低価格帯のチップセットIntel B360、H370、H310に併せて発売開始されたミドル・ローレンジのインテル新CPUであるintel Core i5 8600・Core i5 8500・Pentium G5400・Celeron G4900を早速ベンチマークしてみました。

気になる製品最終更新日: 20180403

Core i5 8600とCore i5 8500さらにPentium G ・Celeron G拡充を早速ベンチマークしてみた!

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こんにちは、職人5号です。
今回は4月3日に低価格帯のチップセットIntel B360、H370、H310に併せて発売開始されたミドル・ローレンジのインテル新CPUであるintel Core i5 8600・Core i5 8500・Pentium G5400・Celeron G4900を早速ベンチマークし てみました。
ベンチマークテストは、Passmark PerformanceTest、PC Mark 8、3D Markで試し、比 較対象としてintel Core i7 8700・Core i3 8100を用意しました。
どれくらいの性能差や機能差があるのか、新CoffeeLakeの実力をチェックしていきま しょう。

新規のCoffeeLake

今回追加されたのは下記の様なモデルとなっています。Core i5やCore i3は前回販売モデルの合間を埋める感じとなっており、おおよその性能も予測できるところです。
一方、Pentium G ・Celeron Gシリーズは完全に新規販売のラインナップとなっており、どの程度の実力を持っているのか興味が有ります。
特にPentium G シリーズは、動作クロックの高さから価格の安さも相まって人気のあるCPUとなっています。

  Core i5-8600 Core i5-8500 Core i3-8300 Pentium G5600 Pentium G5500 Pentium G5400 Celeron G4920 Celeron G4900
コードネーム Coffee Lake
製造プロセス 14nm
コア/スレッド 6/6 6/6 4/4 2/4 2/4 2/4 2/2 2/2
動作クロック 3.1GHz 3.0GHz 3.7GHz 3.9GHz 3.8GHz 3.7GHz 3.2GHz 3.1GHz
L3キャッシュ 9MB 9MB 8MB 4MB 4MB 4MB 2MB 2MB
PCI-Express Gen 3.0
レーン数 16
メモリ 対応メモリ DDR4-2666 DDR4-2400
TDP 65W 62W 54W 58W 54W
GPU Intel UHD Graphics630 Intel UHD Graphics610
64bitコード intel64
SIMD命令 SSE SSE4.1/4.2
AVX AVX2.0 ×
仮想化 VT-x
VT-d
セキュリティ機能 XD ビット
TXT ×
AES
vPRO ×
対応ソケット LGA1511
対応チップセット Intel Z370・H370・B360・H310 チップセット

新しく加わったCoffeeLakeラインナップ

それでは、早速ベンチマークテストでパフォーマンスを見ていきましょう。

ベンチマークテスト

上記一覧のうち、入手できたCore i5-8600・8500、Pentium G5400、Celeron G4900の4種類と、比較対象としてCore i7-8700とCore i3-8100を加え、計6種類のCPUにてベンチマーク測定を行って行きます。
※測定環境、測定条件は記事の最後に記述していますのでご参照ください

Passmark PerformanceTest

Passmark PerformanceTestのCPU Markは、代表的なCPUベンチマークテストとして人気が有り、CPUの総合的なパフォーマンスを測るのに有効なベンチマークと言えます。
なお、Passmark PerformanceTestは、今後、様々な環境で使用して情報を公開する予定です。お楽しみにお待ちください。

Passmark PerformanceTestPassmark PerformanceTest

コア数・スレッド数の多い順に、モデル型番の上位から順当に並んでいます。動作クロック数も近く同じスレッド数のCore i3-8100とPentium G5400のスコアが近い所は注目点かも知れません。
Pentium G・Celeron GシリーズはAVX命令に対応していないためマルチメディア系処理ではCore i3-8100の方が優位となりますが、それ以外の演算処理ではCore i3シリーズにも引けを取らない性能となっています。

PC Mark 8

次いで、PCのパフォーマンスを総合的に判断できる PC Mark8 を見ていみましょう。テストプログラムは Creative(Conventional) にて行いました。

PC Mark 8PC Mark 8

PC Mark 8 でもコア数・スレッド数の多い順に、モデル型番の上位から順当に並んでいます。Passmark PerformanceTestとは異なり、Core i3-8100 と Pentium G5400 にそれなりのスコア差が発生しています。これはPC Mark 8のテスト内容にマルチメディア系処理が含まれている事に由来する差だと思われます。

3D Mark

続いて、『3D Mark Fire Strike』のPhysics Scoreで、CPUの演算性能を見てみましょう。Physics Scoreは、CPUに物理演算をさせてその処理速度を数値化したもので、CGレンダリングや動画のエンコードと同じくCPUのコア・スレッド数の多さが有利に働くテストです。

3D Mark3D Mark

Passmark PerformanceTestやPC Mark 8とは異なり、直線的では無く2次曲線的にスコアが増加しており、コア・スレッド数で圧倒するCore i7-8700がずば抜けたスコアを示しています。
Core i5でもPentium G5400のほぼ2倍のスコアとなっており、マルチスレッド性能が有効な状況では、やはり上位グレードのCore iシリーズに一日の長が有ると言えそうです。

TMPEGEnc Mastering Works 6

最後に、動画編集ソフトのTMPEGEnc Mastering Works 6を用いて、QuickTimeファイル(1920x1080/2分40秒)をh.265に変換するのに要した時間を測定しました。(※単位は 秒 です)

TMPEGEnc Mastering Works 6TMPEGEnc Mastering Works 6

Core iシリーズか否で変換時間に大きな違いが出ています。Pentium G5400では12分以上かかるのに対し、Core i3-8100では半分以下で完了しています。
これはCPUがAVX命令に対応しているかどうかによる違いが出たとみて間違いないと思われます。

ラインナップ拡充で選択肢が広がった!

CPUのグレードに応じて性能差・機能差が有る事が確認できました。大きな違いとしては、Core iシリーズではAVX命令がサポートされているのに対し、Pentium G・Celeron Gシリーズではサポートされていない事が挙げられるでしょう。
動画のエンコードの様に、マルチメディア系のプログラムを使用するのならば、AVX命令に対応したCore i3以上を選択するのが良いでしょう。反対にAVX命令を使わないのであれば、
Passmark PerformanceTestの結果からも動作クロックの高いPentium Gシリーズは良い選択肢と成り得るといえます。今回の追加によって安価なモデルからハイスペックなモデルまでラインナップが拡充され、
目的に応じてCoffeeLakeの選択肢が広がったと言えるのではないでしょうか。

CPU Core i7-8700
Core i5-8600
Core i5-8500
Core i3-8100
Pentium G5400
Celeron G4900
マザーボード MSI Z370M MORTAR (BIOS : Ver. 1.20)
メインメモリ DDR4-2400 16GB (8GB x2)
ビデオカード GeForce GTX 1080 Founders Edition (ビデオメモリ 8GB)
ストレージ Plextor M8Se PX-512M8SEGN (512GB M.2 NVMe)
電源 FSP AURUM 92+ PT-650M(80PLUS Platinum、650W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1709) 
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver Ver391.01

今回の検証環境

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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