Radeon RX 480のここがスゴい!まとめ | パソコン実験工房資料室

Radeon RX 480のここがスゴい!まとめ


Radeon RX 480 (Polaris) の主なアーキテクチャの特徴まとめ

  • Polarisアーキテクチャでは、製造プロセスルールが微細化し、「14nm」となりました。
  • Polarisアーキテクチャは第4世代GCN(Graphics Core Next)へと進化しました。
  • 不要な極小ポリゴン要素を早期に排除する「Primitive Discard Accelerator」の搭載によりジオメトリエンジンを強化、最大で3.5倍の性能を実現しました。
  • HWS(Hardware Scheduler)の実装によりVRに必要なリアルタイムかつ非同期の割り込み処理に瞬時に対応できるようになり、スムーズなVR体験が可能となりました。
Radeon RX 480 (Polaris) の主なパワーアップのポイントまとめ
  • 動作クロックが大幅に向上し、Radeon RX 480では最大ブーストクロックが1.266GHzとなりました。
  • CU(Compute Unit)当たりの性能を最大で15%向上させました。
  • 電力の消費効率が向上し、ワットパフォーマンスが向上しました。実利用面でRadeon RX 480はGeForce GTX 970よりも消費電力を低く抑えることができます。
  • Radeon RX 480においては、使用するパーツの小型化や基盤設計の見直しにより静音性が高まり、消費電力が抑えられました。
Radeon RX 480 (Polaris) の主なグラフィックメモリ関連の改善まとめ
  • メモリコントローラーの強化により、GDDR5のままで有りながら最大8Gbpsの転送速度を実現しました。
  • テクスチャの圧縮効率を強化し、より有効にビデオメモリやメモリ帯域を活用できるようになりました。
Radeon RX 480 (Polaris) のその他の主な機能まとめ
  • 16bit浮動小数点/整数演算命令(FP16/Int16)にネイティブに対応し、グラフィックスやデータラーニングの分野で威力が発揮されます。
  • DisplayPort1.3/1.4に対応し、4Kでの FreeSyncを実現しました。
  • HDMI2.0に対応し、HDMI経由でのFreeSyncも可能になりました。
  • 音のレートレーシングを可能にする「TrueAudio Next」を実装、CUの一部をオーディオ用に確保できるなど、よりリアルな音響を楽しむことができます。
  • 新たなオーバークロックユーティリティ「WattMan」が提供されます。

PDA (Primitive Discard Accelerator) とは

PDA(Primitive Discard Accelerator)とは、ジオメトリデータ(≒ポリゴンデータ)をレンダリングパイプラインの下流に送る前に、上流側で描画対象にならない物を排除する機能の事です。

従来でも視界外のポリゴンなどを排除する早期カリング(Early Culling)として実装されていた機能ですが、PDAは早期カリングをすり抜けていたポリゴンを対象としています。 具体的には実質的なレンダリング解像度の1ピクセルサイズに満たない極小のポリゴンを排除します。

PDAはオープンワールドなど、遠方に多くのオブジェクトを配置する様なゲームでの効果が期待されます。


CU(Compute Unit)の強化

Polarisでは CU(Compute Unit)自体および周辺に細かな改良を行い、CUの実行効率を高めています。

まず、CPUでは当たり前になっている命令先読み機能(Prefech)に対応しました。CPUとは異なりGPUでは条件分岐による分岐が有っても双方のスレッドで歩調を合わせる動作となっているため、分岐の有無に依らず高い効果が得られます。

他にも、命令バッファサイズの増加によるスレッドの実行効率の向上、L2キャッシュの増加やデータのやり取りの最適化など、CU当たり最大15%の性能向上となっています。


ハードウェアスケジューラ(Hardware Scheduler)

従来はドライバソフト(すなわちCPU)で管理するソフトウェアスケジューラでしたが、この方法では制御自体は問題なく行えるますが、GPU内部のリソース状態を瞬時に把握する事が困難でした。

GPU内部にハードウェアスケジューラー(HWS)を置くことで、GPU内部のリソース状態をリアルタイムに把握する事が出来るようになり、瞬時に、かつ臨機応変にスケジューリングを行う事でシェーダプロセッサを有効活用する事ができます。

VRでは非同期の演算処理をグラフィックスレンダリング実行中に非同期に割り込ませる必要が有り、HWSをGPU内部に実装する事でVRの高い要求に応える事が可能となりました。


音のレイトレーシング「TrueAudio Next」

新たに実装された「TrueAudio Next」とは、CU(≒シェーダプロセッサ)の一部を用いてオーディオのレイトレーシングを可能とするオーディオ機能です。

CUによる非同期の演算機能を使用する事で、たくさんのオーディオソースのレイトレーシングを少ない遅延で行う事が出来ます。

より複雑な反射音効果や遮蔽効果を実現する事が可能となり、VRでのよりリアルな音響体験を実現します。