ピンボケ写真の修復方法は複数存在します。ここでは、Adobe Photoshop 2020(以下Photoshop)の「スマートシャープ」と「アンシャープマスク」を使った調整方法を解説します。両者は似た言葉ですが、当然ながら処理方法が異なるので、適宜使い分けましょう。

クリエイター最終更新日: 20201202

Photoshopのスマートシャープとアンシャープマスクでピント調整

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Adobe Photoshop 2020(以下Photoshop)の「スマートシャープ」と「アンシャープマスク」を使ったピンボケ写真のピント調整方法を解説します。両者は似た言葉ですが、処理方法が異なるので適宜使い分けましょう。

スマートシャープを実行する

ピントが曖昧な任意の写真を用意します。

被写体の素材のせいもあってか、ピントが余計に甘く感じられる状態です。Photoshopを起動して、写真ファイルを開いたら、背景をレイヤーに変えて、さらにレイヤーの複製を作成しましょう。

複製レイヤーに対して、メニューバーの「フィルター」→「シャープ」→「スマートシャープ」を実行します。各設定項目について、プレビューで変化を確認しながら任意に調整します。マシン環境によっては少し時間がかかるかもしれません。

処理結果が以下です。

この時点でうまく調整できれば、作業完了です。

レイヤーマスク処理で細部調整

今回の場合、左側の人形を軸に調整したので、人形以外の部分のピントが強すぎます。ここからさらに調整することにします。

ざっくりと人形部分を選択して、レイヤーマスク処理を行います。ツールパネルから「クイック選択」ツールをクリックします。

ざっくりと人形部分を選択してください。

生成した選択範囲でレイヤーマスクを作成します。レイヤーパネルから「レイヤーマスクを追加」をクリックしてください。

人形の輪郭部分を、クイック選択ツールを選んだ状態でオプションバーの「選択とマスク」をクリックするか、メニューバーの「選択範囲」→「選択とマスク」をクリックして、各設定項目を調整し、少しぼかしておきましょう。

レイヤーマスクを作って調整したことで、人形周辺のカチッとした不自然さを払拭できます。以下が完成イメージです。

ここまでの作業のレイヤーは以下の通りです。

アンシャープマスクで最終調整

ここまでのフローで全体がなじんできた状態ですが、もっと処理を強めたい場合、最終調整として「アンシャープマスク」を使う手があります。メニューバーの「フィルター」→「シャープ」→「アンシャープマスク」をクリックします。

プレビューを確認しながら、各設定項目を少しずつ調整してください。以下が「アンシャープマスク」による処理結果です。

調整段階別に状態をおさらい

最後に、調整段階別で画像の変化を見ていきます。

元の状態

スマートシャープ適用後

レイヤーマスク設定後の調整状態

アンシャープマスク適用後

いかがでしょうか?

対象とする写真や最終的な仕上がりのイメージによって、調整の進め方は変わります。最後まで進める必要はなく、どこまで機能を適用するかは調整しながら判断しましょう。

ライタープロフィール 海津ヨシノリ

グラフィックデザイナー、イラストレーター、大学非常勤講師(跡見学園女子大学、駿河台大学、二松學舍大学)。毎日blogにてソフトウェア手法に加え、日曜大工ネタや撮影などのTipsをアップロードする。2006年から毎月月例セミナーを開催中。

http://www.kaizu.com/

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