次世代高速ネットワーク。10GBASE-Tの基礎知識。いよいよ普及が本格化してきた次世代高速ネットワークである10GBASE-Tについて従来の規格との比較を交えながら説明させて頂きます。

次世代高速ネットワーク。10GBASE-Tの基礎知識。
次世代高速ネットワーク。10GBASE-Tの基礎知識。
ITトレンド最終更新日: 20180121

10GBASE-Tの基礎知識

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データ通信に広く普及しているLAN(Local Area Network)において、現在主流になっている規格の1000BASE-T(1GbE)の10倍の速度を持つ新しい規格が10GBASE-T(10GbE)です。 10GbEには様々な規格が存在していました。光ファイバーケーブルを用いたデータセンターや大規模な企業ネットワーク等の業務用途での利用が主だったため、導入に必要なコストは非常に高価でしたが、従来のLANケーブルと同じRJ45端子に対応した本命とも言える規格である10GBASE-Tの登場により各社から個人でも導入しやすい価格帯の製品が発売されるようになり今後の普及が見込まれています。

10GBASE-Tの基礎知識

10GBASE-Tの読み方。

10GBASE-Tの読み方ですが、「テンジーベースティー」「テンギガベースティー」「ジュウギガベースティー」と言う風に呼ぶことが多いです。ちなみにですが1000BASE-T(センベースティー)の10倍なので「マンベースティー」でいいのではないかと言いたいところですがこれはまったく定着しておりません。

10GBASE-Tの通信速度について。LAN規格別比較

一般的にデータ通信の速度に関してはbit(ビット)、ハードディスクなどデータ容量に関してはByte(バイト)が表記に用いられます。それぞれb(ビット)、B(バイト)と小文字と大文字で区別されるのが一般的です。

8bit=1Byteとなりますので、1bit=0.125Byteとなります。

データを送受信する量、(帯域幅)はbpsという単位で表記されます。bit per second の略で毎秒あたり、という意味になります。この数字が大きいほど、1秒当たりのやりとり出来る情報量が多いということになります

  10GBASE-T(10GbE) 1000BASE-T(1GbE) 10/100BASE-T
帯域幅 10Gbps 1GBps 100Mbps
転送速度 1.25GB/S 125MB/S 12.5MB/S

(10GBASE-1.JPG)LAN規格別比較

帯域幅を表す単位についてもう少し説明させて頂きますと、
  
1Kbps=1,000bps(1 Kilo bps=1bps×1000)
1Mbps=1,000,000bps (1 Mega bps=1Kbps×1000)
1Gbps=1,000,000,000bps (1 Giga bps=1Mbps×1000)

10GBASE-Tの場合は1Gbpsの10倍になりますので
10Gbps=10,000,000,000bps (10Gbps=1Gbps×10)となります。
各規格の転送速度(MB/s)を比較図です。

各規格の転送速度(MB/s)を比較図です。※値は規格上の理論値となります。実際は使用環境の影響によって変動します。

あくまで規格上の理論値となりますが、ざっくりと例を挙げると10GB(10GB=10,000MB)のファイルの転送にかかる時間は10GBASE-T では 8秒、1000BASE-Tでは80秒、10/100BASE-Tでは800秒と大きな差になります。

10GBASE-T 導入のメリット

現時点ではインターネット接続に関しては一般的な光回線であれば1Gbpsになります。(東京都と神奈川県の一部地域で建物の設備・施工上の条件付きで10Gbpsのサービス提供が始まったばかりです。)

このため「スイッチングハブ機能内蔵のWi-Fiルーターを用いて複数台のパソコンでインターネット接続とLAN内通信を行う」といった一般的に想定される環境では回線速度自体がボトルネックになるため、インターネット環境を快適にしたい、という理由で10GBASE-Tを導入するメリットはほぼ見出せません。

10GBASE-T導入の恩恵を最も感じる事が出来るのは「パソコンとNASやファイルサーバー間のデータ転送の高速化」という点になります。最近ではパソコンや周辺機器の高性能化に伴い、4K動画編集や3DCG作業、高解像度のデジタルカメラ画像の加工など様々なハイエンドコンテンツ作成において扱うデータ容量はどんどん大きくなっています。NASやファイルサーバーマシンとの大容量データのやり取りにおいて転送時間を向上させることにより作業効率を大きくアップさせることが可能です。
※NAS(Network Attached Storage)についてはこちらの実験工房資料室のFAQページもご参照ください。

実験工房資料室FAQ

10GBASE-T導入に必要な物

10GBASE-T環境構築に必要な物は、
・10GBASE-T対応のLANカード(クライアント側とサーバー側両方に必要です。)
・CAT6A以上のLANケーブル(Cat7推奨です。) 

これらは最低限必要です。複数台のパソコンをつなぐ場合は10GBASE-T対応のスイッチングハブが必要になります。NASを使用する場合はこちらも10GBASE-T対応のものが必要になります。

CPUやメモリなどは現行品のパソコンであれば十分に対応可能です。後述しますがHDDやSSD等のストレージ関連は高速な物を用意するとより効果を実感しやすくなります。

OSに関してはWindows7以降であれば特に問題はありません。(クライアント側とサーバー側の対応状況にもよりますが、Windows10 Enterpriseや今後リリース予定のWindows10 Pro for workstation にはよりパフォーマンスを向上させる機能が含まれています。)

10GBASE-T対応LANカードについて。

前述の通り10GBASE-Tの帯域幅は10Gbpsとなります。10GBASE-T対応LANカードを増設する場合、必然的にその帯域幅に対応したPCI-Express(PCI-E)スロットがマザーボード側に必要になります。
PCI-Expressは世代別(Gen)に帯域幅が異なります。1レーンあたりの各世代別の帯域幅の通りです。

  PCI-E Gen3 PCI-E Gen2 PCI-E Gen1
帯域幅 8GT/S 5GT/S 2.5GT/S
速度 8Gbps 4Gbps 2Gbps

PCI-E Gen2であれば3レーン、Gen3であれば2レーン以上のスロットが必要になります。
(Gen1は旧世代になり対応した現行商品自体がありませんのでここでは割愛させて頂きます。)

マザーボードによってはPCI-Eスロットに空きがなかったり、形状はPCI-E×4のスロットでも動作がPCI-E×1だったりと様々な商品が存在します。10GBASE-Tの速度をフルに生かすためにはお使いのパソコンの拡張スロットのスペックに注意が必要です。

後述するストレージ周りにも関連しますがマザーボードの世代として最新のZ370やX299、X399といったハイエンド向けチップセットであれば超高速なNVMe SSDを取り付け可能だったりと拡張性十分です。中には10GBASE-Tがオンボードの商品も存在しますので将来性を見越して選択するのもオススメです。

10GBASE-T対応のLANケーブルについて。

10GBASE-Tを利用する場合はCAT6AかCAT7のケーブルが必要になります。
LANケーブルはCAT(カテゴリー)の数字が大きい順に上位規格となり、伝送帯域(データをやり取りできる量)が増え高性能なものになります。

  CAT7 CAT6A CAT6 CAT5e CAT5
帯域幅 10Gbps 10Gbps 1Gbps 1Gbps 100Mbps
伝送帯域 600MHz 500MHz 250MHz 100MHz 100MHz
最大ケーブル長 100m 100m 100m 100m 100m

規格別に対応するLANケーブルの一覧表

規格別に対応するLANケーブルの一覧の断面図規格別に対応するLANケーブル一覧の断面図

LANケーブルは2本の銅線をより合わせたものを1対としそれを4対使用します。CAT7の場合、1組ずつが個別にシールド加工され、それを4対1組でさらにシールド加工することでノイズ対策が規格化されています。その分CAT6aのケーブルに比べると高価にはなりますが、より安定した通信を行いたい場合はこちらを選ぶことをお勧めします。

LANケーブルには下位互換性があるので上位規格のものを最初に導入し、回線環境を後から整えることも可能ですがCAT7のLANケーブルはシールド加工されている分、通常のLANケーブルよりも太くて硬くなっているため
狭い場所での敷設や配線が入り組んだ状態での張り替えには注意が必要です。

より効果を高めるに。高速なストレージでボトルネックをなくす。

ストレージ用のバス規格転送速度比較ストレージ用のバス規格転送速度比較

あくまで規格上の理論値になりますがS-ATA3.0でも10GBASE-Tの帯域には足りていない事が分ります。

例として一般的なHDDであれば実転送速度は100MB/s前後。RAID構成で200MB/s前後です。この場合、せっかく10GBASE-Tを導入してもデータの読み込みがボトルネックになってしまいます。(それでも1GBASE-Tの規格値よりは向上はしますのでメリットがないわけではありません。)

10GBASE-Tの大きな帯域幅を体感するにはSSDをはじめとする高速なストレージとの組み合わせが望ましいです。

以上、10GBASE-Tについて簡単ではありますがまとめさせて頂きました。大容量データを扱うクリエイターの方や、複数台のクライアントPCが接続するオフィスなどでは特に大きな効果を実感できると思います。

必要な機器も安価になり種類も増えてきている事から導入のハードルは下がってきています。弊社ではBTOパソコンに10GBASE-T対応LANカードをオプション選択可能なモデルもご用意しております。周辺機器に関してもラインナップの拡充を随時行って参りますので10GABSE-T導入に関して是非ともご検討頂けたらと思います。

パソコン工房 NEXMAG[ネクスマグ]編集部アイコン画像
ライタープロフィール 職人8号

長年に渡る店舗スタッフ、店頭サポート、BTOパソコン組立、PCリサイクル業務等の様々な現場経験を経てECサイトに配属されたオールドルーキー。趣味はプロレス。

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