GeForce RTX 20シリーズに搭載の NVIDIA Turing アーキテクチャを詳しく解説。

技術解説資料最終更新日: 20180921

GeForce RTX 20シリーズ| NVIDIA Turing とは

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NVIDIA® GeForce RTX™ 20シリーズは、2018年8月20日に発表された新しい NVIDIA Turing™ GPU アーキテクチャと革新的な RTX プラットフォームを採用したグラフィックスを再創造する新たなGeForceです。GeForce RTX 20シリーズのグラフィックス カードでは、パフォーマンスの向上に加え、「リアルタイム レイ トレーシング」、「ディープラーニング」、「プログラマブル シェーディング」が統合されています。また、Direct X12への対応や、4K HDRゲーミングに最適化され、最新の人気のゲームを脅威の高解像度映像でお楽しみいただけます。

GeForce RTX 20シリーズ NVIDIA Turingとは

GeForce RTX 20シリーズの読み方

「GeForce RTX」は ジーフォース アールティーエックスと一般的に呼ばれています。「Turing GPUアーキテクチャ」はチューリング ジーピーユー アーキテクチャと呼ばれています。

GeForce RTX 20シリーズの主な特徴

■製造プロセスが12nmとなり、前世代のGeForce GTX 10シリーズ(16nm)から比べて微細化しました。
■Turingアーキテクチャでは、レイトレーシング用の「RTコア」とディープラーニング用の「Tensorコア」が実装されました。
■グラフィックメモリに「GDDR6」をサポートし、14Gbpsの転送速度を実現しました。
■SLIに変わる新たなブリッジコネクタとして、SLIより50倍高速なNVLinkが採用されました。
■VirtualLink用のUSBコントローラーが内蔵され、背面の出力端子にUSB Type-Cを搭載しました。

GeForce RTX
2080 Ti
GeForce RTX
2080
GeForce RTX
2070
GPUコア TU102 TU104 TU106
製造プロセス 12nm
CUDAコア 4352基 2944基 2304基
定格クロック 1350MHz 1515MHz 1410MHz
ブーストクロック 1545MHz 1710MHz 1620MHz
RTコア 10G Ray/s 8G Ray/s 6G Ray/s
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 11GB 8GB
メモリ転送レート 14Gbps
メモリバス幅 352bit 256bit
メモリバス帯域幅 616GB/s 448GB/s
NVLink ○(2リンク) ○(1リンク) ×
G-SYNC
TDP 250W 215W 185W
補助電源 8pin + 8pin 8pin + 6pin 8Pin

GeForce RTX 20シリーズ スペック比較表

GeForce RTX 20シリーズ(Turing)の位置づけ

GeForce RTX 20シリーズ(Turing)の位置づけGeForce RTX 20シリーズ(Turing)の位置づけ

GeForce RTX 20シリーズのここがスゴい!まとめ

Turing GPUアーキテクチャを採用

■「12nm」製造プロセスを採用
■GeForce RTX 2080 Tiで採用される「TU102」コアのダイサイズは754㎟となり、GeForce GTX 1080 Tiの「GP102」コアの471㎟と比べると1.6倍の大きさとなりました。
■レイトレーシング(Ray Tracing)用の「RTコア」とディープラーニング用の「Tensorコア」が実装されました。

Turing GPUアーキテクチャを採用Turing GPUアーキテクチャを採用

GeForce RTX 20シリーズの主なアーキテクチャの特徴まとめ

GeForce RTX 2080 Ti(TU102)のCUDA Core数は4352基となり、Geforce GTX 1080 Ti(GP102)の3584基と比べるとCUDA Coreの数が1.2倍となりました。レイトレーシング用の「RTコア」の実装により、最大でGeForce GTX 1080 Tiの約10倍となる10G Ray/sのレイトレーシング性能を実現しました。ディープラーニング用の「Tensorコア」の実装により、最大でFP16演算時に110TFLOPSの演算性能を実現し、GeForce GTX 1080 Tiの約4倍のディープラーニング性能となりました。

GeForce RTX 20シリーズの主なパワーアップのポイントまとめ

レイトレーシング用の「RTコア」の実装により、最大でGeForce GTX 1080 Tiの約10倍となる10G Ray/sのレイトレーシング性能を実現しました。ディープラーニング用の「Tensorコア」の実装により、最大でFP16演算時に110TFLOPSの演算性能を実現し、GeForce GTX 1080 Tiの約4倍のディープラーニング性能となっています。

GeForce RTX 20シリーズの主なグラフィックメモリ関連の改善まとめ

メモリコントローラーの改善と基板回路の改善によりGDDR6に対応し、最大14Gbpsの転送速度を実現しました。テクスチャの圧縮効率を向上し、より有効にビデオメモリやメモリ帯域を活用できるようになりました。

GeForce RTX 20シリーズのその他の主な機能まとめ

SLIに変わる新たにブリッジコネクタとして、SLIより50倍高速なNVLinkを採用しました。VirturlLink用にUSBコントローラーが内蔵され、ディスプレイ出力コネクタにUSB Type-Cが用意されました。

NVIDIA Turingアーキテクチャ

Turing GPU アーキテクチャは新しいGeForce RTX グラフィックス カードに採用される最新のアーキテクチャです。前世代となるPascalアーキテクチャのグラフィックス カードに比べて最大で 6 倍ものパフォーマンスを提供し、リアルタイム レイ トレーシングと AI のパワーをゲームに活用できます。GDDR6に対応し、広帯域の超高速メモリは4Kの高解像度で高いパフォーマンスを発揮します。

NVIDIA TURINGアーキテクチャNVIDIA TURINGアーキテクチャ

リアルタイムレイトレーシング

GeForce RTX 20シリーズは、世界初のレイトレーシングゲーミンググラフィックスカードです。そのパフォーマンスは前世代のグラフィックスカードの6倍以上となります。
レイトレーシングとは、Ray(光源)を追跡し、物体の表面を照らす、反射する、透過する、屈折するなどをシュミレーションし、現実に近い表現を得るための3D CGレンダリング手法の一つです。
1画素ずつ光源の経路を計算するため、極めて高い品質で描画することができる特徴を持つ一方、その計算量はとても膨大となり時間のかかるものでした。
今回、NVIDIAは、GeForce RTX 20シリーズでこの演算処理を「AI」を併用することで「リアルタイム」で実行し、ゲーム内で素早く動的に使用することができるようになりました。
これはまさにゲームにおける3D CGの革新といえるでしょう。

リアルタイムレイトレーシング

YouTube:NVIDIA公式チャンネル:リアルタイムレイトレーシング
”Project Sol: A Real-Time Ray-Tracing Cinematic Scene Powered by NVIDIA RTX”.NVIDIA .2018/08/15 ※配信が終了している場合があります。


DLSS(Deep Learning Super Sampling)

あらかじめディープラーニングで「学習」されたデータを、ディープラーニング用のTensorコアを用いて「推論」を実行し、より優れたAnti-Aliasing(AA)をより低い負荷で実現します。従来のゲームタイトルでもAA適用時のパフォーマンスを40%ほど引き上げるなど、タイトルによっては合計で2倍ものパフォーマンスを得られるとされています。また、4K HDRでAAをかけてもパフォーマンスが落ちない要素の一つとされています。

VirtualLink™

VirtualLink™(バーチャルリンク)は、GeForce RTX 20シリーズで搭載されたバーチャルリアリティ向けヘッドセットの接続のために規格された新たなコネクタです。
1つのUSB Type-Cコネクタを介してVRヘッドセットに電力を供給し、画面を表示、そしてデータの転送が提供されセットアップが容易になります。

VirtualLink™VirtualLink™

GeForce RTX 20シリーズ よくある質問と答え(FAQ)

Q1.Windows 10以外でも使えるの?

A1.
Windows 10の他、Windows 8.1・8・7用のドライバが提供されます。
その他、Linux や FreeBSDx86 のサポートが予定されています。

Q2.補助電源コネクターは?

A2.
GeForce RTX 2080 Tiでは〈8Pin + 8Pin〉コネクタ、2080では〈8Pin + 6Pin〉コネクタ、2070では〈8Pin〉となります。
6Pin用の電源ケーブルでは動作致しませんので、ご使用の環境によっては電源ユニットの交換が必要になる可能性があります。

※NVIDIAリファレンスデザインに基づく場合。オリジナルクーラーモデルやOCモデルの場合、必要な補助電源コネクタが変わる場合が有ります。

Q3.SLIを構築する事は出来るの?

A3.
SLIに変わって新たに採用されたNV LINKを使用する事で、SLI同様にマルチGPU環境を構築する事が可能となります。

※ブリッジもSLI用ブリッジからNV LINK用ブリッジへと変更になるため、別途NV LINK用ブリッジが必要となります

Q4.AMDのRadeonから乗り換える事は出来る?

A4.
Radeonシリーズから乗り換える事は出来ます。
なお、Radeonカードを取り外す前に、Radeon用ドライバーや関連プログラムをアンインストールして下さい。

Q5.Windows 10なのにインストールに失敗する!ドライバが当たらない!

A5.
GeForce RTX 20 シリーズは、Windows 10 April 2018 アップデート(バージョン1803/RS4)以降での対応となりますので、OSのバージョンを最新のものにしてお試しください。
Windows 10最新インストーラーイメージのダウンロードはこちら。

Microsoft ソフトウェアのダウンロード:Windows 10 のダウンロード
”Windows 10 April 2018 Update”.Microsoft .2018/09/28 ※アップデート情報は随時更新されています。

https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

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