【11/18更新】Radeon RX 6800XT、Radeon RX 6800のベンチマーク記事を追加いたしました。
パソコン工房では、Radeon RX 6800 XT・Radeon RX 6800 の発売を11月20日(金)19時から開始しました。その他スペックやベンチマーク情報も掲載していますのでぜひご覧ください。
Radeon RX 6900 XTにつきましても、情報を取りまとめております。ぜひ下記記事もご覧ください。
Radeon RX 6900 XT 発売情報・ベンチマークレビューはこちら
Radeon RX 6800 XT 11月20日(金)19時 発売開始
11/20(金)20時更新、本記事でのRadeon RX 6800 XT・Radeon RX 6800の発売は終了いたしました。
今後は下記ページにて販売をいたします。
AMD Radeon RX 6800 XT・Radeon RX 6800 を確認する
Radeon RX 6000シリーズについて
AMD Radeon RX 6000 シリーズ・グラフィックス・カード は、AMD RDNA 2アーキテクチャーを搭載するAMD社の最新グラフィックスカードとして、2020年10月に発表されました。
製造プロセスはRDNAアーキテクチャー採用のRadeon RX 5000シリーズと同じ7nmですが、命令パイプラインの改良や動作クロックの向上、そして新たなキャッシュメモリ「AMD Infinity Cache」の搭載により、RDNA製品と比較して最大50%の大幅なパフォーマンス向上を実現しています。
また、Radeon RX 5000シリーズでは非対応だったレイトレーシングに対応し、リアルな光と影、反射処理による臨場感あふれるゲームプレイを楽しめるようになりました。
レイトレーシングに対応したRDNA2アーキテクチャーを採用
Radeon RX 6000シリーズは、日本時間2020年10月29日にAMDより発表された、デスクトップ用グラフィックスカード最新製品です。ラインナップはRadeon RX 6800 XT、Radeon RX 6800、そして上位モデルとなるRadeon RX 6900 XTが用意され、Radeon RX 6800XT・Radeon RX 6800の2製品は、2020年11月に発売となりました。
Radeon RX 6000シリーズは、第2世代のRDNAアーキテクチャーである「RDNA 2」を採用し、DirectX 12 UltimateでサポートされたDirectX Raytracing (DXR)、可変レート・シェーディング (VRS)、に対応しました。また、コンピュートユニットの構造を見直し、電力効率が30%改善しています。さらに「AMD Infinity Cache」と呼ばれるキャッシュを搭載し、メモリバス幅が256bitでありながら384bitのGDDR6より最大2.17倍の帯域を実現。実際のバス幅は256bitのためメモリコントローラーの消費電力も抑える結果となっており、コンピュートユニットの分と含め、RDNAから最大54%のワットパフォーマンス向上を実現しています。
Radeon RX 6000シリーズの主な特徴は以下の通りです。
・RDNA 2 アーキテクチャー採用、レイトレーシングに対応したことで、よりリアルな光源処理が可能になり、臨場感あふれるゲーム映像を楽しめるようになりました
・Radeon RX 6800 XTだけでなく、下位モデルのRadeon RX 6800にも16GBのビデオメモリを搭載しています
・ビデオメモリ帯域幅はRadeon RX 5700シリーズと同じ256bitですが、Infinity Cacheにより、384bitのGDDR6と比較して2.17倍の実行帯域幅を実現しています
・コンピュートユニットの改善と動作クロック向上により、FP32の演算能力(FLOPS)はRadeon RX 5700シリーズの2倍以上となりました
・Ryzen 5000シリーズ・プロセッサーとX570・B550チップセットの組み合わせで有効になるAMD Smart Access Memory(スマートアクセスメモリ)機能を搭載し、さらなる性能アップが可能です
・H.265を上回る圧縮効率を誇るAV1(AOMedia Video 1)コーデックに対応し、8K映像のデコード処理が可能になりました
・ディスプレイ出力&Power Deliveryをサポートした、USB Typ-Cコネクタを搭載しています ※
※メーカー独自デザインの製品には搭載されない場合があります。
Radeon RX 6000シリーズスペック情報
Radeon RX 6800 XT |
Radeon RX 6800 |
Radeon RX 5700 XT |
Radeon RX 5700 |
Radeon Ⅶ | |
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アーキテクチャ | RDNA2 | RDNA | GCN | ||
GPUコア | NAVI21 | NAVI | VEGA | ||
製造プロセス | 7nm | ||||
コンピュートユニット | 72 | 60 | 40 | 36 | 60 |
Stream Processor | 4608基 | 3840基 | 2560基 | 2304基 | 3840基 |
Ray Accelerators | 72基 | 60基 | – | ||
定格クロック | – | 1605MHz | 1465MHz | 1400MHz | |
ゲームクロック ※ | 2015MHz | 1815MHz | 1755MHz | 1625MMHz | – |
ブーストクロック ※ | 2250MHz | 2105MHz | 1905MHz | 1725MMHz | 1800MHz | FLOPS(FP32) | 20.74TFLOPS | 16.17TFLOPS | 9.75TFLOPS | 7.94TFLOPS | 13.82TFLOPS |
メモリタイプ | GDDR6 | HMB2 | |||
メモリ容量 | 16GB | 8GB | 16GB | ||
メモリバス幅 | 256bit | 4096bit | |||
メモリ帯域幅 | 512GB/s | 448GB/s | 1024GB/s | ||
Infinity Cache | 128MB | – | |||
TBP | 300W | 250W | 225W | 180W | 300W |
補助電源 | 8pin x 2 | 8pin + 6pin | 8pin x 2 |
※Balance設定時の動作クロックとなります。
Radeon RX 6800シリーズはコンピュートユニットの改善により、FP32 FLOPS(単精度FLOPS)がRadeon RX 5700シリーズの倍以上となっています。一方で、メモリ帯域幅はバス幅が同じ256bitのためメモリバス帯域幅が微増に留まっています。「Infinity Cache」の効果がどのように発揮されるのかが気になるところです。
それでは、Radeon RX 6800シリーズのベンチマークテストを開始いたしましょう。
比較対象は、AMDが発表した比較対象であるGeForce RTX 3080とGeForce RTX 2080 Tiを用意いたしました。また、GeForce RTX 2080 Tiに匹敵する最新モデルのGeForce RTX 3070と、Radeon RXの前モデルであるRadeon RX 5700 XTもチェックしています。
3D Markは、Graphics Scoreでの比較となるほか、「NVIDIA DLSS feature test」がRadeon RX 6800シリーズでは実行できないため、11月2日に追加された新テスト「DirectX Raytracing feature test」を計測しました。
ベンチマークテストで用いた構成は末尾に記載しています。
※ベンチマークスコアは、発売前に取得したテスト環境での自社測定による参考値です。カスタマイズ内容、使用するデバイスや環境、その他の要因によって測定結果は変動します。
Radeon RX 6800 XT・Radeon RX 6800ベンチマークテスト
3D Mark 「Fire Strike」
まずは、DirectX 11 の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Fire Strike」 のGraphics Score を見てみましょう。テスト解像度は、フルHD・WQHD・4Kとなります。
Radeon RX 6800 XTがGeForce RTX 3080、Radeon RX 6800はGeForce RTX 3070・GeForce RTX 2080 Tiに対して優位を示しています。特にフルHDやWQHDにおいては、下位モデルのRadeon RX 6800がGeForce RTX 3080を上回っているのは驚きですが、これはInfinity Cacheが効果的に働いているようです。また、Radeon RX 5700 XTに対しては、おおむね1.8~2倍のスコアとなっています。
3D Mark 「Time Spy」
次に、DirectX 12の代表的ベンチマークとして、3D Mark 「Time Spy」 のGraphics Scoreを見てみましょう。テスト解像度は、WQHDのTime Spyと4KのTime Spy Extremeとなります。
Time Spyの場合、Radeon RX 6800はGeForce RTX 3070・GeForce RTX 2080 Tiに対して優位を守りましたが、Radeon RX 6800 XTはわずかながらGeForce RTX 3080に後れを取りました。Fire Strikeよりも処理データが増えるTime Spyの場合、Infinity Cacheのキャッシュ容量が不足している可能性があります。
3D Mark 「Port Royal」
続いて、リアルタイムレイトレーシング性能を計測する3D Mark「Port Royal」にて、レイトレーシング性能を見ていきましょう。Port Royalでは、いくつかあるレイトレーシングアルゴリズムのうち、レイトレーシングリフレクションを使用したものとなります。
ベンチマークスコアであるGraphics Scoreと一緒にフレームレートも計測することが出来ます。なお、解像度は標準設定のWQHDとなります。また、DLSSについては無効となっており、RTコアの性能の比較として見ていきます。
Radeon RX 5700 XTは計測不可のため、レイトレーシングのテストは除外しています。
3D Mark Port Royalによるレイトレーシング性能に関しては、GeForce RTX 30シリーズが底力を発揮しました。GeForce RTX 20シリーズが登場したのは2年前の2018年8月、現在のGeForce RTX 30シリーズのRTコアは第2世代ということもあり、経験において一日の長があるという印象です。とはいえ、Radeon RX 6800 XTではGeForce RTX 2080 Tiを越えるパフォーマンスを見せており、レイトレーシングを使用したゲームは遊べるレベルにあるとみてよいでしょう。
3D Mark 「DirectX Raytracing feature test」
3DMarkを用いたベンチマークの最後は「DirectX Raytracing feature test」を見てみましょう。本テストはすべての画面をレイトレーシングでレンダリングすることで、より負荷の高いグラフィックスカードのレイトレーシング性能を計測できます。本記事では標準設定のサンプルカウント12でテストを行いました。
画面内の影や反射のみレイトレーシング処理を行っている「Port Royal」よりも負荷が高いテストということで、よりGeForce RTX 3080の強さが際立ちました。ドライバの最適化の問題の可能性もありますが、現時点においてレイトレーシングはGeForce RTX 30シリーズに軍配が上がると言えそうです。
Port RoyalでGeForce RTX 2080 Ti未満だったRadeon RX 6800が本テストでは逆転しています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
続いて、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークです。テスト環境設定は高品質・フルスクリーンで、テスト解像度はフルHD、WQHD、4Kになります。なお過去のデータと比較のため、SDR・DLSSは無効としています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークはNVIDIA GAMEWORKS対応のためGeForceに最適化されており、さらにはDirectX 12ベースとなるため、Radeonにとって不利なベンチマークとして知られていますが、Radeon RX 6800シリーズは、そのハンデをものともせず、互角の戦いを演じています。
Radeon RX 6800 XTはWQHD・4K解像度でGeForce RTX 3080に譲りますが、WQHDで「とても快適」、4Kで「快適」という指標はライバルと同じため、ほぼ同等の感覚でプレイできるでしょう。また、3DMark Fire Strikeと同様に、フルHDではRadeon RX 6800がGeForce RTX 3080を上回ったのもポイントです。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
最後に、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークです。テスト環境設定は最高品質・DirectX 11・フルスクリーンとなります。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズについては、ベンチマークテストの詳細で平均fps(フレームレート)も確認できるので、合わせて掲示します。
Radeon RX 5700 XTを除いた各グラフィックスカードが、4K解像度において「非常に快適」な動作の指標となる7000以上のスコアとなりました。本テストにおいてはGeForce RTX 3080が強いですが、 Radeon RX 6800 XTも4Kでほぼ90fpsという十分なフレームレートを発揮しています。
ライバルと真っ向勝負が可能になったRadeon RX 6800XT・6800
Radeon RX 6800シリーズは、AMDが発表した比較対象である、GeForce RTX 3080・GeForce RTX 2080 Ti(GeForce RTX 3070)と同等のスコアを叩き出し、その実力を証明しました。Radeon RX 6800 XTはGeForce RTX 3080と比べた場合、テストの種類や解像度により勝ち負けがありますが、Radeon RX 6800はGeForce RTX 2080Ti(GeForce RTX 3070)に対して優位なテストが多く、一部テストのフルHDではGeForce RTX 3080を上回るパフォーマンスを見せたのは驚きです。
Radeon RX 6800シリーズはメモリバス幅が256bitで帯域幅は512GB/sとなっており、比較対象製品には及びません。それでも高いスコアとなったことで、Infinity Cacheの可能性を示したのではないでしょうか。
さらに、AMDはスマートアクセスメモリを有効にすると比較対象に勝ると発表していましたので、非対応の環境でこの結果は予想以上ではないでしょうか。
レイトレーシング性能に関しては世代差を感じる内容ですが、GeForce RTX 20シリーズのハイエンドモデルであるGeForoce RTX 2080 Tiと互角以上のため、ある程度実用的なラインといった印象です。
また、ビデオメモリ容量が16GBということで、よりビデオメモリを使うゲームをプレイする際の効果も期待できます。
結果として、Radeon RX 6800シリーズは、AMDの発表通りNVIDIA製品と十分に渡り合える製品に仕上がっており、Radeonでも4K解像度でのゲーミングが実用的になったという点において、記念すべき製品となるのではないでしょうか。
CPU | Core i9-10900K (3.7-5.3GHz/10コア・20スレッド/キャッシュ20MB/TDP125W) |
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マザーボード | ASUS Prime Z490-A (Z490チップセット) |
メインメモリ | DDR4-3200 16GB (8GB x2) |
ビデオカード | Radeon RX 6800 XT AMDリファレンスカード (16GB GDDR6) |
Radeon RX 6800 AMDリファレンスカード (16GB GDDR6) | |
MSI製 GeForce RTX 3080 (10GB GDDR6X) | |
MSI製 GeForce RTX 3070 (8GB GDDR6) ※OCモデル(ブースト:1755MHz) | |
GALAX製 GeForce RTX 2080 Ti (11GB GDDR6) | |
玄人志向製 Radeon RX 5700 XT(GDDR6 8GB) | |
ストレージ | WDS250G2X0C (WD Black NVMe 250GB) |
電源 | Seasonic SSR-1000PD (80PLUS Platinum、1000W) |
OS | Windows 10 Home 64bit (バージョン:2004) |
ビデオドライバ | Radeon:レビュアー用テストドライバGeForce:GeForce Game Ready Driver 457.09 |
テクニカルライターから巡り巡ってパソコン工房にやってきました。「読みやすさ」をモットーに、文書作成やチェックを中心に担当していきます。趣味はレトロゲームの攻略動画投稿などです。