洋服をどうしたら上手に撮れるか、アイテムごとの伝えたいイメージや雰囲気に合わせた撮影のコツをプロカメラマンの安藤さんに聞いてみました!

クリエイター最終更新日: 20181230

服の魅力を引き出す撮影テクニック!

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自分の服をSNSでアップしたり、フリマアプリやオークションサイトでの出品や、ECサイト用の商品撮影など、プロのカメラマンでなくとも服を撮影する機会が増えていますよね!
雑誌などを参考に見よう見まねで撮影したけれど、なかなか思うような雰囲気が出なかったり、きれいに見せるために四苦八苦したりと悩んでいる方も多いと思います。
どうしたら服を上手に撮影できるか、どうしたら服の魅力を写真に収められるか、プロカメラマンの安藤さんに聞いてみました!

服の魅力って何?

安藤さん「いろいろな撮影の仕方があるけれども、みんなが服を買う時を想像すると、自分の好みの色や柄、似合うかどうか、サイズはどうかなど、たくさんのことを考えて買うよね。だから撮影するときも、どんな服に見せたいのか、どんな人が着るのか、何の情報を与えたいのか、どういうイメージを持ってほしいのかを考えて演出してあげよう!今回は置いて撮影するときと、吊るして撮影するときの話をするよ。」

撮影するときの基本!

安藤さん「当たり前だけどアイロンをかけてシワは伸ばしておこう!服の演出の仕方によってはわざとクシャっとさせたり、ドレープと言われるゆったりとしたひだを作ったりするけれども、どんなときも最初にアイロンでシワを伸ばしておくこと。シワは水分を含ませて圧をかけながらじゃないとなかなかきれいに伸びないので、スチームを出しながら圧をかけて伸ばしていこう!」

※アイロンの可否や温度については洗濯表示を必ずご確認ください。

アイロンをかけてシワは伸ばしておこう!

安藤さん「基本的なライティングの話として、左上から光を入れて撮影するんだ。布は縦横に編まれたものだから横からの光にすることで布の素材感を伝えることができる。それと、置いて撮影するときに真上から撮影しないといけないよね。そのときに服にカメラや自分の影が入らないようにするのも理由のひとつなんだ。」

部屋の中の光源がたくさんあり、真上から撮影すると影が落ちてしまう。部屋の中の光源がたくさんあり、真上から撮影すると影が落ちてしまう。

部屋の電気を消して窓際で横からの光だけにしたときには真上から撮影しても服に影が落ちない。部屋の電気を消して窓際で横からの光だけにしたときには
真上から撮影しても服に影が落ちない。

安藤さん「左上からの光を入れるためにスタンドライトを設置したり、窓際で撮影してみよう。そのときに直射日光や直接ライトの光を当てると、布の柔らかい感じが損なわれてしまったり、影が強すぎたりするから、窓際の場合はレースのカーテンを閉めたり、ライトであればトレーシングペーパーを間に挟んだりすると光も柔らかくなって布の柔らかさを表現できるよ!」

ライトを直接当てた場合

トレーシングペーパーを挟んだ場合ライトを直接当てた場合(上)とトレーシングペーパーを挟んだ場合(下)
コントラストが柔らかくなっているのがわかる

※ライトの熱が発生する部分にトレーシングペーパーなどの燃えやすいものを近づけたままにすると危険ですので長時間の使用は避けてください。

置いて撮影すると服の世界観を演出できる!

安藤さん「アイテムを置いて撮影すると、形を自由に変えられるので、服の世界観を演出することができるんだ。どんな服に見せたいか、どんな人が着ていそうかを、しっかりイメージしてから成形するのがポイント。同じアイテムでも、見せ方次第で異なる雰囲気を出すことができるんだよ。」

Tシャツを撮影してみよう!

安藤さん「実際に撮影していこう!置いて撮影するときには表現したい雰囲気に合わせた動きを演出できるのがメリットだね。カタログ的に撮影したいときは、きれいに置いた状態のままでもいいと思うよ。ただ、きれいに置いたままでは着たときの雰囲気が伝わらなかったりする。Tシャツの形をそのまま着ている人はいないからね。」

撮影

安藤さん「もう少し着たときの雰囲気が伝わるようにしてみよう!ポイントは肩と脇の処理。着たときをイメージしながら少し肩を落とす。次に脇の下を内側に織り込んで身頃が真っ直ぐになるようにすると着たときのイメージに近づけられるよ!」

撮影

安藤さん「では演出を加えていろいろな表現をしてみよう!まずはカジュアルで楽しい雰囲気を演出してみよう!カジュアルに見せたい場合は動きをつける。ドレープをいろいろな方向に作るんだ。服を寄せてシワシワにするほど、カジュアルに見えるよ!」

ドレープを入れてカジュアル度をアップ!ドレープを入れてカジュアル度をアップ!

動きも加えると、また違った雰囲気に!動きも加えると、また違った雰囲気に!

安藤さん「ドレープを作るときには布の柔らかさを意識する。ドレープのひだが急な角度だと固いイメージになってしまうので、緩やかな山を作ることを意識してみよう!」

Tシャツの真ん中のドレープを緩やかな山に調整Tシャツの真ん中のドレープを緩やかな山に調整

撮影した写真を並べてみると、それぞれ雰囲気が違うことが一目瞭然!

撮影

レディースのニットを撮影してみよう!

安藤さん「これも基本的にはTシャツとポイントは同じ!ただ置いただけでは、腕がとても長く見えてしまうから肩と脇の処理をしてあげよう。

広げて置いただけの状態広げて置いただけの状態

肩と脇を調整した状態肩と脇を調整した状態

腕が太く見えるので袖は少し織り込んで細くして、肘の部分を曲げて肘下を外側にはねさせる。そうすると、よりレディースっぽさを演出できる。柔らかさを出すために身頃に緩やかなドレープを作ると、ふわふわな柔らかい生地感を伝えることができるね!」

撮影

安藤さん「と、ここまで演出を加えてみたけど、この服はあまり演出を加えない方がかわいらしく見えるかもね。」

撮影

安藤さん「この服はレディースだけど、やり方によっては…こんな風にメンズっぽくすることもできる。演出ひとつでこれだけ見え方が変わるから、いろいろ試して表現したい雰囲気を考えてやってみよう!」

同じレディースの服とは思えないメンズ感!同じレディースの服とは思えないメンズ感!

スカートを撮影してみよう!

安藤さん「スカートは実際に履いたときにドレープができるものだけど、普通に広げて置いてしまうとただの台形になってしまう。

広げて置いただけの状態広げて置いただけの状態

だから置く前に空中で持って、履いたときのイメージを覚えよう!覚えたら広げて置いて、そこからドレープを作り、覚えたイメージに近づける。ドレープはスカートの中心を基準としてシンメトリーになるように左右の山の数と間隔を揃える。シンメトリーにしないと、実際に着た場合とデザインが変わってしまうので注意しよう!」

撮影

安藤さん「さらに動きを出したい場合は、斜め前を向いているような姿勢に成形するのも良いね。こうすることでポケットがある場合、ディティールを見せることもできるよ。向きを変えた場合も、必ずスカートのAラインを残して成形するようにしよう!」

向きを変えるだけで、雰囲気がガラリと変わる!向きを変えるだけで、雰囲気がガラリと変わる!

ジーンズを撮影してみよう!

安藤さん「ジーンズは広げて置くと、足が開きすぎていて不自然。まずは、脚がまっすぐになるように直そう。ボタンが左前だから股の部分も左足が前になるように揃えると、影ができず、綺麗に撮影できるよ。」

広げて置いただけの状態と閉じた状態広げて置いただけの状態と閉じた状態

安藤さん「ジーンズはもともとメンズライクなアイテムだけど、膝の位置で少し内側に曲げ
ると、よりメンズっぽく、片方の膝を内股にして膝下を外向きにはねさせるとレディースらしさが出せる。お尻の部分にカーブを作って膨らませると、より女性的なシルエットになるよ。動きを加えてよりメンズはメンズらしく、レディースはレディースらしく演出してあげよう!」

同じジーンズなのに履いている人の性別が見えてきますね!同じジーンズなのに履いている人の性別が見えてきますね!

写真の使い方を考慮した撮り方

安藤さん「縦長の写真を載せるスペースがないときや、ディテールを強調したいときは、ジーンズを折りたたんで撮ることもあるよ。例えばボタン周りを強調したい場合、ジーンズ全体を撮った写真だと、見せたい部分が小さくなってしまう。V字に折って丈の長さが想像できるようしつつ、縦幅も抑えられるから細かいディテールも大きく見せることができるね!」

撮影

安藤さん「ダメージ加工などのディテールを撮る場合は、それがどの位置にあるのかわかるように撮るのが重要。ディテール部分だけをアップで撮っても、そのダメージ加工がどの位置にあるかわからないとデザインが伝わらないよね。」

これではダメージ加工がどの位置にあるのかわからない…これではダメージ加工がどの位置にあるのかわからない…

安藤さん「例えばこのジーンズのダメージ加工の場合、少し引きで、かすれが途切れている部分も一緒に写すと、膝の位置が目安になってダメージ加工の位置がわかりやすくなるよ!」

だいたいの位置が想像できますね!だいたいの位置が想像できますね!

手軽に着用感を表現するならハンガーに吊るそう!

安藤さん「着用感を出すなら実際に着て写真を撮るのが一番! ただ、サイズ感は着る人によって違って見えてしまうから、そういう場合はハンガーに吊るして撮ろう!
では、置いて撮影したそれぞれの服を吊るしてポイントを押さえながら撮影してみるよ!
Tシャツの場合は、普通に吊るすだけでも十分だけど、袖を身頃の内側に入れて、肩まで身頃のラインをまっすぐに整えると、より着用感を表現できるよ!」

袖を内側にしまうと…袖を内側にしまうと…

実際に着たときのようなシルエットが完成!実際に着たときのようなシルエットが完成!

安藤さん「ニットは身頃を柔らかくカーブを描いて丸いラインを作り、柔らかい素材を表現してあげよう!袖は手を通して筒状にすると着たときのシルエットに近づくし、かわいらしくなるよ!」

手を通して袖の中に空間を作る手を通して袖の中に空間を作る

ふんわりとした印象に!ふんわりとした印象に!

安藤さん「スカートは、着用感をイメージしてウエストの幅を決めたら、前後の布をきちんと合わせてハンガーに挟むこと。あとは、軽くドレープを整えるだけでOK! 置いて撮影したときと同様に、スカートの中心を基準にしてシンメトリーになるように左右の山の数と間隔を揃えよう!」

最初に中心を決めるのがポイント!最初に中心を決めるのがポイント!

安藤さん「ジーンズは吊るだけで落ち感が出て、着たときのシルエットを表現できる。ただし、ウエスト部分が前下がりになっているデザインのジーンズもあるので、ハンガーに挟むときには特徴ある形はきちんと残すようにしよう!」

吊るすだけで自然な形に!吊るすだけで自然な形に!

まとめ

安藤さん「洋服は、同じアイテムでも見せ方次第で、さまざまな雰囲気を演出できるんだ。最初に話したように、どんな服に見せたいか、どんな人が着るのか、をイメージしてから形を作ることが大切だと思うよ。柔らかい素材のものは柔らかい線で、ハリのある素材は、硬い線でしっかりと折ったり。伝えたいイメージや写真の用途に合わせて、撮影方法を使い分けてみてね!」

パソコン工房 NEXMAG[ネクスマグ]編集部アイコン画像
ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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