第13世代インテル Core プロセッサーは2022年10月20日22時より発売が開始されました。今回、運よくCore i9-13900K、Core i7-13700K、Core i5-13600Kを入手することが出来ましたので、インテルの新しいCPUがどれほどの性能を持つのか、ベンチマークテストを試していきます。
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第13世代インテルCoreプロセッサーとは
第13世代インテルCoreプロセッサーは、第12世代Coreプロセッサーをベースとして製造プロセスの改善による動作クロックの向上や、E-core数の増加などにより、処理性能をさらに向上させました。動作クロックでは、Core i9-12900Kの5.2GHzからCore i9-13900Kの5.8GHzへと0.6GHz向上しました。また、第12世代インテルCoreプロセッサーと比べて、シングルスレッド性能は最大で15%、マルチスレッド性能は最大で41%も向上しています。
また、第13世代インテルCoreプロセッサーはインテル600シリーズを搭載したマザーボードにも対応しますので、各マザーボードメーカーのサポートページなどで対応状況を確認ください。なお、事前に対応BIOSになっている事が必要な場合も有りますので、CPUを交換して使用する際は注意して下さい。
その他、第13世代インテルCoreプロセッサーの細かな仕様などについては、特集ページを参照下さい。
それでは早速第13世代インテルCoreプロセッサーのベンチマークを開始していきましょう。
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Core i9-13900K ベンチマーク情報
ベンチマークを行う第13世代インテルCoreプロセッサーは、運よく入手できたCore i9-13900K、Core i7-13700K、Core i5-13600Kの3種類です。比較対象としては、第12世代インテル Core プロセッサーから同じK型番となるCore i9-12900K、Core i7-12700K、Core i5-2600Kを用意しました。また、Ryzen 7000 シリーズ デスクトップ・プロセッサーからは最上位モデルとなるRyzen 9 7950Xを用意しました。
Core i9 13900K |
Core i7 13700K |
Core i5 13600K |
Core i9 12900K |
Core i7 12700K |
Core i5 12600K |
Ryzen 9 7950X |
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コア/スレッド | 24/32 | 16/24 | 14/20 | 16/24 | 12/20 | 10/16 | 16/32 | |
動作クロック | P-core | 3.0GHz | 3.4GHz | 3.5GHz | 3.2GHz | 3.6GHz | 3.7GHz | – |
E-core | 2.2GHz | 2.5GHz | 2.6GHz | 2.4GHz | 2.7GHz | 2.8GHz | – | |
基本クロック | – | 4.5GHz | ||||||
TurboBoost | P-core | 5.4GHz | 5.3GHz | 5.1GHz | 5.1GHz | 4.9GHz | 4.9GHz | – |
E-core | 4.3GHz | 4.2GHz | 3.9GHz | 3.9GHz | 3.8GHz | 3.6GHz | – | |
TurboBoostMax3.0 | 5.7GHz | 5.4GHz | – | 5.2GHz | 5.0GHz | – | – | |
Thermal Velocity Boost | 5.8GHz | – | – | – | – | – | – | |
最大ブースト・クロック | – | 5.7GHz | ||||||
キャッシュメモリ | L2 | 32MB | 24MB | 20MB | 14MB | 12MB | 9.5MB | 16MB |
L3 | 36MB | 30MB | 24MB | 30MB | 25MB | 20MB | 64MB | |
メモリ | 対応メモリ | DDR5-5600 /DDR4-3200 | DDR5-4800 /DDR4-3200 | DDR5-5200 | ||||
最大容量 | 128GB | |||||||
消費電力 | 基本電力 | 125W | – | |||||
最大電力 | 253W | 181W | 241W | 190W | 150W | – | ||
TDP | – | 170W | ||||||
内蔵GPU | Intel UHD Graphics 770 |
Radeon Graphics |
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64bitコード | intel64 | AMD64 | ||||||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||||||
AVX | AVX2 | AVX512 |
第13世代インテルCoreプロセッサーは、アーキテクチャーの改良(キャッシュ容量の増加、動作クロックの向上など)に加えて、E-coreのコア数が第12世代インテルCoreプロセッサーの同グレードと比べると倍増しています。Core i9-13900Kはさらに前世代ではCore i9-12900KSの特別モデルのみであったThermal Velocity Boostに対応し、温度に余裕がある限り動作クロックを引き上げるようになっています。
インテルスレッドディレクターも改良され、E-coreをより積極的に利用するようなアルゴリズムへ変更となりました。最大限効果を発揮させるためにはWindows 11 22H2のアップデートが必要となるとの事です。
対応ソケットは前世代に引続きLGA1700となり、対応するチップセットはインテル700シリーズに加え、従来のインテル600シリーズとも互換性を持ちます。
第13世代インテルCoreプロセッサーは第12世代インテルCoreプロセッサーよりも消費電力も増加していますので、性能を十分に引き出すためには、CPUの冷却性能に注意を払うと同時に、CPUへの電力供給に余裕のあるマザーボードを選ぶ事も重要となります。
なお、今回ベンチマークテストで使用したASUS PRIME Z690-Pでは、最新BIOSの2002に更新した状態で第13世代インテルCoreプロセッサーを動作させています。また、OSについては第13世代インテルCoreプロセッサーへの最適化を考慮し、Windows 11 22H2環境としています。
※テスト環境については記事最後尾に記載しております。
Passmark PerformanceTest
まずはCPUの全体的な性能を数値化するPassmarkの『CPU Benchmarks』を用いて、CPUの総合的な演算性能を見てみましょう。なおテストに使用したソフトウェアはPassMark 9となります。
第13世代インテルCoreプロセッサーが第12世代Coreプロセッサーからおおよそ40%程度スコアが増加しており、最大で41%のマルチスレッド性能向上という謳い文句通りの結果となっています。シングルスレッド性能の高さもさらに磨きがかかり、Core i9-13900KとCore i7-13700Kは、それぞれCore i9-12900K、Core i7-12700Kに対しておおよそ10%程度スコアが向上するなど、見事なまでに上位キラーとなっています。
また、Core i9-13900KはRyzen 9 7950Xも上回っていますが、項目別にみると、浮動小数点演算やシングルスレッドではCore i9-13900KがRyzen 9 7950Xを上回り、逆に整数演算や素数演算ではRyzen 9 7950XがCore i9-13900Kを上回るなど、処理内容によってそれぞれ得手不得手が有る事が分かります。
3D Mark CPU test
次いで、3D Mark「Fire Strike / Physics Score」と「Time Spy / CPU Score」を用いて、CPUの演算性能を見ていきます。「Fire Strike / Physics Score」「Time Spy / CPU Score」共に、CPUに物理演算をさせてその処理速度を数値化したもので、CGレンダリングや動画のエンコードと同じくCPUのコア数やスレッド数の多さが有利に働くテストです。なおベンチマークテストには共に4K解像度(3840×2160)のFire Strike UltraとTime Spy Extremeを使用しています。
多少の変化はありますが、Fire Strike・Time Spy共にPassmark のCPUMark に似た傾向となっています。Fire Strike では第13世代インテルCoreプロセッサーが第12世代Coreプロセッサーからおおよそ20%程度、Time Spyでは30%以上スコアが上昇しています。
3D Markの最後に、純粋にCPU性能のみを評価する「CPU Profile」を用いて、CPUの全ポテンシャルを示す「最大スレッド(Max Threads)」のスコアで比較してみましょう。
全体としてTime Spyに近い格好となっていて、Core i7-13700KとCore i5-13600Kは、それぞれCore i7-12700K、Core i5-12600Kに対しておおよそ25%程度、Core i9-13900Kではおおよそ40%もスコアが向上しています。
3DMarkにおいても、第13世代インテルCoreプロセッサーは上位キラーな結果となっています。
TMPGEnc Mastering Works 6
続いて、動画編集ソフトのTMPGEnc Mastering Works 6を用いて、QuickTimeファイル(3840x2160/2分50秒)をh.265に変換するのに要した時間(単位:秒)を測定しました。グラフの短い方がより高速に処理を行っている事になります。
TMPGEnc Mastering Works 6においても全体の傾向はほとんど変わることなく、第13世代インテルCoreプロセッサーは第12世代Coreプロセッサーからおおよそ30%程度処理時間が短くなっています。Core i9-13900KとCore i7-13700Kはそれぞれ70秒ほど、Core i5-13600Kでは95秒も処理時間を短縮しています。
確かな進化を遂げている第13世代インテルCoreプロセッサー
第13世代インテルCoreプロセッサーは第12世代Coreプロセッサーの改良モデルという事で、そこまで大きな変化は無い様にも見えましたが、実際には第11世代Coreプロセッサーから第12世代Coreプロセッサーになった時のような大きな性能向上が見られました。
Ryzen 7000シリーズ デスクトップ・プロセッサーの登場で一度は引き離されたものの、第13世代インテルCoreプロセッサーの登場で再び互角以上の性能向上が見られました。
既に第12世代Coreプロセッサーを使用しているユーザーは、マザーボードが対応していれば、CPUを第13世代インテルCoreプロセッサーにするだけで大きく性能を向上させることが出来るので、新規にそろえるよりは導入のハードルは下がります。もちろんZ790チップセットを使用した場合は、PCI-Express 4.0レーンの増加やUSB3.2ポートの増加など足回りも強化され、さらに快適な環境を構築する事も期待できます。
第12世代から続く強力なシングルコア性能は健在で、シングルコアの動作速度が効いてくるゲームやアプリケーションを中心に使うのであれば、迷うことなく第13世代インテルCoreプロセッサーを選択しても後悔する事は無いでしょう。第13世代インテルCoreプロセッサーはそれだけのポテンシャルを秘めたCPUだと言えます。
一点悩むとすれば、第13世代インテルCoreプロセッサーもRyzen 7000シリーズ デスクトップ・プロセッサーも、共に素晴らしい性能を示しており、どちらが良いのかといったことへの結論に迷うことでしょう。それぞれの良さがありますので、PCの使い方で何をメインとしたいか、何を解決したいかによって選ぶことになりそうです。
第13世代Core | 第12世代Core | Ryzen 7000 シリーズ | |
---|---|---|---|
CPU | Core i9-13900K Core i7-13700K Core i5-13600K |
Core i9-12900K Core i7-12700K Core i5-12600K |
Ryzen 9 7950X |
CPUクーラー | Inwin製360mm水冷クーラー(IW-LC-BR36) | ||
マザーボード | ASUS Prime Z690-P | ASUS Prime X670E-PRO WiFi | |
メインメモリ | DDR5-4800 32GB (16GB×2) | ||
グラフィックスカード | ZOTAC製 GeForce RTX 3070 Ti (ビデオメモリ 8GB) | ||
ストレージ | Samsung 980 PRO 1TB (MZ-V8P1T0B) PCIe Gen 4.0 M.2 NVMe SSD | ||
電源 | Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W) | ||
OS | windows 11home 64bit (バージョン:22H2) | ||
ビデオドライブ | GeForce Game Ready Driver Ver 516.59 |
Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。