AMD Softwareの基本説明や、AFMFの使用法と効果を紹介いたします。

気になる製品最終更新日: 20240905

AMD Radeonのゲームプレイを快適にするAMD Softwareとフレーム作成機能のAFMFを紹介

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AMD RadeonシリーズのGPUユーティリティソフト「AMD Software:Adrenalin Edition(以下AMD Software)」は、GPUの温度や動作クロックの管理が可能なほか、PCゲームを快適にプレイ可能にする機能が複数搭載されています。
特に2024年1月に実装されたフレーム作成機能「AFMF(AMD Fluid Motion Frames)」は、ゲームのFPSを向上させることで注目されている機能です。
今回は、AMD Softwareの紹介と共に、実際にグラフィックカードとゲームを用いて、AFMFでフレームレートがどう変わるのかを見ていきます。

AMD Software:Adrenalin Editionとは

AMD Softwareは、Radeonのドライバと共にインストールされるユーティリティソフトです。ドライバのバージョンといった基本的な情報確認が行えるほか、Radeonが備える各種機能の実行が可能です。

AMD Softwareの起動方法と基本的な使い方

AMDソフトウェアはインストール後、簡単に扱う事が出来ます。
ソフトの起動方法は以下の方法があります。
・スタートメニューから選択
・デスクトップ画面で右クリックし、コンテキストメニューに表示されているアイコンをクリック
・ゲーム中にALTキー + R

AMD Softwareのホーム画面はこちらです。現在のドライババージョンや最新版が出ているかを確認できるほか、最近プレイしたゲームのリストの表示や、ここから起動も可能です。
※一部ゲームのベンチマークソフトについて、ゲーム本編と認識されることがあります。この場合はクリックしても起動しないのでご注意ください。

AMD Softwareホーム画面AMD Softwareホーム画面

AMD Softwareの主な機能について

ここでは、AMD Softwareが持つ主な機能を紹介します。グラフィック機能関連以外にも、画面の録画やホットキーの設定も可能です。
なお、NVIDIAにも同様のユーティリティソフト「GeForce Experience」などがあります。両社ともにほぼ同等の機能を備えていますが、各社ごとに特徴があります。
AMDはアカウント不要かつ1つのツールで実行可能、さらにゲーム側対応不要のAFMFによりフレーム生成を手軽に扱えます。NVIDIAは、敵を倒した瞬間など特定のシーンを自動録画、画面停止時に通常のゲームプレイでは見られない角度でキャプチャが可能など、配信映えする機能が充実しています。
両社の機能は一覧をご覧ください。

AMD Software:
Adrenalin Edition
GeForce Experience /
NVIDIA コントロールパネル
アカウント 不要 必要 ※NVIDIA コントロールパネルは不要
アップスケーリング ゲーム側対応が必要 AMD FSR 1~3
※他社製品も一部対応可能
NVIDIA DLSS 1~3
※DLSS 3はGeForce RTX 4000シリーズのみ
ドライバ側で対応 AMD RSR NVIDIA Image Scaling
フレーム生成 ゲーム側対応が必要 AMD FSR3 NVIDIA DLSS 3
ドライバ側で対応 AMD AFMF
入力遅延軽減 AMD Radeon Anti-Lag NVIDIA Reflex
動的フレームレート調整
省電力機能
AMD Radeon Chill Dynamic Super Resolution
GPUシステム管理/
チューニング
録画/配信 通常録画/
配信
ハイライト
シーン録画
NVIDIA Highlights
キャプチャ/
SNS共有
通常録画/
配信
360度
キャプチャ
NVIDIA Ansel
音声ノイズ
リダクション
AMD Noise Suppression RTX Voice
ディスプレイ同期技術 AMD FreeSync NVIDIA G-sync

GPUシステム管理、オーバークロック設定

パフォーマンスタブでは、Radeonの動作クロックやファン回転数、消費電力などをリアルタイムで確認できます。また、オーバークロックやダウンクロック設定も行えます。こちらは用意されたプリセットを選ぶ方法や、手動での設定も可能です。
これらの設定は、クロックや電圧を大きく変更すると画面にノイズが入ることやPCがハングアップすることもありますので、自己責任での作業をお願いいたします。

フレームレートと画質向上を両立化するAMD Radeon Super Resolution

機能をオンにしてからゲームの解像度を液晶モニターの解像度より低く設定することで、ゲームを低解像度で動かしながら、フレームごとに超解像化し、液晶モニターの解像度で出力します。
普通に低解像度設定したゲームを全画面表示すると画面がぼやけますが、本機能はゲームそのものを低解像度で描画しつつ、さらに超解像化により画質も向上します。

マウスなどの応答速度を高速化するAMD Radeon Anti-Lag

ゲームプレイ時のマウスクリックやキーボードのキー入力から、その結果が映像に反映されるまでの時間を短縮させる機能です。PCのスペックやプレイするゲームタイトルにより効果は変動しますが、ゲームプレイ時の入力遅延を軽減できます。

消費電力軽減に役立つAMD Radeon Chill

ゲーム内の動きに応じてフレームレートを動的に調節し、電力消費を抑える機能です。
例えば液晶モニターが60Hzの場合、ゲームが液晶の性能以上のフレームレートで描画されても効果がないばかりか、CPUやグラフィックカードには高フレームレートを描画するために高負荷がかかり続けます。
ですが、本機能で最大60fpsに設定することで、消費電力を抑えることができます。
※Radeon Chill機能は、ゲーム側もRadeon Chillをサポートしている必要があります。

フレーム生成機能AFMF(AMD Fluid Motion Frames)

AFMFは、ゲームのフレームを生成することで、ゲームの描画フレームレートを向上させる機能です。AMD Radeon Chillの様なタイトル制限が無く、DirectX 11/12対応のゲームのほとんどで利用可能という使い勝手の良さがポイントです。
本機能については、実際にグラフィックカードを用意して検証いたします。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)でゲームのフレームレートを大幅アップ

ここでは、AMD Radeon RX 6600を使い、AFMFの効果を確認していきます。
まずはRadeon RX 6600の基本性能をベンチマークで見ていきましょう。
使用ソフトは、3DMark「Fire Strike」のGraphics Scoreと、ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(最高設定:1920×1080)です。
比較対象として、GeForce RTX 3050 6GBとRTX 4060を別計測しています。

~3D Mark Fire Strike~~3D Mark Fire Strike~

~ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク スコア~~ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク スコア~

Radeon RX 6600の性能は、GeForce RTX 2製品の間に収まっています。なお、これらのベンチマークではAFMFの効果はありませんでした。次は実際のゲームでAFMFの効果を見ていきましょう。

実際のゲームでAFMFの効果を確認

今回チェックしたゲームは、「PSO2 ニュージェネシス ver.2」です。キャラクターを新規作成後、最初に操作が可能になるエアリオタウン手前のシーンで測定しました。画面設定は、「フルHD解像度(1920×1080)」、「フルスクリーン」「簡易グラフィック設定 6」となります。
操作が可能になった後に、Windowsキー + RでAMD Softwareを起動しました。フレームレートは約110fpsです。

AFMFの設定OFF時のフレームレートAFMFの設定OFF時のフレームレート

ゲームタブに切り替え、AFMFの設定をONにしました。なお、AFMF時はわずかに遅延が発生することから、AMD Radeon Anti-Lagも自動でオンになります。

AMD Software ゲームタブの設定画面AMD Software ゲームタブの設定画面

オンにした瞬間180fpsを超えました。ゲームにより効果の大小は異なりますが、本作においては効果絶大です。

AFMFの設定ON時のフレームレートAFMFの設定ON時のフレームレート

なお、AFMFは一般的に仮想フルスクリーン(ボーダレス)には対応しないとされていますが、「PSO2 ニュージェネシス ver.2」の仮想フルスクリーンモードでは利用できました。本作の仮想フルスクリーン時の最大フレームレートは60fpsに制限されますが、AFMFはこの制限を超え、やはり180fps以上でのプレイが可能です。

AFMFを活用してより快適なゲーム体験を実現

以上、AMD Softwareと、AFMFの効果を紹介いたしました。
AFMFを活用すると、より高リフレッシュレートで滑らかな画面を体感できることが実証されました。今回はリフレッシュレートが高い液晶モニターで効果を発揮する内容ですが、フレームレートが60fpsを切っており快適にプレイできない状態のゲームを快適にする、という使い方も可能になります。より高解像度のモニターをご購入予定の場合はぜひ参考にしてください。
さらに、ソフトの起動や設定も簡単なのが嬉しいところです。

なお、AFMFは新バージョンのAFMF2が近日実装予定で、フレームレートのさらなる向上や遅延の軽減などが図られるとされています。
Radeonを搭載しているがAMD Softwareは使っていない、これからRadeonを購入予定といった方は、ぜひAMD SoftwareとAFMFを活用して、より快適なゲームプレイをお楽しみください。

AMD Softwareの詳細はメーカーページをご確認ください。
https://www.amd.com/ja/products/software/adrenalin.html

ライタープロフィール 職人13号

テクニカルライターから巡り巡ってパソコン工房にやってきました。「読みやすさ」をモットーに、文書作成やチェックを中心に担当していきます。趣味はレトロゲームの攻略動画投稿などです。

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