Turingアーキテクチャ採用のGeForce GTX 1650 SUPERについて、外観から従来のGeForce GTX 16シリーズとのベンチマーク比較テストまで詳しくレビューしていきます。

気になる製品最終更新日: 20200113

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマークレビュー

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Turingアーキテクチャ採用のGeForce GTX 16シリーズに新たに追加されたGeForce GTX 16 SUPERシリーズ、その第2弾としてGeForce GTX 1650 SUPERが発売されました。GeForce GTX 1650 SUPERは型番から推測出来る通り、GeForce GTX 1650の上位モデルにあたり、GeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660の間を埋める位置付けとなっています。 今回はGeForce RTX 1650 SUPERが、従来のGeForce GTX 16シリーズとどの程度の性能差が有るのか、ベンチマークテストを通して確認して行きます。

GeForce GTX 16 SUPERシリーズに追加されたGeForce GTX 1650 SUPER

GeForce GTX 1650 SUPERは、Turingアーキテクチャを採用したGeForce GTX 16 SUPERシリーズに新たに追加されたGPUで、GPUコアをGeForce GTX 1650のTU117からGeForce GTX 1660と同じTU116に変更し、かつビデオメモリをGDDR5からGDDR6に変更してパフォーマンスアップを図ったモデルとなっています。

GeForce GTX
1660 Ti
GeForce GTX
1660 SUPER
GeForce GTX
1660
GeForce GTX
1650 SUPER
GeForce GTX
1650
アーキテクチャ Turing
GPUコア TU116 TU116 TU116 TU116 TU117
製造プロセス 12nm
CUDAコア 1536基 1408基 1408基 1280基 896基
定格クロック 1500MHz 1530MHz 1530MHz 1530MHz 1485MHz
ブーストクロック 1770MHz 1785MHz 1785MHz 1725MHz 1665MHz
メモリタイプ GDDR6 GDDR5 GDDR6 GDDR5
メモリ容量 6GB 4GB
メモリ転送レート 12Gbps 14Gbps 8Gbps 12Gbps 8Gbps
メモリバス幅 192bit 128bit
メモリバス帯域幅 288GB/s 336GB/s 192GB/s 192GB/s 128GB/s
G-SYNC
TDP 120W 125W 120W 100W 75W
補助電源 8Pin 6Pin
推奨電源 450W 350W 300W

NVIDIA GeForce GTX 16 シリーズスペック 比較表

GeForce GTX 1650 SUPERは、GeForce GTX 1660と同じGPUコアを採用しつつ、GeForce GTX 1650と同じメモリ容量・メモリバス幅にした、GeForce GTX 1660とGeForce GTX 1650の合の子のような仕様となっています。GPUコアがGeForce GTX 1660と同じであるため、条件によってはGeForce GTX 1650よりもGeForce GTX 1660に近い性能になることも期待出来そうです。
なお、GeForce GTX 1650 SUPERは、GeForce GTX 1650には無かった補助コネクタが必要となっている点に注意が必要です。

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの外観です。カード長はおおよそ17cmのコンパクトサイズです。

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの外観ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの外観

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの出力端子です。DVI、HDMI、DisplayPortが各1個ずつあります。

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの出力端子ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの出力端子

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの補助電源端子です。ケースの前方向から電源を接続するため、取り回しには17cm以上のスペースが必要となります。

ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの補助電源端子ZOTAC製GeForce GTX 1650 SUPERの補助電源端子

それでは実際の性能はどれほどになるのか、早速ベンチマークテストで見ていきたいと思います。

ベンチマークテスト

比較対象として、GeForce GTX 16 SUPERシリーズのGeForce GTX 1660 SUPERと、GeForce GTX 16 シリーズのGeForce GTX 1660 Ti、GeForce GTX 1660、GeForce GTX 1650 とを用意しました。テスト解像度はミドルレンジ向けである事から、フルHD(1920x1080)とWQHD(2560x1440)の解像度のいずれかにて行っています。

3D Mark「Fire Strike」

まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、フルHDのFire StrikeとWQHD のFire Strike Extremeとなります。

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:3D Mark 「Fire Strike」 Graphics ScoreGeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:3D Mark 「Fire Strike」 Graphics Score

GeForce GTX 1650 SUPERとGeForce GTX 1650を比べると30%以上のスコア向上となっていて、GeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660のちょうど中間に位置しています。GeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660の落差を埋めるように、見事にバランスされています。

3D Mark「Time Spy」

次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHDとなります。

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:3D Mark 「Time Spy」 Graphics ScoreGeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:3D Mark 「Time Spy」 Graphics Score

全体的にFire Strikeと同じ傾向となっていますが、GeForce GTX 1650からおおよそ40%弱のスコア向上とFire Strikeよりも差が広がっています。対GeForce GTX 1660 比ではおおよそ85%のスコアとなっていて、Fire Strike の場合と比べると少しGeForce GTX 1660寄りとなっています。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はフルHDとWQHDになります。

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークGeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

GeForce GTX 1650 SUPERとGeForce GTX 1650の差は30%以上あり、3D Markと同じ傾向が見られました。一方、対GeForce GTX 1660 ではフルHD解像度では約90%のスコアと、ほぼCUDAコア数通りの結果となっています。フルHD解像度であれば、GeForce GTX 1650 SUPERの4GBというビデオメモリ容量の制約は受けていない様です。
解像度別にベンチマーク結果を見ると、フルHD解像度でGeForce GTX 1650 SUPERがやや快適とされる4500をクリアしているのに対してGeForce GTX 1650は普通、WQHD解像度でもGeForce GTX 1650 SUPERが普通とされる3000をクリアしているのに対してGeForce GTX 1650はやや重いと、一段階ずつ評価の指標がランクアップしていています。GeForce GTX 1650ではちょっと力不足だった環境でも、GeForce GTX 1650 SUPER であれば動作するかも知れません。

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はフルHDとWQHDとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(最高品質)ベンチマークGeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(最高品質)ベンチマーク

GeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(フレームレート)ベンチマークGeForce GTX 1650 SUPERベンチマーク比較グラフ:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(フレームレート)ベンチマーク

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズでは、GeForce GTX 1650 SUPERとGeForce GTX 1650の差が40%以上に広がり、対GeForce GTX 1660比では90%を超えるスコアとなっていて、GeForce GTX 1650よりもGeForce GTX 1660に近い結果となっています。
GeForce GTX 1650 SUPER は、WQHD解像度でも非常に快適な動作の指標となる7000以上のスコアを悠々とクリアするなど、GeForce GTX 1650とは明らかに異なる性能を示しています。

GeForce GTX 1650とは一線を画すGeForce GTX 1650 SUPER

NVIDIAの発表ではGeForce GTX 1650 SUPERはGeForce GTX 1650から最大で50%の高速化とあり、今回の検証の結果では発表よりも差が小さかったものの、全ての場面でGeForce GTX 1650 SUPERはGeForce GTX 1650より30%以上スコアが向上していました。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズでは40%以上スコアが向上しており、ゲームタイトルや使用環境によっては発表の通りに50%の高速化もあり得るかも知れません。
GeForce GTX 1650 SUPERは従来モデルであるGeForce GTX 1650とは明らかに一線を画す性能となっていて、GeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660の間に有った落差を見事に穴埋めしてくれました。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズでのベンチマーク結果の様にGeForce GTX 1660に近い性能を示してくれる可能性もあり、GeForce GTX 1650 SUPERのポテンシャルは十分に高いことが想像できます。
GeForce GTX 1650 SUPERは、価格的にも性能的にもGeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660の間にきれいに収まる、バランスのとれたグラフィックスカードとなっています。低価格ながらもパフォーマンスの高いグラフィックスカードとして、非常に魅力的な製品に仕上がっているのではないでしょうか。

CPU Core i9-9900K (3.6-5.0GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ16MB/TDP95W)
マザーボード ASUS Prime Z390-A (Z390チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GB x2)
ビデオカード ZOTAC製 GeForce GTX 1650 SUPER (4GB GDDR6)
ZOTAC製 GeForce GTX 1660 SUPER (6GB GDDR6)
GALAX製 GeForce GTX 1660 Ti (6GB GDDR6)
ZOTAC製 GeForce GTX 1660 (6GB GDDR5)
MSI製 GeForce GTX 1650 (4GB GDDR5)
ストレージ Intel SSDPEKNW512G8XT (Intel 660p NVMe 512GB)
電源 Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1903)
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver 441.20

NVIDIA GeForce GTX 16 シリーズの検証構成

※掲載のベンチマークは当社検証時のものです。OS、ドライバーのバージョン、その他の要因により同じ構成であってもベンチマーク値は変動いたします。あらかじめご了承ください。

GeForce GTX 1650 SUPER 単品発売開始

GeForce RTX 1650 SUPER単品発売を開始いたしました。ぜひご確認をお願いします。また、今後GeForce GTX 1650 SUPER搭載BTOパソコンの発売も行う予定です。

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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