

どうしたら憧れのクリエイターになれるのか? その秘密を現役で活躍するクリエイターに直接聞いちゃう『クリエイター仕事道』。今回のゲストはイラストレーターの嶽(だけ)まいこさんです。色鉛筆で描かれるイラストはほっこりテイストながら、なんだかゾクッとするような幻想的な雰囲気。雑誌のイラスト、商品のパッケージイラスト、書籍の表紙イラスト、さらには漫画まで、幅広く活躍しています。
嶽さんが携わった作品
すきなひと
小説家の桜庭一樹さんと制作した「恋の絵本」。ある夜「もうひとりのわたし」と出会う「わたし」のお話。嶽さんが描く夜の情景が美しい作品です。
緑の霧
不思議な農園を舞台に、魔法を信じる少女ポリーが家族を救うために奔走する成長物語。湖畔の自然豊かな様子、そしてすこし不思議なアイテムが鮮やかなタッチで描かれた装丁が印象的です。
なんてことないふつうの夜に
嶽さんの漫画家デビュー作品。夜をテーマにしたオムニバス短編集です。「この気持ちわかる~」と思わず共感する、ふつうの人の夜に起こる、ふつうじゃないような出来事が軽快に描かれています。
イラストレーターに憧れて
嶽さんは小さい頃、何になりたかったですか?
はじめは漫画家になりたくて、それからイラストレーターに憧れるようになりました。実は叔父の職業がイラストレーターだったんですね。小学生の頃、画家以外にも絵を描く職業があることを知って感動したのを覚えています。
小学生の頃にはすでにイラストレーターを目指していたんですね。その後はどんな学校へ?
中学生の頃からパソコンに興味がわいて、Photoshopで絵を描いたり、個人サイトを作ったりしていました。高校は、グラフィック系のソフトの基礎が学びたくて、デザイン科のあるところを選びました。絵を描くことはずっと好きだったので、高校卒業後は地元の金沢美術工芸大学へ進学しました。日本画とデザインで専攻に迷いましたが、卒業後の選択肢の多さから視覚デザイン科を選びました。
大学ではどんな学生でしたか?
クラスメイトの大半がそうでしたが、課題をひたむきにこなす真面目な学生だったと思います。あまり遊んだ記憶がありません……。
課題ととことん向き合ったんですね! 卒業後はどうしましたか?
東京の企業に就職したのですが、会社勤めのかたわら個展を開くなどして、制作を続けていました。そこで作品を見ていただいた方や友人から徐々に声をかけていただくようになり、副業OKの会社だったこともあって、休みの日に少しずつ個人の仕事を始めることにしました。
仕事仲間のアドバイスが作品を成長させる
ターニングポイントになった仕事を教えてください。
厳密には仕事ではないのですが、2010年に目白のブックギャラリー「ポポタム」さんで開催した個展『ワンダーレストラン』で大好きな箱庭世界を描いたのをきっかけに、作家としての仕事をいただくことが多くなりました。
仕事で失敗をしたことはありますか?
会社員時代に副業ではなしえない量の仕事を安易に受けてしまい、多方面に迷惑をかけてしまったことがあります。今はかなり厳密にスケジュールを管理しています。
仕事をしていて、一番興奮する瞬間はどんな時ですか?
イラストレーターとしての仕事は、デザイナーや編集者と共同して取りかかることが多いです。人の助言によって自分のアイデアがより良いものにブラッシュアップされていくのを感じるとき、感動を覚えます。
仕事をするうえで、もっとも大切にしていることは何ですか?
文字にするとすごく当たり前のように思いますが「自分がよいと思うものをきっちり形にする」ことです。
遠回りでも自分の好きなことを続ける!
嶽さんにとって「クリエイティブ仕事道」とはなんですか?
自分を成長させてくれるものであり、社会との繋がりであり、人生を楽しく有意義に過ごすために必要不可欠なものです。
クリエイターを目指す若者たちにメッセージをお願いします!
私は大学卒業とともにフリーランスになろうか迷った時期もあったのですが、結果として、会社員の経験が今とても役に立っています。焦らずじっくり自分のやりたいようにやるのが良いと思います。頑張ってください!
嶽さん、ありがとうございました!
副業したからこそ身に着けた基礎
会社員時代に、副業としてイラストレーター活動をスタートさせた嶽さん。ビジネスパーソンとしての基礎を積んだことで、フリーランスとして独立してからもクライアントからの信頼を得て、素敵な仕事につながっています。嶽さんが歩んだイラストレーターへの道は、クリエーターになるためのヒントが詰まっているのでぜひ参考にしてみてください。
クリエイタープロフィール
嶽まいこさん
イラストレーター
石川県生まれ、東京都在住。2008年金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻卒業。
リクルートのマーケティング局でアートディレクター、クリエイションギャラリーG8で企画・制作を経験。現在フリーランスのイラストレーター・漫画家として活動。「日常の中のふしぎなモノ・コト」をテーマに、個展やグループ展などでも作品を発表。
[ネクスマグ] 編集部
パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。