Windowsパソコンで気軽にプログラミングできるVBScript(ブイ・ビー・スクリプト)でプログラムを作り、“プログラマー脳(プログラマーならではの思考法)”に触れてみましょう。

「VBScriptで作る、超簡単3分プログラミング」イメージ画像
「VBScriptで作る、超簡単3分プログラミング」イメージ画像
チャレンジ&ナレッジ最終更新日: 20180316

VBScript入門!簡単プログラム

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

世の中には、さまざまなプログラミング言語がありますが、Windowsパソコンで気軽にプログラミングするなら、VBScript(ブイ・ビー・スクリプト)がお勧めです。Windows標準搭載のメモ帳1つだけでプログラムを作成・実行できるので、試しにプログラムを作ってみて“プログラマー脳(プログラマーならではの思考法)”に触れてみましょう。

プログラムとは何か?どうしたらマスターできる?

プログラム(program)という言葉の語源は、ラテン語であり、「あらかじめ(pro)」「書かれたもの(gram)」という意味です。コンピュータのプログラムは、これからコンピュータに行わせることを、あらかじめ書いておいた文書です。

コンピュータにできることは、入力、記憶、演算(データの加工)、出力しかありません。したがって、プログラムに記述することは、大きく分けて「入力せよ」「記憶せよ」「演算せよ」「出力せよ」しかありません。これらを、プログラミング言語で決められている言語構文で記述するのです。

プログミングをマスターするにあたって大事なやり方があります。まず、プログラミング言語の教材に示されたサンプル通りにプログラムを作って、動作を確認します。教材に「こうすれば、こうなる」と説明されていることを、自分の手で打ち込んで、自分の目で確認するのです。丸暗記ではなくて、体で覚えるのです。

次に、サンプルを自分のアイディアで改造します。演算を増やしたり、画面に表示するメッセージを変えたり、どんな些細なことでも構わないので、必ず改造してみるのです。こうすることで、「こうしたい」という自分の考えをプログラムで表現する良い練習になります。

VBScriptなら環境構築も必要なく簡単にプログラムを作ることができます。実際にVBScriptでプログラムを作ってみましょう。

VBScriptで肥満度チェックプログラムを3分で作る

それでは、サンプルを示しますので、その通りにプログラムを作ってみてください。Windows PCに標準で入っている「メモ帳」を起動して、以下に示したプログラムを記述し、bmi.vbsというファイル名でデスクトップなどに保存してください。“bmi”の部分は何でも構いませんが、VBScriptで記述したプログラムには、.vbsという拡張子を付ける約束になっています。

このプログラムは、身長と体重を入力し、BMI(Body Mass Index:体格指数)を求めるプログラムです。BMIは、kg単位の体重をm単位の身長で2回割ることで求められます。BMI=22が標準であり、BMI≧26なら肥満とされます。このプログラムを皆さんの健康管理に役立ててください。

VBScriptでプログラム:身長と体重からBMIを求めるプログラム身長と体重からBMIを求めるプログラム

下記に入力内容をテキストで記載します。


H = InputBox("身長(m)を入力してください。")
W = InputBox("体重(Kg)を入力してください。")
BMI = W/H/H
MsgBox BMI

ファイル名はbmi.vbsで保存してください。

プログラムの内容はすぐ後で説明しますので、とりあえず英語と数式だと思って打ち込んでください。このとき音読してみてください。これもプログラミングをマスターするときに重要なことです。プログラミング言語は、人間の考えを表す言語です。言語は、人間が音読できるものです。読み方に決まりはないので自己流で構いません。

VBScriptは半角英数記号で打ち込みます。 ” ” で囲まれた文字列データだけは、全角文字にできます。単語の区切りには、スペースが入ります。こうしてWindowsのデスクトップに保存されたbmi.vbsをダブルクリックすれば、すぐにプログラムを実行でき、以下のような画面が現れます。Windowsには、VBScriptで記述されたプログラムの内容を解釈・実行する機能が装備されているからです。

身長入力ウィンドウ

最初に表示されるウインドウに適当に身長(m)を入力して[OK]ボタンをクリックします。

体重入力ウィンドウ

次に表示されるウインドウに体重(kg)を入力して[OK]ボタンをクリックします。

VBScriptでプログラム:BMI表示ウィンドウ

最後のウインドウにBMIの値が表示されました!いかがでしょうか。これで立派なプログラムができました。

VBScriptの言語構文を知る

VBScriptの言語構文の主な構成要素には、「変数」、「演算子」、「関数」、「ステートメント」があります。変数は、データを一時的に入れておく、名前のついた入れ物だと思ってください。先ほどのプログラムでいうと、身長を入れる「H」、体重を入れる「W」、BMIの値を入れる「BMI」が該当します。変数には、= という 演算子を使ってデータを格納します。これによって、データが記憶されます。

演算子は、データの格納や四則演算などを示す記号です。加算は + 、減算は – 、乗算は * 、除算は / で表します。つまり、先ほどのプログラム内の、BMI = W / H / Hの部分は、「W÷W÷H」の計算結果を「BMI」という名前の箱に格納するという意味になります。

関数は、y = f(x) という数学の関数の表現で使われる命令です。関数は、xで入れた値を処理し、その結果がyとして返ってくると考えればわかりやすいかと思います。先ほどのプログラムでは、InputBox( ) 部分がこれに該当します。このInputBox関数は、キーボード入力用のウインドウを開き、その中にメッセージを表示し、キー入力されたデータが返ってくるというものです。上記のプログラムでは、こうして返ってきたデータが変数の「H」や「W」という入れ物に格納されています。

最後に、ステートメントは、help meという英語の命令文のように「動詞+目的語」という表現で使われる命令です。先ほどのプログラムでは、MsgBoxというステートメントが使われていました。このステートメントは、ウインドウを開いて、その中に目的語の値を出力するものです。

以下は、bmi.vbsの内容を色分けして示したものです。変数は赤色演算子は青色関数は緑色ステートメントは橙色にしてあります。

VBScriptでプログラム:プログラムの言語構文の構成要素を色分けした例プログラムの言語構文の構成要素を色分けした例

VBScriptで作ったプログラムを改良してみる

サンプル通りにプログラムを作って「こうすれば、こうなる」がわかったら、プログラムを改造してみましょう。何か「こうしたい」と思うことがありませんか。例えば、現状のプログラムでは、身長をm単位で入力していますが、cm単位に改造した方が便利でしょう(改造1)。現状のプログラムでは、BMIの値が小数点以下10桁以上も表示されていますが、1桁で十分でしょう(改造2)。

改造1は、ここまでに得た知識だけで実現できます。改造2は、インターネットで「VBScript 小数点以下」を検索すれば、あらかじめ用意されている関数で実現できることがわかります。以下に改造例を示しますが、まずは、この例を見ずに、プログラムの改造に挑戦してください。

VBScriptでプログラム:身長をcm単位で入力するように改造した例(改造1)身長をcm単位で入力するように改造した例(改造1)

改造1では、最初のInputBoxにて、cm単位で身長を入力させますが、3行目にて、格納したHの値を100で割り(=メートルに変換する)、それを再度Hに格納にしたコードを追加したものです。

VBScriptでプログラム:BMIの表示を小数点以下1桁に改造した例(改造2)BMIの表示を小数点以下1桁に改造した例(改造2)

改造2では、「Round関数」というものを使用して、BMIの数値結果の小数点を丸めたものです。この関数は、Round(◯,△)と記述し、◯には丸めを行いたい値を記入し、△には丸めを行う小数点の桁数を記入します。上記の例では、△に1という数値をしていているので、◯の値が、小数点第1位まで丸められています。

いかがでしょうか。VBScriptだけでなくプログラミング言語には、非常にさまざまな関数やステートメントが用意されており、データを自由自在に処理できます。気になる方は調べながらぜひいろいろ試してみてはいかがでしょうか。

ライタープロフィール パソコン工房NEXMAG
[ネクスマグ] 編集部

パソコンでできるこんなことやあんなこと、便利な使い方など、様々なパソコン活用方法が「わかる!」「みつかる!」記事を書いています。

記事を
シェア