関西放送機器展に出展した4Kや8K編集を快適にこなすパソコンの紹介や、動画編集に携わるクリエイターが抱えているパソコン周りのお悩みについて解決案をご紹介します。

クリエイター最終更新日: 20190726

SENSE∞が関西放送機器展に出展!

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関西の放送や映像、配信、コンテンツ制作に関わる方に向けた展示会が2019年7月10日~7月11日の2日間にかけて大阪南港 ATCホールで開催されました。
iiyama PC SENSE∞シリーズからは、3DCG動画やVFX合成を快適に行なえるパソコンや4K/8Kに及ぶ映像コンテンツ&カラーコレクションの対応できるパソコンを出展しました。
今回の記事では動画編集に携わる方のパソコンのスペックや周辺機器に関するお悩みで多かった内容も紹介していきますので、ぜひご覧ください。

関西放送機器展について

関西放送機器展は、放送用の高性能カメラやカメラ周辺機器など最新の製品を展示するイベントとなります。展示製品の幅は広く、放送用の音声機器や番組・映画を制作する編集ソフトウェア、空撮に使用するドローン、撮影機器のレンタルサービス、IP機器などのブースが展開されています。
また会場内にはセミナーホールもあり、最新製品のPRやデモンストレーションが行なわれます。

3DCG動画/VFX合成向けパソコンを出展

3DCG動画/VFX合成向けパソコン3DCG動画/VFX合成向けパソコン

iiyama PC SENSE∞から、3DCG動画/VFX合成が快適に行なえるパソコンを出展いたしました。CPUにはインテルCore Xシリーズを採用しており、動画編集やCG作成に必要な動作クロック数と動画エンコード時などに必要となるCPUのコア数を多く搭載しており、高いパフォーマンスを発揮します。

グラフィックカードにはGeForce RTX 2080Tiを搭載しており、豊富なCUDAコア(4352基)の利用や11GBに及ぶグラフィックメモリにより、高解像度素材の取り扱いやレンダリング処理やプレビューなどに掛かる時間を短縮することができます。
ストレージには高耐久・超高速のインテル Optane SSDを採用。従来のSSDで採用されてきたNANDフラッシュメモリーよりも書込み耐久性が4倍以上の向上とレイテンシー(遅延)が少なく、ランダムアクセス性能に優れています。レンダリングやエンコードなど頻繁に大量のデータ読み書きを行なうクリエイターにとって最適なデバイスであり、高いパフォーマンスにより制作時間の短縮に役立ちます。

3DCG&動画編集向けパソコンを見る

4K/8K解像度 HDR映像編集&カラーコレクション向けパソコンを出展

ASUS ROGブース4K/8K解像度 HDR映像編集&カラーコレクション向けパソコン

同じくiiyama PC SENSE∞から、近日発売予定中の4K/8K HDR映像編集&カラーコレクション向けパソコンを出展しました。
こちらは先に紹介のパソコンのパフォーマンス重視と言った視点よりも、膨大なデータ演算処理をエラー無く安定的に運用できることに重きを置いて作成しています。

CPUにはインテルXeon Silverを2基搭載しており、ワークフローに応じて搭載CPUコア数の多い物へのカスタマイズに対応しています。またXeonを搭載することでデータ破損を検出し修正を行なえるECCメモリの使用が可能となります。
グラフィックカードには、GeForce系最上位機種にあたるTITAN RTXを搭載しており、
GeForce RTX 2080Tiより更に多いCUDAコア(4608基)と24GBのグラフィックスメモリを備えております。特に4Kや8K素材の扱い時に多いグラフィックスメモリに依存する作業に非常に有効となります。

ストレージにはこちらでもインテルOptane SSDを採用しており、高耐久・超高速でのコンテンツ制作に取り組みいただけます。

近日発売予定ですので今しばらくお待ちくさい。

展示会であったクリエイターさんのお悩みについて

今回の展示会の際にご来場のお客様方より、現在ご使用のパソコンについてのお悩みを伺う機会がありました。今回その中で多かったお話を紹介したいと思います。

①外部ストレージとの接続速度に不満がある

4Kや8K解像度の動画データを共有サーバーやNASに素材データに保存し、必要に応じて読み出して使用する場合にデータ転送速度でボトルネックとなり、スムーズな制作ができないとのことでした。

この場合の解決策の1つとして、より速いデータ転送が可能な10GBASE-T(10Gbps、1.25GB/s)のLANやUSB3.1(10Gbps、1.25GB/s)、Thunderbolt 3(40Gbps、5GB/s)接続の高速な最新のインターフェイスを使用して、対応する外付けストレージを使用する方法があります。
従来からある1000BASE-T(1Gbps、125MB/s)のLANやUSB3.0(5Gbps、625MB/s)よりも高速に動作するため、4K以上の素材データの使用に最適です。
※尚、それぞれデータ転送速度の理論値での最大値であるため、ストレージ自体の性能やご自身のパソコン環境により実効速度は異なります。

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②制作用途としてGeForceとQuadroどちらが最適かわからない

価格面ではGeForce 機種の方が比較的安価で手に入ることが多いため、可能であればGeForceで運用したい方が多いようです。ソフトウェアによりグラフィックカードの使用状況と最適度が異なるため一概に言えない部分ではあります。

CUDAコア数に依存する作業であれば、GeForce機種とQuadro機種の上位同士ではCUDAコア数に差が小さいため、パフォーマンスへの影響も少なくGeForceではコストを抑えて導入することができます。

グラフィックスメモリを大量に使用する作業の場合は、GeForce機種は一般的にQuadro機種よりグラフィックスメモリの搭載数が少なくGeForce RTX 2080 Tiの最上位機種で11GBに対し、Quadro RTX 6000 では24GB 、Quadro RTX 8000では48GBと大きな差があります。
制作内容としてグラフィックスメモリが11GB以下の使用量でおさまる場合は、GeForce機種を選択することで高いコストパフォーマンスで運用することができます。これ以上を必要とする場合はQuadro機種を選択するのがベストな選択となります。

Quadro機種の方が有利な点として、グラフィックスメモリがECCに対応していることや温度制御がGeForce とは異なり安定性志向のため、グラフィックスカード起因によってソフトが落ちることが軽減され、放送中に使用するような場合や、ダウンタイムが許容されないような現場で有力な選択になります。その他、10bit表示の色調表現が必要な場合やベンダー保証の長さもポイントになります。

まとめると、パフォーマンスを重視しコストも抑えたい場合はGeForceが最適、パフォーマンスよりも安定性や堅実性、保証をコストをかけてでも重視する場合はQuadroが最適となります。

③4K動画編集で最適なCPUが分からない

ソフトウェアが快適に動作したい中、Core XシリーズやXeonであればまず問題ないのではないか?と言う事でブランド買いをされている方が多くおられました。

4Kなど高解像度素材を使用した動画編集を快適に行なうには、これらのハイエンドCPUがおすすめなのは確かではありますが、作業内容によって得意・不得意な部分があるため、ポイントを把握された上でCPU選択することでより快適かつコストパフォーマンスのよい編集環境を手にすることができます。

CPUのポイントを見る指標として、おおまかですがCPUの動作クロック数の高さとCPUコア数の多さを確認する必要があります。

CPUの動作クロック数が高い場合、リアルタイムにタイムラインを編集や確認を行う場合にスムーズな動作が可能となります。動作クロック数が必要性能に足りない場合は、画面のカクツキなど影響がおきます。
次にCPUコア数が多いことで得意になる作業としては、デコードやエンコードの作業時に活用され、CPUコアが多いほど掛かる時間の短縮が行なえます。

ここでハイエンドクラスのCPUであれば共に高いのではないか?と言う様に思われるかも知れませんが、CPUの動作クロック数とコア数はお互いにトレードオフの関係にあり、コア数が多くなるほど動作クロックは抑えられ、両立が難しい状況にあります。

実際の選択としては、4Kなど高解像度の素材を使用するとなると、ある程度のベースは必要となり、インテルCore Xシリーズなどの8コア~12コアを搭載するCPUが動作クロック数も比較的高く、バランスが取れておりおすすめとなります。
更にエンコードなどCPUのコア数に依存する作業を重視したい場合は、コア数の多いインテルCore Xシリーズの上位モデルやXeonが選択肢として適切となります。
また、放送中に使用するような場合やダウンタイムが許容されないよ現場では、安定動作を優先しXeon搭載が必須となります。

※一般的な動画編集ソフトウェアでの見解となりますので、この点ご了承ください。

展示会まとめ

今回の記事では、展示会で使用したパソコンの特徴やお客様のお悩みについて紹介させていただきました。このようなイベントが開催されていることや制作に関するパソコンを検討する際にご参考にいただけますと幸いです。

またiiyama PC SENSE∞では、コンテンツ制作に関わる様々な用途やソフトウェアに合わせて最適なパソコンと必要なスペックについてまとめたページを用意しておりますので、パソコン選びでお悩みの際は、ぜひご覧ください。

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ライタープロフィール マーケ担当 1号

最近、歳を感じつつあるパソコン工房のゲーマースタッフ。
島に飛び立って1位を目指すゲームやデジタル粘土をこねるのが日課。
使用するゲーミングPCは最強スペックではなく、最高のコスパ(?)を求めるタイプ。

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