NPUとは Neural network Processing Unit の略で、AI処理を専門に行うプロセッサーです。 従来のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)とは違い、NPUはニューラルネットワーク(人間の脳の働きを模範して、データからパターンを学習するモデル)を用いて整数型の計算を効率的に実行し、 結果や結論を導き出す「推論」に特化しています。本記事では、NPUの概要についてご紹介します。
※この記事は2024年7月26日に作成したものです。
NPUとは?
最近のプロセッサーには、AI処理に特化した「NPU(エヌピーユー:Neural network Processing Unit:ニューラルプロセッシングユニット)」が搭載されることが増えています。このNPUは、その名前のとおり、ニューラルネットワーク、つまり、人間の脳の働きを模範して、データからパターンを学習するモデルを処理するための専用の処理装置となります。
パソコンにも搭載される、CPUや、GPUでも同様の処理を行うことができますが、様々な命令パターンの処理に対応するための汎用的な構造を取ることから、「電力あたりの処理効率」は専用の処理装置であるNPUの方が優れています。
NPUの「電力あたりの処理効率」の良さから、パソコンだけでなく、スマートフォンなど身の回りの端末にも搭載され、今後も増えていくであろう、AIに対応したアプリケーションのローカル実行の流行に対して、ますますその存在価値が高まっていくものとして注目されています。
NPUの特徴
ここではNPUの主な特徴について紹介いたします。
AI処理の高速化
NPUは、AI処理を高速化するために設計されており、AI処理のスピードと効率を飛躍的に向上させることができます。
具体的な例として、リアルタイムでの画像認識、音声解析、自然言語処理などに効果を発揮する事が期待されています。
CPU負荷の軽減
負荷が大きいAI処理をNPUが担うため、CPUの負荷が低減されることによりCPU処理のアプリケーションなどの遅延を抑えられます。
低消費電力
NPUは、8ビット整数のINT8での演算などのAIの推論処理に特化した設計になっているため、CPUやGPUが処理するよりも消費電力を抑えることができます。これにより、スマートフォンなどのバッテリー駆動のデバイスにおいても、長時間の使用が可能となります。
オンデバイス環境
NPUが手元のデバイスに搭載されることにより、AI処理のためにインターネット経由でクラウドやサーバーにデータを送る必要が無くなるため、リアルタイム性が求められるような処理(例えば、オンライン会議などのカメラ映像のリアルタイムな背景合成や、目線補正など)が可能になります。また、プライバシーデータや、機密情報を含むようなデータを扱う場合(例えば、プライバシーや機密情報を含む写真や映像、音声をAIで加工、合成、文字起こしするなど)にもデータを外部に出すことなくデバイス内で処理を行うことが出来ようになり、セキュリティやプライバシー保護の向上を見込むことができます。
NPUでAI処理の効率化
NPUは、各社の大規模言語モデルやAI技術への対応が進んでおり、今後さらに需要が高まっていくことが予想されます。現時点においてNPUを活用するAIアプリケーションは多くありませんが、将来的にはAIサービスが充実すると期待されています。AIアプリケーションを利用したい方は、NPUを搭載したデバイスを使用すると、より効率良く実行できるためおすすめです。
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