NVIDIAが「世界初の8KゲーミングGPU」とうたうGeForce RTX 3090の性能はどれほどなのか、ベンチマークテストを通して確認して行きます。

気になる製品最終更新日: 20201013

GeForce RTX 3090 発売情報・ベンチマークレビュー

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【10/13更新】GeForce RTX 3090ベンチマーク記事を追加いたしました。
GeForce RTX 3090は、NVIDIAよりデスクトップ用グラフィックスカードの最新モデルとして2020年9月2日に発表されたGeForce RTX 30シリーズの最上位モデルとして、2020年9月24日の22時に販売開始されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードとなっています。
今回はGeForce RTX 30シリーズの最上位モデルGeForce RTX 3090 について、ベンチマークテストを通してその性能を確認して行きます。

GeForce RTX 3090 とは

8K HDRでのゲーミングをうたうGeForce RTX 3090

GeForce RTX 3090は、NVIDIAの最新デスクトップ用グラフィックスカードモデルGeForce RTX 30シリーズの最上位モデルとして2020年9月24日の22時から販売開始されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードです。

GeForce RTX 3090の主な特徴としては、
・8nmプロセスとなるAmpereアーキテクチャを採用、第2世代RTXアーキテクチャと呼ばれ、GeForce RTX 20シリーズは第1世代RTXアーキテクチャと呼ばれるようになりました
・GeForce RTX 3090は、最大で36TFlopsの演算能力を持つCUDAコア、最大で69TFlopsの演算能力を持つ第2世代RTコア、最大で285TFlopsの演算能力を持つ第3世代Tensorコアを搭載しました
・ビデオメモリに高速のGDDR6Xを採用して、メモリバス帯域幅は936GB/sと、広帯域メモリであるHBMにも匹敵するメモリバス帯域幅となりました
・NVIDIA TITANシリーズに匹敵する24GBの大容量ビデオメモリを搭載しました
・新たにPCI Express Gen4に対応しました
・H.265を上回る圧縮効率を誇るAV1(AOMedia Video 1)コーデックにハードウェアで対応し、8K映像のエンコード、デコード処理が可能になりました
・8K HDR映像が出力可能なHDMI2.1やDisplayPort1.4aと、DSC 1.2aに対応しました
・NVIDIA REFLEX、DLSS 2.0、RTX IO等の新たなテクノロジーに対応しました
・SLI動作を可能とする、最大112.5GB/sで通信を行う第3世代NV LINKを搭載し、新たなコネクタ形状となりました

GeForce RTX 3090 スペック情報

  GeForce RTX
3090
GeForce RTX
3080
NVIDIA
TITAN RTX
GeForce RTX
2080 Ti
NVIDIA
TITAN Xp
アーキテクチャ Ampere Turing Pascal
GPUコア GA102 GA102 TU102 TU102 GP102
製造プロセス 8nm 12nm 16nm
CUDAコア 10496基 8704基 4608基 4352基 3840基
RTコア 第2世代
82基
第2世代
68基
第1世代
72基
第1世代
68基
Tensorコア 第3世代
328基
第3世代
272基
第2世代
576基
第2世代
544基
定格クロック 1.40GHz 1.44GHz 1.35GHz 1.35GHz 1.41GHz
ブーストクロック 1.70GHz 1.71GHz 1.77GHz 1.54GHz 1.59GHz
メモリタイプ GDDR6X GDDR6 GDDR5X
メモリ容量 24GB 10GB 24GB 11GB 12GB
メモリ転送レート 19.5Gbps 19Gbps 14Gbps 14Gbps 11.4Gbps
メモリバス幅 384bit 320bit 384bit 352bit 384bit
メモリバス帯域幅 936GB/s 760GB/s 672GB/s 616GB/s 547GB/s
PCI Express 4.0 x16 3.0 x16
NV LINK(SLI) ×
G-SYNC
TDP 350W 320W 280W 250W
補助電源 8Pin×2
推奨電源 750W 650W 600W

NVIDIA GeForce RTX 30 シリーズ スペック比較表

GeForce RTX 3090は、GeForce RTX 3080を上回るウルトラハイエンドモデルとなっています。特に GeForce RTX 3090のビデオメモリ容量は圧倒的で、GeForce RTX 3080の2倍以上、NVIDIA TITAN RTXと同じ24GBを搭載しています。GeForce RTX 3090は、この高速かつ大容量のビデオメモリも相まって、NVIDIAが「世界初の8KゲーミングGPU」とうたっています。

 それでは、GeForce RTX 3090でのベンチマークテストを実行していきましょう。
比較対象としては、同じGeForce RTX 30 シリーズからGeForce RTX 3080を、GeForce RTX 20 シリーズからはGeForce RTX 2080 TiとGeForce RTX 2080 SUPER、GeForce RTX 2080を用意しました。テスト解像度はWQHD(2560 x 1440)、4K(3840 x 2160) の解像度にて行っていますが、3D Mark NVIDIA DLSS feature testについては解像度で8K(7680 x 4320)が選択できるため、8Kでもテストを行っています。また、3D Markでは、CPU性能の依存度が少ないGraphics Scoreでの比較となります。ビデオドライバについては、GeForce RTX 30シリーズの安定性を向上させたバージョン(Ver.456.55) がリリースされたので、安定動作版を使用しました。
 なお、GeForce RTX 3090、GeForce RTX 3080ともブーストクロックが標準よりも30MHzほどクロックアップされたOCモデル使用しているため、標準モデルよりもスコアが高くなっている可能性が有ります。
※ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています

GeForce RTX 3090ベンチマークテスト

3D Mark 「Fire Strike」

まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。

3D Mark Fire Strike3D Mark Fire Strike

GeForce RTX 3090がGeForce RTX 3080を10%上回るスコアとなっています。GeForce RTX 20 シリーズを圧倒したGeForce RTX 3080を上回っており、まずはウルトラハイエンドモデルの面目躍如といったところでしょうか。

3D Mark 「Time Spy」

次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。

3D Mark Time Spy3D Mark Time Spy

Time SpyでもFire Strikeと似た傾向となり、GeForce RTX 3090のスコアがGeForce RTX 3080を10%ほど上回りました。3D Markにおいては、DirectX のバージョンによらずGeForce RTX 3090はGeForce RTX 3080を10%上回っています。

3D Mark 「Port Royal」

続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を見るベンチマークテストの3D Mark「Port Royal」を用いて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。なお、解像度は標準設定のWQHDとなります。また、DLSSについては無効となっており、RTコアの性能の比較として見ていきます。

3D Mark Port Royal3D Mark Port Royal

3D Mark Port Royal fps3D Mark Port Royal fps

Port Royaにおいても、GeForce RTX 3090のスコアがGeForce RTX 3080を10%ほど上回りました。GeForce RTX 3090のレイトレーシング性能は、もう一歩で60fpsに手が届くところまで来ました。
ではリアルタイムレイトレーシングにDLSSを有効にするとどうなるのかを続けてみていきます。

3D Mark 「NVIDIA DLSS feature test」

3D Markを用いたベンチマークテストの最後に、「NVIDIA DLSS feature test」を確認してみましょう。「NVIDIA DLSS feature test」は、レイトレーシング性能を見る「Port Royal」を活用したベンチマークテストで、GeForce RTX 30シリーズやGeForce RTX 20シリーズが搭載するTensorコアを用いたDLSS(Deep Learning Super Sampling)の性能を見ることが出来、結果はフレームレートで表示されます。今回はテスト解像度にWQHDと4Kに加えて8K(7680 x 4320)を、DLSSモードはPerformanceとQualityを(8K解像度ではUltra Performanceも)選択しています。なお、DLSSが有効ではない場合の結果はOFF として計測されますが、8K解像度ではDLSSが有効でない場合GeForce RTX 3090以外はベンチマークテストが動作しなかったため、DLSS無効時(すなわちOFF)のスコアは表示していません。

3D Mark NVIDIA DLSS feature test WQHD3D Mark NVIDIA DLSS feature test WQHD

3D Mark NVIDIA DLSS feature test 4K3D Mark NVIDIA DLSS feature test 4K

3D Mark NVIDIA DLSS feature test 8K3D Mark NVIDIA DLSS feature test 8K

DLSSの効果は解像度によらず大きなものとなっています。GeForce RTX 3090のスコアは、WQHD解像度のPerformance設定ならば120fpsを超えており、Quality設定でも90fpsを超えています。4K解像度でもPerformance設定では優に60fpsを上回っています。8K解像度に至っては、GeForce RTX 3090はすべてのモードでベンチマークが動作した唯一のグラフィックスカードとなりました。Ultra Performanceモードでは全てのカードでスコアが出ていますが、PerformanceモードではGeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2080で、QualityモードではGeForce RTX 3080とGeForce RTX 2080 Tiでスコアが出なくなっています。8K解像度でのゲーミングをうたうGeForce RTX 3090だけあって、8K解像度でも平然とレイトレーシングが動作するのは、さすがといったところです。
GeForce RTX 3090なら、DLSSが使用できる条件下では、8K解像度でもレイトレーシングゲーミングを行うことが出来そうです。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。なお過去のデータと比較のためSDRかつ、DLSSは無効としています。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコアFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア

GeForce RTX 3090 とGeForce RTX 3080の差が3D Mark よりも小さく、5%程度の向上となっていますが、WQHD解像度で「非常に快適」な指標(12000) にほぼ到達、4K解像度でも「快適」な指標となる6000を遥かに上回るスコアをとなっています。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークスコアファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークスコア

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークフレームレートファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークフレームレート

GeForce RTX 3090とGeForce RTX 3080のスコア差が、解像度によって異なりました。WQHD解像度では2%強にとどまっている一方、4K解像度で3D Markと同じように10%以上のスコアが向上しています。100fpsを超えています。どのグラフィックスカードでも、4K解像度において「非常に快適」な動作の指標となる7000以上のスコアとなっていますが、GeForce RTX 3090 なら120Hzや144Hz駆動といった高リフレッシュレートの4Kモニタが真価を発揮してくれそうです。

8K 30fpsゲーミングにも手が届きそうなGeForce RTX 3090

第2世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 30シリーズの最上位モデルとなるGeForce RTX 3090は、GeForce RTX 3080と同様にポテンシャルの高さを示しており、GeForce RTX 20シリーズを寄せ付けない圧倒的なパフォーマンスを見せています。
特に3D Mark NVIDIA DLSS feature test における8K解像度での結果はさすがの一言。DLSSなしも加え、Ultra Performance ・Performance ・ Quality のすべてのモードでベンチマークテストを完走できた唯一の存在であり、Ultra Performance モードで有れば30fpsを超えて見せました。高速・大容量のビデオメモリが大いに活用された場面と言えそうです。GeForce RTX 3080が4K解像度でのレイトレーシングゲーミングプレイに道筋を示してくれたように、GeForce RTX 3090は8K解像度でのレイトレーシングゲーミングに可能性を示してくれたように思われます。NVIDIAが「世界初の8KゲーミングGPU」とうたうだけの事はあります。
GeForce RTX 3090は、GeForce RTX 3080の2倍近い価格という点が最大のネックとなりそうですが、8K時代を見据えた未来への投資と捉えれば、RTX 3090は非常に魅力的な存在ではないでしょうか。

CPU Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W)
マザーボード ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット)
メインメモリ DDR4-3200 16GB (8GB x2)
グラフィックスカード MSI製 GeForce RTX 3090 (24GB GDDR6X) ※OCモデル(ブースト:1725MHz)
MSI製 GeForce RTX 3080 (10GB GDDR6X) ※OCモデル(ブースト:1740MHz)
GALAX製 GeForce RTX 2080 Ti (11GB GDDR6)
GALAX製 GeForce RTX 2080 SUPER (8GB GDDR6)
MSI製 GeForce RTX 2080 (8GB GDDR6)
ストレージ WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB)
電源 Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:2004)
ドライバ GeForce Game Ready Driver 456.55

検証に使用した構成

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GeForce RTX 3090 搭載BTOパソコンや単品パーツの発売を開始いたしました。

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ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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