建築・建設会社における、事務作業などの日常業務で最適なパソコン(PC)について考えます。現在も含めて建築業界に30年以上携わる筆者が、業務上の経験を踏まえながら建築会社、建設会社が導入するのに適したPCについてまとめています。

ソリューション最終更新日: 20221018

建築・建設会社の事務作業におすすめのパソコン

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

建築・建設会社における、事務作業などの日常業務で最適なパソコン(PC)について考えます。現在も含めて建築業界に30年以上携わる筆者が、業務上の経験を踏まえながら建築会社、建設会社が導入するのに適したPCについてまとめています。

パソコンのリプレイスをどう考えるべきか

現代の建築・建設会社での業務を考えると、各種データの取り込みや取りまとめ、大量の紙印刷からデータのバックアップまで、パソコン(PC)がないと業務が効率よく終わらないと思います。Windows 7のサポートが終了してから時間は経ちましたが、PCはそのままにWindows 10へとアップグレードしたPCについては、そろそろリプレイスを考え始める時期かもしれません。

現代のPCはCPUが高性能になって、SSDが比較的安価になってきたため、選択肢も拡大しています。使用環境に最適なマシンが選びやすい時代です。ここでは、特に中小規模の建築・建設会社で活用しやすい、おすすめのWindows OSのPCについて、筆者が事務作業の業務別で紹介します。

各部署で求められるパソコンのスペックについて

ここからは、業務内容を3分類して考えます。

1つ目は、中小の建築・建設企業内では総務、経理、人事などを1つの部署で担当するケースも多いでしょう。その部門に適した場合です。PCを通じて、経理会計ソフトウェアをはじめ、使用頻度がもっとも高いであろうMicrosoft Office、Webブラウザ経由での各種サービスの利用が想定されます。

2つ目は、少し特殊な工事関係書類、帳票作成や積算ソフトウェアで積算を行う担当部門です。他にも、現場監理人の事務をサポートするなど、PCを通じてやや専門的な業務を行います。

両者は細かく業務内容が違うとはいえ、PCの必要なシステム要件はおおよそ同じと考えていいでしょう。

例えば、
CPU:Intel Core i3プロセッサー
メモリ(RAM):4GB
ディスク領域:10GB以上
画面解像度:1,280pixel × 800pixel以上

上記の要件なら幅広く選択肢はあるものの、できれば購入当初から万全に使え、しかも長く現役で継続利用できるPCを選びたいところです。

両者に限らず、筆者が考える事務作業でおすすめの基準を記すと、

余裕のあるCPU性能
8GB以上のメモリ
SSD搭載

以上の3点です。事務作業中心でも、やはりストレージはHDDよりデータの読み込み・書き込みが短縮できて、衝撃に強いSSDを選びます。これらを満たすPCを探しましょう。

建築・建設会社の日常業務におすすめのPC

では先ほど挙げた2つに関連する、建築・建設会社での日常業務を遂行するのにおすすめのPCをタイプ別で提案します。

ここでは、現在パソコン工房の商品ページに掲載されているPCを一例として列記します。

1 ノートPC

1点目のノートPCは、CPUにインテルCore i5を搭載して10~11万円台で購入できる高コストパフォーマンスモデルです。光学ドライブも搭載しています。

画面に余裕が欲しいなら、17インチ液晶を搭載して、会計ソフトウェアやExcel作業に最適な以下のノートPCがおすすめです。

ノートPCを選ぶ場合は、外付けモニタの購入も強くおすすめします。画面が大きくなり、作業効率がアップするだけでなく、肩を丸めてのノートPC作業での姿勢を改善する期待も持てます。他に、現場事務所で雷雨が発生しコンセントからプラグを抜かなければならない自体になっても、ノートPCだけで数時間作業を続けられるメリットを頭に入れておきたいところです。

実際に利用する場面を想定して、「作業によっては大きな画面で進めたい」「持ち歩く機会も一定以上想像できる」「いかなる状況になっても、必ず動くPCは確保しておきたい」などの条件が容易に想像される場合は、ノートPCを軸にした検討が妥当です。自社での利用条件を念頭に、外付けモニタの有無も含めて検討するといいでしょう。

2 スリムデスクトップ

デスクトップ型を希望するけれど、占有する場所が気になるなら、デスク上でも場所を取らないスリムタイプのPCから選びましょう。SSD容量を多く必要な場合は、カスタムで選択してください。

 

3 デスクトップ

デスクトップ希望で、ある程度場所を気にせず選んでOKの場合はミドルタワーがお勧めです。OS用のSSDに加えて、2nd・3rdのSSDやHDDも追加で搭載できますので、登録データの多い積算ソフトウェアも安心して利用できます。

 

補足 入札専用PC確保のススメ

建築・建設会社の業務には入札があります。入札を行う際に自治体のシステムに接続して手続きを行いますが、業者を識別するICカードを用いるために、USB接続のICカードリーダーが必要になります。あわせてカードリーダーまわりのソフトウェア、自治体システムに接続するためのWebブラウザなどを、入札用に指定の環境へと揃えておくことが求められます。

そのための準備が少々面倒で、通常業務のPCでアップデートを頻繁に行っていると、そのPCが入札の対応から外れた状態になることがたびたび出てきます。入札は重要な手続ですので、接続できないなどのトラブルは避けたいところです。かといって入札のたびにマシンの状態を見直すのは手間ですので、可能であれば入札専用のマシンを1台用意しておけると理想的です。入札用ですから、ほどほどの性能のマシンで大丈夫です。

また、業務用ソフトウェアには使用時にハードウェアのプロテクトキーを接続する必要があります。PC購入前には、USBポートのタイプや数もきちんと確認しておきましょう。

現場監理人(現場監督)向けの最適なPC

業務内容別で考えたときの3つ目が、もっともPCを酷使するであろう、現場監理人(現場監督)についてです。

こちらの業務は多岐にわたります。Microsoft Officeはもちろん、施工管理ソフトウェア、現場写真管理ソフトウェア、2D CADなどと、工事で使われる図面や書類を大量に扱います。ここでのCADは、ほとんどの場合2次元CADのことで、図面の確認・作成・修正が主な使われ方です。高性能なグラフィックカードは必要ありませんが、十分なメモリ・SSD容量と、余裕のあるCPU性能を選択したいところです。もちろん、グラフィックカード搭載のPCを選べば、グンと作業がはかどります。

ここでもおすすめのPCをタイプ別で提案します。2022年7月時点で、パソコン工房の商品ページに掲載されているPCになります。

1 ノートPC

現場監理人は、会社と現場を行き来して作業することが多く、現場での作業が必要になることも少なくありません。ここでは3点のノートPCを選びました。

まずはコストパフォーマンスの高いPCとして以下を挙げます。基本は日常業務におすすめのPCと同様です。現場写真が大量になることが多い場合は、予めドライブ容量を増やしておくと安心です。また、光学ドライブを搭載していますので、ある程度の容量でしたらすぐにCDやDVDにバックアップを取ることができます。

16GBのメモリや、グラフィックスカード「NVIDIA GeForce RTX 3050」を搭載しています。先ほどより価格の上乗せはありますが、それ以上の充実が期待できるマシン構成です。

CADを使う頻度が多いなら、おすすめのノートです。CADソフトウェアを動かすのにも十分なグラフィックスカード「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti」を搭載した贅沢なノートPCです。ある程度の価格とはなりますが、業務の効率アップは間違いありません。CADを含む作業が想定されるなら、ある程度のマシン構成は担保したいですし、その点でも参考になるマシン構成となります。

2 デスクトップ

作業場所が確保できる場合、ノートPCより抑えた価格帯で高機能を狙えるデスクトップが選択肢になるでしょう。

 

これまでIntel製CPUのPCを挙げていましたが、最近はAMDのCPUも非常に高性能になり選択肢が広がっています。そこで価格と性能のバランスに優れる1台を紹介します。

 

参考までに、CAD作業も想定したPC選びの場合、コア数よりもクロック周波数の高い方が編集時のレスポンスがよくなることも念頭に置いておきましょう。

※ コア数とクロック数の違いについては、NEXMAGの以下の記事も参考になります。

“CPUのクロック数やコア数とは?シェフに例えてみる | パソコン工房 NEXMAG”.パソコン工房 NEXMAG.2019.
https://www.pc-koubou.jp/magazine/23926

メイン業務が何かを定め、最適なPCを選ぶ

ここまでに検討してきた、業務内容の3点を改めて列記します。

1 総務、経理、人事などの対応
2 工事関係書類、帳票作成や積算ソフトウェアでの積算業務
3 現場監理人(現場監督)

実際は上記の3つの業務が明確に分かれているわけでもありません。複雑に重なり合いながら、日々の業務にあたっているのが通常でしょう。ここまでの説明を参照しながら、メインとなる業務が1〜3のうち、どれくらいの比率になるかを基準にすると選びやすくなるでしょう(例えば、高い比率の業務を優先する)。

もし予算が厳しい場合は、優先するべきはSSDだと筆者は考えます。多少のCPUの性能差はSSDが補ってくれるからです。

クラウドで運用される新システムなどが導入され、部署によってはテレワークの採用も積極的に進められています。業務の一部がさまざまなツールやサービスで自動化されることは、建築・建設業界もご多分に漏れずという状況ですが、今後もPCが業務内でのメインデバイスであることに変わりはありません。

ニーズに最適なPCで、業務の効率アップに取り組みましょう。

ライタープロフィール 相子達也

某Webデザイン誌、某Mac誌でのライターを経て映像制作を中心に各種デザイン、3D設計などで活動中。楽しみはゲームとドローン写真からの3次元点群データ作成。

記事を
シェア