

【11/17更新】GeForce RTX 3070ベンチマーク記事を追加いたしました。
GeForce RTX 3070は、GeForce RTX 30シリーズのアッパーミドルレンジ向けに、2020年10月より販売が開始されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードとなっています。
今回はこのGeForce RTX 3070 について、ベンチマークテストを通してその性能を確認して行きます。
GeForce RTX 3070とは
GeForce RTX 3070は、NVIDIAの最新デスクトップ用グラフィックスカードモデルGeForce RTX 30シリーズのアッパーミドルレンジ向けモデルとして2020年10月29日の22時から販売開始されました。GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が倍増し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ超高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードです。
GeForce RTX 3070の主な特徴
・8nmプロセスとなるAmpereアーキテクチャを採用、第2世代RTXアーキテクチャと呼ばれ、GeForce RTX 20シリーズは第1世代RTXアーキテクチャと呼ばれるようになりました
・GeForce RTX 3070は、最大で20TFlopsの演算能力を持つCUDAコア、最大で40TFlopsの演算能力を持つ第2世代RTコア、最大で163TFlopsの演算能力を持つ第3世代Tensorコアを搭載しました
・新たにPCI Express Gen4に対応しました
・H.265を上回る圧縮効率を誇るAV1(AOMedia Video 1)コーデックにハードウェアで対応し、8K映像のエンコード、デコード処理が可能になりました
・8K HDR映像が出力可能なHDMI2.1やDisplayPort1.4aと、DSC 1.2aに対応しました
・NVIDIA REFLEX、DLSS 2.0、RTX IO等の新たなテクノロジーに対応しました
GeForce RTX 3070 スペック情報
GeForce RTX 3070は、上位モデルであるGeForce RTX 3090やGeForce RTX 3080 とは異なるGPUコアを採用しており、ミドルレンジ向けだけあって消費電力や推奨電源も上位モデルよりも控え目のため、手を出しやすいGeForce RTX 30シリーズとなっています。
GeForce RTX 3080 |
GeForce RTX 3070 |
GeForce RTX 2080 Ti |
GeForce RTX 2080 SUPER |
GeForce RTX 2070 SUPER |
|
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アーキテクチャ | Ampere | Turing | |||
GPUコア | GA102 | GA104 | TU102 | TU104 | TU104 |
製造プロセス | 8nm | 12nm | |||
CUDAコア | 8704基 | 5888基 | 4352基 | 3072基 | 2560基 |
RTコア | 第2世代 68基 |
第2世代 46基 |
第1世代 68基 |
第1世代 48基 |
第1世代 40基 |
Tensorコア | 第3世代 272基 |
第3世代 184基 |
第2世代 544基 |
第2世代 384基 |
第2世代 320基 |
定格クロック | 1.44GHz | 1.50GHz | 1.35GHz | 1.65GHz | 1.61GHz |
ブーストクロック | 1.71GHz | 1.73GHz | 1.55GHz | 1.82GHz | 1.77GHz |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6 | |||
メモリ容量 | 10GB | 8GB | 11GB | 8GB | |
メモリ転送レート | 19Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 15.5Gbps | 14Gbps |
メモリバス幅 | 320bit | 256bit | 352bit | 256bit | |
メモリバス帯域幅 | 760GB/s | 448GB/s | 616GB/s | 496GB/s | 448GB/s |
G-SYNC | ○ | ||||
TDP | 320W | 220W | 250W | 215W | |
補助電源 | 8Pin×2 | 8pin | 8Pin×2 | 8Pin + 6Pin | |
推奨電源 | 750W | 650W |
ミドルレンジGeForce RTX 30シリーズ・RTX 20シリーズ スペック比較表
GeForce RTX 3070 ベンチマーク情報
それでは、GeForce RTX 3070でのベンチマークテストを実行していきましょう。
比較対象としては、GeForce RTX 30 シリーズからは上位モデルであるGeForce RTX 3080を、GeForce RTX 20 シリーズからはGeForce RTX 2080 TiとGeForce RTX 2080 SUPER、GeForce RTX 2070 SUPERを用意しました。テスト解像度はWQHD(2560 x 1440)、4K(3840 x 2160) の解像度にて行っています。また、3D Markでは、CPU性能の依存度が少ないGraphics Scoreでの比較となります。
なお、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3070ともブーストクロックが標準よりも30MHzほどクロックアップされたOCモデルを使用していますので、標準クロック動作のモデルよりもベンチマークスコアは高くなっている可能性が有ります。
※ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています
3D Mark 「Fire Strike」
まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。
3D Mark Fire Strike
GeForce RTX 3070 のスコアがGeForce RTX 2080 Tiを上回っています。同じ70型番のGeForce RTX 2070 SUPERに対してはおおそよ40%、GeForce RTX 2080 SUPER に対してもおおそよ25%ほどスコアが上回るなど、これまでGeForce RTX 30シリーズが見せてきた圧倒的な性能をGeForce RTX 3070も引き継いでいるようです。
3D Mark 「Time Spy」
次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。
3D Mark Time Spy
Time Spy でもGeForce RTX 3070がGeForce RTX 2080 Tiを上回りました。 Fire Strikeでもそうでしたが、WQHD解像度よりも4K解像度でスコア差が開いていることから、GeForce RTX 3070は高解像度に強いのかも知れません。
3D Mark 「Port Royal」
続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を見るベンチマークテストの3D Mark「Port Royal」を用いて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。なお、解像度は標準設定のWQHDとなります。また、DLSSについては無効となっており、RTコアの性能の比較として見ていきます。
3D Mark Port Royal
3D Mark Port Royal fps
Port Royalにおいては、今までの結果とは逆にGeForce RTX 3070がGeForce RTX 2080 Tiに対して僅かながら及ばない結果となりました。とは言えGeForce RTX 2070 SUPERに対してはおおよそ35%、GeForce RTX 2080 SUPERに対してはおおよそ20%ほどスコアが向上しており、GeForce RTX 3070の性能の高さはリアルタイムレイトレーシングでもいかんなく発揮されています。
ではリアルタイムレイトレーシングにDLSSを有効にするとどうなるのかを続けてみていきます。
3D Mark 「NVIDIA DLSS feature test」
3D Markを用いたベンチマークテストの最後に、「NVIDIA DLSS feature test」を確認してみましょう。「NVIDIA DLSS feature test」は、レイトレーシング性能を見る「Port Royal」を活用したベンチマークテストで、GeForce RTX 30シリーズやGeForce RTX 20シリーズが搭載するTensorコアを用いたDLSS(Deep Learning Super Sampling)の性能を見ることが出来、結果はフレームレートで表示されます。今回はテスト解像度にWQHDと4Kを、DLSSモードはPerformanceとQualityを選択しています。なお、DLSSが有効ではない場合の結果はOFF として計測されます。
3D Mark NVIDIA DLSS feature test WQHD
3D Mark NVIDIA DLSS feature test 4K
DLSSの効果はGeForce RTX 3070の方がGeForce RTX 2080 Tiよりも大きいようです。解像度によらず、DLSS無効(OFF)でのスコアはGeForce RTX 2080 Ti がGeForce RTX 3070を上回っていますが、DLSS有効状態ではPerformanceでもQualityでも、GeForce RTX 3070がGeForce RTX 2080 Tiを上回りました。DLSSの有無を含めて、GeForce RTX 3070とGeForce RTX 2080 Tiのレイトレーシング性能はほぼ互角と見てよさそうです。
WQHD解像度であればQuality モードでも60fpsを上回っていることから、DLSSを使用できるのであれば、GeForce RTX 3070においてもWQHD解像度でのレイトレーシングゲーミングを快適に楽しむことが出来そうです。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。なお過去のデータと比較のためSDRかつ、DLSSは無効としています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア
Port Royalと同じく、GeForce RTX 3070がGeForce RTX 2080 Tiに僅かながら及ばない結果となりました。とはいえ、WQHD解像度で「とても快適」な動作の指標(9000) を上回り、4K解像度でも「快適」な動作の指標となる6000にほぼ到達しています。GeForce RTX 2070 SUPER比ではおおよそ25%のスコア向上となっており、3D Markよりはスコアの向上率が下がりはしたものの、十分なパフォーマンスを示しています。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク スコア
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク フレームレート
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ においても、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークと同様の傾向となり、GeForce RTX 3070がGeForce RTX 2080 Tiに僅かながら及ばない結果となりました。どのグラフィックスカードでも、4K解像度において「非常に快適」な動作の指標となる7000以上のスコアとなっていますが、GeForce RTX 3070 はフレームレートにおいても70以上となっており、快適なゲーミングプレイを約束してくれそうです。
ミドルレンジ向けモデルでありながら4Kゲーミングを実現したGeForce RTX 3070
GeForce RTX 3070は、全てのベンチマークテストにおいてGeForce RTX 20シリーズのハイエンドモデルであるGeForce RTX 2080 Tiと同等の性能を示しました。初登場時の販売価格で比較すると、GeForce RTX 3070が7万円前後なのに対して、GeForce RTX 2080 Tiは18万円前後と半分以下の価格となっており、単純な比較で言えば圧倒的なコストパフォーマンスとなっています。GeForce RTX 3070は4K解像度でのゲーミングも十分に可能な性能を示しており、とうとうミドルレンジクラスのグラフィックスカードでも4Kゲーミングが視野に入ってきたと言えそうです。
GeForce RTX 3070は、GeForce RTX 30シリーズのパフォーマンスを試してみたい、4Kゲーミングを始めてみたいというユーザーにとっては最適なグラフィックスカードではないでしょうか。ミドルレンジクラスのグラフィックスカードで快適な4Kゲーミングプレイが可能になるとは、すごい時代になったものです。
CPU | Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W) |
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マザーボード | ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット) |
メインメモリ | DDR4-3200 16GB (8GB x2) |
ビデオカード | MSI製 GeForce RTX 3080 (10GB GDDR6X) ※OCモデル(ブースト:1740MHz) |
MSI製 GeForce RTX 3070 (8GB GDDR6) ※OCモデル(ブースト:1755MHz) | |
GALAX製 GeForce RTX 2080 Ti (11GB GDDR6) | |
GALAX製 GeForce RTX 2080 SUPER (8GB GDDR6) | |
GALAX製 GeForce RTX 2070 SUPER (8GB GDDR6) | |
ストレージ | WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB) |
電源 | Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W) |
OS | Windows 10 Home 64bit (バージョン:2004) |
ビデオドライバ | GeForce Game Ready Driver 457.09 |
検証に使用した構成
GeForce RTX 3070 BTOパソコン&単品パーツ 発売開始
GeForce RTX 3090 搭載BTOパソコンや単品パーツの発売を開始いたしました。
※ベンチマークの値はお使いのハードウェア、ソフトウェアの環境により変動し、同様の構成下でも当ページ掲載の数値と大きく異なる場合があります。予めご了承ください。

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。