メモリには、定格クロックで動作する製品のほか、オーバークロック(OC)対応の製品が販売されています。
本記事では、定格メモリやオーバークロックメモリの特徴、確認方法などを紹介しますので、これからメモリを購入予定の方や、余ったメモリがあるが種類が分からないので確認したい、という方はぜひご参考ください。
※対応規格が揃っているメモリ・マザーボードであっても、記載スペック通りの動作にならない場合がございます。メーカー動作確認済リストが公開されている場合はそちらも参考にご検討ください。
定格メモリ、オーバークロックメモリの違いとは
定格メモリとは、業界標準やメーカーが保証するクロックや電圧で動作する製品です。定格メモリは標準設定のため、メモリチップにかかる負荷がオーバークロックメモリより低く、安定性や耐久性に優れ、相性問題が発生しにくいとされています。
オーバークロックメモリは、メモリ内にオーバークロック設定のプロファイルが内蔵されており、設定を呼び出すことで高クロック動作する製品です。
定格メモリより高クロック・高電圧設定のため負荷がかかりますが、メーカーが検証した範囲内での設定のため、手動でクロックや電圧を少しずつ変えていくオーバークロックよりも安全に高性能化が可能です。
定格メモリ、オーバークロックメモリの表記
現在発売されている主なメモリ(DDR4やDDR5)には、定格動作、インテル用オーバークロック対応、AMD用オーバークロック対応、の製品があります。
それぞれ名称がありますので紹介いたします。
定格メモリ(SPD・JEDEC)
定格メモリとは、先述の通り標準的なクロックや電圧で動作するメモリで、SPDメモリやJEDEC準拠メモリと呼ばれます。
SPD(Serial Presence Detect)とは、メモリに登録されているメーカー名や容量、動作クロックの基本情報(プロファイル)が埋め込まれているチップの事を指します。オーバークロックメモリもその情報がSPD内にあるのですが、「基本情報」があることから、基本的な定格動作をする定格メモリをSPDメモリと呼ぶことがあります。
JEDECとは、メモリ等の半導体規格を制定するアメリカの業界団体です。JEDEC準拠は基本的に定格メモリに適用されます。
Intel XMP
Intel XMP(eXtreme Memory Profile)は、Intelが提唱したプラットフォーム向けのメモリ拡張規格です。XMP設定がSPDに内蔵されているメモリは、設定を呼び出すことで、定格より高クロック動作が可能になります。
例えばメモリの型番などに5600と書かれているXMP対応メモリの場合、標準動作は定格の4800ですが、設定を呼び出すことで5600動作になります。
※XMPには1.0・2.0・3.0のバージョンがあり、1.0はDDR3、2.0はDDR4、3.0はDDR5となります。
AMD EXPO
AMD EXPO(Extended Profiles for Overclocking)は、AMDがソケットAM5(DDR5)用に策定したオーバークロックプロファイルです。XMP同様に、設定を呼び出すことで高クロック動作が可能になります。
※DDR4にEXPO対応製品はありません。代わりにXMPが利用可能なAM4マザーボードは複数販売されています。
定格メモリ、オーバークロックメモリの確認方法
以前使っていたメモリを新PCに流用したい、バルク品のメモリを購入したため定格かオーバークロック製品か不明なため知りたい、という人に、メモリの確認方法を解説いたします。
製品のシールやパッケージ、メーカーサイトを確認
メモリのパッケージには主な仕様が記載されていることが多いため、パッケージがある人は確認してください。
JEDEC準拠と書かれており、かつオーバークロックのマークが無い製品はほぼ定格メモリとなります。
パッケージが無い、パッケージに記載が無いという場合は、メーカー名や型番から検索し、販売ページをご確認ください。
該当製品は販売ショップや製造メーカーのスペックに記載があります。
一部メーカーはスペック一覧に記載が無く、製品紹介画像にのみ記載されていることが有りますのでご注意ください。
CPU-Zで確認する
CPU-Zとは、CPUやメモリ、マザーボードなどの詳細情報を表示するフリーソフトです。起動後に「SPD」タブをクリックすると、Timings TableにJEDECやXMP・EXPOといった情報が表示されます。ここがJEDECのみの場合は定格メモリとなります。
なお、JEDECで複数の速度(Frequency)が表示される場合は、CPUやマザーボードの制限で低速動作する場合の設定と見て良いでしょう。
例:DDR4-3200メモリは実クロック1600MHzのため、Frequency1600MHz設定で動作しますが、CPU側がDDR4-2400・2666までしか対応しない場合は、Frequency1200MHzや1333MHzの設定で動作します。
※フリーソフトをご使用の場合、自己責任でのご利用をお願いいたします。
EXPO対応メモリをCPU-Zで確認しました。JEDECとEXPO-5600の設定があります。
BIOS(UEFI)で確認
マザーボードがXMP・EXPOに対応していると、メモリによって表示が異なります。
SPDメモリとEXPOメモリを対応マザーボードで確認しました。
※使用マザーボード:MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI
DDR5-4800のSPDメモリを取り付けた場合、動作クロックは4800、EXPO Profile部分は無反応です。
DDR5-5600 EXPOメモリに交換しました。
設定前のため動作はまだ4800ですが、EXPO対応のため、EXPO Profile 1が反応しています。
※複数の設定があるメモリは、2なども反応します。
オーバークロックメモリの使用方法
メモリとマザーボードがオーバークロック対応の場合は、BIOS(UEFI)で設定を呼び出すことで適用可能です。
先ほどのEXPO対応メモリを試しましたが、OC設定内の「EXPO」をEnabledにして再起動するだけです。
※マザーボードによりOC設定の名前や項目の場所は異なりますので、説明書をご確認ください。
再起動後、適用したEXPO Profile 1が赤くなり、メモリクロックが5600に上がりました。
メモリ高騰の今こそ、パソコンに最適なメモリを選ぼう
以上、定格やオーバークロックメモリの種類や確認方法などを紹介いたしました。
現在メモリが高騰しているほか、オーバークロックメモリは定格メモリより高価になります。
ネット閲覧や文章作成、メール用のパソコンなら高価なオーバークロックメモリにする必要はなく、逆にハイエンドゲーミングPCを作りたい場合は、フレームレートの向上などが見込めるオーバークロックメモリが有効です。
メモリご購入時は、価格と用途を考え、適切なメモリをお選びください。
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テクニカルライターから巡り巡ってパソコン工房にやってきました。リユース部署所属。個人的にCopilot+や生成AIを勉強中。