オンライン学習やリモート学習は、学校の長期休校を機に普及が急激に加速し、今やインターネット上では、たくさんのオンライン教材が提供されています。お子さんをお持ちの方の中には、「オンライン学習をやらせてみたいけれど、どうしていいか分からない…」「うちでもちゃんとできる?」と、不安な気持ちを抱えて二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、小学生の子どもをもつ編集部Fが親子で実際に行った、家庭でのオンライン学習の様子についてご紹介します。

チャレンジ&ナレッジ最終更新日: 20210622

オンライン学習に挑戦:オンライン教材でリモート学習

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オンライン学習やリモート学習は、学校の長期休校を機に普及が急激に加速し、今やインターネット上では、たくさんのオンライン教材が提供されています。お子さんをお持ちの方の中には、「オンライン学習をやらせてみたいけれど、どうしていいか分からない…」「うちでもちゃんとできる?」と、不安な気持ちを抱えて二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、小学生の子どもをもつ編集部Fが親子で実際に行った、家庭でのオンライン学習の様子についてご紹介します。

オンライン学習に取り組んだきっかけ

わが家がオンライン学習を始めることになったきっかけは、やはり新型コロナウイルス感染症の拡大によって、学校が急に休校になってしまったことでした。
休校になった当初は、担任の先生が学習プリントを各家庭に配布してくれたり、時には保護者が取りに行ったりして、子どもの学習教材が提供されていたのですが、当然学校へ行っていた時に比べれば、学習時間は激減…。プリントだけで大丈夫なのか、不安を感じていました。

しかし休校が長引く中、ついに学校から「オンライン学習を検討するために、ご家庭でお子さんがインターネットを利用して学習できる通信機器の有無を調査します」とのメールが!
「いよいよオンライン学習が始まる?」と期待と不安を抱きながら、わが家はアンケートの選択肢から、パソコンと(親の)スマートフォンを選択しました。
その後、プリントでの学習に加えて、各自が自宅でオンライン学習に取り組めるように、学校から2つのオンライン教材の案内が送られてきたのです。

問題集(ドリル)タイプのオンライン教材

学校から案内があったのは、まずインターネット上の専用サイトに用意された問題を解いていく問題集(ドリル)タイプのオンライン教材。
専用サイトに入るためのパスワードとIDが配布され、勉強したい学年、教科、単元、難易度などを選択すると、希望に合った問題集が出てきます。
画面上で解答すれば、すぐに自動で採点されて解説なども読むことができます。
これまで行っていたプリントでの学習に近いので、オンライン学習が初めてでも始めやすく、苦手としている単元や興味がある教科を選んで、自分のペースで進めていける点が良さそうと感じました。

動画配信型のオンライン教材

問題集タイプのオンライン教材の後、お知らせが届いたのは、YouTubeを使った授業動画の配信サイトでした。
こちらも学年や教科、単元を選ぶと、先生が黒板の前で授業をしている動画が視聴できます。
学校での授業と同じ雰囲気で見ることができるので、子どもも安心感がありそうです。
「実はこの単元はあまり理解できていなかった」とか「新しい単元だから1から説明が欲しい」という時には、黒板などを使って先生がていねいに解説してくれる動画配信型の方が適していそうです。

各家庭の情報通信機器アンケートの結果、わが家の地域では双方向にコミュニケーションが取れるビデオ通話型のオンライン授業は見送られたため、実際に学校から案内があったのは、この2タイプのオンライン教材のみ。
そこで、さっそくこの2つのオンライン教材に取り組むことに。

オンライン学習に必要なもの

自宅で好きな時間にできるのがオンライン学習のメリットですが、その反面、オンライン学習に必要な設備や環境を、各自が自宅に整えなければいけないという点で、ためらってしまう人もいるかと思います。
オンライン学習と聞くと大変そうですが、自宅でパソコンを使っている人なら、それほど特別な準備は必要ありません。
大まかには「パソコン」と「インターネット環境」が必要になります。

パソコンは無線LAN接続、サウンド環境を確認

まず当たり前ですが、インターネット接続ができる情報通信端末が必要です。
オンライン学習用の教材にはタブレット、スマートフォンなどもありますが、今年度から本格化するプログラミング学習ではキーボード操作に慣れておく必要もあるため、パソコンにふれる機会を少しでも増やしておきたいところです。
わが家では画面の大きいノートパソコンを使うことにしました。
わが家には1台しかパソコンはないため、ひとまず私が仕事で使っているノートパソコンを共有することに。

今回使用したノートパソコン今回使用したノートパソコン

ちなみに、使用したノートパソコンのスペックは以下のとおりです。

画面サイズ 15.6型 (解像度1366×768ドット)
CPU インテル(R) Celeron N3450 プロセッサー
(1.1-2.2GHz/4コア/4スレッド/2MBキャッシュ)
メモリ 4GB(DDR3L-1600) SO-DIMM
ストレージ 120GB SSD

インターネット接続の方法ですが、オンライン学習を行う場所はリビングや子どもの部屋など、一定でないことも考えられるため、無線LAN(Wi-Fi)接続が可能なパソコンだと便利だと思います。
今回使用したノートパソコンは無線LAN接続機能が搭載されていますが、デスクトップ型のパソコンには無線LAN接続機能が搭載されていないものもありますので、お使いのパソコンの機能(構成)を確認しておきましょう。
逆にインターネットへの接続が有線のみでノートパソコンを使用する場合は、ノートパソコンに有線LAN(Ethernet)端子があるかどうか確認しましょう。端子がない場合は有線LANアダプタなどを準備しておく必要があります。

もう一点、特に動画配信型のオンライン教材ではサウンドを再生することが必須となります。ほとんどのノートパソコンにはスピーカーが搭載されていますが、デスクトップ型のパソコンではスピーカーが搭載されていないものもありますので、別途スピーカーやヘッドフォン、イヤフォンなど、音声が再生できる機器を準備しておきましょう。

インターネット回線

次に、こちらも当然ながらオンライン学習をするためには、インターネット接続ができる通信回線が必要です。
インターネットプロバイダーと契約するなどして、インターネット回線を確保しましょう。
利用するサービスによっては無線(Wi-Fi)ルーターがセットになっているものもありますが、有線接続しかない場合は無線ルーターも準備しておくとよいでしょう。

わが家では、もともと光回線が引いてあり、インターネットがつながる環境が整っていました。手持ちのツールで回線速度を図ったところ、

下りが210Mbps、上りが170Mbps

という結果。

念のため動画配信型オンライン教材を見るためにアクセスするYouTubeのシステム要件も確認してみましたが、映画やテレビ番組、ライブイベントなどのプレミアムコンテンツの場合でも

1 Mbps 以上のインターネット接続

とのこと、回線速度は充分なようです。

自宅内はWi-Fiでインターネットがつながるため、子どもと相談してオンライン学習は子ども部屋で行うことにしました。

オンライン教材でも紙と筆記用具は必要

さて、いよいよわが家のオンライン学習がスタートです。
まずは最初に学校から案内があった、問題集タイプのオンライン教材を使ってみました。

問題は複数ある選択肢から答えを選ぶものが多いですが、算数の場合は計算して出した答えをマウスで入力していくタイプも。
キーボードでの入力ではなかったので、うちの子でも無理なく始められました。
答えを入力して解答ボタンを押すと、正解・不正解がすぐに分かり、不正解の場合は何度もやり直しができます。

最初は机の上にノートパソコンだけを置いて始めたのですが、算数の場合はすべて暗算では解けず、ノートやメモをする紙と筆記用具は必要ということが分かりました。
今回はすべて自力で解けましたが、解けない問題がある時は教科書を出して確認するなど、オンライン教材と通常の教材を組み合わせることも、理解度を深めるのには必要かもしれません。

今回は初めてだったということもあり、本人が苦手だという単元3つに挑戦。
時間にして30分ほどでしたが、選んだ単元・レベルごとに次々と問題が出てくるので、その間はしっかり集中してできている様子でした。
本人も、パソコン上の動きや操作にストレスを感じることなくできたようで、顔にはちょっと達成感も滲んでいました。

算数の教材などではノートと筆記用具も必要になった算数の教材などではノートと筆記用具も必要になった

動画配信型のオンライン教材に取り組む

続いて休憩後、動画配信型のオンライン教材に取り組むことにしました。
いくつかの授業動画から、約15分間の国語を選択。
動画を再生すると、映像が止まったり遅く感じたりすることもなく、スムーズに見ることができました。

しかし数分経つと、まっすぐ机に向かっていた姿勢がだんだんと崩れていって、明らかに集中していない様子。
ていねいに教えてくれる授業動画をずっと見続けるのは少し退屈なようで、1つ見終わったところで、子どもから「言いたいことが分かる部分は早送りしてもいい?」という相談がありました。
そのため、2本目・3本目は自分で早送りしたりもう一回聞きたい部分は巻き戻したりして見ることに。
自分のペースで見られるのは魅力ですが、ちゃんと分かっているか心配なところです…。

結果、問題集タイプと同じ約30分間、動画配信型のオンライン教材をやってみましたが、子どもはじっと画面を見続けていたからか、ちょっと疲れた様子でした。

早送り再生なども併用しながら学習早送り再生なども併用しながら学習

わが家のオンライン学習法

実際に2種類のオンライン学習をやってみた後、分かったことや感じたことから、わが家なりに子どもがもっと取り組みやすい方法、より集中して勉強できる環境をつくる方法を考えてみました。

快適なオンライン学習には広いスペースとイヤフォンがほしい

1つ目に、学習机ではなくダイニングテーブルなど広いスペースで行うこと。
問題集タイプのオンライン教材に取り組んだ時に、ノートや教科書を併用して勉強した方がいいと感じましたが、学習机だと奥行きに限界があって、パソコンの前にノートや教科書を広げるには手狭なことが分かりました。
動画配信型のオンライン教材についても、ただ映像を見るだけで終わってしまうことがないように、子どもには「映像を見て分かったことをノートに書き留めて、後でどんな内容だったか教えて」と話すことにしました。

2つ目に子どもからの提案で、動画配信型のオンライン教材を行う時は、イヤフォンをすることにしました。
これは、周りの音で音声が聞き取りにくい時があることと、イヤフォンをした方が集中して見られるかもということが理由でした。
たしかにイヤフォンをすると、周りの家族もオンライン教材の音声を気にすることなく過ごすことができるので、2回目以降はイヤフォンを使っています。

時間を決めて取り組むことも必要

反対に、やってみて気がついた課題もありました。
まずやっぱり親としては、子どもの視力低下が気になる!ということ。
オンライン学習をすれば、どうしたってパソコン画面を見続ける時間が長くなります。
特に動画配信型のオンライン教材は、子ども自身も終わった後に目の疲れを感じている様子だったので、パソコン用にブルーライトカット眼鏡の購入を検討中です。

そして、わが家にパソコンが1台しかないため、子どものオンライン学習中はパソコンが使えなくなってしまうこと。
特にわが家は自宅で仕事をする場合もあるため、子どもと相談してオンライン学習をする時間を決めることにしました。
そうすることで、子どももメリハリをつけて勉強ができるので、しばらくはそうしようと思っていますが、今後オンライン学習の機会が増えていくのであれば、子ども用にパソコンをもう1台購入することも検討しようと思っています。

オンライン学習は「環境づくり」が大切

今回は、学校が休校になって家庭での学習を余儀なくされたことから、オンライン学習に着手しましたが、思っていたよりも準備するものも少なく、子どももストレスなく勉強できたため、これを機に普段の勉強にもオンライン学習を取り入れていけそうだと感じました。
書店などで問題集を探しても、なかなか欲しい単元の問題だけが載ったものを見つけるのは難しいですが、オンライン教材は無料のものも多く、やりたい単元1つからでも取り組めるので、これからは市販の問題集を買っていた分をオンライン学習で補えそうです。

ただ、どんなにいい学習法・いい教材でも、子どもがストレスなく続けられ、しっかりと成果を出せることが一番大切。
そのためには、まずは親子で挑戦してみて、子どもの意見を聞きながらオンライン学習がしやすい環境を整えてあげることが必要だと思いました。
みなさんも、ぜひお子さんと一緒にオンライン学習を始めてみてください!

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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