GeForce GTX 1650の特徴とベンチマーク結果をレビューいたします。

気になる製品最終更新日: 20190507

GeForce GTX 1650 速攻ベンチマークレビュー

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GeForce GTX 16 シリーズの末弟にあたるGeForce GTX 1650は、2万円台から購入出来るゲーム向けエントリークラスの安価なTuringアーキテクチャのグラフィックスカードです。 補助電源コネクタが不要な省電力性や小型でコンパクトなカードサイズが魅力的なGeForce GTX 1650で、ベンチマークテストを試してみました。 なお、今回入手できたカードは、ZOTAC製「GeForce GTX 1650 4GB GDDR5」となります。

GeForce GTX 1650の特徴

GeForce GTX 1650の最大の特徴は、Turingアーキテクチャのグラフィックスカードとしては初めて補助電源コネクタが無いという点でしょう。補助電源が不要という事で、発熱量や消費電力量も自ずと低く抑えられており、省電力型 のTuringアーキテクチャのグラフィックスカードが購入できるようになりました。また、GeForce GTX 1650にはリファレンスデザインと呼べる物が提供されていない為、各ベンダーが出力端子やカードデザインを独自に設計しており、コンパクトサイズな物から大型クーラーを備えた物に加えて、ロープロファイルモデルに至るまで多種多様なグラフィックスカードが登場して来る事が想定され、大型クーラーを備えたグラフィックスカードなどでは補助電源コネクタを必要とする場合も有りそうです。
なお、今回使用したZOTAC製「GeForce GTX 1650 4GB GDDR5」では補助電源コネクタは無く、出力端子はDisplayPort x1・HDMI x1・DVI x1(※グラフィックスカードにより異なります)、全長15cmというコンパクトサイズです。

ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5全景ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5全景

ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5出力端子(HDMI×1、DisplayPort×1、DVI×1)ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5出力端子(HDMI×1、DisplayPort×1、DVI×1)

通常補助電源コネクタのある部分ですがZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5にはありません通常補助電源コネクタのある部分ですがZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5にはありません

ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5にはNV LinkコネクタやSLIコネクタも有りませんZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5にはNV LinkコネクタやSLIコネクタも有りません

GeForce GTX 1650のスペックは下表のとおりとなります。

GeForce GTX
1660
GeForce GTX
1650
GeForce GTX
1060 3GB
GeForce GTX
1050 Ti
アーキテクチャ Turing Pascal
GPUコア TU116 TU117 GP106 GP107
製造プロセス 12nm 14nm
CUDAコア 1408基 896基 1152基 768基
定格クロック 1530MHz 1485MHz 1506MHz 1290MHz
ブーストクロック 1785MHz 1665MHz 1708MHz 1392MHz
メモリタイプ GDDR5
メモリ容量 6GB 4GB 3GB 4GB
メモリ転送レート 8.0Gbps 7.0Gbps
メモリバス幅 192bit 128bit 192bit 128bit
メモリバス帯域幅 192GB/s 128GB/s 192GB/s 112GB/s
G-SYNC
VR Ready × ×
TDP 120W 75W 120W 75W
補助電源 8Pin 無し 6pin 無し
推奨電源 450W 300W 400W 300W

GeForce GTX 1650のスペック比較表

それでは実際の性能はどれほどになるのか、ベンチマークを見ていきたいと思います。

GeForce GTX 1650をベンチマークテスト

比較対象として、GeForce GTX 16 シリーズからは上位モデルのGeForce GTX 1660を、GeForce GTX 10 シリーズからはGeForce GTX 1060 3GB と GeForce GTX 1050 Ti を用意しました。ミドルレンジ向けモデルのため、テスト解像度はフルHD(1920x1080)かWQHD(2560x1440)の解像度にて行っています。

3D Mark「Fire Strike」

まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。

GTX 1650の3D Mark「Fire Strike(Graphic Score)」スコア比較GTX 1650の3D Mark「Fire Strike(Graphic Score)」スコア比較

GeForce GTX 1650は、GeForce GTX 1660の対しておよそ60%のスコアと、CUDAコア数通りの性能となっています。一方でGeForce GTX 1050 Tiに対しては10~20%程度のスコア向上となっています。

3D Mark「Time Spy」

次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyのみとなります。

GTX 1650の3D Mark「Time Spy(Graphic Score)」スコア比較GTX 1650の3D Mark「Time Spy(Graphic Score)」スコア比較

TuringコアがPascalコアよりもDirectX 12への最適化が進んでいるため、GeForce GTX 1650 がGeForce GTX 1060 3GBに対しておよそ90%と肉薄しています。また、GeForce GTX 1050 Tiに対しては、およそ40%のスコア向上となっています。

FINAL FANTASY XV

続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンとなります。

GTX 1650のFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア比較GTX 1650のFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークスコア比較

3D Mark Time Spy と同様に、GeForce GTX 1650 がGeForce GTX 1060 3GBに対しておよそ90%のスコアとなっています。また、GeForce GTX 1050 Tiに対しては、およそ30%のスコア向上となっています。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーンとなります。ベンチマークスコアと合せて、フレームレートの結果も示しています。

GTX 1650のファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークスコア比較GTX 1650のファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークスコア比較

GTX 1650のファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークfps比較GTX 1650のファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークfps比較

3D Mark Fire Strikeに似た傾向となっていて、ベンチマークスコアでGeForce GTX 1060 3GB には引き離されています。GeForce GTX 1050 Tiに対しては、およそ20%のスコア向上となっています。フレームレートで見てみると、フルHDにおいて60fps出ており、フルHD解像度でのゲームプレイでは十分な性能を期待できそうです。

補助電源不要ながらもフルHDでは十分な性能を誇るGeForce GTX 1650

GeForce GTX 1650は、どのベンチマークテストにおいても、GeForce GTX 1060 3GBとGeForce GTX 1050 Tiの間に収まっています。また、GeForce GTX 1660のおよそ60%程度のスコアとなっており、見事にCUDAコア数通りの性能となっています。ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフレームレートで60fpsを示すなど、ベンチマークの結果からは、フルHDの解像度であれば十分に対応できる性能を持っていると言えそうです。
なによりも、これだけの性能を持ちながら、補助電源コネクタが無く推奨電源容量も300Wとなっているので、非常にワットパフォーマンスに優れるグラフィックスカードになっています。さらに、コンパクトサイズや、スリムタワーなどの電源容量が低めのパソコンなどにも搭載できるグラフィックスカードとなるのではないでしょうか。
GeForce GTX 1650は、価格的にも2万円前後となっており、フルHD解像度でゲームをプレイするための安価なグラフィックスカードを求めているユーザーや、省電力ながらも高性能なグラフィックスカードを求めているユーザーには良い選択肢となりそうです。上位の機種と同様、HDMI 2.0bやDisplay Port 1.2aに対応するため、4K HDRや8K HDRなどの表示も可能なため、これらの最新の映像出力を持つ安価なグラフィックスカードとしても有用なグラフィックスカードとなるのではないのでしょうか。

CPU Core i9-9900K (3.6-5.0GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ16MB/TDP95W)
マザーボード ASUS Prime Z390-A (Z390チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GB x2)
ビデオカード ZOTAC GeForce GTX 1650 4GB GDDR5 (ビデオメモリ 4GB)
ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5 (ビデオメモリ 6GB)
GeForce GTX 1060 3GB リファレンスカード (ビデオメモリ 3GB)
GeForce GTX 1050 Ti リファレンスカード (ビデオメモリ 4GB)
ストレージ WesternDigital  WDS500G2X0C (WD Black NVMe 500GB)
電源 Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1809)
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver 430.39

GeForce GTX 1650 の検証に使用した構成

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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