【9/25更新】GeForce RTX 3080ベンチマーク記事を追加いたしました。
GeForce RTX 30シリーズは、NVIDIAよりデスクトップ用グラフィックスカードの最新モデルとして、2020年9月2日に発表されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードとなっています。
今回はGeForce RTX 30シリーズの第1弾として、2020年9月17日の22時に販売開始されたGeForce RTX 3080 について、ベンチマークテストを通してその性能を確認して行きます。
GeForce RTX 3080 とは
GeForce RTX 3080は、第2世代 RTX アーキテクチャである Ampere を搭載したGeForce RTX 30シリーズのGPUとなります。
進化した第2世代RTXアーキテクチャを採用するGeForce RTX 30シリーズ
GeForce RTX 3080は、NVIDIAより2020年9月2日に発表されたデスクトップ用グラフィックスカードの最新モデル、GeForce RTX 30シリーズの第1弾として2020年9月17日の22時から販売されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、さらに最大で2倍のリアルタイム レイトレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合しています。これらの大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードとなっています。
GeForce RTX 3080の主な特徴としては、
・8nmプロセスとなるAmpereアーキテクチャを採用、第2世代RTXアーキテクチャと呼ばれ、GeForce RTX 20シリーズは第1世代RTXアーキテクチャと呼ばれるようになりました
・GeForce RTX 3080はGeForce RTX 2080 SUPERに比べ約2.8倍のCUDAコア数となり、同様にリアルタイムレイトレーシング処理性能は約1.7倍、Deep Learning処理性能(FP16)は約2.6倍となりました
・ビデオメモリにGDDR6Xを採用し、GDDR6を上回る帯域となりました
・新たにPCI Express Gen4に対応しました
・H.265を上回る圧縮効率を誇るAV1(AOMedia Video 1)コーデックにハードウェアで対応し、8K映像のエンコード、デコード処理が可能になりました
・8K HDR映像が出力可能なHDMI 2.1やDisplayPort 1.4aと、DSC 1.2aに対応しました
・NVIDIA REFLEX、DLSS 2.0、RTX IO等の新たなテクノロジーに対応しました
・NV LINKは非搭載となりました
GeForce RTX 3080 スペック情報
GeForce RTX 3080 |
GeForce RTX 2080 Ti |
GeForce RTX 2080 SUPER |
GeForce RTX 2080 |
GeForce GTX 1080 Ti |
|
---|---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Turing | Pascal | ||
GPUコア | GA102 | TU102 | TU104 | TU104 | GP102 |
製造プロセス | 8nm | 12nm | 16nm | ||
CUDAコア | 8704基 | 4352基 | 3072基 | 2944基 | 3584基 |
RTコア | 第2世代 68基 |
第1世代 68基 |
第1世代 48基 |
第1世代 46基 |
– |
Tensorコア | 第3世代 272基 |
第2世代 544基 |
第2世代 384基 |
第2世代 368基 |
– |
定格クロック | 1.44GHz | 1.35GHz | 1.65GHz | 1.51GHz | 1.48GHz |
ブーストクロック | 1.71GHz | 1.54GHz | 1.81GHz | 1.71GHz | 1.58GHz |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6 | GDDR5X | ||
メモリ容量 | 10GB | 11GB | 8GB | 11GB | |
メモリ転送レート | 19Gbps | 14Gbps | 15.5Gbps | 14Gbps | 11Gbps |
メモリバス幅 | 320bit | 352bit | 256bit | 352bit | |
メモリバス帯域幅 | 760GB/s | 616GB/s | 496GB/s | 448GB/s | 484GB/s |
PCI Express | 4.0 x16 | 3.0 x16 | |||
NV LINK(SLI) | × | ○ | |||
G-SYNC | ○ | ||||
TDP | 320W | 250W | 215W | 250W | |
補助電源 | 8Pin×2 | 8Pin + 6Pin | |||
推奨電源 | 750W | 650W |
GeForce RTX 3080とGeForce RTX 2080 Tiを比べても、やはり目を引くのは倍増したCUDAコア数となり、また、GDDR6Xメモリの採用によりメモリバス帯域幅も増加しています。反面、補助電源は同じ8Pinx 2構成ながらTDP値は70W上回り、推奨電源容量は750W以上と消費電力が大きくなっています。GeForce RTX 30シリーズでは、GeForce RTX 20シリーズ以上に使用する電源とパソコン全体の冷却性能に注意する必要が有りそうです。
それでは、GeForce RTX 3080でのベンチマークテストを実行していきましょう。
比較対象としては、GeForce RTX 20シリーズから、同じハイエンドモデルとして『80』型番を持つGeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2080を、さらに一段上位モデルに当たるGeForce RTX 2080 Tiを用意しました。テスト解像度はフルHD(1920x1080)、WQHD(2560x1440)、4K(3840x2160) の解像度のいずれかにて行っています。また、3D Markでは、CPU性能の依存度が少ないGraphics Scoreでの比較となります。
なお、ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています。
GeForce RTX 3080 ベンチマークテスト
3D Mark 「Fire Strike」
まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。
一目瞭然にGeForce RTX 3080が圧倒的な性能を発揮しています。GeForce RTX 2080 Tiと比べて、WQHD解像度で30%以上、4K解像度では40%もスコアが向上しています。GeForce RTX 3080の4K解像度でのスコアはGeForce RTX 2080の1.7倍以上のスコアになるなど、NVIDIAがGeForce RTX 3080はGeForce RTX 2080シリーズの2倍の性能と謳うのも納得の性能となっています。
3D Mark 「Time Spy」
次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。
Time SpyでもFire Strikeと似た傾向となりました。GeForce RTX 3080が圧倒的な性能を発揮しており、GeForce RTX 2080 Tiと比べて、WQHD解像度で30%、4K解像度では40%スコアが向上しています。
3D Mark 「Port Royal」
続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を見るベンチマークテストの3D Mark「Port Royal」を用いて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。なお、解像度は標準設定のWQHDとなります。また、DLSSについては無効となっており、RTコアの性能の比較として見ていきます。
GeForce RTX 2080 世代では30fps前後だったレイトレーシング性能が、GeForce RTX 3080では50fpsを超えるまで性能が向上しています。GeForce RTX 3080では、レイトレーシングを有効にした状態での快適なゲーミングも手に届くところまで来たようです。
ではリアルタイムレイトレーシングにDLSSを有効にするとどうなるのかを続けてみていきます。
3D Mark 「NVIDIA DLSS feature test」
3D Markを用いたベンチマークテストの最後に、「NVIDIA DLSS feature test」を確認してみましょう。「NVIDIA DLSS feature test」は、レイトレーシング性能を見る「Port Royal」を活用したベンチマークテストで、GeForce RTX 30シリーズやGeForce RTX 20シリーズが搭載するTensorコアを用いたDLSS(Deep Learning Super Sampling)の性能を見ることが出来、結果はフレームレートで表示されます。ちょうど、GeForce RTX 3080のリリースに合わせた更新(version 2.13.7004)でDLSS2.0に対応したので、DLSS2.0に対応した「DLSS2」設定でベンチマークを行いました。
「DLSS2」設定では、テスト解像度に加えてDLSSのモード(Performance、Quality、および8Kの場合のみUltra Performanceが追加)を選ぶことが出来ます。今回はテスト解像度にWQHDと4Kを、DLSSモードはPerformanceとQualityを選択しています。なお、DLSSが有効ではない場合の結果はOFF として計測されます。
DLSSの効果てきめんといった結果です。WQHD解像度では、Performance設定ならばGeForce RTX 2080でも60fpsを優に超えており、Quality設定ならGeForce RTX 2080 Tiで60fpsを超えています。GeForce RTX 3080に至っては4K解像度でも、Performance設定で60fpsを上回っています。
DLSSが使用できるのであれば、GeForce RTX 3080なら4K解像度であってもレイトレーシングを有効にして快適なゲーミングプレイを行うことが出来そうです。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。なお過去のデータと比較のためSDRかつ、DLSSは無効としています。
GeForce RTX 3080 は、WQHD解像度で「非常に快適」な指標となる12000に肉薄し、4K解像度でも「快適」な指標となる6000以上のスコアをたたき出しました。GeForce RTX 2080 Tiと比べて、4K解像度で30%スコアが向上しており、実ゲームでのベンチマークにおいてもGeForce RTX 3080が高い性能を誇っていることが確認できます。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。
どのグラフィックスカードでも、4K解像度において「非常に快適」な動作の指標となる7000以上のスコアとなっていますが、GeForce RTX 3080 なら100 fpsに手が届くようなフレームレートとなっており、120Hzや144Hz駆動といった高リフレッシュレートの4Kモニタが真価を発揮してくれそうです。
4K 60fpsゲーミングに手が届いたGeForce RTX 3080
第2世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 30シリーズの第1弾となるGeForce RTX 3080は、GeForce RTX 30シリーズのポテンシャルの高さを見事に表してくれました。GeForce RTX 20シリーズのハイエンドモデルであるGeForce RTX 2080 SUPERやGeForce RTX 2080は言うに及ばず、一段上位に位置するGeForce RTX 2080 Tiすらも寄せ付けない圧倒的なパフォーマンスを見せています。
WQHD解像度に比べて4K解像度での性能向上の度合いは大きく、GeForce RTX 2080 Tiに対して全てのベンチマークで30%以上スコアが向上するなど、高解像度ほどGeForce RTX 3080の恩恵を受けることが出来そうです。特に、DLSSが有効な状態でのレイトレーシング性能は素晴らしく、4K解像度で60fpsに到達できるようになり快適でゲームへの没入感を増したレイトレーシングゲーミングプレイに道筋を示してくれています。GeForce RTX 20シリーズがレイトレーシングの可能性を示したとするならば、GeForce RTX 30シリーズはレイトレーシングゲーミングの可能性を示してくれているかのようです。
GeForce RTX 3080は、GeForce RTX 20シリーズよりも消費電力が大きい、すなわち発熱量が大きいという負の側面もありますが、それを打ち消すに十分すぎるほど大きなパフォーマンス向上が得られました。GeForce RTX 3080の4K解像度でのパフォーマンスを見ると、高リフレッシュレートの4Kモニタが必須なのではないかという気にさせられてしまいます。GeForce RTX 3080で「4K 60fps」さらにはリアルタイムレイトレーシングの土台は整いました。あとは魅力的なリアルタイムレイトレーシングに対応したゲームタイトルのリリースと、無数にある各種ゲームタイトルへのDLSSの対応に期待するばかりとなります。
CPU | Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W) |
---|---|
マザーボード | ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット) |
メインメモリ | DDR4-3200 16GB (8GB x2) |
グラフィックスカード | MSI製 GeForce RTX 3080 (10GB GDDR6X) |
GALAX製 GeForce RTX 2080 Ti (11GB GDDR6) | |
GALAX製 GeForce RTX 2080 SUPER (8GB GDDR6) | |
MSI製 GeForce RTX 2080 (8GB GDDR6) | |
ストレージ | WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB) |
電源 | Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W) |
OS | Windows 10 Home 64bit (バージョン:2004) |
ドライバ | GeForce Game Ready Driver 456.38 |
GeForce RTX 3080 BTOパソコン&単品パーツ 発売開始
GeForce RTX 3080 搭載BTOパソコンや単品パーツの発売を開始いたしました。
Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。