コードネーム「Turing」こと GeForce RTX 2070をいち早く入手!早速試してみました。

ITトレンド最終更新日: 20181023

GeForce RTX 2070 速攻ベンチマークレビュー

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コードネーム「Turing」ことGeForce RTX 20 シリーズの三男坊、GeForce RTX 2070が入手できましたのでベンチマークテストを試してみました。先に登場していたGeForce RTX 2080 Ti ・GeForce RTX 2080が、それぞれ1ランク上のNVIDIA TITAN V ・GeForce GTX 1080 Tiをも凌駕する性能を示していただけに、GeForce RTX 2070でもGeForce GTX 1070 Ti やGeForce GTX 1080にも引けを取らない性能を示すことが期待されます。

GeForce RTX 20 シリーズの特徴

GeForce RTX 2070は、上位モデルであるGeForce RTX 2080 TiやGeForce RTX 2080と同様に、「リアルタイムレイトレーシング(Ray Tracing)」の処理を専門に行う「RTコア」と、「AI処理」による画質向上の効果をゲームに低負荷で適用することを可能にする「Tensorコア」を搭載しています。一方で、SLIに変わる高速通信コネクタであるNVLinkは搭載されていません。

ヒートシンクカバーには切り欠きが有りますが、NVLinkコネクタは有りませんヒートシンクカバーには切り欠きが有りますが、NVLinkコネクタは有りません

その他のGeForce RTX 2070の特徴は、

■ 12nmプロセスの採用
■ ビデオメモリにGDDR6を採用
■ VirtualLink対応USB Type-Cコネクタを出力端子に搭載
■ Display Port 1.4aのサポートにより8K出力がケーブル1本で可能

などが有ります。

GeForce RTX 2070 全景GeForce RTX 2070 全景

GeForce RTX 2070 AERO 8G の電源コネクタは、GeForce RTX 2080 と同じ 《8Pin + 6Pin 》GeForce RTX 2070 AERO 8G の電源コネクタは、GeForce RTX 2080 と同じ 《8Pin + 6Pin 》

GeForce RTX 20 シリーズ各モデルのスペックは下表のとおりとなります。

  GeForce RTX
2080 Ti
GeForce RTX
2080
GeForce RTX
2070
GeForce GTX
1080
GeForce GTX
1070 Ti
GeForce GTX
1070
アーキテクチャ Turing Pascal
GPUコア TU102 TU104 TU106 GP104 GP104 GP104
製造プロセス 12nm 16nm
CUDAコア 4352基 2944基 2304基 2560基 2432基 1920基
RTコア 68基 46基 36基
Tensorコア 544基 368基 288基
定格クロック 1350MHz 1515MHz 1410MHz 1607MHz 1607MHz 1506MHz
ブーストクロック 1545MHz 1710MHz 1620MHz 1733MHz 1683MHz 1683MHz
レイトレーシング 10G Ray/s 8G Ray/s 6G Ray/s
メモリタイプ GDDR6 GDDR5X GDDR5
メモリ容量 11GB 8GB 8GB 8GB 8GB 8GB
メモリ転送レート 14Gbps 10Gbps 8.0Gbps
メモリバス幅 352bit 256bit 256bit 256bit 256bit 256bit
メモリバス帯域幅 616GB/s 448GB/s 448GB/s 320GB/s 256GB/s 256GB/s
NVLink ○(2リンク) ○(1リンク) ×
G-SYNC
TDP 250W 215W 185W 180W 180W 150W
補助電源 8pin + 8pin 8pin + 6pin 8Pin 8pin 8pin 8pin
推奨電源 650W 550W 500W

GeForce RTX 20 シリーズ、GeForce GTX 10 シリーズスペック比較

スペック表を見ていて気付くのは、GeForce GTX 1080とGeForce GTX 1070は使用しているGPUコアがGP104で同じで、CUDAコア数や動作クロックを調整したものだったのに対し、GeForce RTX 2080とGeForce RTX2070ではGPUコアそのものが異なり、GeForce RTX 2070では独自のTU106コアを使用しています。

それでは実際の性能はどれほどになるのか、ベンチマークを見ていきたいと思います。

GeForce RTX 2070 ベンチマークテスト

比較対象として、直接の後継となるGeForce GTX 1080 と GeForce GTX 1070 Ti を、またAMDのハイエンドモデルであるRadeon RX VEGA 64を用意しました。ハイエンド向けのビデオカードであるため、テスト解像度はフルHD(1920x1080)、WQHD(2560x1440)、4K(3840x2160) の解像度のいずれかにて行っています。

3D Mark「Fire Strike」

まずは、Direct X11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。

3D Mark「Fire Strike」にてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果3D Mark「Fire Strike」にてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果

GeForce RTX 2070とGeForce GTX 1080が僅差で競り合い、一段落ちでGeForce GTX 1070 Tiが続いています。GeForce RTX 2080 と比べるとおよそ80%のスコアと、CUDAコア数通りの性能となっています。

3D Mark「Time Spy」

次いで、Direct X12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。

3D Mark「Time Spy」にてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果3D Mark「Time Spy」にてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果

GeForce RTX 20 シリーズ内の相対関係に変化は無く、GeForce RTX 2070 のスコアはGeForce RTX 2080のおよそ80%となっています。一方、GeForce GTX 1080 との比較では15%以上の差を付けており、3D Mark Fire Strike とはやや異なる傾向となっています。GeForce RTX 2070 のライバルは、GeForce GTX 1070 Ti ではなく、GeForce GTX 1080 とみて良さそうです。

FINAL FANTASY XV

FINAL FANTASY XVにてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果FINAL FANTASY XVにてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果

綺麗に階段状に並んでいます。3D Markと同様、GeForce RTX 2070 のスコアはGeForce RTX 2080のおよそ80%となっています。GeForce GTX 1080 との比較では15%以上の差を付けており、3D Mark Time Spy と同じ傾向が見られます。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターです。テスト環境設定は最高品質・DirectX11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターにてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターにてGeForce RTX 2070のベンチマーク結果

FINAL FANTASY XVよりはややバラツキが有りますが、全体的には階段状に並んでいます。GeForce GTX 1080 との比較ではスコアの差がおよそ3%に縮まっていますが、GeForce RTX 2070がなんとか優位を保っています。

GeForce RTX 2070 を試してみた結果

GeForce RTX 20シリーズの三男坊「GeForce RTX 2070」は、上位モデルであるGeForce RTX 2080のおよそ80%の性能となっており、見事にコア数通りの結果となっています。一方、GeForce GTX 10 シリーズとの比較では、GeForce GTX 1080がライバルとなり、僅差の事も有れば10%以上引き離す事も有るなど、得手不得手が見られました。

3D Mark Time SpyやFINAL FANTASY XVの様に、比較的新しいタイトルではGeForce RTX 2070に、3D Mark Fire StrikeやFINAL FANTASY XIVのようにやや古めのタイトルではGeForce GTX 1080 に分がある様に見受けられます。

現状では、リアルタイムレイトレーシングやDLSSを使用できるタイトルが無いため、従来通りのベンチマークによる性能比較となりましたが、今後、リアルタイムレイトレーシングやDLSSなどの新機能に対応したゲームタイトルがリリースされてくると、GeForce RTX 20シリーズは美麗で快適なゲーミングには必須のアイテムとなってくることでしょう。

CPU Core i7-8700K (3.7-4.7GHz/6コア・12スレッド/キャッシュ12MB/TDP95W)
マザーボード MSI Z370-S01 (Z370チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GB x2)
ビデオカード GeForce RTX 2080 Ti VENTUS 11G (ビデオメモリ 11GB)
GeForce RTX 2080 VENTUS 8G (ビデオメモリ 8GB)
GeForce RTX 2070 AERO 8G (ビデオメモリ 8GB)
GeForce GTX 1080 Founders Edition (ビデオメモリ 8GB)
GeForce GTX 1070 Ti Founders Edition (ビデオメモリ 8GB)
Radeon RX VEGA 64リファレンスカード (ビデオメモリ 8GB)
ストレージ WesternDigital  WDS500G2X0C (WD Black NVMe 500GB)
電源 Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1803)
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver 416.34
Radeon Software Adrenalin Edition Graphics Driver 18.5.1
ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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