第7世代 Intel® Core™ プロセッサー・ファミリー(Kaby Lake)とは | パソコン実験工房資料室
Kaby Lakeとは
Kaby Lakeとは、2017年1月に発表された、インテル第7世代 Core iシリーズ プロセッサー ファミリーです。
前世代である第6世代は、Skylakeの名称で知られるCPUであり、Kaby Lakeはこの後継シリーズにあたります。
「第7世代」とあるように、Core iシリーズもこれまでに多くの製品が発売されているため、どの時期の、どのモデルかを分かりやすくする目的でインテルの開発コードネームが通称で使われています。
※Kaby Lake(ケイビーレイク)は、Skylake(スカイレイク)、Broadwell(ブロードウェル)、Haswell(ハズウェル)等と同様、インテルの開発コードネームです。
※ターゲットセグメント別に同じKaby Lakeでも、「Kaby Lake-S」、「Kaby Lake-H」、「Kaby Lake-U」と表記される場合もあります。
Kaby Lakeの主な特徴
CPU
- Kaby Lakeは、Skylakeアーキテクチャをベースに「最適化」が行われたアーキテクチャです。
- Kaby Lakeは、Skylake同様に「14nmプロセス」で製造されています。
- Kaby Lakeは、Skylakeの同グレードCPUに比べ、数百MHz程度クロックアップされ、その分の性能が向上しています。
- メモリコントローラーも改良され、従来のDDR3のサポート(※)に加えて、より高速に動作するDDR4-2133/DDR4-2400メモリに対応(※)しました。※実際の搭載可能メモリーはマザーボードメーカーの仕様によります。
GPU
- Intel HD Graphicsが改良され、Intel HD Graphics 600シリーズとなります。
- Intel HD Graphics 600シリーズはMFX(Multi Format codeX)、VQE(Video Quality Engine)が改良されており、動画のエンコードやデコード時の機能や性能が向上しています。
- Intel HD Graphics 600シリーズでは、性能の向上だけでなく、最新のDirectX 12やOpenGL 4.4に引き続き対応し、4K動画などで使用されるCodec HEVCやVP9の10bit/HDR出力に対応しました。 また、5,120×2,880@30pの高解像度をサポートするDisplay Portや、HDMI2.0(※)に対応し、4Kの動画編集など最新技術を駆使するクリエイターにとって最適なCPUとなっています。
※実際の搭載ディスプレイ出力端子はマザーボードメーカーの仕様によります。
チップセット・その他
- LGA1151を引き続き使用し、SkylakeとKaby Lake間にピン互換性があります。
- Kaby Lakeに対応したチップセットとして、「インテル200シリーズチップセット」 - 「Z270」、「H270」、「B250」、「Q270」がリリースされます。また従来より引き続き「H110」が最下位のグレードにおいて継続されKaby Lakeに対応いたします。
- 「インテル200シリーズチップセット」においても、Skylakeを使用することができます。また、同様に「インテル100シリーズチップセット」においてもKaby Lakeを使用することができます。
※実際の対応状況はマザーボードメーカーの仕様によります。 - 「インテル200シリーズチップセット」では、インテルOptaneテクノロジに対応しM.2 SSDをキャッシュとして利用できるほか、PCI-Expressレーンの数が増設されより容易にM.2ポートを活用することができるようになりました。
Kaby Lake | Skylake | |
---|---|---|
対応チップセット | インテル200シリーズ インテル100シリーズ |
インテル200シリーズ インテル100シリーズ |
対応ソケット | LGA1151 | LGA1151 |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
最大動作クロック | 4.5GHz | 4.2GHz |
DDR4メモリ | 2400 | 2133 |
インテルOptaneテクノロジー | ○ | × |
インテルHDグラフィック | 600シリーズ | 500シリーズ |
HDR対応 | ○ | × |
モデルナンバーについて
Kaby Lakeの製品型番(モデルナンバー)は次のようなルールで命名されています。
オーバークロック向け「Unlocked」シリーズについて
モデルナンバー末尾に「K」がつくモデルナンバーは、特にオーバークロックに向けた機能、CPUの動作倍率や電圧、メモリ動作倍率を自由に変更することができるシリーズです。 Kaby Lakeより初めてCore i3が「K」シリーズが追加され、標準動作クロックはCore i7と並び、CPUの動作クロックを特に重視するアプリケーションではコストを最大限に押さえつつ、高いシングルコアパフォーマンスを得られるようになります。
Core i7-7700K | Core i5-7600K | Core i3-7350K | ||
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コードネーム | Kaby Lake-S | |||
製造プロセス | 14nm | |||
コア/スレッド | 4/8 | 4/4 | 2/4 | |
動作クロック | 4.2GHz | 3.8GHz | 4.2GHz | |
TurboBoost | 4.5GHz | 4.2GHz | - | |
キャッシュ | 8MB | 6MB | 4MB | |
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||
レーン数 | 16 | |||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2400 / DDR3L-1600 | ||
最大容量 | 64GB / 32GB | |||
TDP | 91W | |||
GPU | Intel HD Graphics 630 | |||
64bitコード | Intel64 | |||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||
AVX | AVX2.0 | |||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||
VT-d | 〇 | |||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||
TXT | × | |||
AES | 〇 | |||
vPRO | × | |||
対応ソケット | LGA1151 | |||
対応チップセット | Intel 200/100 Series |
スタンダードシリーズについて
ワットパフォーマンスに優れるスタンダードシリーズです。 Kaby Lakeより、Pentiumシリーズにおいてハイパースレッディングに対応し、Core i3との差が縮まりコストパフォーマンスに非常に優れるシリーズとなりました。
Core i7- 7700 |
Core i5- 7600 |
Core i5- 7500 |
Core i5- 7400 |
Core i3- 7320 |
Core i3- 7300 |
Core i3- 7100 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コードネーム | Kaby Lake-S | |||||||
製造プロセス | 14nm | |||||||
コア/スレッド | 4/8 | 4/4 | 4/4 | 4/4 | 2/4 | 2/4 | 2/4 | |
動作クロック | 3.6GHz | 3.5GHz | 3.4GHz | 3.0GHz | 4.1GHz | 4.0GHz | 3.9GHz | |
TurboBoost | 4.2GHz | 4.1GHz | 3.8GHz | 3.5GHz | - | - | - | |
キャッシュ | 8MB | 6MB | 4MB | 3MB | ||||
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||||||
レーン数 | 16 | |||||||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2400 / DDR3L-1600 | ||||||
最大容量 | 64GB / 32GB | |||||||
TDP | 65W | 51W | ||||||
GPU | Intel HD Graphics 630 | |||||||
64bitコード | Intel64 | |||||||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||||||
AVX | AVX2.0 | |||||||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||||||
VT-d | 〇 | |||||||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||||||
TXT | 〇 | × | ||||||
AES | 〇 | |||||||
vPRO | 〇 | × | ||||||
対応ソケット | LGA1151 | |||||||
対応チップセット | Intel 200/100 Series |
Pentium G4620 | Pentium G4600 | Pentium G4560 | Celeron G3950 | Celeron G3930 | ||
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コードネーム | Kaby Lake-S | |||||
製造プロセス | 14nm | |||||
コア/スレッド | 2/4 | 2/4 | 2/4 | 2/2 | 2/2 | |
動作クロック | 3.7GHz | 3.6GHz | 3.5GHz | 3.0GHz | 2.9GHz | |
TurboBoost | - | - | - | - | - | |
キャッシュ | 3MB | 2MB | ||||
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||||
レーン数 | 16 | |||||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2400 / DDR3L-1600 | DDR4-2133 / DDR3L-1600 | |||
最大容量 | 64GB / 32GB | |||||
TDP | 51W | 54W | 51W | |||
GPU | Intel HD Graphics630 | Intel HD Graphics610 | ||||
64bitコード | Intel64 | |||||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||||
AVX | - | |||||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||||
VT-d | 〇 | |||||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||||
TXT | × | |||||
AES | 〇 | |||||
vPRO | × | |||||
対応ソケット | LGA1151 | |||||
対応チップセット | Intel 200/100 Series |
省電力シリーズについて
末尾に「T」がつくモデルナンバーは、動作クロックを低めに設定することでTDPを35Wに抑えた省電力シリーズです。 Skylakeからの動作クロック向上はスタンダードシリーズに比べ少ないとはいえ、TDPは据え置きとなりワットパフォーマンスが向上しています。
Core i7- 7700T |
Core i5- 7600T |
Core i5- 7500T |
Core i5- 7400T |
Core i3- 7300T |
Core i3- 7100T |
Pentium G4600T |
Pentium G4560T |
Celeron G3930T |
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コードネーム | Kaby Lake-S | |||||||||
製造プロセス | 14nm | |||||||||
コア/スレッド | 4/8 | 4/4 | 4/4 | 4/4 | 2/4 | 2/4 | 2/4 | 2/4 | 2/2 | |
動作クロック | 2.9GHz | 2.8GHz | 2.7GHz | 2.4GHz | 3.5GHz | 3.4GHz | 3.0GHz | 2.9GHz | 2.7GHz | |
TurboBoost | 3.8GHz | 3.7GHz | 3.3GHz | 3.0GHz | - | - | - | - | - | |
キャッシュ | 8MB | 6MB | 4M | 3MB | 2M | |||||
PCI-Express | Gen | 3.0 | ||||||||
レーン数 | 16 | |||||||||
メモリ | 対応メモリ | DDR4-2400 / DDR3L-1600 | DDR4-2133 / DDR3L-1600 | |||||||
最大容量 | 64GB / 32GB | |||||||||
TDP | 35W | |||||||||
GPU | Intel HD Graphics 630 | Intel HD Graphics610 | ||||||||
64bitコード | Intel64 | |||||||||
SIMD命令 | SSE | SSE4.1/4.2 | ||||||||
AVX | AVX2.0 | |||||||||
仮想化 | VT-x | 〇 | ||||||||
VT-d | 〇 | |||||||||
セキュリティ機能 | XD ビット | 〇 | ||||||||
TXT | 〇 | × | ||||||||
AES | 〇 | |||||||||
vPRO | 〇 | × | ||||||||
対応ソケット | LGA1151 | |||||||||
対応チップセット | Intel 200/100 Series |
インテル 200 シリーズ チップセットについて
Kaby Lake対応のチップセットとして、インテル200シリーズチップセットが同時にリリースされました。LGA1151ソケットに対応し、Kaby LakeだけでなくSkylakeもサポートします。 Kaby Lakeは、インテル100シリーズチップセットにも対応するので、コストパフォーマンスゾーン向けに「H110チップセット」が引き続き採用されます。
チップセットシリーズ | インテル 200 シリーズ チップセット | ||||
---|---|---|---|---|---|
チップセット | Z270 | H270 | B250 | Q270 | Q250 |
対応CPU | Kaby Lake-S / Skylake-S | ||||
PCI Express レーンの最大数 | 24 | 20 | 12 | 24 | 14 |
USB3.0ポートの最大数 | 10 | 8 | 6 | 10 | 8 |
USB2.0の最大数 | 14 | 14 | 12 | 14 | 14 |
SATA 6.0 Gb/s ポートの最大数 | 6 | ||||
RAID構成 | 0/1/5/10 | - | 0/1/5/10 | - | |
PCI-Express | 3.0 | ||||
サポートされるプロセッサー PCI Express ポートの構成 | 1x16, 2x8, 1x8+2x4 | 1x16 | 1x16 | 1x16, 2x8, 1x8+2x4 | 1x16 |
オーバークロック対応 | ○ | × | |||
インテル® スマート・レスポンス・テクノロジー | ○ | × | ○ | × | |
インテル®Optane™テクノロジー | ○ |