

永続使用可能なOfficeの最新版であるMicrosoft Office 2021(以下Office 2021)がWindows 11と同じ10月5日に発売開始されました。 ここでは、Office 2019との違いやOffice2021のエディション情報について紹介していきます。
Office 2021とは
Microsoft Office には、Office 2019やOffice 2016のように永続使用可能な買い切り型と、Office 365のように1か月~1年更新のサブスクリプション型の2種類が存在しています。
買い切り型のOfficeでは同じバージョンのOfficeを使い続けられるのに対し、サブスクリプション型のOfficeでは最新機能がアップデートされていくので、常に最新版のOfficeを使用できるという違いが有ります。
Office 2021は、永続使用可能な買い切り型Officeの最新版となります。
Office 2021とOffice 2019の違い
Office 2021 と Office 2019との違いで注意すべきは以下の2点となります。
Office 2021は中小企業向けも認証時にインターネット接続が必要
Office 2019の中小企業(法人)向けは、初回認証時は電話での認証が可能だったため、インターネット接続は必須ではありませんでしたが、Office 2021はオンライン認証のみとなり、インターネット接続が必須となりました。
ライセンスキーは従来同様、マイクロソフト アカウントへは紐づきません。
Office 2021のサポート期間は5年間
Office 2019のサポート期間はメインストリームサポート5年 + 延長サポート2年でしたが、マイクロソフト製品のサポートポリシーの変更に伴い、他のマイクロソフト製品と同様にOffice 2021もメインストリームサポート5年のみとなりました。
Office 2021 の新機能
Office 2021は、2021年10月現在のOffice 365の機能を多数取り入れた仕様となっており、Office 2019と比べて多数の機能が追加されています。
ここでは、Excel、Outlook、PowerPoint、そして各アプリケーション全般に採用された主な新機能を紹介いたします。
Excel
・XLOOKUP関数を追加(VLOOKUP関数の強化版)
・XMATCH関数を追加(MATCH関数の強化版)
・新関数を追加
動的配列を行う関数「FILTER」「SORT」「SORTBY」「UNIQUE」「SEQUENCE」「RANDARRAY」
計算結果や値に名前を付けて、他の数式内に格納可能にする「LET」関数
Excel 2021のXLOOKUP関数
Outlook
・日本語を含む70以上の言語に対応の「翻訳ツール」を追加
・メールを任意の場所で検索可能な「クイック検索」を追加
・画面を読み上げる「スクリーン リーダー」に、必要に応じて要素を並べ替える機能を追加
PowerPoint
・発表者のビデオ、インク機能で加えた内容、レーザーポインターの挙動を記録可能な「スライドショーの記録」機能を追加
・書き込んだインクの内容を時系列で再生・停止可能な「インク ストリーク」機能を追加
PowerPoint 2021のインク ストリーク機能
アプリケーション全般
ここでは、ExcelやWordなど複数のアプリケーションで共通の新機能について紹介します。注目点は、Teamsなどでも実装されているリアルタイム共同編集モードの追加です。離れている間のファイル変更通知など、複数のメンバーによる共同編集が便利になりました。
ほかにも、以前の機能の改善や、Microsoft AccessやMicrosoft Visio向けの新機能、逆に廃止された機能もありますので、こちらを調べたい場合はMicrosoftの新機能紹介サイトをご覧ください。
Microsoft公式 Office 2021の新機能ページを見る
・OneDriveに保存されたファイルのリアルタイム共同編集が可能に
・ファイル内のテキストやコマンド、ヘルプなどを素早く検索可能な「Microsoft Search」の実装
・最新の「オフィス文書のためのオープン文書形式」であるOpenDocument 1.3に対応
・ファイルをOneDriveにアップロードすると、ファイル更新時に自動で保存する機能に対応
・アプリケーションの表示言語に以下の3言語を追加
イギリス英語(en-gb)
カナダフランス語(fr-ca)
メキシコスペイン語(es-mx)
複数メンバーがファイルを同時に編集可能なリアルタイム共同編集機能
Office 2021のエディションと価格について
Office 2021のエディションは基本的に以下の3種類です。エディション名や含まれるアプリケーションの種類はOffice 2019と同様となります。
※その他教育機関向けの「Academic」版も用意されています。
Office 2021 エディション | Office Personal 2021 |
Office Home & Business 2021 |
Office Professional 2021 |
---|---|---|---|
Word | ○ | ○ | ○ |
Excel | ○ | ○ | ○ |
Outlook | ○ | ○ | ○ |
PowerPoint | ○ | ○ | |
Publisher | ○ | ||
Access | ○ | ||
標準価格(税込) | 37,700円 | 41,780円 | 75,650円 |
Office 2021 エディション別アプリケーション一覧表
Office 365の機能と永続使用の利点が融合したOffice 2021
Office 2021は、ExcelにおけるVLOOKUP関数の強化や新たな関数の追加など、より大量のデータの処理が快適になり、PowerPointやOutlookにも新機能の追加、さらにOffice全体のパフォーマンスやメニュー回りの改善など、ユーザビリティの向上も果たしており、より使いやすいオフィススイートになったと言えるでしょう。
最新機能を導入し、買い切り型のOfficeの最新版として様々な部分で進化を遂げているOffice 2021は、Office 365と並んで今後のOffice環境の中心となるに違いありません。
なお、2021年11月12日現在において、発表されているOffice 2021はプリインストール版及びダウンロード版となっています。パッケージ版の発売日につきましては今後発表予定ですが、NEXMAGでは、発売などの情報に変化があり次第、当記事を更新いたします。
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テクニカルライターから巡り巡ってパソコン工房にやってきました。
「読みやすさ」をモットーに、文書作成やチェックを中心に担当していきます。
趣味はレトロゲームの攻略動画投稿などです。