最上位モデルであるGeForce RTX 2080 SUPERが登場しました。ヘビーゲーマーの皆様も注目のGeForce RTX 2080 SUPERの全体像とスペック比較をいち早くご紹介します。
2019年7月31日更新
GeForce RTX 2080 SUPER ベンチマークレビュー追記を行いました。
GeForce RTX 2080 SUPERが新登場!
GeForce RTX SUPERシリーズはTuringアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズに新たに追加されたGPUで、一足早くGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2060 SUPERが発売されていました。
そして、ようやくGeForce RTX SUPERシリーズの真打ちとして最上位モデルであるGeForce RTX 2080 SUPERが登場しました。
今回は、いち早く新製品の特徴について紹介して行こうと思います。まずは各GPUのスペックを比較してみましょう。
GeForce RTX 2080 SUPER スペック比較
GeForce RTX 2080 Ti |
GeForce RTX 2080 SUPER |
GeForce RTX 2080 |
GeForce RTX 2070 SUPER |
GeForce RTX 2070 |
GeForce RTX 2060 SUPER |
GeForce RTX 2060 |
|
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アーキテクチャ | Turing | ||||||
GPUコア | TU102 | TU104 | TU104 | TU104 | TU106 | TU106 | TU106 |
製造プロセス | 12nm | ||||||
CUDAコア | 4352基 | 3072基 | 2944基 | 2560基 | 2304基 | 2176基 | 1920基 |
RTコア | 68基 | 48基 | 46基 | 40基 | 36基 | 34基 | 30基 |
Tensorコア | 544基 | 384基 | 368基 | 320基 | 288基 | 272基 | 240基 |
定格クロック | 1350MHz | 1650MHz | 1515MHz | 1605MHz | 1410MHz | 1470MHz | 1365MHz |
ブーストクロック | 1545MHz | 1815MHz | 1710MHz | 1770MHz | 1620MHz | 1650MHz | 1680MHz |
レイトレーシング | 10G Ray/s | 8G Ray/s | 8G Ray/s | 7G Ray/s | 6G Ray/s | 6G Ray/s | 5G Ray/s |
メモリタイプ | GDDR6 | ||||||
メモリ容量 | 11GB | 8GB | 6GB | ||||
メモリ転送レート | 14Gbps | 15.5Gbps | 14Gbps | ||||
メモリバス幅 | 352bit | 256bit | 192bit | ||||
メモリバス帯域幅 | 616GB/s | 496GB/s | 448GB/s | 336GB/s | |||
NVLink | ○(2リンク) | ○(1リンク) | × | ||||
G-SYNC | ○ | ||||||
TDP | 250W | 215W | 175W | 160W | |||
補助電源 | 8Pin×2 | 8pin + 6pin | 8Pin | ||||
推奨電源 | 650W | 550W | 500W |
GeForce RTX 2080 SUPERはTU104コアのフルスペック版という位置付けとなっており、一目で分る通りGeForce RTX 2080の一段上のモデルで、GeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2070 SUPERとでGeForce RTX 2080を挟み込んだ格好となっています。GeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2080の最大の変更点とも言えるのがビデオメモリで、GeForce RTX 2080の14Gbpsから15.5Gbpsへと高速化されています。メモリバスの帯域幅が強化されたことは、4Kゲーミングなどメモリバス帯域を酷使する場面で効果を発揮してくれることが期待されます。
GeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2080のスペックを比べると、CUDAコア数と動作クロック数の向上でおおよそ10%程度の性能向上が期待されます。メモリバス帯域幅の向上も考慮すると、最大ではおおよそ20%程度の性能向上が期待されます。
GeForce RTX 2080 SUPERの全体像
今回のGeForce RTX 2080 SUPERにおいても、背面のUSB Type-C出力コネクタの搭載がNVIDIAからオプション扱いとなっているため、グラフィックスカードによって背面のUSB Type-C出力コネクタの搭載・非搭載という違いが発生しますので、USB Type-C出力コネクタが必要な方は注意して下さい。
ZOTAC製GeForce RTX 2080 SUPERカードの全体図。パッと見はGeForce RTX 2070 SUPERと同じです。
ZOTAC製GeForce RTX 2080 SUPERカードの出力コネクタ。USB Type-Cコネクタが省略されています。
ZOTAC製GeForce RTX 2080 SUPERカードのNV-Link端子。GeForce RTX 2080やGeForce RTX 2070 SUPERと同じです。
ZOTAC製GeForce RTX 2080 SUPERカードの補助電源コネクタ部。TDPは250Wに増大していますが、補助電源コネクタはGeForce RTX 2080と同じ8Pin + 6Pin のままです。
それでは実際の性能はどれほどになるのか、早速ベンチマークテストで見ていきたいと思います。
GeForce RTX 2080 SUPER ベンチマークレビュー
比較対象として、GeForce RTX 20 シリーズからGeForce RTX 2080 TiとGeForce RTX 2080 を、GeForce RTX SUPER シリーズから同じGPUコアを持つGeForce RTX 2070 SUPERを用意しました。テスト解像度はフルHD(1920x1080)、WQHD(2560x1440)、4K(3840x2160) の解像度のいずれかにて行っています。
3D Mark「Fire Strike」
まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。
GeForce RTX 2080 Tiが一段抜けたスコアとなっていて、同じGPUコアを持つGeForce RTX 2080 SUPER以下はきれいに階段状に並びました。GeForce RTX 2080比ではおおよそ6%のスコア向上となっていて、動作クロックの違いが色濃く反映されているように思われます。一方、GeForce RTX 2080 Ti比ではおおよそ80%程度のスコアとなっています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。
3D Mark Fire Strike と似た傾向が見られ、GeForce RTX 2080 Tiが一段抜けたスコアとなっていて、同一コアのGeForce RTX 2080 SUPER以下は階段状に並んでします。GeForce RTX 2080比で見ると、WQHD解像度ではおおよそ5%程度のスコア向上でしたが、4K解像度となるとその差がおおよそ10%程度へと広がっており、メモリ帯域の強化が功を奏したように見られます。
解像度別にベンチマーク結果を見ると、WQHD解像度では全てで快適な動作が見込めるとされる6000以上のスコアを軽々とクリアしており、WQHD解像度ではどのグラフィックスカードを選んでも快適にプレイする事が出来そうです。一方4K解像度では、GeForce RTX 2080以上ではやや快適とされる4500をクリアしており上位モデルとしてのパワーを発揮しています。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ
最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズでもFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークと似た傾向となっていて、WQHD解像度ではおおよそ4%のスコア向上でしたが、4K解像度となるとその差がおおよそ9%へとスコア差が広がっています。
4K解像度でも非常に快適な動作の指標となる7000以上のスコアを全てのグラフィックスカードでクリアしていますが、フレームレートではGeForce RTX 2080 SUPERが60fpsを確保しており、メモリ帯域強化の効果を示しています。
4K以上の高解像度でメモリ帯域の強化が威力を発揮するGeForce RTX 2080 SUPER
GeForce RTX SUPERシリーズの最上位モデルであるGeForce RTX 2080 SUPER は、GeForce RTX 2060 SUPERやGeForce RTX 2070 SUPERの様な劇的な変化はなく、小さな改良の積み重ねによって性能向上を果たしています。その効果が端的に表れているのが4K解像度でスコア向上率が増加する事で、ここにメモリ帯域の強化が大きな役割を果たしていると言えそうです。メモリ帯域強化の効果が表れる4K以上の高解像度でこそGeForce RTX 2080 SUPER の性能を存分に発揮させられるのだと思われます。また、今回はテストできていませんが、リアルタイムレイトレーシングなどのメモリ負荷の高いゲームタイトルでも効果を発揮すると思われ、今後の最新タイトルを快適に遊ぶにあたっても今回のパワーアップポイントが生きるでしょう。
ライバルのAMDがRadeon RX 5700シリーズでWQHD解像度での快適なパフォーマンスを提供する一方で、4K以上の解像度ではライバルが不在となっており、4K以上の高解像度でのパフォーマンスを重視するユーザーにはGeForce RTX 2080 SUPERはGeForce RTX 2080 Tiに加えて有力な選択肢となると思われます。
CPU | Core i9-9900K (3.6-5.0GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ16MB/TDP95W) |
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マザーボード | ASUS PRIME Z390-A (Z390チップセット) |
メインメモリ | DDR4-2666 16GB (8GB x2) |
ビデオカード | MSI GeForce RTX 2080 Ti VENTUS 11G (ビデオメモリ 11GB) |
ZOTAC GeForce RTX 2080 SUPER (ビデオメモリ 8GB) | |
MSI GeForce RTX 2080 VENTUS 8G (ビデオメモリ 8GB) | |
GALAX GeForce RTX 2070 SUPER (ビデオメモリ 8GB) | |
ストレージ | WesternDigital WDS500G2X0C (WD Black NVMe 500GB) |
電源 | Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W) |
OS | Windows 10 Home 64bit (バージョン:1903) |
ビデオドライバ | GeForce Game Ready Driver 431.60 |
Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。