先日、日本国内で発表となったWestern Digital 「WD Black NVMe SSD (2018)」を前世代「WD Black PCIe SSD (2017)」とベンチマーク比較。どの程度進化したのか、ゲーマーやクリエイターだけでなくどのようなユーザーに最適なのかを見ていきます。

気になる製品最終更新日: 20180518

WD Black NVMe SSD (第2世代) ベンチマークレビュー

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WDことWestern Digitalは、パソコンの内蔵ハードディスクで有名なメーカーですが、SSD(ソリッドステートドライブ)にも力を入れており、矢継ぎ早に新製品を投入してきています。 先日『WD Black NVMe SSD (2018)』を日本国内で発表しました。PCI-Express接続のM.2タイプのSSDでNVMeに対応し、Serial-ATAを超える非常に高速なSSDとなります。前モデルである『WD Black PCIe SSD (2017)』と比較し、大容量化と高速化に加え、電力制御を改善させ発熱の制御も改良されているようです。 WD Black NVMe SSD (2018)は、どの程度進化したのか、ゲーマーやクリエイターだけでなくどのようなユーザーに最適なのかを見ていきます。

スペック表で確認するWD Black NVMe SSD (2018)

こんにちは。職人3号です。
早速、WD Black NVMe SSD (2018)と、WD Black PCIe SSD (2017)のスペックをみてみましょう。

WD Black NVMe SSD (2018) WD Black PCIe SSD (2017)
容量 250GB 500GB 1TB 256GB 512GB
型番 WDS250G2X0C WDS500G2X0C WDS100T2X0C WDS256G1X0C WDS512G1X0C
インターフェース PCIe Gen3 8 Gb/s、最大4レーン PCIe Gen3 8 Gb/s
フォームファクター M.2 2280  
シーケンシャル読み取り 最大3,000 MB/s 最大3,400 MB/s 最大2,050 MB/s
シーケンシャル書き込み 最大1,600 MB/s 最大2,500 MB/s 最大2,800 MB/s 最大700 MB/s 最大800 MB/s
ランダム読み取り 最大220,000 IOPS 最大410,000 IOPS 最大500,000 IOPS 最大170,000 IOPS 最大170,000 IOPS
ランダム書き込み 最大170,000 IOPS 最大330,000 IOPS 最大400,000 IOPS 最大130,000 IOPS 最大134,000 IOPS
耐久性(TBW) 200TB 300TB 600TB 80TB 160TB
平均故障間隔(MTTF) 175万時間  
平均消費電力(mW) 100mW 140mW 135mW
サイズ:M.2 2280 22×80×2.38
(mm)
22×80×2.23
(mm)
22×80×2.28
(mm)
重量:M.2 2280 7.5g 7.2g

WD Black NVMe SSD (2018)スペック比較表

ざっと見て、スペックアップが図られているのが分かると思います。
SSD性能そのものとして、読み取り速度の大幅な高速化に加えて、特に大きいのが書き込みの速度が倍以上になった点です。また、ランダムの性能も向上しており、500GB以上のモデルで倍以上に進化しています。
これは、アプリケーションやWindows、ゲームなどの起動速度が大きく向上するだけでなく、データを書き込むような場合、特に動画のエンコードやCGのレンダリング、RAW現像の書き出しなどの書き込み先にも適しているということになります。
また、注目したいのは、耐久性の向上です。TBW (terabytes written) で示されており、こちらも2倍以上の向上となっています。
250GB、500GBにおいては消費電力も低下しており、発熱量の低下も期待できます。

ベンチマークでWD Black NVMe SSD (2018)の性能を実測!

WD Black NVMe SSD 250GB 外観WD Black NVMe SSD 250GB 外観

それでは実際にWD Black NVMe SSD (2018)の250GBモデルと、WD Black PCIe SSD (2017)の256GBモデルのベンチマークと、温度をみていきます。

WD Black NVMe SSD 250GB CrystalDiskMark 5.5.0 x64によるベンチマーク結果WD Black NVMe SSD 250GB CrystalDiskMark 5.5.0 x64によるベンチマーク結果

左がWD Black NVMe SSD (2018)、 右がWD Black PCIe SSD (2017)の結果を示しています。シーケンシャル読み込み、書き込みともにほぼ倍の結果となっています。

温度についても見てみました。ベンチマークの前と後で、CrystalDiskInfoで表示される温度を比較してみます。

CrystalDiskInfo 7.6.0によるストレージ情報 WD Black NVMe SSD (2018)CrystalDiskInfo 7.6.0によるストレージ情報 WD Black NVMe SSD (2018)

CrystalDiskInfo 7.6.0によるストレージ情報 WD Black PCIe SSD (2017)CrystalDiskInfo 7.6.0によるストレージ情報 WD Black PCIe SSD (2017)

ベンチマーク前後で温度を見るとWD Black NVMe SSD (2018)では9℃、WD Black PCIe SSD (2017)では21℃の温度上昇となっており、熱制御でも倍の効果を確認することができました。

前モデル比ほぼ倍の性能でも温度は低下、安心して使えるおすすめSSD

最新のWD Black NVMe SSD (2018)は、公称値でも、実測値でもほぼ倍の性能を実現していることが確認できました。そして何より、これだけの性能を向上させつつも、動作温度も低く抑えられており、とても優秀なSSDに進化していることが分かりました。
コントローラー部分の発熱により使い続けると性能が低下する製品もあり、M.2 SSDの熱対策もパフォーマンスを得るうえで一つの課題となっていましたが、WD Black NVMe SSD (2018)であれば、ポン付けでもそのまま使用できるほどに温度上昇が抑えられているという点が大きな魅力となります。とはいえWD Black PCIe SSD (2017)でも、熱暴走をしないよう熱制御する機能は搭載されていたので、低発熱化したことでよりこの機能が高まったという認識でよいでしょう。
一度取り付けたら、SSDについてあれこれ気にしながら使いたくない、ゲームやクリエイティビティに集中したい!というゲーマーやクリエイターにとても最適なSSDであると言えるでしょう。もちろんゲーマーやクリエイターに限らずビジネス向けとしても、PC自作初心者の方にもとてもオススメなSSDに仕上がっていますので、予算が許す限り是非検討してみてください。

ライタープロフィール 職人3号

パソコン工房のヘビーゲーマー&ハイパーマルチクリエイター。ゲームを遊ぶだけでなくゲーム作りの趣味も高じてゲーム&クリエイティブ関連のことは大体それなりOK。

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