【3/5更新】GeForce RTX 3060ベンチマーク記事を追加いたしました。
GeForce RTX 3060は、GeForce RTX 30シリーズのミドルレンジモデルとして2021年2月26日の2時から販売開始されました。
今回はこのGeForce RTX 3060 について、ベンチマークテストを通してその性能を確認して行きます。
GeForce RTX 3060とは
GeForce RTX 3060は、NVIDIAの最新デスクトップ用グラフィックスカードモデルGeForce RTX 30シリーズのメインストリームを担うべく、ミドルレンジ向けモデルとして2021年2月26日に販売開始されました。
GeForce RTX 30シリーズは第2世代RTXアーキテクチャを採用し、第1世代RTXアーキテクチャを採用したGeForce RTX 20シリーズと比べてCUDAコア数が増加し、最大で2倍のリアルタイム レイ トレーシング性能を持つ第2世代RTコア、最大で2倍のディープラーニング性能を持つ第3世代Tensorコアを統合するなど、大幅なアーキテクチャ強化により、最新の人気ゲームを高パフォーマンスで、かつ高解像度映像で楽しめるグラフィックスカードです。
GeForce RTX 3060の主な特徴
・第2世代RTXアーキテクチャとなるAmpereアーキテクチャを採用しました。また、GeForce RTX 20シリーズは第1世代RTXアーキテクチャと呼ばれるようになりました
・GeForce RTX 3060は、最大で13TFlopsの演算能力を持つCUDAコア、最大で24.9TFLOPSの演算能力を持つ第2世代RTコア、最大で102TFLOPSの演算能力を持つ第3世代Tensorコアを搭載しました
・ミドルレンジ向けモデルとしては最大容量となる12GBのGDDR6メモリを搭載しました
・新たにPCI Express Gen 4に対応しました
・H.265を上回る圧縮効率を誇るAV1(AOMedia Video 1)コーデックにハードウェアで対応し、8K映像のエンコード、デコード処理が可能になりました
・8K HDR映像が出力可能なHDMI2.1やDisplayPort1.4aと、DSC 1.2aに対応しました
・NVIDIA REFLEX、DLSS 2.0、RTX IO等の新たなテクノロジーに対応しました
また、GeForce RTX 3060より標準でResizable BARに対応し、対応するマザーボードとグラフィックスドライバの組み合わせでパフォーマンスの向上を期待することができます。Resizable BARはAMD RadeonとRyzenの組み合わせによるSmart Access Memoryと同等の機能となり、CPUからグラフィックスカードのメモリへ直接アクセスできるようになる機能です。
余談ですが、NVIDIAよりすでに販売されているGeForce RTX 30シリーズに対しても今後Resizable BARに対応したVBIOSを提供するとしており、各メーカーからのアップデーターのリリースが待たれます。
GeForce RTX 3060スペック情報
GeForce RTX 3060は、ミドルレンジ向けに開発されたGPUコアを採用し、GeForce RTX 30シリーズのミドルレンジ向けの中核をなすモデルとなっています。消費電力や推奨電源は前シリーズのGeForce RTX 2060 SUPERとほぼ同じであり、手にしやすいGeForce RTX 30シリーズとなっています。
GeForce RTX 3060 Ti |
GeForce RTX 3060 |
GeForce RTX 2070 SUPER |
GeForce RTX 2060 SUPER |
GeForce RTX 2060 |
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アーキテクチャ | Ampere | Turing | |||
GPUコア | GA104 | GA106 | TU104 | TU106 | |
製造プロセス | 8nm | 12nm | |||
CUDAコア | 4864基 | 3584基 | 2560基 | 2176基 | 1920基 |
RTコア | 第2世代 38基 |
第2世代 28基 |
第1世代 40基 |
第1世代 34基 |
第1世代 30基 |
Tensorコア | 第3世代 152基 |
第3世代 112基 |
第2世代 320基 |
第2世代 272基 |
第2世代 240基 |
定格クロック | 1.41GHz | 1.32GHz | 1.61GHz | 1.47GHz | 1.37GHz |
ブーストクロック | 1.67GHz | 1.78GHz | 1.77GHz | 1.65GHz | 1.68GHz |
メモリタイプ | GDDR6 | ||||
メモリ容量 | 8GB | 12GB | 8GB | 6GB | |
メモリ転送レート | 14Gbps | 15Gbps | 14Gbps | ||
メモリバス幅 | 256bit | 192bit | 256bit | 192bit | |
メモリバス帯域幅 | 448GB/s | 360GB/s | 448GB/s | 336GB/s | |
G-SYNC | ○ | ||||
TDP | 200W | 170W | 215W | 175W | 160W |
補助電源 | 8pin | 8pin | 8Pin + 6Pin | 8pin | 8pin |
推奨電源 | 600W | 550W | 650W | 550W | 500W |
GeForce RTX 3060とGeForce RTX 2060 SUPER を比べると、CUDAコア数は1.6倍に増加する一方、メモリ帯域幅は80%に抑えられており、CUDAコア数とメモリ帯域幅のバランスがどのように性能に影響しているのか、ベンチマークを通して確認していきたいと思います。
比較対象としては、GeForce RTX 30 シリーズからは上位モデルであるGeForce RTX 3060 Tiを、GeForce RTX 20 シリーズからはGeForce RTX 2060 SUPER、GeForce RTX 2060とGeForce RTX 2070 SUPERを用意しました。テスト解像度はWQHD(2560 x 1440)、4K(3840 x 2160) の解像度にて行っています。また、3D Markでは、CPU性能の依存度が少ないGraphics Scoreでの比較となります。
なお、GeForce RTX 3060はブーストクロックが標準よりも30MHzほどクロックアップされたOCモデルを使用していますので、標準クロック動作のモデルよりもベンチマークスコアは高くなっている可能性が有ります。
なお、過去のデータと比較のためResizable BARについては無効としてベンチマークテストを行っております。
※ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています
GeForce RTX 3060ベンチマーク情報
3D Mark 「Fire Strike」
まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、WQHD のFire Strike Extremeと4KのFire Strike Ultraとなります。
GeForce RTX 3060のスコアはGeForce RTX 3060 Tiの70%強と、おおよそCUDAコア数やメモリ帯域幅の違いに比例したスコアとなっています。
GeForce RTX 20シリーズと比較すると、GeForce RTX 2060からは10%以上スコアが向上し、GeForce RTX 2060 SUPERとほぼ同等の結果となりました。
3D Mark 「Time Spy」
次いで、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。
Time Spyでも、GeForce RTX 3060のスコアはGeForce RTX 3060 Tiの70%強とCUDAコア数に比例したスコアとなっています。GeForce RTX 20シリーズとの比較では、GeForce RTX 2060からは15%以上スコアが向上し、GeForce RTX 2060 SUPER とはほぼ同等のスコアとなっています。
3D Mark 「Port Royal」
続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を見るベンチマークテストの3D Mark「Port Royal」を用いて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。なお、解像度は標準設定のWQHDとなります。また、DLSSについては無効となっており、RTコアの性能の比較として見ていきます。
Port RoyalではTime Spyと同じ傾向となりました。GeForce RTX 3060のスコアはGeForce RTX 3060 Tiの70%強とCUDAコア数に比例したスコアとなり、GeForce RTX 20シリーズとの比較では、GeForce RTX 2060からは20%以上スコアが向上し、GeForce RTX 2060 SUPER とはほぼ同等のスコアとなっています。
ではリアルタイムレイトレーシングにDLSSを有効にするとどうなるのかを続けてみていきます。
3D Mark 「NVIDIA DLSS feature test」
3D Markを用いたベンチマークテストの最後に、「NVIDIA DLSS feature test」を確認してみましょう。「NVIDIA DLSS feature test」は、レイトレーシング性能を見る「Port Royal」を活用したベンチマークテストで、GeForce RTX 30シリーズやGeForce RTX 20シリーズが搭載するTensorコアを用いたDLSS(Deep Learning Super Sampling)の性能を見ることが出来、結果はフレームレートで表示されます。今回はテスト解像度にWQHDと4Kを、DLSSモードはPerformanceとQualityを選択しています。なお、DLSSが有効ではない場合の結果はOFF として計測されます。
DLSSの効果においても、GeForce RTX 3060とGeForce RTX 2060 SUPERは同等と見なして良さそうです。GeForce RTX 3060 でも、PerformanceモードであればWQHD解像度で60fps近いフレームレートを記録しており、DLSSを使用すればWQHD解像度でレイトレーシングゲーミングを楽しむことが出来そうです。なお、6GBではメモリ不足なのか、GeForce RTX 2060の4K解像度・Off設定ではスコアがほとんど出ませんでした。
3D Mark 「DirectX Raytracing feature test」
3DMarkを用いたベンチマークの最後に、「DirectX Raytracing feature test」を見てみましょう。本テストはすべての画面をレイトレーシングでレンダリングすることで、より負荷の高いグラフィックスカードのレイトレーシング性能を計測できます。結果はフレームレートで表示されます。なお、Sample count 数は、標準設定の12のほか、6と20を加えてテストを行いました。
画面内の影や反射のみレイトレーシング処理を行っている「Port Royal」よりも負荷が高いテストということから、第2世代RTコアを搭載するGeForce RTX 30シリーズの強さが確認できました。GeForce RTX 3060がGeForce RTX 2060からは50%近くスコアが向上し、GeForce RTX 2060 SUPERを10%程度引き離し、GeForce RTX 2070 SUPERにも比肩する結果となっています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はWQHDと4Kになります。なお過去のデータと比較のためSDRかつ、DLSSは無効としています。
DirectX 12のタイトルだけあって3D MarkのTime Spyと同じ傾向となり、GeForce RTX 3060とGeForce RTX 2060 SUPERが同等のスコアとなっています。GeForce RTX 3060でも、WQHD解像度では「快適」な動作の指標(6000~8999)をクリアしていることから、快適なゲーミングプレイが出来そうです。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーン、テスト解像度はWQHDと4Kとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ においても、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークと同じく、GeForce RTX 3060とGeForce RTX 2060 SUPERが同等のスコアとなっています。どちらの解像度においても「非常に快適」な動作の指標となる7000以上のスコアとなり、フレームレートにおいてもWQHD解像度ではほぼ100fpsを記録するなど、WQHD解像度でも快適なプレイが出来そうです。
GeForce RTX 3060はコアな用途にも対応できるミドルレンジクラスのグラフィクスカード
GeForce RTX 3060は、GeForce RTX 20シリーズの同じミドルレンジモデルであるGeForce RTX 2060を着実に上回り、GeForce RTX 2060 SUPERとほぼ同等の性能を発揮、ミドルレンジクラスのグラフィクスカードのベースラインを引き上げました。今回試すことはできませんでしたが、Resizeable BARを使用することでさらにパフォーマンス向上を見込むことができるため、最終的にはGeForce RTX 2060 SUPERを超えるパフォーマンスが期待できます。
また、同様に今回のベンチマーク結果では測ることができておりませんが、グラフィックスメモリ容量が大きい事のメリットも忘れてはいけないところです。3D Mark 「DirectX Raytracing feature test」の4K・off設定でGeForce RTX 2060のスコアが出なくなったように、グラフィックスメモリの枯渇はタイトルによっては快適なゲームプレイを妨げてしまいます。MODなどを大量に導入するようなゲームタイトルだけでなく、VRコミュニケーションソフトや、フライトシミュレーターなどのように大量にテクスチャデータを読み込むような場合に12GBもの大容量グラフィックスメモリは、相応の効果が期待できるかも知れません。
さらに3D Mark 「DirectX Raytracing feature test」では、GeForce RTX 2070 SUPERにも劣らない結果を示しているのは、さすが第2世代RTコアを搭載するGeForce RTX 30シリーズだけの事はあります。高いリアルタイムレイトレーシング性能と、大容量グラフィックスメモリの組み合わせは、3D CG制作の現場でも非常に有効に活用できる要素となるでしょう。
GeForce RTX 3060は5万円台、とはいえグラフィクスカードの需要が高く価格が上昇傾向の中でGeForce RTX 3060 Tiと同等の価格をつける製品もある状況です。パフォーマンスを求めるならGeForce RTX 3060 Ti、大容量のグラフィックスメモリを必要とするならばGeForce RTX 3060といった形で用途に合致した製品を選択するとよいでしょう。
CPU | Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W) |
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マザーボード | ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット) |
メインメモリ | DDR4-3200 16GB (8GB x2) |
ビデオカード | ZOTAC製 GeForce RTX 3060 Ti (8GB GDDR6) |
ZOTAC製 GeForce RTX 3060 (12GB GDDR6) ※OCモデル(ブースト:1807MHz) | |
GALAX製 GeForce RTX 2070 SUPER (8GB GDDR6) | |
GALAX製 GeForce RTX 2060 SUPER (8GB GDDR6) | |
GALAX製 GeForce RTX 2060 (6GB GDDR6) | |
ストレージ | WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB) |
電源 | Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W) |
OS | Windows 10 Home 64bit (バージョン:20H2) |
ビデオドライバ | GeForce Game Ready Driver 461.72 |
GeForce RTX 3060 BTOパソコン&単品パーツ 発売開始
GeForce RTX 3060 搭載BTOパソコンや単品パーツの発売を開始いたしました。
※ベンチマークの値はお使いのハードウェア、ソフトウェアの環境により変動し、同様の構成下でも当ページ掲載の数値と大きく異なる場合があります。予めご了承ください。
Windows2000登場前からほぼ一貫してPC製造部門に従事。PC組立はもちろん、OSイメージの作成や製造時のトラブルシュートを行う。 その経験を生かしてOSの基本情報や資料室を担当する事が多い。