GeForce RTX 2070 SUPER・GeForce RTX 2060 SUPERのベンチマークを早速確認いたしました。GeForce RTX SUPERシリーズが、従来のGeForce RTX 20シリーズとどの程度の性能差があるのか、ベンチマークテストを通してレビューをしていきます。

気になる製品最終更新日: 20190723

GeForce RTX 2070 SUPER・GeForce RTX 2060 SUPER ベンチマークレビュー

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GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERが、従来のGeForce RTX 20シリーズとどの程度の性能差が有るのか、ベンチマークテストを通して確認して行きます。
GeForce RTX SUPERシリーズは、Turingアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズに新たに追加されたGPUで、その第1弾としてGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERが発売されました。
GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERは型番から推測出来る通り、それぞれGeForce RTX 2070とGeForce RTX 2060の上位モデルという位置付けとなっていますので実際に見ていきます。

2019年7月23日 更新
GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPER搭載BTOパソコンの販売を開始いたしました。

新しく追加されたGeForce RTX SUPERシリーズ

GeForce RTX SUPERシリーズはTuringアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズに新たに追加されたGPUで、その第1弾として7月9日22時にGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERが発売されました。
GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERは型番から推測出来る通り、それぞれGeForce RTX 2070とGeForce RTX 2060の上位モデルという位置付けとなっています。

GeForce RTX SUPERシリーズのスペック比較

GeForce RTX
2080
GeForce RTX
2070 SUPER
GeForce RTX
2070
GeForce RTX
2060 SUPER
GeForce RTX
2060
アーキテクチャ Turing
GPUコア TU104 TU104 TU106 TU106 TU106
製造プロセス 12nm
CUDAコア 2944基 2560基 2304基 2176基 1920基
RTコア 46基 40基 36基 34基 30基
Tensorコア 368基 320基 288基 272基 240基
定格クロック 1515MHz 1605MHz 1410MHz 1470MHz 1365MHz
ブーストクロック 1710MHz 1770MHz 1620MHz 1650MHz 1680MHz
レイトレーシング 8G Ray/s 7G Ray/s 6G Ray/s 6G Ray/s 5G Ray/s
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 8GB 6GB
メモリ転送レート 14Gbps
メモリバス幅 256bit 192bit
メモリバス帯域幅 448GB/s 336GB/s
NVLink ○(1リンク) ×
G-SYNC
TDP 215W 175W 160W
補助電源 8pin + 6pin 8Pin
推奨電源 650W 550W 500W

NVIDIA GeForce RTX 20 シリーズ・SUPER シリーズ スペック比較表

GeForce RTX 2060 SUPERは、一目で分る通りGeForce RTX 2070とGeForce RTX 2060の中間に位置するグラフィックスカードとなります。GeForce RTX 2060との比較では、ビデオメモリが8GBに、メモリバス幅が256bitに拡張されていて、よりGeForce RTX 2070に近い存在となっています。ミドルハイクラスレンジのビデオメモリを8GBにすることで、最近のビデオメモリを多く消費するタイトルに対応させてきたという意味では意欲的なアップグレードといえます。

GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2070を比較すると、GPUコアが上位グレードのGeForce RTX 2080と同じ物に変更されています。GPUコアの変更に伴って、GeForce RTX 2070には無かったNV LinkコネクタがGeForce RTX 2070 SUPER には搭載されており、ハイエンドモデル寄りのグラフィックスカードとなっています。グラフィックスカード単体では4Kで遊ぶにはやや不足感のあるグレードのグラフィックスカードですが、2枚搭載させることでここをカバーできるようになるため、性能が不足したら追加で対応できるというのはGeForce RTX 2070 SUPERを選択するうえで大きなメリットになるでしょう。

また、今回より注意すべき変更として、GeForce RTX SUPERシリーズでは背面のUSB Type-C出力コネクタの搭載がNVIDIAよりオプション扱いとなったため、グラフィックスカードによって背面のUSB Type-C出力コネクタの搭載・非搭載という違いが発生しますので、USB Type-C出力コネクタが必要な方は注意して下さい。

外観の詳しい情報は「GeForce RTX SUPER シリーズ 発売開始!」をご確認ください。

GeForce RTX SUPER シリーズ 発売開始!

    それでは実際の性能はどれほどになるのか、早速ベンチマークテストで見ていきたいと思います。

    GeForce RTX 2070 SUPER・GeForce RTX 2060 SUPERベンチマークテスト

    比較対象として、GeForce RTX 20 シリーズの従来モデルとなるGeForce RTX 2080、GeForce RTX 2070、GeForce RTX 2060 を用意しました。テスト解像度はフルHD(1920x1080)、WQHD(2560x1440)、4K(3840x2160) の解像度のいずれかにて行っています。

    3D Mark「Fire Strike」

    まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。

    GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERの3D Mark「Fire Strike」(Graphics Score)スコアGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERの3D Mark「Fire Strike」(Graphics Score)スコア

    GeForce RTX 2060 SUPERとGeForce RTX 2060を比べるとおおよそ20%のスコア向上となっていて、GeForce RTX 2060 SUPERとGeForce RTX 2070が互角のスコアとなっています。GeForce RTX 2060 SUPER はCUDAコア数ではGeForce RTX 2070に劣るものの動作クロックでは勝っており、CUDAコア数のハンデを動作クロックが補っていると思われます。
    一方、GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2070の比較ではおおよそ15%のスコア向上となっていて、対GeForce RTX 2080比では95%弱のスコアとなっています。やはりGPUコアの変更が大きく影響しているようで、 GeForce RTX 2070よりもGeForce RTX 2080に近い存在となっています。

    FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

    続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。

    GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONスコアGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONスコア

    3D Mark Fire Strike と似た傾向が見られ、GeForce RTX 2060 SUPERとGeForce RTX 2070が僅差で接近していて、GeForce RTX 2060からはおおよそ10%強のスコア向上となっています。
    一方、GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2070の比較ではおおよそ15%前後のスコア向上となっていて、解像度が上がるとその差が広がっていきます。対GeForce RTX 2080比ではおおよそ95%弱のスコアとなっていて、解像度が上がるとその差が縮まっていきます。
    解像度別にベンチマーク結果を見ると、WQHD解像度では快適な動作が見込めるとされる6000以上のスコアをGeForce RTX 2060が僅かに届きませんでしたが、実質的にはWQHD解像度ではどのグラフィックスカードを選んでも快適にプレイする事が出来そうです。一方4K解像度ではどのグラフィックスカードでも標準的な動作の指標となる3000以上のスコアレンジとなっていますが、その中でもGeForce RTX 2080は、やや快適とされる4500をクリアしており上位モデルのパワーを如何なく発揮してします。同じGPUコアを使用したGeForce RTX 2070 SUPERも僅かながら4500には届きませんでしたが、比較的快適にプレイする事が出来そうです。

    ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

    最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。

    GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズスコアGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズスコア

    GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズスコア(FPS)GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERのファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズスコア(FPS)

    GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2070の比較ではおおよそ15%以上のスコア向上となっていて、解像度が上がるとその差が広がっています。また、対GeForce RTX 2080比ではおおよそ95%弱のスコアとなっています。
    解像度別にみると、WQHD解像度では非常に快適な動作の指標となる7000以上のスコアを全てのグラフィックスカードでクリアしています。フレームレートでも全てのグラフィックスカードが60fpsを大きく上回っており、WQHD解像度ではFF15と同様にどのグラフィックスカードを選んでも快適にプレイする事ができそうです。一方4K解像度では、GeForce RTX 2070が7000に届かなかったのに対してGeForce RTX 2060 SUPERは7000を上回っています。フレームレートを確認すると、GeForce RTX 2080でも60fpsには届きませんでしたが、GeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2080は楽々と7000を上回っているので、実際のゲームプレイでは快適にプレイ出来ると思われます。

    GeForce RTX 2060 SUPERとGeForce RTX 2070 SUPERは、従来モデルから1ランク上位の性能

    NVIDIAの発表では「GeForce RTX 2060 SUPERはGeForce RTX 2060から平均15%スコアが向上しGeForce RTX 2070に匹敵するパフォーマンス」とのアナウンス通り、ほとんどの場面でGeForce RTX 2060 SUPERはGeForce RTX 2070と同等か上回るスコアを記録していました。事実上、GeForce RTX 2060 SUPERはGeForce RTX 2060の上位モデルと言うよりはGeForce RTX 2070の後継モデルといった立ち位置なのだと思われます。
    一方のGeForce RTX 2070 SUPERは、やはりGPUコアの変更が大きく影響しており、GeForce RTX 2070の上位モデルと言うよりはGeForce RTX 2080の下位モデルと言った方がピッタリな印象です。
    GeForce RTX 2060 SUPERとGeForce RTX 2070 SUPERは、共に従来モデルであるGeForce RTX 2060とGeForce RTX 2070から1ランク上位の性能となっており、WQHD環境以上で快適にゲームをしたいユーザーにとって魅力ある製品であることは間違いなく、価格がこなれてくれば、新たなグラフィックスカードの定番商品となっていくものと思われます。

    CPU Core i9-9900K (3.6-5.0GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ16MB/TDP95W)
    マザーボード ASUS RIME Z390-A (Z390チップセット)
    メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GBx2)
    ビデオカード MSI GeForce RTX 2080 VENTUS 8G (ビデオメモリ 8GB)
    GALAX GeForce RTX 2070 SUPER (ビデオメモリ 8GB)
    MSI GeForce RTX 2070 AERO 8G (ビデオメモリ 8GB)
    ZOTAC GeForce RTX 2060 SUPER (ビデオメモリ 8GB)
    ZOTAC GeForce RTX 2060 6GB DDR6 (ビデオメモリ 6GB)
    ストレージ WesternDigital WDS500G2X0C (WD Black NVMe 500GB)
    電源 Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W)
    OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1903)
    ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver 431.36

    GeForce RTX SUPERシリーズの検証に使用した構成

    ※同じ構成を使用してもドライバのバージョンや各種環境によりベンチマークの値は掲載の値と異なります。

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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