SIMフリースマホ「ZenFone 5」を使ってみた

「SIMフリー」とは?

2014-12-12

パソコン工房ECサイトへのご来訪ありがとうございます。
職人2号です。

最近は通信・通話デバイスとしてスマートフォン(以下スマホ)が主流になっており、国内の携帯キャリアより多数発売されておりますが、海外からも様々なスマホがやってきています。

一般的に、電話番号を特定するための固有のID番号が記録された「SIMカード」を端末に差すことで利用者はキャリアとの契約に応じた通話・通信を行えるようになります。つまり、通話・通信に必要な情報はSIMカードが持っているため、端末に記録されたデータはともかく、SIMカードを移し替えるだけで基本的な通話・通信などの機能は別の端末でも同様に使えてしまうのです。

そうなると新しい端末が出てきて、気に入った機能があればさっと交換したくなるところなのですが、日本においては各通信キャリアは発売する携帯・スマホに対して自キャリアでしか使えないよう制限をかけていることがほとんどです。このことを一般的に「SIMロック」と言いいますが、このSIMロックために端末を変えるときには機種変更という形で同じキャリアの端末に変えるか、モバイルナンバーポータビリティ(MNP)を用いて電話番号を変えずに別のキャリアに移るか、のいずれかとなってしまいます(もっとも、MNPについては2006年からスタートとまだまだ歴史の浅いサービスです)。同じキャリアで変更する場合には必ずしも気に入った機能が搭載されているとは限りませんし、MNPについてもタダではやってもらえません。日本ではキャリアの壁を乗り越えて端末を変えるのはなかなか敷居の高いものとなっています。

そこで海外に目を向けると、欧米のほとんどの国では日本のように端末にSIMロックをかけているのはほとんどありません。そのため、端末に差すSIMカードを選ぶ必要がなく、端末に搭載された機能などでこれが使いたい!といった端末があれば比較的ハードル低く交換出来ます。これを「SIMフリー」と呼んでいます。昨今海外から日本に入ってくるスマホはほとんどがSIMフリーとなっています。 海外のスマホは国内キャリアの製品が搭載するような通信・通話以外の付加機能(ワンセグ/フルセグ、防水/防塵、おサイフケータイなど)には対応することはほとんどありません(ごく一部の端末で防水/防塵に対応していますが)。しかしながら、その分処理速度が高速だったり、安価だったりと国内の端末にはない魅力があります。

そんな中、自作パーツやノートパソコンで有名なASUSがSIMフリースマホを発表しました。安価ながら高機能が売りの製品となっており、国内向けにローカライズされているところもあって、国内のスマホユーザーが食指を動かされそうなスペックとなっています。発売開始から非常に人気の高い商品だったため、中々手に触れることが出来なかったのですが、今回代理店さんのご好意で1台お借りすることが出来ましたので、実際に動かしてみたいと思います。

表1:ZenFone 5スペック一覧(ASUS Japanより)

プラットフォーム Android 4.4 (KitKat)
本体カラー ブラック/ホワイト/レッド/ゴールド
サイズ 72.8 ×148.2 ×10.34 mm (WxHxD)
質量 145 g
CPU Qualcomm Snapdragon 400 1.2GHz
メモリ 2 GB
ストレージ機能 eMMC 16GB/32GB
メモリースロット
MicroSDメモリーカード
ネットワーク 無線LAN 802.11b/g/n、Bluetooth V4.0
対応無線規格 W-CDMA : 800/850/900/1900/2100MHz
EDGE/GSM : 850/900/1800/1900MHz
LTE: 800/900/1800/2100/2600MHz
ナビゲーション GPS & GLONASS
表示機能 5型, 1,280×720ドット(HD), IPS, 静電容量方式マルチタッチスクリーン
Corning® Gorilla® Glass 3, 手袋モード対応
バッテリー機能 2110 mAh リチウムポリマーバッテリー
連続待受時間 1230 分(3G)
カメラ機能 本体:前面 200 万画素、背面 800 万画素
搭載センサー 加速度センサ/電子コンパス/近接センサ/光センサ/磁気センサ

開封の儀

早速代理店さんからお借りしたZenFone 5を開けてみます。
(一応2号は過去にSIMフリースマホを2台ほど使った経験があります。SIMカードのキャリアはdocomoです。)



Zen fone5外箱 Zen fone5正面


パッケージはこんな感じで非常にシンプルな作りです。スマホ本体は袋状になったビニールに包まれています。



Zen fone5外箱


付属品はイヤホン、AC、USBケーブル、マニュアル類がひと通り入っています。



Zen fone5外箱 Zen fone5正面


SIMカードを差すためにカバーを開けます。サイドに爪を引っ掛けるための凹みがあるのでここを手がかりにカバーを持ち上げるようにして開けていきます。カバーの爪が深いところがありますので力加減が難しいかもしれませんが、少しずつやっていけばカバーを破損させることは無いと思います。

SIMカードはMicroSIMサイズです(iPhone5とかのnanoSIMは差さりません)。SIMスロットにカードを差して、一旦奥まで押し込んでから離すとカードがちょっと戻り固定されます。SIMカードを抜く際にはもう一度奥まで押し込んでから離すと固定が解除されます。 しっかりとカバーを閉じてから電源を入れてみます。



Zen fone5外箱 Zen fone5正面


こんな感じの画面が出てきます。
画面の指示に従って設定を進めていきます。
Googleアカウントなどの設定を入れていき・・・無事にセットアップが完了するとホーム画面が出てきます。



Zen fone5外箱

APN設定

ここまでの作業で一応アンテナもきちんと立っており、通話は出来るようになっています・・・が、このままでは通話は出来ても通信は出来ません。通信を行うためにはAPN(Access Point Name)設定を行う必要があります。SIMフリー端末を使うにあたり、唯一と言えるハードルがこのAPN設定ではないかと思います。

APN設定は自宅で光回線などでインターネットを行う際にルーター等に行うプロバイダー設定と同じで、回線ネットワークへ接続するための情報を記載し、接続しに行けるようにしてあげることです。
APN設定は通信キャリアにより異なります。また、最近よく耳にする「格安SIM(MVNO)」のSIMカードを使う際にもそれぞれサービス提供業者が定めるAPN設定を行う必要があります。
ZenFone 5でAPN設定を行うには、メニュー(「・」が6個並んでいるところ)から
設定→その他→モバイルネットワーク→アクセスポイント名
と操作します。

実はZenFone 5には予め国内の主要キャリアのAPN設定がプリセットされています。ここに該当するSIMカードをお持ちであれば、その設定を選ぶだけでOKです。残念ながらお持ちのSIMカードが含まれていなかった場合は、APN設定情報をキャリアが公開していますのでその設定をZenFone 5に行います。



Zen fone5外箱


APN設定が完了すると、アンテナの隣に「4G」の文字が表示されます。

これで通信も可能となり、設定が完了したこととなります。
あとは好みに合わせてPlayストアからお気に入りのアプリをインストールするなど自分色に染めてしまいましょう!

<docomoユーザーの方へ>
docomoのSIMで本機を使用する場合、オプションの「moperaU」の契約が必要です。通信環境として、たいていの方がdocomoの方が進めるSPモードの契約をされていると思いますが、SPモードではAPN設定を行っても通信が確立出来ませんでした。
Mydocomoで契約内容を確認出来ますので未契約の方は契約が必要です。

ZenFone 5の性能を見る

ここまでZenFone 5が使えるようになるまで、を案内しましたが実際のパフォーマンスはどれくらいなのでしょうか。
パソコンと比べてその性能を推し量るのが難しいものなのですが、いくつかベンチマークしてみたいと思います。

フリーソフトとして公開されているスマートフォン向け「3D Mark」を実行させてみます。
3D MarkはAndroidやiOSなどスマホ側のOSを問わずクロスプラットフォームで3D性能などを評価できるとのことなので、2号手持ちのdocomo端末やiPhone6他用意出来たスマホで実行してみました。結果は下記のようになりました。
テスト内容:Ice Storm Unlimitedを実施

※同時実行タスク数や端末温度がスコアに影響することがあるため、電源を切った後2時間以上置いて端末を冷やしてから電源ON→3D Mark実行しています。



表2:3D Mark Unlimited (Ice Storm Unlimited)スコア
端末 SoC SoCクロック コア数 3D Mark Unlimited
ZenFone 5 Qualcomm Snapdragon 400「MSM8926」 1.2GHz QuadCore 4729
iPhone6 Plus Apple A8プロセッサ 1.4GHz DualCore 17937
Xperia Z3 Qualcomm Snapdragon 801「MSM8974AC」 2.5GHz QuadCore 17913
L-05E Qualcomm Snapdragon 600「APQ8064T」 1.7GHz QuadCore 10579


純粋に搭載SoCの性能を測りますと、iPhone6やXperiaなど現行のハイエンド機のスコアは高く、ZenFone 5はこれらと比べるとスコアは劣ります。iPhone6のA8プロセッサはともかく、他のSnapdragon製品については概ね動作クロックに応じてスコアが上がっています。今回用意出来たスマホの中でスペック面では一番下位となるため、スコアの面ではちょっと不利に働いてしまったと思います。

続いて回線スピードがどれくらい出ているか、ラピッドネット回線速度測定サイト(http://www.rapidnet.jp)で測定してみました。結果は以下の通りです。



Zen fone5外箱


ダウンロードで10Mbps弱のスピードが出ています。2号の私用スマホ(L-05E)で試したところ9.7Mbpsでしたのでdocomo LTEのスピードが出ている状況と言えます。
WEBブラウズをしてみても、タップしてからの反応もよく、非常にスムーズでした。

安価で使えるスマホ!

ZenFone 5を実際に動かしてみて、ポテンシャルを見てみましたが、ベンチマークからわかる性能は正直価格相応になると思います。
しかしながら、実際にZenFone 5を操作をしていて、処理が突っかかったり、もっさり感がするようなことは一切ありませんでした。これは動作クロックが低くともクアッドコアのSoCを搭載していること、ZenFone 5の画面解像度が1,280×720に抑えられているため、フルHD解像度を搭載したiPhone6やXperiaほどCPUの処理速度を要さない状況だからではないかと思われます。本機にテザリング設定をし、外部からアクセスをしながら本機でもWEBブラウズなどしてみましたが、問題なく操作出来ました。故に、1.2GHzと低く見えるSoCの動作クロップもZenFone 5にとっては快適な操作のために必要十分なスペックを有していると言えます。

そして、スマホとしての最低限の機能に抑えながら、クアッドコアSoCによりWEBブラウズなどもスムーズに行えるなど、通話端末だけでなく、情報収集端末として通勤・通学のお供に困ることはないでしょう。
国内キャリア製品が標準で搭載している付加機能がなくとも、性能や価格、キャリアフリーという利便性が優るシチュエーションは多く、安価で導入できることからもSIMフリースマホを試してみてはいかがでしょうか。

執筆:パソコン実験工房 職人2号