔵GPUにはXe-LPG、Intelの第3世代NPU(13TOPS)を搭載しています。
NPUを搭載したコンシューマー向けデスクトップCPUとしてはAMDのRyzen 8000G シリーズ プロセッサーに次いで2番目の製品という事になります。
また、ソケットがLGA1851に変更されるため、インテル Core プロセッサー(第14世代)以前のCPUには対応していないためマザーボードの買い替えが必要となります。

それでは早速インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)のTDP 65W版のベンチマークを開始していきましょう。

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)ベンチマーク情報

ベンチマークを行うインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)は、Core Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245 / 235 / 225のいずれもKなどの接尾語が付かない5種類のCPUです。いずれも下記スペック表の通りTDPが65Wとなるモデルで、コア数に応じて最大TDPが異なっています。
比較対象としては、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)からK型番のCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kと、インテル Core プロセッサー(第14世代)からCore i9-14900、Core i7-14700、Core i5-14400をそれぞれ用意しました。

Core Ultra 9 285K Core Ultra 9 285 Core Ultra 7 265K Core Ultra 7 265 Core Ultra 5 245K Core Ultra 5 245 Core Ultra 5 235 Core Ultra 5 225 Core i9-14900 Core i7-14700 Core i5-14400
コア/スレッド 24 / 24 20 / 20 14 / 14 10 / 10 24 / 32 20 / 28 14 / 20
動作クロック P-core 3.7 GHz 2.5 GHz 3.9 GHz 2.4 GHz 4.2 GHz 3.5 GHz 3.4 GHz 3.3 GHz 2.0 GHz 2.1 GHz 2.5 GHz
E-core 3.2 GHz 1.9 GHz 3.3 GHz 1.8 GHz 3.6 GHz 3.0 GHz 2.9 GHz 2.7 GHz 1.5 GHz 1.5 GHz 1.8 GHz
TurboBoost P-core 5.5 GHz 5.4 GHz 5.4 GHz 5.2 GHz 5.2 GHz 5.1 GHz 5.0 GHz 4.9 GHz 5.4 GHz 5.3 GHz 4.7 GHz
E-core 4.6 GHz 4.6 GHz 4.6 GHz 4.6 GHz 4.6 GHz 4.5 GHz 4.4 GHz 4.4 GHz 4.3 GHz 4.2 GHz 3.5 GHz
TurboBoost Max3.0 5.6 GHz 5.5 GHz 5.5 GHz 5.3 GHz 5.6 GHz 5.4 GHz
Thermal Velocity Boost 5.7 GHz 5.6 GHz 5.8 GHz
キャッシュメモリ L2 40 MB 36 MB 26 MB 22 MB 32 MB 28 MB 9.5 MB
L3 36 MB 30 MB 24 MB 20 MB 36 MB 33 MB 20 MB
メモリ 対応メモリ DDR5-6400 DDR5-5600 / DDR4-3200 DDR5-4800 / DDR4-3200
最大容量 192 GB
消費電力 基本電力 125 W 65 W 125 W 65 W 125 W 65 W
最大電力 250 W 182 W 250 W 182 W 159 W 121 W 219 W 148 W
内蔵GPU Intel Graphics Intel UHD Graphics 770
64bitコード intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2

CPUスペック比較一覧

※メーカー等による事前情報です。最終スペックと異なる、もしくは予告なく変更となる場合があります。

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)からはHyper-Threadingが廃止されました。
そのためコア/スレッド数は、例えばCore Ultra 9 285で24/24と同じ数になっています。
Hyper-Threadingは古くはPentium 4時代から存在していましたが、インテル Core プロセッサー・ファミリーへの移行の際に一旦廃止され、2008年のCore i3/i5/i7で復活して以降16年も採用されてきた技術となります。

Core Ultra 9 285Kおよび、Core Ultra 9 285はCore i9-14900と同じくインテル Thermal Velocity Boostに対応し、温度に余裕がある限り動作クロックを引き上げるようになっています。

今回からIntelのデスクトップ用CPUとして初めてNPUを搭載しています。AIの最大限効果を発揮させるためにはWindows 11 22H2以降のアップデートが必要となるとの事です。
対応ソケットは前世代とは違うLGA1851となり、対応するチップセットはインテル 800 シリーズチップセットとなります。

また、CPUのヒートスプレッダーの大きさがCore Ultra 9 285、Core Ultra 7 265と、Core Ultra 5 245 / 235 / 225では異なります。

左からCore Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245左からCore Ultra 9 285、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245

今回ベンチマークテストで使用したOSについてはインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)への最適化を考慮し、Windows 11 24H2環境としています。
※テスト環境については記事最後尾に記載しております。

Passmark PerformanceTest

まずはCPUの全体的な性能を数値化するPassmarkの『CPU Benchmarks』を用いて、CPUの総合的な演算性能を見てみましょう。なおテストに使用したソフトウェアはPassMark 9となります。

Passmark シングルスレッドPassmark シングルスレッド

シングルスレッド性能はCore Ultra 5 225から順当に動作クロックに合わせて性能差が階段状に上がっていることがわかります。
概ねCore Ultraの方が前世代よりもスコアが出ており、Core Ultra 5 245はCore i5-14400と比較して9.4%もスコアが高い結果となっていました。

Passmark CPU MarkPassMark CPU Mark

次にCPUのマルチスレッド性能も含めた総合的な演算性能のスコアを比較してみるとCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265Kのスコアが高く、シングルスレッド性能ではCore Ultra 7 265Kよりもスコアが高かったCore Ultra 9 285が4.5%程度スコアが劣る結果となりました。TDPの範囲内での動作のために非常にシビアに熱制御が行われた結果、特に発熱が高くなるマルチスレッド性能でCore Ultra 7 265Kの後塵を拝した結果が反映された格好となっています。

3D Mark Graphics

次に、DirectX 11の代表的ベンチマークである3DMark「Fire Strike」と、DirectX 12の代表的ベンチマークである3DMark「Time Spy」を使用して、Core Ultraの内蔵グラフィックスの性能を見てみましょう。
CPU性能の差を排除するため、それぞれ「Graphics Score」を用いて比較しています。

3D Mark Fire Strike3D Mark Fire Strike

3D Mark Time Spy3D Mark Time Spy

多少の変化はありますが、Core Ultra 9 285K、Core Ultra 9 285、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 7 265、Core Ultra 5 245はFire Strike・Time Spy共にグラフィックス性能はほぼ同等で、Core Ultra 5 235、Core Ultra 5 225についてもインテル Core プロセッサー(第14世代)のCore i9-14900と比較してもCore Ultra 5 235はFire StrikeのGraphics Scoreで42.9%、Time SpyのGraphics Scoreでは55.7%も向上しており、Core Ultra 5 225でもFire StrikeのGraphics Scoreで14.8%、Time SpyのGraphics Scoreで30.6%も性能が向上しています。

内蔵グラフィックスコアが、Xeグラフィックス世代に変わった事による大きな性能向上が見られました。

確かな進化を遂げているインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)はソケットが変更になっているため以前のCPUは使うことはできません。
最低でもマザーボード、CPUを交換する必要がありますが、今回のベンチマーク結果を見ますと、新たな買い替え候補としておすすめとなりそうです。
Z890 チップセットはPCIe Gen 5とThunderbolt 5、USB4に対応し足回りも強化され、さらに快適な環境を構築する事も期待できます。
CPUは新にNPUを搭載しており、今話題のAIに対応しております。

迷うことなくインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)を選択しても後悔する事は無いでしょう。インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)はそれだけのポテンシャルを秘めたCPUだと言えます。一点悩むとすれば、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2)もインテル Core プロセッサー(第14世代)も、共に素晴らしい性能を示しており、どちらが良いのかといったことへの結論に迷うことでしょう。それぞれの良さがありますので、PCの使い方で何をメインとしたいか、何を解決したいかによって選ぶことになりそうです。

インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ 2) インテル Core プロセッサー(第14世代)
CPU Core Ultra 9 285
Core Ultra 7 265
Core Ultra 5 245
Core Ultra 5 235
Core Ultra 5 225
Core i9-14900
Core i7-14700
Core i5-14400
CPUクーラー Inwin製360mm水冷クーラー
マザーボード MSI PRO Z890-P ASUS Z790-A WIFI
メインメモリ DDR5-5600 32GB(16GB×2) DDR5-4800 32GB(16GB×2)
グラフィックカード Intel Graphics Intel UHD Graphics 770
ストレージ KINGSTON OM8PGP41024N-A0(1TB)
電源 SSR-100PD(1000W)
OS Windows 11 Home 64Bit 24H2(build26100.2033)

テスト環境

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ライタープロフィール 職人7号

360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。

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