昨年の秋頃からTwitterやInstagramなどのSNSで「#お前らのpcデスク周り晒していけ」といったハッシュタグと共に、ユーザー自慢のデスクトップPC環境の写真が投稿されています。 なかでもPC本体を部屋のインテリアとして活用するためにLEDファンなどの光るPCパーツを搭載して工夫されている写真も多く見られました。 そこで、既成品のPCケースにアレンジを加え、「インスタ映えするPC」を制作してみようと、インテリア空間デザインやスタイリング、DIYクリエイターと幅広く活動されているSWAROさんがPCのDIYに挑戦されたということで、SWAROさんが手がけた作品のご紹介と共に、PCのDIYについてインタビューに応じていただきました。
話題のカリスマDIYer SWAROさんが手がけたインテリアPCをご紹介
制作費用はおよそ5万円、制作期間に4日を費やしたという今回のインテリアPC。
DIYerのSWAROさんに今回制作された作品のテーマや制作過程における苦労した点などを伺ってみました。
制作されたインテリアPCのテーマ、苦労した点について
今回の作品のテーマをお聞かせ頂けますか。
「コンクリートの心臓」をイメージしました。
人類が滅亡した世界で、とあるところに埋め込まれていた機械が経年劣化とともに剥がれ落ちてしまったのですが、パソコンとしての機能は失われず、今も動き続けているといったコンセプトで制作しました。
今回のインテリアPCを作られて、制作過程における苦労した点などありますか?
PCケースの外装をコンクリートが崩れたような表現にするため、なるべくコンクリートの素材に近いものを使いたいなと思って、砂が入っているペイント塗料だとか、モルタルという固まる材料を使ってみたんですが、なかなか自分が想像している物にならなかったので、出来上がってからも何回も剥がして、また素材を買い直して、自分の想像に近いものが出来るまでちょっと大変でした。
何度か試作を重ねて作られたんですね。
経年劣化したイメージを表現したくて、この素材を使えばイメージに近い感じのものが出来るかなと思っていたんですが、実際にその素材を使うとイメージとは違って、雰囲気が少し新しくなってしまったり、色合いが気に入らなかったりしたので、塗装を剥がしてはじめからやり直しました。
インテリアPCの制作過程について
今回の作品はどの部分から制作に取り掛かかりましたか?
フロントパネルです。
本体ケースからフロントパネルを外して、塗装して、乾くのに時間が掛かるので、乾かしている間に本体の外装を塗装する感じでした。
次にサイドパネルのアクリルの部分に取り掛かりました。
内装のLEDは赤・青・紫の電飾を使って心臓をイメージしたカラーにしました。ちょっと毒々しい感じになっちゃいましたけど(笑)
サイドパネルの厚みもあって、重量も増えたと思うのですが、制作の時は大変ではなかったですか?
サイドパネルとフロントパネルが外れるので、別々に作って最後に組み合わせる感じで、全然平気でした(笑)
サイドパネルはイメージ画を見ながら、自分の頭のなかにある通りに作っていく感じでした。
今回は、作る工程よりも「塗る」といった作業のほうが細かくて、経年劣化とともに錆びている部分を表現するのに時間が掛かりました。
DIYのプロに聞く!PCをDIYするコツ
SWAROさんのインタビューは秋葉原に店舗がありますパソコン工房 秋葉原イイヤマストアで行われました。
秋葉原イイヤマストアではiiyama PCのゲーミングブランド LEVEL∞のデスクトップ、ノートPCも扱っていますので、ゲーミングPCや周辺機器などのDIYについてもお伺いしました。
ゲーミングPCもイメージひとつで素敵なインテリアPCに
PCといえばPCゲームをプレイされるユーザーの方も多いのですが、ゲーミングPCをDIYするとしたら、どのようなイメージにしますか?
ゲームだったら、私のイメージですけれど、ゲームのフィールドがあるじゃないですか。
私、ハンティングアクションゲームが好きでプレイするんですけど、ゲームに出てくる森であったりとか、その雰囲気をゲーミングPCやデスクトップ環境に盛り込んでDIYできたら自分の好きな空間になるんじゃないかなと思いますね。
近年、女性プロゲーマーや女性ストリーマーの活躍が増えてきているのですが、女性向けのPCをDIYするとしたら、どうですか?
一般的にはキラキラするものとか、可愛いものとか、ピンク色などを想像するかと思うんですが、そういったイメージに捕らわれずに、さっきのゲーミングPCみたいにテーマがしっかりしていれば個人が好きなテイストでDIYできるんじゃないかなと思いますね。
機能性とデザイン性を両立!まずはペイントからやってみましょう
なるほど、それではPCといえばマウスやキーボードといった周辺機器などがありますが、ユーザーの方が周辺機器のDIYにチャレンジするとしたら、どのようなところから始めればいいですか?
まずはペイントなのかなと思うんですよ。
外装が外せる部分があれば外して塗装して、色味を替えると印象も変わると思うので、やはりペイントですかね。
周辺機器といえば様々な機能を持ったものがありますが、SWAROさんは機能性とデザイン性のどちらを重視しますか?
どっちもです!
DIYってインテリアや家具もそうなんですけど、使いやすくてデザインが良くないと嫌なんです。
使いづらくてデザインが良くても結局使わないし、使いやすくてもデザインが良くなかったら置いておきたくないので、私はどちらも重視します!
ごもっともだと思います。それでは工作などが苦手な方でもチャレンジできるPC本体のDIYがあれば教えてください。
やはり今回の本体ケースのように装飾するところからやってみると良いと思います。
シールを貼ってみたり、ペイントしてみたり好きなようにデコレーションすると雰囲気が変わっていいと思いますね。
PCケースの色を好みの色にしたいといったユーザーの方は多いと思いますが、ペイントをする上でのポイントはありますか?
まず一番最初に塗ってはいけないところを必ずマスキングすること、次にしっかりと被着するようにプライマーを塗ること、あとは厚く塗りすぎないことですね。
ペイントとかスプレーや絵具でもいいんですけれど、一発で目的の色を塗るのではなく、薄く塗り重ねて好きな色にしていけば失敗はないのかなと思います。
自分にあったやり方でDIYを楽しんでみる
今回制作されたPCに使用した素材のように、PCのDIYを行う上で素材を間違って購入しないためには、どのようにすればいいですか?
はじめてDIYに挑戦する方の場合はホームセンターなどに買い物に行っても何を買ったらいいかわからないと思うので、お店の方に「こういう質感にしたい」など、自分がどのような物を作りたいのか伝えれば詳しいスタッフの方が色々な商品を出してきてくれて、「これなら簡単ですよ」とか「これは扱うのが難しいです」など教えてくれるんですよ。
なので、自分で調べて挑戦するのではなく、一度詳しい方に聞いてみて、自分にあっているか確認して素材を調達すれば間違って購入することはないと思いますね。
今回の作品を例にすると、外装がコンクリートをイメージしているので「砂っぽくしたい」とか伝えれば、そのような絵具を紹介してくれますし、「塗料に砂を入れてみてはどうですか?」などのアドバイスもしてくださるので、色々な方法の中から自分にあったものを選んで作業することをおすすめしますね。
以上、SWAROさんに制作過程のお話やPCのDIYにおけるコツなどを伺ったわけですが、イメージしたものがこうした形で具現化できるDIYの技術に大変驚かされました。
今回SWAROさんが制作されたインテリアPCは、パソコン工房 秋葉原 BUY MORE店で展示されますので、ぜひ実物をご覧になってみてください!
はじめてPCのDIYに挑戦される方は、デスクトップ環境からイメージを膨らませて、本体ケースへの装飾や塗装からはじめて「映えるインテリアPC」を作ってみてはいかがでしょうか。
※本記事はPCケースへの加工を推奨するものではございません。PCケースへの加工、DIY作業は吸排気口(空気の通り道)を塞がない、高熱となる部分に塗料を塗布しないなど稼働時の安全面もご留意頂き、お客様の自己責任にてお怪我の無いようお願い致します。
LEDファンやLEDテープなどの光るPCパーツで簡単アレンジ!
SWAROさんが制作されたインテリアPCに使用したLEDテープやLEDファンなどの「光り物」と呼ばれるPCパーツは、パソコン工房WEB通販サイトならびにパソコン工房各店でも販売しております。
パソコン工房秋葉原 BUY MORE店ではその場で一通り揃う「光り物コーナー」が設置されておりスタッフのこだわりが伝わってきます。
秋葉原での本体ケース選びや光るPCパーツのご相談などは、パソコン工房 秋葉原 BUY MORE店に製品知識豊富なスタッフがおりますので、作ってみたいPCの構成やイメージをお伝え頂ければ、SWAROさんのインタビューでも触れられておりましたホームセンターのスタッフさんと同様に、ユーザーにあった製品をご紹介頂けます。その他全国のパソコン工房でもお気軽にご相談下さい。
その他、組立キットや組立工程の解説は以下のページでもご覧頂けますので、ご参考にしてみてください。
ベースとなったPCパーツを集めた組立キットを発売!
今回SWAROさんが制作されたインテリアPCに使用されたパーツ一式を集めた組立キットをご用意しました。内部に光るパーツを追加したり、自分好みのDIYをお試し頂いてはいかがでしょうか。
【ご注意】
※PCケースへの加工を推奨するものではございません。PCケースへの加工、DIY作業はお客様の自己責任にてお怪我の無いようお願い致します。
※デコレーションの材料や方法についてのお問い合わせについてはお受けいたしかねます。
※台数限定での販売となりますので売り切れの際にはご容赦ください。
360度どこからみても凡人、職人番号ラッキー7!職人7号です。主に写真撮影、動画編集を担当。パソコン工房ECサイトのBTOPCや自作パーツ等ひろく手掛ける。店舗部門出身。