どうしたら憧れのクリエイターになれるのか?その秘密を現役で活躍するフォトグラファーの安藤信之さんに直接聞いちゃいます。

クリエイター最終更新日: 20200122

フォトグラファー:アパレル業界を主戦場にカタログのトータルプロデュースまで手がける写真家

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どうしたら憧れのクリエイターになれるのか? その秘密を現役で活躍するクリエイターに直接聞いちゃう『クリエイター仕事道』。今回のゲストは、アパレル業界を主戦場に活躍するフォトグラファーの安藤信之さん。クライアントからの信頼は厚く、写真を撮ることはもちろん、企画・編集までを一手に引き受ける守備範囲の広い「写真家」なのです。

安藤さんが携わった案件

安藤さんが得意とするのは、ファッションアイテムやモデルの撮影。三陽商会が展開するセレクトショップ「LOVELESS」、NEW YORKERなどのブランドを擁する「NY.online」、スニーカーやカジュアルウェアを取り扱う「atmos」などで、安藤さんが撮影した写真を見ることができます。また、ご自身で立ち上げた「eyes creative & models(アイズ・クリエイティブ&モデルス)」では、代表を務めています。

「eyes creative & models」のWebサイト「eyes creative & models」のWebサイト

芸人志望の学生がフォトグラファーに

安藤さんは子どもの頃、どんな仕事に憧れていましたか?

小学生の頃は漫画家か芸人になりたかったですね。とにかく人を楽しませるのが好きだったし、クラスでも中心にいるような小学生でした。漫画は『週刊少年ジャンプ』が好きで『Dr.スランプ アラレちゃん』『キン肉マン』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は毎週欠かさず読んでいたかな。特に鳥山明先生から大きな影響を受けました。小学6年生のときには校内で漫画クラブを設立して、自分でも4コマのギャグ漫画を描いていました。

そこからどんな道に進みましたか?

そのまま地元の中学校に進みました。自分は手先が器用だったので、知り合いのバイクや車にカッティングシートを貼ったり、エアブラシでペイントしてましたよ。結構うまかったんで喜ばれましたね〜。
正直まじめな生徒じゃなかったけど、勉強は苦手ではなかったので、先生から地元の進学校を勧められました。本試験では落ちちゃったけど、欠員が出て補欠入学。そこで出会った美術の先生は、フランスの絵画コンテストで受賞するようなスゴい人で。高3で美大に行くことを決めたときから、色々と教えてもらいました。その先生の指導のおかげで、東京造形大学に入学することができました。

大学に入ってからは、どんな学生時代を送りましたか?

1・2年生の頃はアルバイトばっかりでしたね~。学校にもあんまり行かず、お金を稼いでは、お酒を飲むような生活を送ってました(笑)。でも、なんとかギリギリで3年に進級できて、そこからはがんばりました。
卒業後は芸人になりたかったんですよ。芸能事務所の資料を集めたり、けっこう本気で考えていましたね。だから、美大の卒業制作もお笑いライブ。友人を集めて漫才しましたよ!

そこから、どうしてフォトグラファーになったんですか?

義理の兄が写真好きで、昔からよく写真を撮ってくれました。6歳の自分がバイクにまたがっている写真があって、それは今でも大事にしているんですけど、すごく印象に残っていたんですよね。それで「カメラでもやってみようかなぁ」と、ある撮影プロダクションに入社したんですけど、会社のゆるい雰囲気が合わなくて、3か月で辞めちゃった(笑)。
その後、写真家の重田仲太郎氏に弟子入りしたんです。そこでは5年間修行して、ブローニー(中判カメラ)や4×5(大判カメラ)の扱い方、暗室作業の仕方など、写真の基礎を学びました。師匠は厳しい人でしたけど「いつか見返したい!」という思いで、ひたすらがんばりましたね。とにかく場数を踏んで、制約条件がある中で良い作品を作るための技術を身に付けました。

ファッション通販カタログをトータルプロデュース

安藤さんの代表作を一つあげるとしたらなんですか?

独立後に手がけた、通信販売「セシール」のカタログですね。カタログ用の写真を撮るところから始まって、徐々に全体を監修するトータルプロデューサー的な立場になっていきました。企画段階から会議にも参加して、フォトグラファーの範疇を超えていましたね。もちろん大変なこともありましたが、やりがいのある仕事でした。

安藤さんのターニングポイントとなった出来事を教えてください。

当時メインのクライアントだった会社の親会社が変わったり、リーマンショックがあったりで、売上が一気に三分の一くらいに減っちゃったんですよ。当時お世話になっていた税理士さんにも「普通この状態になったら会社たたむよ」なんて言われちゃって。それでも、社員たちを食べさせていく責任もあるので、粛々と目の前の仕事をこなしながら、なんとか黒字に回復させました。

その経験から、何を得ることができましたか?

いっぱいある! なかでも一番学んだことはビジネスのやり方、そして人との付き合い方。仕事がなくなったときに離れていった人もいたけど、ずっと付き合ってくれた人もいた。そういう人とは今でも一緒に仕事を続けられているし、信頼できますよね。

安藤さんが仕事でこだわっているポイントは何ですか?

問題提起して、それを解決することかな。例えば、外国人のモデルを使って素敵なカタログ写真を撮ると、リアルとのギャップが激しくなっちゃうでしょ? そうすると、お客さんは次から商品を買ってくれなくなるんですよ。クライアントはつい素敵な写真を求めがちだけど、本当に必要なのはそうではない、と説明できることが大事。写真を撮れる人は多いけど、写真の意味まで説明できる人は少ないよね。クライアントに説明するのもフォトグラファーの仕事だと思うし、それができてこそプロフェッショナルなんじゃないかな?

勉強になります! 安藤さんが仕事をしているときに一番感動する瞬間はいつですか?

やっぱり人物を撮っている瞬間。モデルとの駆け引きがあったり、独特のライブ感があるんですよ。フォトグラファーとモデルの息がぴったり合った瞬間、スタッフたちからどよめきが起こったり、外国人のモデルに「Good!」なんて言われると興奮するよね!

パソコンはカメラと同じくらい重要なもの!

作品を制作する際に使用しているアイテムを教えてください。

パソコンは撮影現場に持っていけるノートを使っています。デジタルカメラはスペックが上がり続けていて、中には1億画素を超えるものもあって。高解像度の画像を扱うには、パソコンのCPUやメモリも高スペックじゃないと厳しい。それに、1日のロケで250GBくらい撮影することもあるし、それが3日続くなんてことも。そうすると、ストレージも大容量のものが必要だし、それもHDDよりはSSDの方が望ましいですね。
ソフトウェアはAdobeのPhotoshopとLightroomでほぼ完結しています。

安藤さんにとって「パソコン」とはどんな存在ですか?

カメラと同じくらい大切なツール。フィルムにこだわるフォトグラファーもいるけど、デジタルカメラを扱えない人は仕事の幅がとても狭くなると思う。プロユースのデジタルカメラと高スペックなパソコン、そしてソフトウェアを使いこなせるようになれば、だいたいの仕事はできるようになるはず!

クリエイティブは人生を豊かにするエッセンス

安藤さんにとって「クリエイティブ仕事道」とは何ですか?

クリエイティブは、ほんの些細なことかもしれないけど、人生を豊かにしてくれるエッセンス。例えば掃除だって、部屋全体をきれいにすることが大事だけど、一角を好きなものでデコレーションするだけで、心が豊かになるでしょ? クリエイティブな仕事もそれと一緒で、まず大事なのは部屋をきれいにすること、つまり当たり前を当たり前にやること。それがあってこそ、人の心を豊かにするようなクリエイティブができるんじゃないかと思います。

クリエイターを目指す若者たちにメッセージをお願いします!

作品のクオリティにこだわることも大切だけど、時には捨てる覚悟も必要。うーん、進むことも覚悟が必要だし、道から外れることも覚悟が必要。つまり、何をするにも覚悟は必要だから、それを心に刻んでほしいですね。

安藤さん、ありがとうございました!

クリエイター×ビジネスパーソン=最強

漫画家か芸人を目指していた少年が、今はカタログのトータルプロデュースまで手がけるフォトグラファーに! 人生の転機はいつ訪れるか予測不能ですが、安藤さんは常に「人を喜ばせることが好き」という哲学を持ち続けているように見えます。また、ビジネスパーソンとしての視点が備わっていることで、クライアントからの信頼も厚く、お仕事の幅を広げています。私たちも気付かないうちに安藤作品に触れているのかも!?

クリエイタープロフィール

安藤信之さん
フォトグラファー
東京造形大学卒業後、写真家・重田仲太郎氏に師事。日本広告写真家協会(APA)会員。ファッション・ポートレートをメインに多くの俳優、アーティスト、モデルの撮影実績がある。また、商品撮影でも定評があり、多くの広告撮撮影等を手がける。
https://www.eyes-candm.com/

パソコン工房 NEXMAG[ネクスマグ]編集部アイコン画像
ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

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