GeForce GTX 1660のベンチマークをレビューしてみました。さらに、製品のスペック比較、特徴を説明しております。

PCゲーム最終更新日: 20190328

GeForce GTX 1660 ベンチマークレビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GeForce GTX 16 シリーズの2番手GeForce GTX 1660は、Turingアーキテクチャでありながら3万円台で購入出来る新たなるミドルレンジモデルです。
型番的にも値段的にもGeForce GTX 1060 シリーズの置き換えモデルとなるGeForce GTX 1660を、ベンチマークテストで試してみました。なお、今回入手できたカードは、ZOTAC製「GeForce GTX 1660 6GB GDDR5」となります。

GeForce GTX 1660の特徴

GeForce GTX 1660の特徴は、GeForce GTX 1660 Tiと同じGPUコアを使用していながら、ビデオメモリにGDDR5を採用している事でしょう。GDDR5を採用する事で、GeForce GTX 1660 Tiよりも安価に出来るというメリットが発生しています。
今まではやや高価だったTuringアーキテクチャのグラフィックスカードも、ようやく3万円台で購入できるようになりました。

なお、GeForce GTX 1660にもリファレンスデザインと呼べる物が提供されていない為、各ベンダーが出力端子やカードデザインを独自に設計しており、コンパクトサイズな物から大型クーラーを備えた物まで多種多様なグラフィックスカードが登場して来る事が想定されます。
今回使用したZOTAC製「GeForce GTX 1660 6GB GDDR5」の出力端子はGeForce GTX 10シリーズと同じく、DisplayPortとHDMIのみとなっています。
※グラフィックスカードにより異なります。

ZOTAC製のGTX 1660 6GB GDDR5グラフィックスカードを見てみます。GeForce GTX 10シリーズなどでお馴染みのブロワーファン型の冷却機構となっています。

ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5全景ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5全景

GeForce GTX 10 シリーズと同じく、DisplayPort×1、HDMI×3 という出力端子構成となっています。

ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5の出力端子部分ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5の出力端子部分

その他のGeForce GTX 1660の特徴は、
・12nmプロセスの採用
・Tensorコアの代りにFP16(16bit浮動小数点数)演算器を搭載
などが有ります。

ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5の電源コネクタは、8Pin のみとなっています。NV LinkコネクタやSLIコネクタは有りません。

ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5の電源コネクタ部分ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5の電源コネクタ部分

ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5のカード端部分ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5のカード端部分

GeForce GTX 1660のスペックは下表のとおりとなります。

GeForce GTX
1660 Ti
GeForce GTX
1660
GeForce GTX
1060 6GB
GeForce GTX
1060 3GB
アーキテクチャ Turing Pascal
GPUコア TU116 GP106
製造プロセス 12nm 16nm
CUDAコア 1536基 1408基 1280基 1152基
定格クロック 1500MHz 1530MHz 1506MHz 1506MHz
ブーストクロック 1770MHz 1785MHz 1708MHz 1708MHz
メモリタイプ GDDR6 GDDR5
メモリ容量 6GB 6GB 6GB 3GB
メモリ転送レート 12Gbps 8.0Gbps
メモリバス幅 192bit 192bit 192bit 192bit
メモリバス帯域幅 288GB/s 192GB/s 192GB/s 192GB/s
G-SYNC
TDP 120W 120W
補助電源 8Pin 6pin
推奨電源 450W 400W

GeForce GTX 1660スペック比較表

それでは実際の性能はどれほどになるのか、ベンチマークを見ていきたいと思います。

GeForce GTX 1660をベンチマークテスト

比較対象として、GeForce GTX 16 シリーズから上位モデルのGeForce GTX 1660 Tiを、GeForce GTX 10 シリーズから置き換えとなるGeForce GTX 1060 6GB と GeForce GTX 1060 3GB を用意しました。
ミドルレンジ向けモデルのため、テスト解像度はフルHD(1920x1080)、WQHD(2560x1440)の解像度にて行っています。

3D Mark「Fire Strike」

まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。

GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(3D Mark 「Fire Strike」)GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(3D Mark 「Fire Strike」)

GeForce GTX 1660はGeForce GTX 1660 Tiに対しておよそ80%程度のスコアとなっています。一方、対GeForce GTX 1060 6GBでは5-10%程度のスコア向上となっています。

3D Mark「Time Spy」

次いで、Direct X12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyのみとなります。

GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(3D Mark 「Time Spy」)GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(3D Mark 「Time Spy」)

GeForce GTX 1660 がGeForce GTX 1060 6GBに対して30%以上もスコアを向上させています。TuringコアがPascalコアよりもDirectX 12への最適化が進んでいる証左と言えます。また、対GeForce GTX 1660 Tiでは、Fire Strikeと同じく およそ80%程度のスコアとなっています。

FINAL FANTASY XV

続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンとなります。

GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク)GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク)

GeForce GTX 1660 がGeForce GTX 1060 6GBに対して20%近くスコアを向上させています。また、対GeForce GTX 1660 Tiでは、3D Markと同じく 80%程度のスコアとなっています。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

最後に、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーンとなります。

GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークスコア)GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークスコア)

GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークfps)GeForce GTX 1660のベンチマーク値比較(ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークfps)

3D Mark Fire Strikeに似た傾向となっていて、対GeForce GTX 1060 6GBでは5-10%程度のスコア向上となっています。また、対GeForce GTX 1660 Tiでは、変わらず80%程度のスコアとなっています。

フレームレートで見てみると、WQHDでは60fpsにはやや届きませんでしたが、非常に快適の判定となる7000以上のスコアとなっているので、WQHDでのゲームプレイでも実用に十分に耐えうるだけ性能を期待できそうです。

新たなるミドルレンジグラフィックスカードの定番となるGeForce GTX 1660

GeForce GTX 1660は、どのベンチマークテストにおいても、見事にGeForce GTX 1660 Tiのおよそ80%程度のスコアとなっており、GeForce GTX 1660 TiとGeForce GTX 1060 6GBの間をピッタリと埋める存在となっています。
NVIDIAとしては、フルHD向けの位置付けとなる製品ですが、ベンチマークの結果を見る限りは、現状のPCゲームであればWQHDの解像度でも十分に対応できる性能を持っています。

また、価格的にもGeForce GTX 1660 Tiのおよそ80%と、まさにGeForce GTX 1060 シリーズを置き換える格好となっていて、順当なアップグレードとしても手の出しやすいTuring世代の本命と言えそうです。
GeForce GTX 1660は、長らくミドルレンジのグラフィックスカードの定番として君臨してきたGeForce GTX 1060 シリーズに引導を渡し、新たにミドルレンジの定番として君臨するグラフィックスカードとなるでしょう。

※掲載のベンチマーク値は弊社検証時のデータであり、環境により異なる値となります。

CPU Core i9-9900K (3.6-5.0GHz/8コア・16スレッド/キャッシュ16MB/TDP95W)
マザーボード ASUS Prime Z390-A (Z390チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GBx2)
ビデオカード ZOTAC GeForce GTX 1660 6GB GDDR5 (ビデオメモリ 6GB)
ZOTAC GeForce GTX 1660 Ti 6GB GDDR6 (ビデオメモリ 6GB)
GeForce GTX 1060 6GB Founders Edition (ビデオメモリ 6GB)
GeForce GTX 1060 3GB リファレンスカード (ビデオメモリ 3GB)
ストレージ WesternDigital WDS500G2X0C (WD Black NVMe 500GB)
電源 Seasonic SSR-850FX (80PLUS Gold、850W)
OS Windows 10 Home 64bit (バージョン:1809)
ビデオドライバ GeForce Game Ready Driver 419.35

GeForce GTX 1660 の検証に使用した構成

ライタープロフィール 職人5号

Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。

記事を
シェア