中国出身の映像作家でイラストレーターの胡ゆぇんゆぇんさんですが、なぜ日本でアーティスト活動をするようになったのでしょうか?胡さんの、「即行動!」マインドとクリエイターとしての歩みをインタビューしました。

クリエイター最終更新日: 20220404

映像作家: 思い立ったらすぐ行動することで世界は一気に広がる!

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どうしたら憧れのクリエイターになれるのか? その秘密を現役で活躍するクリエイターに直接聞いちゃう『クリエイター仕事道』。今回のゲストは映像作家でイラストレーターの胡ゆぇんゆぇんさんです。中国出身の胡さんですが、どんなきっかけがあって日本でアーティスト活動をするようになったのでしょうか?そこには胡さんの、「即行動!」マインドがありました。

胡さんが携わった作品

Eテレ うたテクネ 胡ゆぇんゆぇん×細野晴臣 蝶々-San
細野晴臣さんの「蝶々-San」(1976年)に合わせて、胡さんによるキュートなアニメーションが動き出します!

“[うたテクネ] 蝶々-San×胡ゆぇんゆぇん | NHK – YouTube”.Google LLC.
https://www.youtube.com/watch?v=eTYKaFVjOMs

ベアヘッド
子供向けアプリ「ベアヘッド」。落ちてくるテディベアの頭を体にはめ込むというゲームです。シンプルながら、ついついハマってしまいます。

-AllYouCanEat!-ぜんぶ食べちゃって!
アプリ「-AllYouCanEat!-ぜんぶ食べちゃって!」。胡さんのイラストを使用して、Unityアセットを改造して制作された作品です。

“-AllYouCanEat!-ぜんぶ食べちゃって!”.App Store.2021.
https://apps.apple.com/jp/app/allyoucaneat-/id1585108056

“-AllYouCanEat!-ぜんぶ食べちゃって!”.Google Play Store.2021.
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ancientmonth.allyoucaneat

思い立ったら即行動!その原動力で前に進む

胡さんが子供の頃なりかった職業はなんでしたか?

ファッションデザイナーです。とにかく女の子がかわいい服を着ているのを描くのが大好きでした。A4用紙に描いては母親に見せていましたね。何冊もファイルができていました。今思えば服を作りたいのではなく、絵を描くのが好きだったのだと思います。

絵を描くのが好きで、その後どんな学校に進学しましたか?

大学は地元の南京芸術学院のデザイン科に進みました。デザインを勉強して、とにかく将来芸術に関わる仕事をしたかったんです。当時はとてもざっくりとした夢でした。大学卒業後は東京藝術大学に憧れがあったので、日本に留学しました。それで東京藝大の映像研究科のアニメーション専攻に進みました。とても幸運だったと思います。

東京藝術大学では映像を学んだんですね。藝大時代はどんな学生でしたか?

とにかく映像作品をたくさん見ました!アニメーション作品もですが、実写映画もたくさん見ました。授業では自分が普段チョイスしない映画を見るので、とても視野が広がったと思います。大学主催のイベントや国内外の映画祭にも積極的に参加していました。いろいろな国に行って交流したり体験したりしたのはとても良い刺激になりました。

映像作品への知見を広げたんですね。今の仕事を目指す様になったきっかけはありますか?

自分で描いた絵が動くことに、とても感動しました。アニメーションの仕事をするようになって更にこれを続けていこうと思うようになりました。“きっかけ”というよりは、“徐々に”という感じですね。アプリ開発は「どうしたらもっと効率良く自分の作品を世界の人に見てもらえるか?」と考えたときに、アプリだと場所関係なくダウンロードしてもらえるなと思いました。加えてストック型収入にも興味ありました。アニメーションの仕事はフロー型ばかりでしたので、そこの部分を補うのもアプリ開発だなと思いました。Unityも前から興味があったので、「これだ!」とやってみようと思いました。

思い立ったら即行動ですね!今の仕事をするようになったのはいつからですか?

修士修了後、フリーランスとしていくつかアニメーションのお仕事をいただけて、そのまま続けて今に至る感じです。アプリ開発の方は最初興味でUnityを学びたくて、仕事で中々手がつけられなかったのですが、産後時間ができたので「今だ!」と思い、始めました。参考書で勉強したのですが、簡単なゲームでもせっかくだからリリースまでしたい!という思いで突き進みました。そこから面白くて、次へ次へと今構想を企てています。

マンネリしないよう、日々変化をしていく!

胡さんの代表作を教えてください

アニメーションの代表作はNHK・みんなのうたの『夢街列車』、ポプテピピック『ベーコンむしゃむしゃくん』、NHK歌テクネ『蝶々-san』などです。個人開発のアプリは『ベアヘッド』です。

ターニングポイントとなった作品はありますか?

今年始めたアプリ開発です。ベアヘッドは超簡単な物理パズルゲームで、テディベアの頭を体にはめるという子供向けのゲームです。学習も含めた作品なので、手描きのアニメーションを入れ込む余裕がまだありませんでした。なので、今後手描きアニメーションも入れ込んだ、仕組みもオリジナルのゲームアプリを開発しようと思います。

その仕事から、どんなことを学べましたか?

今までの仕事とは全く違うプラットフォームなので、やったことない作業ばかりなのがとても刺激的です。プログラミングに対してまだまだ理解が追いつかないですが、人に聞いて、検索して、色々模索して、アプリが出来上がっていくのが楽しいです。アニメーションを初めて作った日のような初心に戻れた気がします。

日々勉強されているんですね!仕事で失敗したことはありますか?

フリーランスになって、最初にいただいた大きい仕事で失敗してしまいました…。最終書き出しのデータをスタジオに持っていってMAしなければならなかったのですが、レンダリングの時間を甘くみすぎてしまったんです。MAは昼くらいの時間だったのですが、持って行けたのは日が暮れた後で、本当に申し訳ない思いしかなかったです。このことがあったので、レンダリングの時間は多めに見るようになりました。

その経験を、次に活かしているのが素晴らしいですね。胡さんが仕事で最もエモーショナルになる瞬間はいつですか?

自分の想像通りの、もしくは想像以上のシーンが出来上がった時や、意図しない偶然でミラクルなアニメーションができた時です!

胡さんが仕事をする上で、普段心がけていることを教えてください。

マンネリしないように意識しています。自分がせっかちの飽き性というのもあり、同じ画風を継続して描くのがあまり得意ではありません。なので、常に変化したいという願望を持って仕事に挑んでいます。

予算の中で、ハイスペックなものをセレクト

現在、どんなPCや周辺機器を愛用していますか?

27インチのデスクトップPCを使用しています。また、イラスト用に12.9インチのタブレットPCを使用しています。

PCスペックと作業環境

ディスプレイ 5K 27インチ
プロセッサ 3.7 GHz 6コアIntel Core i5
メモリ 64GB
外付けハードディスク 16TB・3TBを併用
ペンタブレット wacom Intuos Pro Medium

PCや周辺機器を選ぶ際の基準を教えてください。

After EffectsとPhotoShopを同時に頻繁に使用するので、サクサク動くのが理想です。基本はデスクトップPCを使用しています。CPUとメモリ、グラフィックボードを懐と相談してできるだけハイスペックなものを、、、という感じです。

胡さんならではの裏技などはありますか?

技法ではないのですが、常に首を痛めないように姿勢を良くする工夫をしています。液タブではなくペンタブにしたり、スタンディングデスクにしたり、紙の作画の時はイーゼルを使用したりしています。

興味があればすぐに行動しよう!

胡さんにとって“クリエイター仕事道”とはなんですか?

「好きな仕事を好きな場所で好きな時にする」にシフトしていくための過程だと思います。最終的には自分が好きなものを作り、それを楽しんでくれるお客さんがいて、生活が成立するというのが理想です。

クリエイターを目指す若者たちにメッセージをお願いします!

興味があることはすぐ試しましょう!とりあえず行動してみれば、色々情報が入ったり、新しい人と出会ったり、思ったより速く世界は広がります。遠くに足を運んだり、外国にいって交流したり、美術館を回ったり、思いつくこと全部やるくらいの勢いでいいと思います!創作は自分の見たものの中から抽出されるので、たくさん見て「可能性」をチャージするのは大事だと思います。

胡さん、ありがとうございました!

日々勉強し知識と技術をアップデート

「興味があれば即行動しよう!」という胡さんの言葉通り、ご自身も東京藝術大学への憧れから海を渡ります。また、新しい知識と技術を身につけるため常に(産後も!)勉強し続けるハングリー精神もクリエイターにとっては不可欠な要素ですね。行動することで、自然とチャンスが舞い込んでくるかもしれません!

クリエイタープロフィール

胡ゆぇんゆぇんさん
映像作家、イラストレーター、アプリ開発
1986年中国生まれ。2009年南京藝術学院デザイン学院学部グラフィックデザイン学科卒業。2012年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。現在日本で映像作家、イラストレーターとして活動し、時々アプリも開発中。

HP:http://hu-yuanyuan.tumblr.com/

Instagram:https://www.instagram.com/yuanyuan_hu_yyh/

Twitter:https://twitter.com/YYHYYHYYHYYHYYH

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG [ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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