Adobe Photoshop 2021で選べる4つのカラーモード(RGBカラー、CMYKカラー、Labカラー、インデックスカラー)について解説します。

クリエイター最終更新日: 20220331

Photoshop 4つのカラーモードの違い

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Adobe Photoshop 2021(以下Photoshop)では、4つのカラーモードを選ぶことができ、画像の用途でカラーモードを選び分ける必要があります。今回は4つのカラーモード(RGBカラー、CMYKカラー、Labカラー、インデックスカラー)について解説します。

各カラーモードについて

任意のカラーモードは、メニューバーの「イメージ」→「モード」へと遷移すると、カラーモードとチャンネルが選べます。任意に選び直すと、該当ファイルに適用されます。

簡単な画像処理で使う分には、あまりカラーモードの違いを意識しないかもしれませんが、用途によって使い分けが必要です。ここでは最低限押さえておきたい内容に絞って、Photoshopで実際に選べる4つのカラーモードについて、それぞれ見ていきます。

「RGBカラー」について

RGBカラーとは、コンピューターやテレビなどのディスプレイやデジタルカメラのように光で色を表現する仕組みを指します。「光の三原色」と呼ばれるレッド(R)・グリーン(G)・ブルー(B)の頭文字を組み合わせて「RGB」と言い、それぞれの光は、波長の違う可視光線です。ディスプレイによって表現が異なってしまう欠点があります。8bit〜32bit/チャンネルの編集が可能で、デジタルデータの用途でもっとも利用機会が多いモードと言えるでしょう。

「CMYKカラー」について

CMYKカラーとは、印刷物で色を表現する仕組みで、「色の三原色」と呼ばれるシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)、キープレート(Key plate)の頭文字を組み合わせて「CMYK」と言います。プリンターにより表現が異なってしまう欠点があります。8bit〜16bit/チャンネルの編集が可能。紙への出力が必要なデータはCMYKモードを選択します。

「Labカラー」について

Labカラーとは、1931年に色規格の国際照明機関CIE(Commission International d’Eclairage)によって開発されました。黒から白(明度=Lightness)と2つの色彩要素である緑から赤の範囲の要素(a)、青から黄の範囲の要素(b)によって構成されたカラーモデルです。色域が広く、デバイスに関係なく色を明確に表現できるので、システム間での色調のズレを少なくする特徴があります。8bit〜16bit/チャンネルの編集が可能。RGBモードやCMYKモードで進めても色が沈みがちになるなど色が決まらない場合、デバイスを問わず色域が広く表現できるLabカラーを選ぶと好転する可能性があります。

「インデックスカラー」について

インデックスカラーとは、ピクセルごとに色を指定せず、1,677万色ある色の中から256色を選択し、カラーマップと呼ばれる色定義テーブルの参照番号を指定して画像を表現する形式のカラーモデルです。色数が限られているため、データ容量を小さくでき、画像処理の負荷を軽減できます。Webサイトで負荷を抑えた画像公開をしたい場合にはインデックスカラーが有力な選択肢でしょう。8bit/チャンネルのみ編集が可能です。

各モードのヒストグラムを比較する

4つのカラーモードについて、表向きの見た目だけでは違いが伝わりづらいかもしれません。そこで見た目ではなく、サンプル画像に対して各カラーモードに変換した後の「ヒストグラム」を比べることにします。

※ 「ヒストグラム」とは、「各カラーの明るさのレベル別にピクセル数をグラフ化し、画像内のピクセル分布を示したもの」(アドビのWebサイト、ヘルプページより)で、対象画像の色調範囲を確認できます。

下が今回のサンプル画像です。

サンプル画像をベースに、各カラーモードに設定したヒストグラムの比較が以下です。左からRGBカラー、CMYKカラー、Labカラー、インデックスカラーです(インデックスカラーへの書き出しは細かな設定の変更が可能ですが、ここでは任意に調整した状態です)。

比べると、わかりやすいのがインデックスカラーです。色数が256色に限られているので、ヒストグラムが他より劣っていることがわかります。実際の画像でも画像の劣化具合がわかりやすいのがインデックスカラーです。

このようにベースの画像が同じでも、ヒストグラムが上のように変わるわけです。画像処理に慣れていない初心者は、まずはモードの違いが存在することや、用途によってモードの使い分けが必要なこと(裏返すと、特別な用途がないなら設定を変えずにデフォルトで進めること)を知っておきましょう。

ライタープロフィール 海津ヨシノリ

グラフィックデザイナー、イラストレーター、大学非常勤講師(跡見学園女子大学、二松學舍大学)。毎日blogにてソフトウェア手法に加え、日曜大工ネタや撮影などのTipsをアップロードする。2006年から月例セミナーを開催中。

https://www.kaizu.com/

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