世界中で大流行の新型コロナウィルスですが、治療に役立つ情報を得るため分散コンピューティングでウィルスを解析するプロジェクトが始まりました。 参加を検討中の方の参考に、実際のインストール方法やPCリソースがどのようになるかなどご紹介いたします。

ITトレンド最終更新日: 20200319

新型コロナウィルス(SARS-COV-2)解析プロジェクトに参加するには

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昨今世界中で大流行の新型コロナウィルスですが、治療に役立つ情報を得るため分散コンピューティングでウィルスを解析するプロジェクトが始まりました。参加を検討中の方の参考に、実際のインストール方法やPCリソースがどのようになるかなどご紹介いたします。

新型コロナウィルス解析プロジェクトとは

分散コンピューティングソフトウェア「Folding@home」にて開始されたウィルス解析プロジェクトです。CPU及びGPUの余剰リソースを使用して自動で割り当てられたデータを解析し、解析したデータを研究室に送る仕組みになっており、ソフトウェアをパソコンにインストールするだけでどなたでも簡単に参加でき、ウィルスの解析に貢献することが出来ます。

現在NVIDIA GeForceやIntel Gamingも公式ツイッターにて参加を呼びかけており、様々な企業が自社のサーバーのリソース提供を表明しています。

Folding@homeとは

Folding@home(フォールディングアットホーム)とは2000年よりスタンフォード大学を中心に開始された分散コンピューティングプロジェクトと、それに用いられるソフトウェアの名称です。タンパク質の折りたたみ構造の解析を行っており、新型コロナウィルスの他に、ガンやアルツハイマーなどの病気の解析も行っています。
かつてはPlayStation3でも参加可能だった(現在は終了している)ソフトウェアを配布しており、2007年には世界一強力な分散コンピューティングネットワークとしてギネスブックにも登録された、実績あるソフトウェアです。
Windows、macOS、Linux各種で動作します。

Folding@homeに参加するには

手順はFolding@homeをインストールするだけです。幾つか手順を踏んで名前付きで参加することも出来ますが、匿名で参加する場合は特に何も設定しなくても問題ありません。名前付きで参加すると参加実績を後から確認することができます。

Folding@Homeの導入方法

まずはFolding@home公式サイトからソフトウェアをダウンロードします。各OSごとにダウンロードリンクがありますので、使用するOSに合ったリンクをクリックして下さい。
Folding@home公式サイト
ダウンロードページ https://foldingathome.org/alternative-downloads/

Folding@home公式サイトのダウンロードページFolding@home公式サイトのダウンロードページ

今回はWindows 10のパソコンを使用しているので、【fah-installer_7.5.1_x86.exe】をクリックしてダウンロードします。

ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルを実行してインストールを行います。

Folding@homeのインストールFolding@homeのインストール

Nextをクリックして次へ。

Folding@home 利用規約確認画面Folding@home 利用規約確認画面

利用規約ですので、同意する場合はI Agreeをクリックして次へ。

Folding@home インストール方法選択画面Folding@home インストール方法選択画面

インストール方法を選択する画面です。
Custom installを選択するとインストール先やデータの保存先、自動起動の設定等が出来ますが、設定しなくても問題ありませんので、今回はExpress installを選択してNextをクリックします。

Folding@home インストール完了画面Folding@home インストール完了画面

これでインストールが終わりましたので、Finishをクリックしてウィンドウを閉じます。
Start Folding@homeにチェックが入っていれば自動でソフトウェアが起動してブラウザが開きます。

Folding@home 起動時のセキュリティ警告画面Folding@home 起動時のセキュリティ警告画面

お使いのセキュリティソフトによって変わりますが、このような警告が出る場合があります。問題なければアクセスを許可して下さい。

Folding@home WEBコントロール画面Folding@home WEBコントロール画面

ブラウザが開くと、このようなページに移動します。この状態で既にバックグラウンドでソフトウェアが動作している状態です。
このページでは匿名で参加するか、ユーザーを設定するかを選択します。後からでも変更可能ですので、ひとまず「Fold as Anonymous」を選択して「Start Folding」をクリックして下さい。

Folding@home WEBコントロール画面で解析に参加する病気を選択Folding@home WEBコントロール画面で解析に参加する病気を選択

プルダウンメニューから解析に参加する病気を選ぶことが出来ます。
コロナウィルスの解析に参加する場合は「Any disease」を選択して下さい。
※2020/3/18時点で実行した際には「Any disease」を選択することで優先的にコロナウイルスの解析になるようです。
後は待っているだけで自動で解析が必要なファイルをダウンロードし、解析して送り返します。

解析を実行中のFolding@home WEBコントロール画面解析を実行中のFolding@home WEBコントロール画面

画像のように緑の丸の中の矢印が回り始めたら解析を実行している状態です。
右下の部分に解析中のプロジェクト番号と詳細が書かれています。新型コロナウィルスを解析しているのが分かるかと思います。

これで新型コロナウィルス解析プロジェクトへの参加が完了しました。プログラムはタスクバーに常駐しますのでブラウザは閉じてしまって構いません。後はいつもどおりパソコンを使用しているだけで医療に貢献することが出来ます。
パソコンが重くなって困る場合はWhenのチェックを「Only when idle」にしておくと、パソコンが待機状態の時に解析作業を行うようになります。

また、Powerのスライダーを変えることでも処理を軽くすることが出来ます。
実際解析している間、どれくらいのリソースを提供することになるのか試してみました。

消費するリソース量を実測

実測するにあたりパソコンにWindowsを新規インストールしましたので、常駐ソフト等は一切動いていない状態です。

アイドル時のタスクマネージャー画面アイドル時のタスクマネージャー画面

タスクマネージャーで確認してもほぼ何もリソースを消費していません。

Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Light」に設定時のタスクマネージャー画面(CPU)Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Light」に設定時のタスクマネージャー画面(CPU)

PowerのスライダーをLightにしている時のタスクマネージャーです。ほぼ半数のコアを最大まで利用しているようです。Lightに設定した場合、確認した限りですがGPUでの解析プロジェクトは取得しませんでした。

Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(CPU)Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(CPU)

PowerのスライダーをMediumにしている時のタスクマネージャーです。確認した限りCPUとGPUを同時に解析に使用することは無いようでした。CPUはLight時と異なり、80%以上のリソースを割いているようです。

Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(GPU)Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(GPU)

GPUはMediumから解析に利用されはじめました。タスクマネージャーで見る使用率は概ね40~50%程度の表示ですがCopyの値を示しているようで、実際のGPUの負荷となるCUDAは100%の使用になっています。プロジェクトを取得する頻度はそれほど高くなかったのですが、解析に時間がかかるのでGPU自体はそれなりに熱くなっていました。

Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(GPU)Folding@home WEBコントロール画面でPowerを「Medium」に設定時のタスクマネージャー画面(GPU)

PowerのスライダーをFullにしている時のタスクマネージャーです。CPU、GPU共に使用率はMedium時と変わっていませんが、プロジェクトを取得する頻度が短くなるようなのでCPUとGPUの解析が同時に走っている時間が増えます。

参加にはパソコンの発熱対策を忘れずに

このようにCPUやGPUを稼働させるため、ゲームをプレイしているときのように消費電力も発熱量も上がります。長時間にわたり負荷をかけますので、十分な排気ができるよう、たとえば、ノートパソコンであればノートパソコン冷却台に載せておくことや、デスクトップパソコンの場合なら内蔵ファンの回転数を上げておくなど、発熱対策は忘れずに行っておきましょう。
また、消費電力が増えればその分の電気代も掛かります。
そこも貢献の一環という気持ちで、参加してください。

以上、Folding@homeの導入方法とリソースの確認でした。

CPU Core i9-10980XE (3.0-4.8GHz/18コア・36スレッド/キャッシュ24.75MB/TDP165W)
マザーボード ASUS PRIME X299-AII-SI (X299チップセット)
メインメモリ DDR4-2666 16GB (8GB x2)
ビデオカード ZOTAC製 GeForce RTX 2060 Super (8GB GDDR6)
ストレージ Kingstone RBU-SC152DS37/240GH (Kingston SSDNow UV400 SATA 240GB)
電源 Seasonic SSR-1000PD (80PLUS PLATINUM、1000W)
OS  Windows 10 Pro 64bit (バージョン:1909)

Folding@home 検証構成

ライタープロフィール 職人11号

ロボットアニメ大好きな店頭サポート出身のビジネス、Linux系担当ECスタッフ。空きスロットは意味なく埋めたいタイプ。お客様に寄り添ったパソコン作りをモットーに今日も頑張ります!

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