

Radeon Software Adrenalin 2020 Edition(以降、Adrenalin 2020 Edition)が、2019年末 AMDよりGPU、APU、チップセット対応のドライバーとしてリリースされました。
AMDはこれまでにもドライバーのアップデートやソフトウェアの最適化を積極的に行い、PCゲームをプレイするユーザーをサポートしてきました。
Adrenalin 2020 EditionではPCゲームをより快適にプレイするための機能が数多くありますので、それらのうち代表的な機能をご紹介したいとおもいます。
Radeon Software Adrenalin 2020 Editionとは
Adrenalin 2020 Editionは、従来(Adrenalin 2019 Edition以前)のドライバーを根本から作り直したCrimson Editionの後継バージョンにあたり、インストーラーの画面レイアウトも一新されました。
加えて、従来からあったストリーミング機能「Radeon ReLive」のほか、ゲームプレイ中のフレームレートを向上させる機能など新機能が数多く搭載されています。
また、バージョン 20.5.1からWindows 10のMay 2020 Update(20H1)に対応し、レイトレーシング機能の効率化が図られる「DirectX 12 Ultimate」をサポートしています。
ライブストリーミング画面
場所を選ぶことなく快適にPCゲームが楽しめる「AMD Link」
スマートフォンやタブレットといったモバイル端末からAdrenalin 2020 EditionがインストールされているPCにアクセスし、ほぼシームレスでPCゲームがプレイできる機能です。
その他にもAMD Linkを活用することでCPUやGPUの使用率をモニタリングしたり、ゲームプレイのビデオキャプチャも行えます。
ゲームプレイを快適にするAdrenalin 2020 Editionの機能
Adrenalin 2020 Editionのパフォーマンスの画面では起動中のゲームのフレームレートやPCの状態をモニタリングできます。
起動中のゲームのモニタリング
パフォーマンスの画面
その他、Adrenalin 2020 Editionのシステム画面ではソフトウェアおよびドライバー情報やハードウェアの情報を確認することができます。
Adrenalin 2020 Editionのシステム画面
また、後述するPCゲームをより快適にプレイするための各種機能は「グラフィックス」の「カスタム」に集約されています。
Adrenalin 2020 Editionのグラフィックス画面
アンチエイリアシング、フィルタリング等の設定項目
ゲームの応答速度を高速化する「AMD Radeon Anti-Lag」
ゲームプレイ時のプレイヤーによる入力(マウスのクリック入力やキーボードのキー入力)が発生してから,その結果が映像に反映されるまでの時間を短縮させる機能です。
ご利用になられるPCのスペックやプレイするゲームタイトルにより効果は変動しますが、ゲームプレイ時の入力遅延を軽減できます。
AMD Radeon Anti-Lagの機能はGCNおよび新しいコンシューマー向けdGPUならびにRyzen 2000シリーズとそれ以降のAPU(ハイブリッドと取り外し可能なグラフィックス構成を含む)となります。mGPUはサポートはされていません。
AMD Radeon Anti-Lagの詳細については下記のリンクよりご確認いただけます。
AMD Radeon Anti-Lag機能について詳しく見る
AMD Radeon Anti-Lagの設定画面
ゲーム操作に合う省電力機能「Radeon Chill」
ゲーム内の動きに応じてフレームレートを動的に調節し、電力消費を抑える機能です。
ご利用になられるPCのスペックやプレイするゲームタイトルにより効果は変動しますが、最小FPSと最大FPSを設定することで消費電力を抑えることができます。
Radeon Chill機能はゲーム側もRadeon Chillをサポートしている必要があります。
Radeon Chillの詳細については下記のリンクよりご確認いただけます。
Radeon Chillの設定画面
フレームレートを向上させる「Radeon Boost」
Radeon Boostはゲーム画面を動かす際、ゲーム画面に映る映像が大きく動いたことを検出すると、解像度を動的に下げ、FPSを向上させる機能です。
激しく動く場合にのみフレーム全体の解像度が動的に下げられるため、画質にほとんど影響を与えずに、高いFPS値を実現します。
Radeon Boost機能はゲームの解像度が高解像度であればあるほど高い効果を発揮しますが、ゲーム側もRadeon Boostをサポートしている必要があります。
Radeon Boostの詳細については下記のリンクよりご確認いただけます。
Radeon Boostの設定画面
鮮明なビジュアルを実現する「Radeon Image Sharpening」
ピクセルごとのシャープネスの量を調整して、画面全体の鮮明さを向上させる機能です。
Radeon Software 2020になって有効/無効を切り替えることが可能になりました。
Radeon Image Sharpeningの設定画面
画面上の画像を1ピクセルから4ピクセルに拡大する「Integer Scaling」
ブラウザゲーム等、ドット絵表現されているゲーム画面に対して通常1ピクセルで表現されているグラフィックを4ピクセル(あるいはそれ以上)に拡大することで低解像度のゲームを高解像度で表示させてもぼやけたような表示にさせないための機能です。
Integer Scalingの設定はディスプレイの項目にあり、Radeon RX 5700 XTをはじめとしたGCN(グラフィックス・コア・ネクスト)アーキテクチャーに基づいたGPU、コンシューマーdGPU、Ryzen 2000および、これ以降のAPUで、かつWindows 10のみサポートしています。
Integer Scalingの設定画面
また、その他にもビデオプロファイルの設定やホットキーの設定など、細かい設定も行えます。
ビデオの設定画面
ホットキーの設定画面
全般の設定画面
快適なゲーム環境をもたらすAdrenalin 2020 Edition
AMDは、Adrenalin 2020 20.5.1 Optional版のインストールを推奨しており、既存のゲームタイトルも精細かつ高画質で快適にプレイできます。
AMDは率先してゲームをプレイするユーザーに対しサポートを続けており、多数の不具合にも対応していますので、下記のGPUやAPUをお使いであれば導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。
※ドライバーインストールにより、PCが正常に動作しなくなる可能性もございますので、ドライバーインストールの際は十分ご注意ください。
(2020年5月現在)Windows 10 64bitのみ対応
デスクトップPC 対応GPU | |
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Radeon RX 5700シリーズ | Radeon R9 Nanoシリーズ |
Radeon RX 5600シリーズ | Radeon R9 300シリーズ |
Radeon RX 5500シリーズ | Radeon R9 200シリーズ |
Radeon VII | Radeon R7 300シリーズ |
Radeon RX Vegaシリーズ | Radeon R7 200シリーズ |
Radeon Pro Duo | Radeon R5 300シリーズ |
Radeon RX 500 / Radeon 500Xシリーズ | Radeon R5 200シリーズ |
Radeon RX 400シリーズ | Radeon HD 8500 – HD 8900シリーズ |
Radeon R9 Furyシリーズ | Radeon HD 7700 – HD 7900シリーズ |
ノートPC 対応GPU | |
Radeon RX 5500Mシリーズ | Radeon R5 M300シリーズ |
Radeon RX 5300Mシリーズ | Radeon R9 M200シリーズ |
Radeon 600シリーズ | Radeon R7 M200シリーズ |
Radeon R7 M400シリーズ | Radeon R5 M200シリーズ |
Radeon R9 M300シリーズ | Radeon HD 8500M – HD 8900Mシリーズ |
Radeon R7 M300シリーズ | Radeon HD 7700M – HD 7900Mシリーズ |
デスクトップPC 対応APU | ノートPC 対応APU |
Ryzen Processors with Radeon Vega graphics | Ryzen Mobile processors with Radeon Vega graphics |
Ryzen PRO Processors with Radeon Vega graphics | Athlon Mobile Processors with Radeon Vega Graphics |
Athlon Processors with Radeon Vega Graphics | A-Series and FX processors with Radeon graphics |
Athlon PRO Processors with Radeon Vega Graphics | Ryzen PRO Mobile processors with Radeon Vega graphics |
A-Series APUs with Radeon R4, R5, R6, or R7 Graphics | Athlon PRO Mobile processors with Radeon Vega graphics |
Pro A-Series APUs with Radeon R5 or R7 Graphics | A-Series PRO processors with Radeon graphics |
Athlon Series APUs with Radeon R3 Graphics | FX-Series APUs with Radeon R7 Graphics |
Sempron Series APUs with Radeon R3 Graphics | E-Series APUs with Radeon R2 Graphics |
Radeon HD 8180 – HD 8400 Series Graphics |
Radeon Software Adrenalin 2020 Edition対応表

360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。