インテル Core XやAMD Threadripperを搭載したモンスタースペックパソコンの凄さについて

気になる製品最終更新日: 20180220

モンスタースペックパソコンはメニーコア時代に!Core X・Threadripper 搭載PCのここが凄い!

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エンスージアストと呼ばれるパワーユーザー向けの超高性能なパソコンの総称としてHEDT(HIGH END DESKTOP)と呼ばれるジャンルの製品が存在します。ハイエンドの名が示す通りに一般的な構成のパソコンとは処理能力、拡張性などが異なるまさにモンスターと呼べるスペックを持っています。 現行のラインナップですとインテル Core X搭載パソコンやAMD Threadripper搭載パソコンがHEDTに該当します。今回は、モンスタースペックパソコンの「ここが凄い!」についてを解説したいと思います!

モンスタースペックパソコンの「ここが凄い!」

動画エンコードや3DCGのレンダリングなどのクリエイティブ用途に強い!

パソコンの頭脳とも言える部分であるCPUの性能の指標として「動作クロック」と「コア数」があります。動作クロックは「○○GHz」といった数値で表され、従来はこの値を上昇させることでCPUの性能を向上させてきました。

しかし、近年は低電力化と面積当たりの発熱量とのバランスなどの要因から動作クロックの上昇率が緩やかになり、代わりにCPUにおいて計算などの処理を担当する部分である「コア」の数を増やして性能向上を実現するアプローチが主流になっています。

一般的なパソコンではCPUのコア数は2~4コア(マルチコア)でしたが、2017年に入りAMD 「RYZEN」シリーズの8コア製品、インテル 「第8世代 Core」 シリーズの6コアの製品が一般向けに登場しています。

HEDT(ハイエンドデスクトップ)向けとされる上位の製品であるインテル Core Xシリーズには6コアを超える8コア、10コア、12コア、16コア、18コアといった多数のコアを搭載したCPU(メニーコアCPU)が存在し、AMD Threadripperシリーズには8コア、12コア、16コアの製品が存在します。

メニーコアCPU導入のメリットとは何なのでしょうか。10年以上前、コンシューマー向けの4コアCPUが登場した当初はソフトウェア側の最適化が進んでいないものも多く、せっかく複数のコアを搭載していてもその性能を持て余すケースがありました。

それが4コアCPUが主流になっている現在はソフトウェアの最適化も進み、4コアを超えるメニーコアCPUの性能を活かせる環境が整っており、特に動画編集・エンコード、3DCGのレンダリング、デジタルカメラ画像のRAW現像といったクリエイティブな作業環境で効果を発揮します。

これらの分野のソフトウェアはメニーコアの性能をフルに活用できるように最適化されている物が多く、コア数の増加がそのまま作業時間の短縮と生産性の向上に繋がります。

大容量メモリを搭載できる!

パソコンの作業効率を向上させる重要な要素として、搭載されているメモリの速度と容量が挙げられます。メモリの速度に関してはCPUの世代が新しくなるに伴いメモリの規格も新しくなる場合が殆どなため、CPUの性能向上に即した組み合わせになります。一方、メモリの容量に関してはマザーボードごとに挿入できる本数が変わってきます。

メニーコアCPUであるインテル Core XとAMD Threadripper に対応したマザーボードはその性能を活かせるよう、一般的なマザーボードに比べて大容量のメモリを搭載できるようになっているのも大きな特徴です。

・コンシューマー向けマザーボード(インテル Z370チップセット、AMD X370チップセット搭載)の場合 ⇒ 最大で64GB(16GB×4本)

・メニーコアCPU対応マザーボード(インテル X299チップセット、AMD X399チップセット搭載)の場合 ⇒ 最大で128GB(16GB×8本)

※メモリスロット数は各製品ごとに異なります。

動画編集や3DCG、高解像度のイラスト作成や写真編集等、大容量メモリを搭載することで作業効率が向上する用途では大きなメリットになります。

ビデオカードの複数挿し環境でもフルに性能を活かす事が出来る!

パソコンのグラフィック性能を左右するパーツがビデオカードです。家庭用ゲーム機と比べてより高画質なプレイが楽しめる環境を構築できるのは高性能パソコンの醍醐味と言えます。
ゲーム用としてはNVIDIA GeForceシリーズやAMD RADEON シリーズ、3DCGやCADといったクリエイター用途向けとしてNVIDIA QUADROシリーズ、AMD FIRE PROシリーズといった製品が有名です。

用途 メーカー
NVIDIA AMD
ゲーム GeForceシリーズ Radeonシリーズ
クリエイティブ Quadroシリーズ FIRE PROシリーズ

代表的なグラフィックカード

ハイエンド向けのマザーボードの一部は、ビデオカードを複数挿入することでさらにグラフィック性能を向上させるSLI(NVIDIA社)やCrossFireX(AMD社)といった機能に対応しており、ゲーム用途ではフルHDを超える4Kといった超高解像度のプレイをより快適にしたり(ゲーム側の対応が必要)、3DCG用途であれば画面表示をより高速化したりすることが可能です。

ビデオカードはマザーボードのPCI Expressスロット(通常はPCI Express×16スロット)に挿入されます。PCI Expressは「レーン」と呼ばれる単位でデータ転送の帯域幅が決まっています。最小単位は1レーンです。CPUとチップセットそれぞれがPCI Expressのレーンを管理し、その組み合わせにより1台のパソコンにおいて取り扱えるPCI Expressの総レーン数が決まります。(ビデオカード以外の各種拡張カード類やマザーボード上の各種コントローラーもPCI Expressレーンを消費します)

通常、CPU側でPCI Expressスロットのレーンを管理します。高速なデータ転送管理が必要になるためです。チップセット側で管理しているのはその他の拡張カード類やマザーボード上の各種機能に関連したものになります。

従来のCPU側で管理できるビデオカード用のPCI Expressレーン数は16レーンでした。(メインストリーム向けのインテル 第8世代 Core シリーズ、AMD RYZEN シリーズで24レーンです)この場合、PCI Expressのレーン分割という機能に対応したCPUであればマルチGPU環境の構築が可能ですが、長さが同じスロットが2本にそれぞれビデオカードを挿入しても実際には(PCI Express×8)+(PCI Express×8)で動作することになり、性能を活かしきれないということになります。

一方、メニーコアのインテル Core Xの場合、取り扱えるPCI Expressの総レーン数が最大で44レーン、AMD Threadripperの場合は最大で64レーンと多くなりますので、ビデオカードの複数差しの場合でもその性能をフルに発揮することが可能です。そのため、導入当初はビデオカード1枚で、後から2枚目を増設したいという場合に備えて拡張性のあるマシンを導入する、という考え方もありと言えます。(SLI、CrossFireXには同じGPUとビデオメモリの搭載されたビデオカードが必要です。)

PCI Expressレーン数を含めた詳しい仕様インテル製CPU版ならびにAMD版もご参照下さい。

高速なストレージをたくさん搭載出来る!

パソコンの動作をより快適にする要素としてストレージがあります。従来はハードディスクが主流でしたが、現在はSSD(ソリッドステートドライブ)が普及しています。SSDは不揮発性のメモリ上でデータを読み書きするため、ハードディスクに比べデータの読み書きが高速なのが特徴です。

SSDのデータ転送にはハードディスクと同じくシリアルATA接続が用いられていましたが、SSDの目覚ましい性能向上により、その帯域幅そのものがボトルネックになるケースが出てきました。

そこで、より高速なストレージとして登場したのが「NVMe SSD」です。NVMe SSDはデータ転送にPCI Express×4レーンを使用するため、シリアルATA比で4倍の帯域幅を確保します。PCI Express×4レーンは前述のビデオカード同様に高速なデータ転送管理が必要になるため、CPUに直結されるタイプになります。そのため複数のNVMe SSDを取り付けたい場合は必然的にCPU管理のPCI Expressレーン数が重要になってきます。

メインストリーム向けのCPUの場合、インテル Coffee lake、AMD RYZEN シリーズはPCI Expressが24レーンですので、対応マザーボードのNVMe SSD用のスロットは1~2本のケースが多くなっています。一方で、PCI Expressのレーン数を多く持っているメニーコアCPUであるインテル CoreXとAMD Threadripperであればさらに多くのNVMe SSDの取り付けが可能です。

インテル Core X及びAMD Threadripperに対応したチップセットを搭載したマザーボードの機能としてNVMe SSD を複数用いたRAID環境の構築があります。ただでさえ高速なNVMe SSDでRAID 0を構築してさらに高速・大容量なストレージを実現することが可能です。
また、NVMe SSDのRAIDは従来はブートドライブにすることが出来ません(マザーボードメーカー独自のサポートを除く)でしたが、メニーコアCPU対応マザーボードはこれに対応可能になりました。

インテル X299チップセットの場合、「VROC」と呼ばれる機能でこれに対応します。VROC対応のマザーボードにインテル 製のハードウェアキーの取り付けが必要になります。インテル 製SSD専用版、他メーカー製SSD対応版、RAID 5対応版の3種が存在します。AMD X399チップセットの場合はハードウェアキーの追加等は特に必要ありません。
超高速なストレージ環境は動画編集や画像処理などリアルタイム性が求められる作業を快適にします。

モンスタースペックパソコンのラインナップはこちら!

強力なCPU処理能力だけでなく、メモリの高い拡張性、PCI Expressの帯域の広さを生かした多数のSSDやグラフィックカードの搭載など、あらゆる性能を強化することができるモンスタースペックパソコンは、ゲームだけでなく3D CGや4K/8K動画編集などのクリエイター、Deep learningなどのGPU演算などまさにPCの性能が快適さや生産性に直結する分野に対して、強力なパフォーマンスを発揮します。

次回は、実際にモンスタースペックパソコンのレビューをお届けしたいと思います。

パソコン工房ではメニーコアCPUを搭載したモンスタースペックのパソコンを販売中です!インテル社、AMD社各ラインナップは下記をご覧ください!

ライタープロフィール 職人8号

長年に渡る店舗スタッフ、店頭サポート、BTOパソコン組立、PCリサイクル業務等の様々な現場経験を経てECサイトに配属されたオールドルーキー。趣味はプロレス。

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