

HTC NIPPON株式会社から発売中のヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)「VIVE COSMOS」を入手いたしましたので、VIVE Proとの比較に加え、VIVE COSMOSのセットアップ手順について、ご紹介いたします。
VIVE COSMOS付属品を確認
下記でご紹介するVIVE COSMOSはレビュー用のパッケージの為、製品版とは異なっている可能性がありますので、予めご了承ください。
VIVE COSMOSの梱包物を全て取り出して並べてみました。梱包内容はシンプルでVIVE COSMOSと左右のコントローラー、リンクボックス、リンクボックス用電源アダプタと各ケーブルのみとなります。
VIVE COSMOS一式
比較としてVIVE ProのアップグレードキットにVIVE CEのベースステーションとコントローラーを加えると下の写真のボリュームになります。外部センサーを利用したトラッキング方式の場合はVIVE COSMOSの梱包内容と比べ、必要とするデバイスが多くなります。
VIVE Proのアップグレードキット + VIVE CEのベースステーションとコントローラー
しかし、ベースステーションを利用したアウトサイドイン方式ではルームスケールプレイエリアを正確に判断し、HMDを着用したユーザーの位置情報を正確に捕え、より精度の高いトラッキングが可能です。また、足や腰などに追加のトラッカーを着用するフルトラッキングにも対応できる利点があります。
VIVE COSMOSのインサイドアウト方式と、どちらが優れているといったことは一概に言えないところがありますが、VIVE COSMOSではモジュール式フェイスプレートを採用していますので、今後、ベースステーションを利用したアウトサイドイン方式にも対応し、ユーザーの目的にあったトラッキング方式を選ぶことができます。
VIVE COSMOSとVIVE Proの仕様比較
ここからはVIVE Proとの比較に加え、フォトレビュー記事ではお伝えきれなかった点などについても見ていきます。HMD部分のスペックについては下記で触れることにいたしまして、ここではヘッドセットのデザインや各部の仕様についてご紹介いたします。
まずは頭に着用するヘッドセットのデザインですが、人間工学に沿った改善が行なわれ、安定性に優れた仕様となっています。
ヘッドセットのデザインが変更さています
従来は後頭部のヘッドレストとHMDで頭部を挟み込む仕様でしたが、VIVE COSMOSではHMD部分を上方向に傾けることが可能なフリップアップデザインが採用されていますので、前頭部と後頭部で挟み込む仕様になっています。加えて、ヘッドレスト等のクッションにあたる部分の材質も変更されています。
ヘッドレスト等の材質が変更
フリップアップデザインを採用
リンクボックスに接続するPC側へのヘッドセットケーブルの取り回しにも違いが見られます。VIVE COSMOSでは取り外しが可能な左ヘッドフォンに固定する仕様になっています。
ヘッドセットケーブルの取り回しにも違いが見られます
ヘッドセットに取り付けられたヘッドフォンのデザインにも変更が見られます。VIVE COSMOSでは耳にぴったりフィットするヘッドフォンに変更されており、最高音質のオーディオが楽しめます。VIVE Proではイヤホン部分に音量のコントローラーがついていますが、VIVE COSMOSにはありません。
コンパクトで高音質なスピーカー
耳にぴったりフィットするヘッドフォンに変更
どちらも遮音性の高いイヤパッドになっており、ゲームへの没入感を高める一助になります。可動範囲はどちらも広くとられています。もちろん、取り外しをして好みのイヤホンに取り換えることもできます。
VIVE COSMOSの機能として、前面のモジュール式フェイスプレートを取り外すと前面上部に小型のファンが設けられており、HMDの冷却が考慮された設計になっています。
HMDに搭載された小型ファン
コントローラーに関してはデザインが大きく変更され、従来は左右対称のデザインだったコントローラーがVIVE COSMOSでは左右非対称のコントローラーに変更されました。ヘッドセット内蔵のカメラで認識させるためのエリアがせり出すデザインになっており、VIVE COSMOSでは従来のコントローラーは認識されません。
左:従来のコントローラー 右:VIVE COSMOSのコントローラー
VIVE COSMOSのコントローラーから入力方式も従来のトラックパッドからジョイスティックへと変更されました。
トラックパッドからジョイスティックへ変更
背面のボタン配置も大きく変わっています。また、コントローラーの電池についても従来モデルではマイクロUSBでの充電方式でしたが、VIVE COSMOSのコントローラーから単3電池2本での駆動に変更されています。
VIVE COSMOSのコントローラーは単3電池駆動
VIVE COSMOSのスペックと必要動作環境について
フォトレビュー記事でも取り上げましたが、改めてVIVE COSMOSの仕様をご紹介いたします。下記、VIVE COSMOSの仕様に加え、VIVE Proとの比較です。
VIVE Cosmos | VIVE Pro | |
---|---|---|
スクリーン | デュアル3.4インチ (対角線) | デュアルAMOLED 3.5インチ (対角線) |
解像度 | 片目あたり1440 x 1700ピクセル(合計2880 x 1700ピクセル) | 片目あたり1440 x 1600ピクセル(合計2880 x 1600ピクセル) |
リフレッシュレート | 90 Hz | |
視野角 | 最大110度 | |
オーディオ | ステレオヘッドホン | JAS(日本オーディオ協会)認定Hi-Resヘッドセット JAS(日本オーディオ協会)認定Hi-Resヘッドフォン(取り外し可能) 高インピーダンスヘッドフォンサポート |
入力 | 内蔵マイク、ヘッドセットボタン | デュアル内蔵マイク |
接続 | 拡張モジュール接続用USB-C 3.0、DP1.2 | Bluetooth、周辺機器用USB-Cポート |
センサー | Gセンサー ジャイロスコープ IPDセンサー |
SteamVRトラッキング Gセンサー ジャイロスコープ 近接センサー IPDセンサー |
人間工学 | フリップアップバイザー 調整可能なIPD 調整可能なヘッドストラップ |
レンズ距離調整による瞳距離調整 調整可能な IPD 調整可能なヘッドフォン 調整可能なヘッドストラップ |
コントローラー仕様 | ||
センサー | 内蔵センサー:ジャイロセンサー Gセンサー ホールセンサー タッチセンサー |
SteamVRトラッキング(2.0) Gセンサー ジャイロスコープ 近接センサー IPDセンサー |
入力 | システムボタン アプリケーションボタン トリガー バンパー ジョイスティック グリップボタン |
多機能トラックパッド グリップボタン 2段トリガー システムボタン メニューボタン |
電池 | 単3アルカリ電池2本 | マイクロUSB充電端子 |
トラッキングエリア要件 | ||
起立時 /着座時 | スペース制限なし | |
ルームスケール | 最小2m x 1.5m(ルームスケールモードの場合) | 4個のSteamVR Base Station 2.0を使用する場合、10m x 10m以内、2個のSteamVR Base Station 2.0を使用する場合、5m x 5m以内 |
VIVE COSMOSとVIVE Proのスペック比較
視野角は最大110度、リフレッシュレートは90 Hz、片目あたり1440 x 1700ピクセル(合計2880 x 1700ピクセル)のReal RGBディスプレイを採用し、従来機よりも縦の解像度が上がっています。
VIVE COSMOSに採用されるLCDパネルは、従来機で採用されていたペンタイル配列のものに変わり、フルRGB配列となっていますので実効解像度が従来機と比較して88%も向上しており、さらに、透明度の増したレンズを採用することでスクリーンドア効果を最小限に抑え、より鮮明な映像を実現しています。
実際にVIVE COSMOSの映像を見てみると、従来機よりも網目のように見えていたところが減り、細かい文字などの視認性も良く、クリアな映像となっていました。
上:VIVE COSMOS、下:VIVE Pro
続いて、VIVE COSMOSの推奨動作環境についてご紹介いたします。下記、推奨PCスペックです。
プロセッサ | Intel® Core™ i5-4590 もしくは AMD FX™ 8350 の同等品またそれ以上 |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce® GTX 1060 もしくは AMD Radeon™ RX 480 の同等品またそれ以上 |
メモリー | 8 GB RAM以上 |
ビデオ出力 | DisplayPort 1.2 以降 |
USB | USB 3.0 以降 1口 |
オペレーティング システム | Windows® 10 |
VIVE COSMOSの推奨動作環境
上記の推奨動作環境からCPUは4コア以上のCPUが推奨とされていますので、現行品であればパフォーマンスに余裕のあるIntel Core i5-9400やAMD Ryzen 5 3600以上がお勧めです。グラフィックスはビデオメモリを6GB以上搭載したミドルレンジからが推奨とされていますので、GeForce GTX 1660 Ti 6GBやRadeon RX590 8GB以上がそれにあたります。
加えて、エンタープライズVRソリューション(商業利用)を目的とした使用の場合はよりハイエンドなグラフィックスカードが推奨されていますので、レイトレーシングに対応するGeForce RTX 2060 6GBやビデオメモリ容量の大きいRadeon VII 16GB等がお勧めです。
メモリーに関しては、VIVE Proまでは4GB RAM以上が推奨されていましたが、VIVE COSMOSでは倍の8GB RAM以上が推奨されていますので、システムや他のアプリケーションで使用される容量を考慮し、16GB以上搭載することをお勧めします。OSについては、VIVE ProまでWindows 8.1が含まれていましたが、VIVE COSMOSよりWindows 10のみが推奨されていますので、ご注意ください。
VIVE COSMOSのセットアップ手順
それではここからVIVE COSMOSセットアップ手順をご紹介いたします。まずVIVE COSMOSを利用するPCにソフトウェアのインストールからはじめます。
VIVESetupのダウンロード、ソフトインストール
HTC VIVE公式のVIVE COSMOSの設定ページ(https://www.vive.com/jp/setup/)にアクセスして、「ダウンロード」をクリック。「ViveSetup.exe」ファイルをダウンロードします。
VIVE COSMOSの設定ページにアクセスして、「ダウンロード」をクリック
(デスクトップにダウンロードした場合)デスクトップにあるViveSetupアイコンをダブルクリックして、VIVEセットアップを開始します。
ViveSetupアイコンをダブルクリック
デスクトップ上にVIVE の初回設定画面が開きますので、「HTCエンドユーザー使用許諾書および使用条件」に同意のうえ、チェックボックスにチェックを入れ、「はじめましょう」をクリックします。
チェックボックスにチェックを入れ、「はじめましょう」をクリック
VIVEソフトウェアとVIVEPORTのインストール画面が開くので、VIVEPORTのインストール先を確認して、「インストール」クリックします。
VIVEPORTのインストール先を確認して、「インストール」クリック
画面が切り替わり、VIVEPORTデスクトップアプリのインストールが開始されます。
VIVEPORTデスクトップアプリのインストール
VIVEPORTアカウントの作成
VIVEPORTデスクトップアプリのインストールが完了すると、VIVEPORTの設定画面が開くので、「始める」をクリックします。
VIVEPORTの設定画面で、「始める」をクリック
VIVEPORTを初めて利用される方は「新規アカウントを作成する」をクリックしてVIVEPORTのアカウントを作成します。既にVIVEPORTのアカウントをお持ちの方はEメールアドレスまたは電話番号、パスワードを入力し、「サインイン」をクリックして初回設定を進めます。
「新規アカウントを作成する」をクリック
必要事項に加え、Eメールアドレスまたは電話番号、パスワードを入力し、「次へ」をクリックします。
Eメールアドレスまたは電話番号、パスワードを入力し、「次へ」をクリック
「マーケティングコミュニケーション」、「使用データ設定を共有」の内容を確認し、必要項目にチェックを入れて「アカウントを作成する」をクリックします。
「アカウントを作成する」をクリック
作成したアカウントをアクティベートするため、設定したEメールアドレス宛に送られる「HTC アカウントの確認」を行います。Eメールに表示されている「電子メールアドレスを確認」をクリックするとEメールアドレス認証が完了します。
Eメールに表示されている「電子メールアドレスを確認」をクリック
HTCアカウントを確認
VIVEPORTの設定に戻り、ストアロケーションの設定を行います。ストアロケーションの項目に日本と表示されていることを確認して「次へ」をクリックします。
ストアロケーションの設定
次にVIVEPORTストアでVRタイトルを購入できるだけでなく、VIVEPORTインフィニティを通してプレミアムコンテンツ(アプリおよびゲーム)を無制限で楽しめるオプションが付いた無制限 VR サブスクリプションサービス「VIVEPORT インフィニティ」のプランを選択できます。今回はVIVE COSMOSのセットアップ手順のご紹介となりますので、「後にする」をクリックして設定を進めていきます。
「VIVEPORT インフィニティ」のプラン選択
次に「デバイスの設定」を行います。マウスカーソルをVIVE COSMOSに合わせると「ダウンロードする」という表示が現れますのでクリックしてインストーラをダウンロードします。
VIVE COSMOSを選択
次に「健康&安全」といった項目が表示されますので、VIVE COSMOSを使用する前に、重要な安全に関する情報を読んでから「次へ」をクリックします。
重要な安全に関する情報を確認して「次へ」をクリック
次にVIVE COSMOSを使用するPCのグラフィックカードドライバに最新のものがある場合、「グラフィックカードドライバのアップデート」が表示され、最新ドライバへのアップデートを推奨されます。最新のグラフィックカードドライバをインストールしている状態であればこの項目は表示されません。
「次へ」をクリックすると「ドライバのアップデートが必要です」と表示されますが、今回は「続行する」をクリックしてデバイスの設定を進めます。
最新ドライバへのアップデートを推奨
ドライバアップデートの注意
1.ソフトウェアのインストール(Steamインストール、アカウントの作成)
ここではVIVEコンポーネントとSteamVRのインストールを行います。ソフトウェアのインストールには、最低でも18.5GBのディスクスペースが必要となりますので、ストレージ空き容量にご注意ください。「インストール」をクリックして、ソフトウェアのインストールを進めます。
ソフトウェアのインストールには、18.5GBのディスクスペースが必要
VIVE COSMOSソフトウェアおよびSteamをインストール
Steam(SteamVR)のインストールが完了するとSteamへのサインインを求められます。Steamアカウントをお持ちでない方は「Create a new Steam account」が選択された状態で「NEXT」をクリックしてSteamアカウントを作成します。既にSteamアカウントをお持ちの方は「log into an existing Steam account」を選択して「NEXT」をクリック後、Steamにサインインします。
Steamへのサインインを求められます
Steamアカウント作成は、下記のページからも事前に行うことができます。
https://store.steampowered.com/join/?l=japanese
アカウント作成ページでは現在利用しているEメールアドレスを入力し(アドレスの再入力含む)、reCAPTCHA(私はロボットではありません。)にチェックマークを入れて、Steam利用規約を確認のうえ、「私は13才以上で、これに同意します。」にチェックを入れて、「続行」をクリックします。
Steamをアカウント作成
先程入力したEメールアドレス宛に確認用メールが送られるので、Eメールを確認します。
Eメールを確認
Eメールを確認後、アカウントにサインインするユーザー名とパスワードを設定すればSteamアカウントの作成は完了です。
ユーザー名とパスワードを設定
Steamログイン 画面に先程作成したアカウント名とパスワードを入力して「LOGIN」をクリックして、Steamにサインインに成功するとデバイスの設定に進みます。
Steamにサインイン
ここからはリンクボックス、ヘッドセット、コントローラーなどのハードウェアの設定に移ります。デバイスの準備が整ったら「次へ」をクリックします。
デバイスの準備が整ったら「次へ」をクリック
事前に設定の準備として、ルームスケールVRに必要な自由に動けるスペースの確認画面が表示されます。内容を確認のうえ、「次へ」をクリックします。
デバイスの準備が整ったら「次へ」をクリック
「パッケージのアイテムを選択してください」と画面に表示されたら、「リンクボックス」をクリックします。
「リンクボックス」をクリック
2.リンクボックス(リンクボックスとPCの接続)
ここからリンクボックスとPCの接続に移ります。画面に表示される手順でリンクボックスとUSBケーブル、DisplayPortケーブル、電源アダプタを接続していきます。準備が整ったら「次へ」をクリックします。
リンクボックスとUSBケーブル、DisplayPortケーブル、電源アダプタを準備して「次へ」をクリック
注意といたしまして、付属のDisplayPortケーブルを利用する場合、リンクボックス側の接続はMini DisplayPortとなっておりますが、PC側の接続はDisplayPortとなっておりますので、VIVE COSMOSを使用するPCにMini DisplayPortの出力しかない場合は別途Mini DisplayPort – Mini DisplayPortのケーブルが必要となります。
リンクボックス側への各ケーブルの接続が完了したら「次へ」をクリックします。
リンクボックスとUSBケーブル、DisplayPortケーブル、電源アダプタを準備して「次へ」をクリック
PC側への接続はUSBケーブルをUSB 3.0またはそれ以降のUSBポートに接続し、DisplayPortケーブルはPCに増設されているグラフィックスカードへと接続します。リンクボックスとPCの接続が完了したら「次へ」をクリックします。
リンクボックスとPCの接続が完了したら「次へ」をクリック
3.ヘッドセット(リンクボックスとVIVE COSMOSの接続)
次にヘッドセットをリンクボックスに接続します。ヘッドセットの準備が整ったら「次へ」をクリックします。
ヘッドセットを準備して「次へ」をクリック
事前にVIVE COSMOSの6つのカメラレンズに貼られている保護フィルムを剥がします。保護フィルムが貼られたままの状態ですと、カメラの視認性に影響しますので、全て剥がしてから「次へ」をクリックします。
保護フィルムを全て剥がしてから「次へ」をクリック
ヘッドセットケーブルからはリンクボックスへの接続ケーブルは1本しか出ていないので、そのままリンクボックスへ接続します。この際、差込口の形状から上下を確認してヘッドセットケーブルをリンクボックスへ繋ぎます。
リンクボックスに各ケーブルを接続したら、リンクボックスの電源ボタンを押してVIVE COSMOSとPCを接続し、設定画面の「次へ」をクリックします。
リンクボックスの電源ボタンを押してVIVE COSMOSとPCを接続し、設定画面の「次へ」をクリック
4.コントローラー(ペアリング設定)
次はコントローラーの設定に移ります。手元にコントローラーと付属のアルカリ単3電池を用意して、「次へ」をクリックします。
コントローラーと付属のアルカリ単3電池を用意して、「次へ」をクリック
VIVE COSMOSのコントローラーはアルカリ単3電池で駆動しますので、コントローラーの電池カバーをスライドさせて開き、付属のアルカリ単3電池を左右各2本ずつ挿入します。
電池カバーを戻す前に、電池のプラス端子とマイナス端子が正しい向きになっていることを確認してから蓋をします。準備が整ったら「次へ」をクリックします。
付属のアルカリ単3電池をコントローラーに挿入して「次へ」をクリック
次に左右のコントローラーをヘッドセットとペアリングさせていきます。まず、右コントローラーにあるVIVEボタンをクリックして、ヘッドセットと自動的にペアリングさせます。コントローラーのライトの点滅が点灯に変わったら、ペアリングが完了したことになります。
また、画面の「接続中…」の表示が「ペアリング済み」となれば完了です。右コントローラーのペアリングが完了すると自動的に左コントローラーのペアリングへと移ります。
右コントローラーの電源を入れます
ペアリングが完了しない場合は電池残量、電池挿入時の向きを確認して、「コントローラーを検出できない場合やペアリングできない場合は、ここをクリックして詳細をご覧ください。」の「ここ」をクリックします
続いて左コントローラーの電源をいれます
画面に表示されるバイブボタンとYボタン(右コントローラーの場合はBボタン)を同時に押してから離し、ペアリングを開始します。コントローラーのライトが点滅から点灯に変わったら、ペアリング完了したことになります。
コントローラーのライトが点滅から点灯に変わったら、ペアリング完了
左右のコントローラーのペアリングが完了したら「次へ」をクリックします。
コントローラーのペアリングが完了したら「次へ」をクリック
最後に画面上に表示されているSteamVRウィンドウ上で追跡ステータスが準備完了となっていることを確認して、ハードウェアのセットアップが完了となります。問題なく接続されていることを確認したら「ルームセットアップを起動」をクリックします。
追跡ステータスアイコンの確認
5.ルーム設定(プレイエリアの設定)
ソフトウェアのインストール、ハードウェアの設定まで完了したら、次にプレイエリアとなるルーム設定を行います。VIVE COSMOSを着用するユーザーの動きを追跡するため、ヘッドセットがプレイエリアを確認します。準備が整ったら「次へ」をクリックします。
ルーム設定
プレイエリアには少なくとも2m × 1.5mのスペースを必要としますので、ペットやコード、壊れやすいものなどの家具や障害物はプレイエリアから離れた場所に移動させてください。環境が整ったら「次へ」をクリックします。
スペースを片付けます
ここからはヘッドセットを着用して視界システムの設定を進めていきます。
ヘッドセットを着用して視界システムの設定に進みます
VIVE COSMOSを着用すると現実世界の映像が映し出されており、目の前に設定の指示が表示されます。まず、コントローラーを手に取り、リストストラップを着用して、手元からコントローラーが離れないようにします。準備が整ったら、トリガーを最後まで引いてプレイエリアの設定を続けます。
プレイエリアの設定
次に、スペースを計測するため、プレイエリアとなる周囲の様子を設定します。画面には「左を見てから、右、次に下を見ます。」と表示され、スペース計測のスキャン率が表示されます。
また、下の写真にもありますように、環境が暗すぎる場合や明るすぎる場合、VIVE COSMOSに備わっているカメラの前方に十分な特徴がない場合は、設定するプレイエリアを正確に認識できなくなるため、部屋の明るさを調整したり、周囲を見渡して多くの情報を収集する必要があります。
スキャンが完了するまで周囲を見回します
スキャン中
スキャン率が100%になると、画面に「完了です!」と表示され、スペースの計測が終わります。
スキャン率が100%になれば完了です
次に「床面の高さ」を合わせます。目の前に床面の高さを示す表示が映し出され、矢印が示す場所にコントローラーを近づけて、そのまま床にコントローラーを置く形で床面の高さを設定します。
目の前の矢印にコントローラーを近づけます
そのまま床にコントローラーを置く形で床面の高さを設定
床面の高さを設定したら「次へ」にコントローラーを向けてトリガーを引きます。
床面の高さを設定したら「次へ」を選択
次に「プレイエリアの境界線の設定」を行います。コントローラーからマーカーが表示されますので、トリガーを引いて線を書くようにプレイエリアの境界線を描いていきます。
プレイエリアの境界線の設定
プレイエリアの設定は、障害物に交差しない場所を確認して設定します。
トリガーを引いて境界線を描いていきます
ぐるっと一周してプレイエリアの境界線を描くと画面上に柵が現れますので、問題がなければコントローラーを「OK」に向けてトリガーを引きます。
プレイアリアの境界線を描くと柵が表示されます
上記の設定が終わるとVIVEPORTが起動して、VIVEPORTのチュートリアルに移ります。
VIVEPORTの読み込み画面
VIVEPORTが起動
VIVEPORTのチュートリアルではゲームやアプリの起動ができるVIVE LENSの使い方や、基本的なコントローラーの操作手順、プレイエリアを出そうになった場合の挙動などが分かります。
VIVE LENSからはSteamでインストールしたゲームも起動することができます。ヘッドセットの右部にあるノブを回すとIPDの調整ができます。定規などを使ってあらかじめ自身のIPDを測定しておくと設定が楽になります。
IPD調節画面
SteamVR Dashboard
現時点の設定では、「左手コントローラー」のVIVEボタンを2回クリックすると、SteamVR Dashboardが開きSteamVRの操作ができるようになっています。Desktopの表示を行うと、従来機よりも解像度感が上がっていることが実感できるほどはっきりとデスクトップの画面の文字を読み取ることができるようになっています。
VIVE LENS
「右手コントローラー」のVIVEボタンを1回クリックでVIVE LENS、2回クリックで外部カメラが開きます。ヘッドセットの左側にあるボタンをクリックしても、外部カメラが開くようになっています。従来であれば、モノクロの世界で輪郭が強調された解像度も低いものでしたが、VIVE COSMOSではそれがカラーの映像で自然なイメージでヘッドセット外部の様子を見ることができます。
また、右手コントローラーのVIVEボタンとトリガーボタンを同時に押すとスクリーンショットを撮ることができます。現状では、レンズ越しの画像がキャプチャされます。
保存先は標準で「C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\HTC\Vive\screenshot\」内にJpeg形式で保存されています。
コントローラーは重心が考えられており、非常に自然なバランスでボタン操作を行うことができるようになっています。また、手振れ抑制も強めに効いているようで、若干ふわっとした動きになっていますが、VR内でコンソール操作するうえでは非常にポイントしやすくなっています。
ゲームをする上でこの挙動は問題にもなりえますが、今後設定変更が可能になることを期待したいです。標準のイヤホンは、低音もしっかり出る迫力のあるサウンドとなっておりゲームやVRの映画を楽しむことができます。
音量の調整が手元でできないため、コンソール内からの操作で変更することになりますが、VIVE LENSではすぐに音量が変更できる位置に無く、SteamVR Dashboardで変更を行っていました。このあたりも改善されることを期待したいポイントです。
VIVE COSMOSのリリース時点では、部屋の照度の問題など様々な問題が指摘されていますが、VIVE開発チームによるアップデートが行われており、徐々に解決されていくでしょう。常に最新のアップデートを導入することをお勧めします。ソフトウェアアップデートに関する情報は公式HPやTwitterをご確認ください。
簡単な設定でハイクオリティなVRコンテンツが楽しめるVIVE COSMOS
VIVE史上最高画質を実現するVIVE COSMOSは、6つのカメラを搭載したインサイドアウト方式のトラッキングを採用し、高精度な認識性と簡単なプレイエリアの設定で手軽にVRコンテンツを楽しめます。また、高解像度のReal RGBディスプレイと透明度の増したレンズをHMDに搭載することで、より鮮明な映像を実現!ヘッドセットのデザイン変更に伴い、激しい動作でも、より安定したプレイが可能です。
それに加え、機能を拡張できるモジュール式フェイスプレートを採用していますので、今後対応となるライトハウス・ベースステーションとコントローラーも使用できる外部トラッキング・フェースプレートに変更すれば様々な環境に対応できますので、皆様も是非体験してみてください!
パソコン工房では、VR HMDを初めて購入される方や、これを機にパソコンの買い替えなどを検討している方にお勧めなLEVEL∞のゲーミングPCとVIVE COSMOSのセットモデルもご用意しておりますので、下記のリンクも是非ご覧ください!
VIVE COSMOSではセンサーがインサイドアウト方式となったため、セットアップ作業が簡便になっており、好きな場所で好きな時にVRを楽しめるという点でゲーミングノートパソコンとの相性も格段に良くなっています。ぜひ合わせてご検討頂ければと思います。

360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。