第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーに対応するインテル Z790 チップセットなどのインテル 700 シリーズ・チップセットが登場しました。この記事ではチップセットの種類や機能を紹介します。

気になる製品最終更新日: 20220410

Z790・H770・B760 チップセットの機能をスペックから徹底比較!

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第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリー(開発コードネーム:Raptor Lake-S)に対応するチップセットとして、インテル Z790 チップセット、インテル H770 チップセット、インテル B760 チップセットという、機能の異なる3つのインテル 700 シリーズ・チップセットが登場しました。この記事では継続して販売される前世代のインテル 600 シリーズ・チップセットの一部とあわせて、種類ごとの違いについてご紹介します。

なお、今回ご紹介するのはチップセットの仕様の比較となり、実際にマザーボードに搭載される機能はマザーボードメーカーや製品ごとに細部やオプションが異なりますのでご注意ください。

第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーに対応したインテル 700 シリーズ・チップセットとは

インテル 700 シリーズ・チップセットは、第13世代 インテル Core シリーズ・プロセッサーに対応し、CPUの持つ性能を最大限に発揮させることが可能となります。
第13世代 インテル Core シリーズ・プロセッサーは同じCPUソケットを使用するインテル 600 シリーズ・チップセットと組み合わせて使用できることも特徴です。これに加えてさらに、第12世代 インテル Core シリーズ・プロセッサーも搭載することが可能となり、コストや使い方に合わせて選べるのもポイントです。

上記のような互換性を持つことから、今回、インテル 700 シリーズ・チップセットとして展開されるのはメインストリーム向けであるインテル Z790 チップセット、インテル H770 チップセット、インテル B760 チップセットとなります。最も低コストなエントリー向けチップセットのインテル H610 チップセット、またワークステーションやビジネス向けのインテル W680 チップセット、インテル Q670 チップセットは、インテル 600 シリーズ・チップセットから据え置きとなり、インテル 700 シリーズは用意されません。

なお、インテル 600 シリーズ・チップセットで、第13世代 インテル Core シリーズ・プロセッサーを使用するには、マザーボードのBIOSアップデートが必要となります。ファイルは各マザーボードメーカーのサポートページにて公開されています。

インテル 700 シリーズ・チップセットの主な機能

PCI Express 4.0(Gen 4)レーン数が最大20に増加

インテル 600 シリーズ・チップセットではPCI Express 4.0(Gen 4)レーン数が最大12でしたが、インテル 700 シリーズ・チップセットでは最大20となりました。
チップセットの合計レーン数はインテル 600 シリーズ・チップセットから最大28と変化しておらず、PCI Express 3.0(Gen 3)レーン数は最大16から最大8に減少しています。8レーンがGen 4へアップグレードされたことになります。

なお、CPUに直接接続されるPCI-Expressレーン数や、CPUとチップセットの接続に使われるDMIレーンについては、変更は無くそのまま使用されます。

20Gbpsの高速転送を実現するUSB 3.2ポート数が最大5個に増加

インテル 600 シリーズ・チップセットではUSB 3.2ポート数が最大4個でしたが、インテル 700 シリーズ・チップセットでは最大5個となり、1ポート分増加となりました。
※実際の搭載数についてはマザーボードメーカーの設計に依存します。

インテル 700 シリーズ・チップセット、インテル 600 シリーズ・チップセット比較表

インテル 700 シリーズ・チップセットは型番によって、PCI Expressのレーン数やUSBの最大数、RAIDモードのサポートなどが異なります。
その他メモリーオーバークロックはH610とQ670を除くチップセットがサポートしていますが、CPUオーバークロックはインテル Z790 チップセットのみのサポートとなります。
なお、先述のとおり、インテル H610チップセット、インテル W680 チップセット、インテル Q670 チップセットはインテル 600 シリーズ・チップセットが継続して販売されます。

W680 Q670 Z790 H770 B760 H610
サポートCPU 第13世代 インテル Core プロセッサー(Raptor Lake-S)
第12世代 インテル Core プロセッサー(Alder Lake-S)
ソケット LGA1700
プロセッサーのPCI Express 世代 5.0、4.0 5.0
プロセッサーのPCI Express
レーン最大数(5.0 + 4.0)
16 + 4 16
サポートされるプロセッサー
PCI Express ポートの構成
(5.0 + 4.0)
1×16 + 1×4 or 2×8 + 1×4 1×16 + 1×4 1×16
チップセットのPCI Express 世代 4.0、3.0 3.0
チップセットのPCI Express
レーン最大数(4.0 + 3.0)
12 + 16 12 + 12 20 + 8 16 + 8 10 + 4 0 + 8
CPUバス DMI 4.0 x8 DMI 4.0 x4
USB 3.2 (20G)最大数 4 5 2 0
USB 3.1 (10G)最大数 10 8 10 4 2
USB 3.0 (5G)最大数 10 8 6 4
USB 2.0 最大数 14 12 10
SATA(6.0 Gb/s)最大数 8 4
RAID構成(PCIe) 0/1/5/10 ×
RAID構成(SATA) 0/1/5/10 ×
画面出力最大数 4 3
CPUオーバークロック × × ×
メモリーオーバークロック × ×

インテル 700 シリーズ・チップセット、インテル 600 シリーズ・チップセット スペック比較表

画像の説明インテル Z790 チップセット ブロックダイアグラム

第12世代CPUとの互換性

インテル 700 シリーズ・チップセットでは、インテル 600 シリーズ・チップセットと同じCPUソケット「LGA1700」を搭載しており、第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーに対応しているのはもちろん、第12世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーにも対応しています。
それぞれのチップセットに世代の違うCPUを載せた時には、主に以下のチップセットレーン数とメモリ動作のサポートが異なります。
インテル 700 シリーズ・チップセットを使用したときには最大チップセットレーンはPCI Express 4.0が20レーン、PCI Express 3.0が8となりPCI Express 4.0レーンが増加します。
第13世代 インテル Core プロセッサーを使用したときには、条件はありますが最大でDDR5-5600がサポートされます。

CPU 第13世代 インテル Core プロセッサー 第12世代 インテル Core プロセッサー
インテル 700 シリーズ・チップセット チップセットレーン数(20 + 8)
DDR5-5600 / DDR4-3200
チップセットレーン数(20 + 8)
DDR5-4800 / DDR4-3200
インテル 600 シリーズ・チップセット チップセットレーン数(12 + 16)
DDR5-5600 / DDR4-3200
チップセットレーン数(12 + 16)
DDR5-4800 / DDR4-3200

インテル 700 シリーズ・チップセット、インテル 600 シリーズ・チップセット 対応表
※チップセットレーン数は左側がPCI Express 4.0、右側がPCI Express 3.0となります。
※DDR5-5600の動作にはチャンネルにつき1枚で、1ランクメモリの場合サポートとなります。

第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーに対応するインテル 700 シリーズ・チップセット、インテル 600 シリーズ・チップセットの選び方

エントリークラスのインテル H610 チップセット

インテル H610 チップセットは、最も低コストで第13世代 インテル Core プロセッサーを使用することができます。RAIDには非対応、ディスプレイのサポート数が3枚までなど機能面はシンプルですが、とにかく安価に抑えたい場合や特に機能や拡張性を必要としない場合におすすめです。

コストパフォーマンスのインテル B760 チップセット

インテル B760 チップセットは、インテル 700 シリーズ・チップセットの中でもコストパフォーマンスを重視したチップセットです。
USBポート最大数やPCI Expressのレーン数などは他のインテル 700 シリーズ・チップセットと比べると少ないものの、比較的安価に第13世代 インテル Core プロセッサーを使用することができます。

メインストリームのインテル H770 チップセット

インテル H770 チップセットは、インテル 700 シリーズ・チップセットの中でメインストリームのチップセットです。
USB 3.0の最大数が8個とインテル B760 チップセットの6個に対して多いことや、PCI ExpressのRAID構成に対応するなど、インテル B760 チップセットと比較して機能が多くなっており、ワンランク上の構成を組む場合におすすめです。

ハイパフォーマンス向けのインテル Z790 チップセット

インテル Z790 チップセットは、インテル 700 シリーズ・チップセットの中でパフォーマンスが高く機能の多いチップセットです。
最大28レーンのPCI Express 4.0(Gen 4)を使用することができ、各マザーボードメーカーにより様々な機能が標準で搭載されていることが多くなります。またインテル Z790 チップセットはCPUオーバークロックを唯一サポートしており、型番に「K」や「KF」が付いているプロセッサーと組み合わせることでCPUのパフォーマンスを引き出すことが可能です。
またUSB 3.2(20G)最大数が5個、USB 3.1(10G)最大数が10個と、多くのUSB機器を接続する用途にも最適となっています。

ビジネス向けのインテル Q670 チップセット

インテル Q670 チップセットは、ビジネス向けのチップセットです。インテル vPro プラットフォームに対応しており、遠隔でのパソコン管理やセキュリティの強化が可能となります。また、最低約15か月間か、次の世代のリリースまでハードウェアの仕様変更の不要を目指す、インテル ステーブル IT プラットフォーム・プログラム(インテル SIPP)対象のため保守作業の軽減につながります。インテル Core i5-13500 プロセッサーやインテル Core i7-13700 プロセッサーなど、インテル vPro プラットフォームに対応しているCPUとの組み合わせがおすすめです。

ワークステーション向けのインテル W680 チップセット

インテル W680 チップセットは、ワークステーション向けのチップセットです。インテル Q670 チップセットの上位チップセットであり、同様にインテル vPro プラットフォーム対応やインテル SIPP対象となっています。また、メモリーオーバークロック対応や、唯一ECCメモリをサポートしている多機能なチップセットとなります。インテル Core i7-13700 プロセッサーやインテル Core i9-13900 プロセッサーなど、ECCメモリに対応しているCPUとの組み合わせがおすすめです。

チップセットの特徴を掴んで、最適なマザーボード選びを

以上、新しく発売されたインテル Z790 チップセット、インテル H770 チップセット、インテル B760 チップセットの3種類と、引き続き販売されるインテル W680チップセット、インテル Q670 チップセット、インテル H610 チップセットの3種類を比較して紹介しました。第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリーに対応するマザーボードを選ぶ際に、最適なチップセットをお選びいただければと思います。

パソコン工房ではインテル 700 シリーズ・チップセット搭載のマザーボード単体、また各種BTOパソコンも取り扱いを開始しております。

ライタープロフィール 職人15号

簡単なテキストベースの個人ホームページの作成・運営経験あり。紹介・解説などの記事作成は未経験ですが頑張ります!

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